車のような大きな買い物をする時は、消費税を気にするだろう。まもなく増税される、というタイミングであればなおさらだ。この記事では、消費税10%の増税に伴い、車の買い時に関する質問にお答えしていく。これから車の購入・買い替えを検討していて、なおかつ、なるべくお得に車を買いたい方は、車選びの参考にぜひ一読いただきたい。

この記事の目次 CONTENTS
Q1.増税前に購入した方が良いでしょうか?
Q2.増税後に値引きキャンペーンはあるのでしょうか?

ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

Q1.増税前に購入した方が良いでしょうか?

2018年内に免許を取得予定で、翌4月(2019年)から社会人として働くために通勤用のクルマを買おうと思っています。
来年秋に増税ということは、それよりも前に購入した方が良いのでしょうか?

A1.増税前となる2019年9月末までに購入してしまったほうが良いでしょう

消費税増税のタイミングで自動車取得税が廃止されても、環境性能割という新しい税が導入されるかもしれません。なんにせよ、負担が大きくなることは確実だからです。

2~3月の決算期を狙え!

通勤で使うというのであれば、2019年3月までに購入することをおすすめします。
2~3月は自動車業界最大の繁忙期で、多くの自動車メーカーの決算期に当たります。当然、営業マンの販売台数ノルマは大きくなり、その影響で値引き額も大きくなるのが通例です。
ライバル車と競合させ、大幅値引きを狙いましょう。1年の結果を出す時期なので、9月末までの増税前セールよりも、大幅値引きが期待できます。こうした時期を積極的に選び、購入するといいでしょう。

4月以降は登録済み未使用車がねらい目

4月以降の購入なら、登録済み未使用車を狙うのがおすすめです。登録済み未使用車とは、ほとんど新車と同じコンディションでありながら、中古車扱いとなるクルマです。一度登録したクルマであるため、中古車店に並びます。
中古車としての販売価格になるため、かなりお得です。こうした登録済み未使用車は、とくに軽自動車に多いため、あえて4月以降に買うというものいいでしょう。

輸入車の登録済み未使用車は1~3月がチャンス

輸入車は、12月末に大量の登録済み未使用車を発生させるケースが多くあります。こうした登録済み未使用車は、1月以降に中古車店の店頭に並びます。輸入車を狙うなら、1~3月がおすすめです。

Q2.増税後に値引きキャンペーンはあるのでしょうか?

消費税10%にあたり、増税前に車を購入した方が良いと思います。しかし、増税後に販売店が値引きキャンペーンを行うのであれば、急いで買う必要がないのでは…、とも思います。実際どうなのでしょうか?

A2.「増税分の値引き」と言われても、本当にそうかはわからない、というのが正直なところです

「増税分だけ値引きキャンペーン」といった直接的なものは、おこなわないでしょう。しかし、販売店では、色々な手法でキャンペーンが行われるだろうということも想像できます。
増税前にも20万円引きで売っていたクルマでも、商談中に「増税分を含んで値引き20万円にしますね」と言われてしまえば、顧客側からすれば「値引きしてくれてよかった」になります。
そのため、増税後の購入の方が、増税前の購入と比べてお得だと断言することはできません。

たとえば、増税分のプラス2%は、100万円の国産車で2万円、200万円で4万円、300万円で6万円となります。我々にとっては大きな金額ですが、販売店側からみれば誤差の範囲と言えるためです。

クルマを購入するなら増税前がおすすめ

増税後の購入は不透明な値引きにより、顧客は不利になります。それなら、増税前に買ってしまったほうが確実といえるでしょう。

ただし、増税による販売台数減少の影響は、徐々に効いてくるでしょう。そのため、増税後の10月に買うより、販売台数が少ない12月や、翌年の繁忙期である2~3月に買うのをおすすめします。値引きがさらに大きくなり、増税分を超える値引きが見込める可能性が無いわけではありません。
こればかりは、「増税後に自動車販売台数がどれだけ減るのか?」という点に左右されます。本当に増税分を超える値引きが期待できるかは、その時になってみないとわからないというのが現状です。

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