CX-8(マツダ)とハリアー(トヨタ)を徹底比較。燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能など9つの項目で調査。リセールバリューや燃料コストではほぼ互角だが、総合的にはCX-8に軍配が上がる。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1.特徴
- 2.燃費性能で比較
- 3.価格設定で比較
- 4.デザインで比較
- 5.室内空間で比較
- 6.安全装備で比較
- 7.走行性能で比較
- 8.リセールバリューで比較
- 9.値引き術
- 総合評価は
- 番外編
CX-8(マツダ)とハリアー(トヨタ)はキャラクターは若干異なるが、高級ランジェリーSUVとしての価値をもつモデルだ。
どちらも人気グレードは400万円を超える高級車でもある。
1.特徴
CX-8の特徴
マツダCX-8はランジェリー志向の高級SUVとして、2017年12月に発売が開始された。
北米で販売されている大型ミニバンであるCX-9をベースとしながら、ボディサイズをやや縮小し日本マーケットにあったサイズに変更したものだ。

マツダCX-8は、国産SUVとしては数少ない6人、もしくは7人乗りとなっている。
7人乗りのSUVは、三菱アウトランダーや日産エクストレイルがあるが、どちらも全長が短く実用性にややかける面がある。
その点、CX-8の全長は4,900mmとひと回り以上大きく多人数で乗車した際の実用性は他のモデルより優れている。
パワーユニットは、自然吸気2.5Lガソリンと2.5Lターボ、2.2Lディーゼルターボの3機種をラインナップ。
2.5L自然吸気エンジンはFF(前輪駆動)のみの設定。
2.5Lターボは4WDのみの設定。
ディーゼルターボは、FFもしくは4WDの選択が可能だ。
2.5L自然吸気エンジン以外のモデルは、かなりパワフルなので、高速道路などで余裕あるクルージングが楽しめる。
ハリアーの特徴
現行型である3代目トヨタ ハリアーは、2013年12月に発売が開始された。
従来モデルで高く評価されてきた高級SUVという立ち位置を継承している。
また、3代目ハリアーは同じトヨタの高級SUVモデルとして存在していたレクサスRXと完全に分離され、より日本マーケットのニーズに合ったモデルとして開発されたほぼ日本専用車だ。
2.燃費性能で比較
CX-8とハリアーのエンジンは、排気量も仕組みも異なるので単純比較が難しい。
ハリアーハイブリッドの燃費は、21.4km/L(JC08モード)。
対してCX-のディーゼルターボは15.4km/L(WLTCモード)となっており、燃費性能に大きな開きがあるように見える。
しかし、CX-8のWLTCモードの方が、より実燃費に近い数値になるのでJC08モードより燃費値が悪くなる傾向にある。
またレギュラーガソリン仕様のハイブリッドに対し、ディーゼルターボは燃料に軽油を使う。
軽油はレギュラーガソリンより20円/L前後も安いので、燃料費で考えるとハリアーハイブリッドとCX-8ディーゼルターボはほぼ互角といえるだろう。
その他エンジンの燃費性能
ハリアー2.0Lターボ(4WD)の燃費は12.8km/L(JC08モード)、CX-8 2.5Lターボ(4WD)の燃費は11.6km/L(WLTCモード)となる。
排気量が500cc分大きく、パワーもトルクも大幅アップしている分だけ燃費値が悪くなっているといったところだ。
ハリアー2.0L自然吸気エンジンの燃費は16.0km/L(JC08モード)、CX-8 2.5L自然吸気エンジンの燃費は12.4km/L(WLTCモード)になっている。
ハリアーはハイブリッド車、CX-8はディーゼルターボの燃費が完全に秀でており、その他のガソリンエンジンに関しては平均的といえる。
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ハリアー【 4 】
CX-8 【 4 】
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3.価格設定で比較
CX-8のコスパは優秀、ハリアーは強気の価格設定か
エントリーグレードである自然吸気2.0Lのハリアー エレガンスは、2,949,480円からとなっている。
対して、2.5L自然吸気エンジンを搭載するCX-8 25Sの価格は2,894,400円だ。
排気量が多く、3列目シートをもつCX-8の方が安価な価格設定となった。
しかも、安全装備もCX-8の方が充実している。
