この記事の目次 CONTENTS
日産を支える人気ミニバン「セレナ」がマイナーチェンジ
売れるミニバンデザインのトレンドを取り入れたフロントフェイス
「全方位運転支援システム」標準装備化したが、物足りない部分も
より個性的で上質な「AUTECH」も登場
日産セレナの選び方
日産セレナ価格
日産セレナe-POWER燃費、ボディサイズなどスペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

日産を支える人気ミニバン「セレナ」がマイナーチェンジ

日産は、人気ミニバンであるセレナをマイナーチェンジし発売を開始した。
日産セレナは、5ナンバーミニバンと呼ばれるクラスに属し現在5代目となっている。
C27型セレナと呼ばれているのが、この5代目である。

セレナ 外観

この5代目セレナは、国内の日産販売を支える重要な車種だ。
2018年度の登録車販売台数ランキングでは4位に入っており、ミニバンクラスの中ではトヨタのヴォクシーやホンダのステップワゴンなどのライバルを抑えて堂々のトップに位置している。

売れるミニバンデザインのトレンドを取り入れたフロントフェイス

日産セレナのマイナーチェンジでは、スポーティーなエアロパーツを装着したハイウェイスター系のモデルでフロントフェイスが大きく変わっている。

セレナ 外観

フロントグリルには「ダブルVモーショングリル」が採用され、より大きく押し出し感が強くなったグリルに、クロームが贅沢にちりばめられた。

この、大きなグリルとギラギラ系のグリルという組み合わせは、売れるミニバンデザインといえる。

これは、アルファードやヴォクシーなど、トヨタのミニバンデザイン手法に近い。
セレナは、トヨタのミニバンデザインとは異なる手法を用いて売れていたが、かなりトヨタ系デザインになった。
よほどトヨタ系デザインがマーケットで支持されているのだろう。

ただ、どのミニバンも同じようなデザインになり、差別化ができない状況になってしまったことは少々残念だ。

その他、リヤの縦型コンビネーションランプもハイウェイスター専用となる。
セレナe-POWERには、新たに16インチアルミホイールを設定した。

基準車は、ハイウェイスターに比べるとグリルは小さく、スッキリとした雰囲気にまとめられている。
派手さはないものの、安心感のあるデザインだ。

「全方位運転支援システム」標準装備化したが、物足りない部分も

日産セレナは、安全装備も充実させている。
全周360度の安全を提供する先進安全技術「全方位運転支援システム」が全車に標準装備された。

「全方位運転支援システム」の前方機能は、対向車がいてもハイビームを維持できる「アダプティブLEDヘッドライトシステム」を日産車として初めて採用した。

セレナ アダプティブLEDヘッドライトシステム

この機能は、フロントカメラで前方の状況を検知して、対向車や先行車の有無により、LEDの照射パターンを変化させる。
これにより、対向車や先行車の目をくらませることなく、視認性の高い状態を維持することができる。

後側方に関しては、隣接する車線から接近する車両を検知することが可能だ。
接触するリスクが高まれば、警告や接触を回避する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」が作動する。
その他、「BSW(後側方車両検知警報)」、後退時に、後方を横切ろうとする車両を検知し注意を喚起する「RCTA(後退時車両検知警報)」を装備した。

セレナ RCTA(後退時車両検知警報)

ミニバンのように大きなクルマは死角が多い。
こうした装備があれば、運転が苦手な人でもより安心・安全に運転できるようになる。
もちろん、「踏み間違い衝突防止アシスト」も標準装備している。

セレナ 踏み間違い衝突防止アシスト

安全性能が大幅にアップしたセレナだが、少々物足りないところもある。
サイド&カーテンエアバッグはオプション設定となり、一部グレードでは装着不可となっている。
ミニバンは家族など、多くの人を乗せるクルマだ。
せっかく予防安全装備を充実させても、もしもの時にサイド&カーテンエアバッグがないのではあまり意味がない。