上級グレードで比較すると、ハリアー最上級グレードであるハイブリッド プログレス メタル アンド レザーパッケージの価格は4,953,960円となるのに対し、ディーゼルターボのCX-8 XD Lパッケージは4,460,400円だ。
若干の装備差をどう捉えるかもあるが、CX-8の方がボディサイズが大きく、質感も高いため、全体的なコストパフォーマンスに優れている。
ハリアーはブランド力とハイブリッドという人気アイテムを武器にしており、やや高めの価格設定だ。
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ハリアー 【 2 】
CX-8 【 4 】
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4.デザインで比較
CX-5と区別がつきにくいCX-8、古く見えてきたハリアー
3代目ハリアーのデザインは、歴代ハリアーのデザインと同様に水平基調プロポーションを継承している。
さらに、フロントバンパーのコーナー部を、大胆に後方に引いた造形で、立体感ありフォルムを作りだしている。
デビュー当時は、なかなか斬新だったが、2013年末にデビューしたモデルということもあり、最近ではやや古さを感じさせるようになってきている。
人気のあるデザインではあるが、今後のトレンドという部分で比べるとハリアーの方が少々不利になる。
対して、CX-8はマツダの「魂動デザイン」が採用されていて、存在感と上品感が同居している。
残念なのは、1クラス下のSUVであるCX-5とそっくりで代わり映えがしないこと。
ただ、CX-5より長く伸びたホイールベースにより、優雅さが増してスタイリッシュになっている。
落ち着いた高級ラグジュアリーSUVらしさを感じさせるデザインであり、今後もしばらくは流行のデザインだろう。
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ハリアー 【 2.5 】
CX-8 【 4 】
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5.室内空間で比較
ホイールベースが長い分、余裕あるCX-8の室内空間、ハリアーも悪くない
ボディサイズの違いから、ハリアーのホイールベースは、2,660mmなのに対してCX-8は2,930mmもある。
これだけ大きな差があると、室内空間は圧倒的にCX-8の方が広い。
とくに、CX-8の3列目シートを収納し、2列目シートを最後端にスライドさせれば、広大なスペースが出現する。
足を投げ出したリラックスできる姿勢も可能となる。
もちろん、ハリアーも同等のボディサイズをもつクルマと比較すれば、十分に広い室内となっている。
使い勝手面では、ハリアーのナビの操作性が物足りない。9.2型のナビで一定の見やすさはあるものの、タッチパネルでの操作になる。揺れる車内で確実に操作するのは非常に難しい。ついつい、指先を注視してしまうため前方監視がおろそかになるリスクも大きい。
対してCX-8は、ダイヤル式のコマンダーコントロールになる。走行中でも確実に操作がしやすい。
ただ、画面が7インチと今時かなり小さく、中高年ドライバーには少々視認性が悪く感じる。
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ハリアー 【 3 】
CX-8 【 3.5 】
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6.安全装備で比較
すべてのグレードに一定水準の安全装備を標準装備化したCX-8
予防安全装備の標準化が非常に遅れていたトヨタだが、ハリアーにもようやく歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「トヨタセーフティセンス」が標準装備化された。
ただ、夜間の歩行者と昼間の自転車は検知できない旧式になる。
しかも、アクセルとブレーキの踏み間違えをアシストするインテリジェントクリアランスソナーは一部グレードを除き、オプション設定だ。
車両価格が300万円を超える高額車であるにもかかわらず、約2.8万円のオプションが標準装備でないのは少し残念だ。
CX-8は、そんなハリアーに対して、すべてのグレードに一定水準以上の安全装備を標準装備化している。
自転車は検知しないものの、夜間の歩行者検知が可能であり、誤発信抑制制御や、後側方車両接近警報など、ハリアーには用意されていない予防安全装備も標準装備化されている。
上級グレードの顧客だけでなく、CX-8を購入した顧客すべてに同じ安全性能を与えている点は高く評価できる。
こうした設定をする自動車メーカーは数少なく、マツダの安全に対する姿勢が感じられる。
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ハリアー 【 2.5 】
CX-8 【 4.5 】
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7.走行性能で比較
値段と比較すると物足りない感じのハリアー
ハリアーは、2013年の登場時点では高級SUVにふさわしい乗り心地と静粛性であった。
走行性能面でも、前後にパフォーマンスダンパーを装着し350Nmという大トルクを発揮するターボ車はなかなかキビキビとした走りを披露した。
ところが、現在では多くの新型SUVが登場したこともあり、性能が価格に見合っているとは言いにくくなってきた。
特に、自然吸気2.0Lガソリン車などは、その傾向が強い。
また、2.5Lハイブリッドも最新のRAV4よりも古く、出力や燃費面で劣っている。
もちろん一定程度レベル以上の走行性能を有しているのは事実だが、ハリアーの価格と高級SUVという立ち位置を考えれば、やや物足りないと言える。
快適なロングツーリングを得意とするCX-8

CX-8の走行性能は最新SUVということもあり、かなり高いレベルにある。
ディーゼルエンジンでは、不快なエンジン音が気になる人も多いようだが、CX-8の静粛性は極めて高い。
そして、ディーゼルエンジンモデルでは450Nmという大トルクが、1.8トン超のボディを楽々と加速させる。
この力強さはハリアーと比較しても、非常にパワフルだ。
ガソリンエンジンの2.5Lターボモデルも最大トルク420Nmを誇りこちらも、同様の力強さを味わえる。
また、CX-5より大幅に伸びたホイールベースにより、直進安定性も良くなっている。
大トルクを誇るディーゼルターボや2.5Lターボなら、非常に安定走行しながら高速走行が可能だ。
結果的に疲労も少ない、ロングツーリング向きのSUVとなっている。
ただし、上記エンジンを搭載したグレードに比べ、2.5L自然吸気エンジンの252Nmというトルクは、CX-8の車重に対してやや非力感がある。
市街地走行ではそれほど気にならないが、高速道路や4人乗車以上になれば、その差は歴然だ。
ロングツーリングや多人数乗車で使用する予定があれば、ディーゼルターボか2.5Lターボを選択することをおススメする。
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ハリアー 【 2.5 】
CX-8 【 4.5 】
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8.リセールバリューで比較
両車ともに高値維持。ハイブリッド、ディーゼルはさらに高値傾向
車を購入する際には、リセールバリューも気にしたい。
つまり、買った車を売却する際にどれくらいの価値があるかだ。
現在は、新車・中古車ともにSUV人気がかなり高く、どの車種でもSUVのリセールバリューは高値維持といった印象だ。
その中でも、やはりハリアーは頭ひとつ抜け出しており、高値を維持している。
グレードでいえば、上級グレードになるプレミアム、プレミアムアドバンスパッケージ、プログレスなどが、より高値を維持しやすい。
もちろん、ガソリン車よりハイブリッド車の方がリセールバリューはより高くなる傾向だ。
年式が古くなっても、それほど価格が下がらないので、乗り換え時のコストパフォーマンスに優れるモデルといえる。
気を付けたいのが、すでにモデル末期に入っているので、4代目となる新型ハリアーの登場が噂され始めた時が売却時期になる。
新型ハリアーが出れば、当然大きくリセールバリューが下がるからだ。
対するCX-8も、まだ登場したばかりの新型車ということもあり、リセールバリューは高値を維持している。
また、CX-8のような大型SUVで3列シートをもつ国産車は数少なく、一定のニーズがあるためリセールバリューの極端な低下も考えにくい。
よほどのことがない限り、高値維持が期待できるモデルといえる。
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ハリアー 【 4.5 】
CX-8 【 4 】
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9.値引き術
どちらも値引き額拡大中!モデル末期のハリアーはねらい目!