ライバル車も似たような仕様も多く、ヴォクシー系はオプション設定だ。
ただ、ステップワゴンは、半数以上のグレードがサイド&カーテンエアバッグを標準装備化している。

せっかくなのでセレナでも標準装備化としてほしかったところだ。

より個性的で上質な「AUTECH」も登場

セレナのマイナーチェンジに合わせて、オーテックジャパンが生産するカスタムカーの「AUTECH」も投入された。

セレナ オーテック 外観

エクステリアは、「AUTECH」ブランド車共通デザイン表現であるドットパターンをより強調させたフロントグリルを装備した。
色にこだわって開発されたブルーに輝くシグネチャーLEDも特徴的だ。
ひと目で「AUTECH」とわかるユニークな仕様とし、ハイウェイスターとの差別化を図っている。

外装のみでなく、インテリアもユニークだ。
柔らかな手触りを持ち、体を優しくサポートするレザレットをシート地として採用している。
さらに、ステアリングやシートなどにブルーをあしらい、ピラーや天井色をブラックに変更した。
結果として、スタイリッシュで高級感あるインテリアにまとめられている。

セレナ オーテック 内装

こうしたベース車に対して、スポーティな走りのテイストをプラスしたのが「AUTECH SPORTS SPEC」だ。
ボディ補強や専用サスペンション、専用コンピュータなどを装備し、より上質感でスポーティな走りを提供している。

日産セレナの選び方

日産セレナの選び方は、まずガソリン車かe-POWERかという選択になる。
環境重視の時代ということを考えると、やはり積極的e-POWERを選択したい。
しかし、e-POWERは、50万円ほど高価になるため使い方によって検討する必要がある。
例えば、走行距離が短い人は、燃費の良さによる燃料費のメリットもそれほど大きくならないので、ガソリン車でもいいだろう。
ただ、e-POWERのモータードライブによる走りはユニークでおもしろい。
予算が豊富にあるのなら、e-POWERを選んだ方が満足度は高くなるだろう。
また、リセールバリューを考えた場合やはりe-POWERの方がよい。

グレードの選択では、基準車とエアロパーツ類を装着したスポーティ仕様のハイウェイスターが用意されている。
圧倒的な人気を誇るのがハイウェイスターであり、リセールバリューも高くおすすめだ。

セレナの購入時に、積極的に選択したいオプションは、同一車線維持しながら全車速で前走車に追従するクルーズコントロール機能があるプロパイロットだ。

セレナ プロパイロット

これがあると、高速道路などの渋滞では疲労も少なくなりより安全に走行できる。

そして、もう一つ選びたいはオプションが前述したサイド&カーテンエアバッグだ。
もしもの時に、同乗者の安全を守る装備なので家族で乗る予定があれば間違いなくあった方がいい。

日産セレナ価格

■FF(前輪駆動)車
----------------------------
・X 2,529,360円
・XV 2,687,040円
・ハイウェイスター 2,708,640円
・XV(防水シート車) 2,719,440円
・ハイウェイスターV  2,932,200円
・e-POWER X  2,943,000円
・ハイウェイスターV(防水シート車) 2,964,600円
・G 3,005,640円
・e-POWER XV 3,167,640円
・ハイウェイスターG 3,168,720円
・e-POWER XV(防水シート車) 3,200,040円
・e-POWER ハイウェイスター  3,233,520円
・e-POWER G 3,410,640円
・e-POWER ハイウェイスターV  3,435,480円
・e-POWER ハイウェイスターV(防水シート車) 3,467,880円
・e-POWER ハイウェイスターG 3,657,960円

■4WD車
----------------------------
・X 2,773,440円
・XV 2,931,120円
・XV(防水シート車)  2,963,520円
・ハイウェイスター 2,995,920円
・ハイウェイスターV  3,192,480円
・ハイウェイスターV(防水シート車) 3,224,880円
・G 3,292,920円

日産セレナe-POWER燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード:セレナe-POWERハイウェイスターG
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,770×1,740×1,865mm
ホイールベース[mm] 2,860mm
車両重量[kg] 1,780kg
総排気量[cc] 1,198cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 62(84)/6000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 103(10.5)/3200-5200
モーター最高出力[kw(ps)] 100(136)
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)] 320(32.6)
JC08モード燃費 23.4㎞/L
定員[人] 7人