ハリアーとCX-8は、徐々に値引き額が拡大中だ。
とくに、ハリアーは2013年デビューとすでにモデル末期になる。
しっかりと競合させれば、人気モデルながら大きな値引きが期待できる。
競合させる車種は、CX-8だけでなく、輸入車も含めるのがコツだ。
少しボディサイズは小さくなるが、同じ価格帯になるBMW X1やメルセデス・ベンツGLAなどと競合させるといいだろう。
CX-8の場合は、多人数車ということで、ミニバンであるアルファード、ヴェルファイア、オデッセイなどと競合させるのがよい。
あくまで、SUVにはこだわらないという姿勢で商談に望むことが重要だ。
どちらのモデルも注意したいのが10月からの消費税増税。
クルマの場合、9月中に契約しても登録が10月になれば消費税は10%になるため、なるべく早めに契約したい。
また、事前に契約書へ”登録が10月に移行になる場合、増税分2%分は値引き対応する”との約束を入れておくのがよい。
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ハリアー 【 4 】
CX-8 【 3 】
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総合評価は
総合力ではCX-8が上回る
繰り返しになるが、ハリアーは2013年末に登場し、すでにモデル末期だ。
走行性能や静粛性、乗り心地、安全装備などを比べてしまうと、やはり最新型のCX-8が上回る。
燃費面では、ハリアーハイブリッドが上回るものの、燃料コストで考えるとCX-8のディーゼルターボとほぼ同レベルとなる。
もちろんハリアーも、デザインが好き、CX-8のボディサイズは大きすぎるなどであれば、買って損をする車では決してない。
上記のような特別な思い入れがなければ、総合力のあるCX-8を選ぶのがベターだろう。
総合点-------------------------
ハリアー 【 25点 】
CX-8 【 31.5点 】
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番外編
今のクルマを高く売る方法
CX-8やハリアーに買い替えようと考えている方は、現在の車両を下取りにだすか、買取店に持っていくか迷うのではないだろうか。
だが基本的に、ディーラー下取りに比べて、買取店での売却の方がより高値になることは知っておくべきだ。
特に人気のSUVほど、買取店での売却がより高値になる。
買取店の多くは、お客様から買い取った車両を自社の店舗もしくはオークション会場で売却をすることで利益をあげる。
人気のSUVは高く売却ができるので、こういった買取店からすれば喉から手が出るくらいほしい車種であり、お客様に逃げられないために高値で買い取りをする
一方、ディーラーの下取りは、こうしたマーケットニーズに対応するのが遅い。
しかも自社の中古車店で再販できる車種やクルマの程度など、独自に厳しい基準を設定している。
自社以外のメーカー車であれば、店舗で売ることもできないため、下取り車を業者へ販売するかオークションに出品するしかない。
一番利益のでる自社店舗での販売ができないため、当然下取り価格は低めに設定せざるをえない。
ではより高値で買い取ってくれる買取店で売却をする場合、タイミングも大事にしたい。
まずは、増税前の売却がおすすめだ。
増税後は、買取店も増税分が買取価格に反映されるため、買取価格が若干下がる。
少しでも高く売りたいのであれば、増税前がよい。
新たにクルマを購入する場合はなおさらだ。
時期で考えると1~2月末までがおすすめだ。
自動車販売業界の繁忙期は2~3月となっているため、中古車業界では1月に仕入れを始める。
そして、各社こぞって仕入れをするため、オークション相場が急上昇するのだ。
相場が上がれば、買取店もより高値で買い取っても損をしないので、通常の時期よりも高値で売却することが可能だ。
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CX-8のカタログ情報
- 平成29年12月(2017年12月)〜令和6年1月(2024年1月)
- 新車時価格
- 289.4万円〜511.0万円
CX-8の在庫が現在59件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。