日産は、高級セダンのスカイラインをマイナーチェンジし、発売を開始した。現行のV37型スカイラインは、2014年2月にフルモデルチェンジし13代目となった歴史あるモデルだ。
- この記事の目次 CONTENTS
- インフィニティとして売り出されたV37型
- パワフルで低燃費なハイブリッドもデビュー時の目玉
- マイナーチェンジでスポーティーさアップ
- インテリアの質感もアップ
- リセールバリューも考えるとハイブリッドがおすすめ
- 日産スカイラインの価格
インフィニティとして売り出されたV37型
日本マーケットでは、セダンマーケットが激減。高級セダンで、ほぼ日本専用車として発売されている人気モデルはクラウンのみという状況。スカイラインもすでに、北米中心に販売されている高級車ブランドのインフィニティQ50と共通化されている。
こうした状況を一言でグローバル化とするのは簡単だ。しかし、セダンが売れないから海外で販売しているモデルを持ち込めばいいという問題ではない。売れないから日本に合ったモデルを用意しなかったことは、トヨタを除く他のメーカーの失敗でもある。
クラウンとは真逆の方法で日本市場を狙ってきた
実際、クラウンは日本専用車として、日本での使い勝手や日本人が好むデザイン、乗り味を追求。その結果、売れている。
そうしたクラウンの姿勢とは真逆の方法で日本マーケットにチャレンジしているのが、スカイラインだ。デビュー時から北米で販売されているインフィニティエンブレムがそのまま装着されていた。
この方法は、トヨタがレクサスでとっている手法と同じだ。レクサスブランドはあえてトヨタとはブランドを分け、世界を意識した作り。そんなレクサスは日本でもようやく徐々に人気を高めている。スカイラインにインフィニティエンブレムが装着されたことで、北米の高級車ブランドであるインフィニティをよりイメージさせ、スカイラインが高級車であることをより鮮明にした。
パワフルで低燃費なハイブリッドもデビュー時の目玉
デビュー時のV37型スカイラインには、フーガ譲りの3.5L V6ハイブリッドのみの搭載となった。日本では、ハイブリッド車しか売れないと判断されたからだ。そのハイブリッド車は、システム出力364psという大パワーを誇る。1モーター2クラッチ式というハイブリッドシステムを使うことから、ダイレクト感のあるスポーティな走りが楽しめる。それでいて、ハイブリッド車なので燃費は抜群。タイプSPと呼ばれるグレードで17.8㎞/Lという低燃費を実現した。
また、世界初となる「ダイレクトアダブティブステアリング」が採用されたのも特徴の一つ。この技術は、ステアリングの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵するもの。ステアリングとタイヤが機械的につながっていない。ややクセがあるものの、優れた直進安定性と俊敏性が魅力だ。
その後ガソリンエンジン車も追加
魅力的なセダンに仕上がったスカイラインだったが、なんと目標販売台数は200台/月という非常に少ないものだった。日産は、スカイラインを積極的に売るつもりが無いような数値出したとして話題となった。
当初ハイブリッド車のみだったスカイラインだったが、その後、2014年6月にメルセデス・ベンツとのアライアンスで供給された直4 2.0Lターボエンジンを搭載。いわゆるダウンサイジングターボだ。このエンジンは、211ps&350Nmを発揮。燃費はタイプSPで13.0㎞/L。ハイオク仕様となっている。
マイナーチェンジでスポーティーさアップ
今回のマイナーチェンジは、現行スカイラインでは初となる。そのため、大幅な刷新が期待されたが、意外なほどあっさりとしたマイナーチェンジに終わった。まず、外観デザインが少し変更された。大幅な変更がないということは、マーケットで支持されているということでもある。
まず、フロントグリルが大型化した。デザインそのものに大きな変更はない。欧州車は別として、国内の代表的なセダンであるクラウンやレクサスISなどは、とにかくグリルの大きくして存在感や迫力をアピール。こうした流れの中でスカイラインがグリルの大きくしたことは、日本マーケットでより支持される顔になったとも言えるだろう。
グレード間の差が明確に
そして、グレード間での差別化も行われた。最上級グレードの「Type SP」では、立体的な形状のバンパーで、よりアグレッシブなスポーティさを表現。「Type P」や「350GT HYBRID」では、水平を基調とする洗練されたバンパーデザインとなった。
リヤビューでは、リヤのコンビネーションランプが、先進技術を用いたクリアな「LEDリヤコンビネーションランプ」となった。より鮮明で立体感があるので、とくに夜間では、ひと目でスカイラインと分かる存在感を出している。
足回りは、「Type SP」に、立体的でスポーティな新デザインの「切削光輝19インチアルミホイール」を採用。「Type P」では新たに「18インチアルミホイール〔クロームカラーコート〕」を標準設定した。
インテリアの質感もアップ
インテリアの変更も、大きな変更は無い。基本デザインはそのままに、各部の質感やテイストの変更が行われた。どちらかというと、北米で支持されそうなよりラグジュアリー感がある仕様となった。
まず、ステアリンググリップを太くし握り心地を向上。ホーンパッドを小型化、マットクロームによる剛性感のあるスポークでスポーティさを表現した。
シフトノブは、握りやすさにこだわりながら本革を使い、マットクローム、ピアノブラックの素材を組み合わせ、より高級感をアップした。インストルメントパネルには、ステッチを追加。精巧なパターンのステアリングステッチとともに、よりプレミアムでクラフトマンシップを感じさせる空間を生み出している。
メーター周りでは、アナログメーターのリング照明をグレーに変更。センタークラスターのツインディスプレーとの色調を統一、精緻感を向上させている。また、夜間での利便性と上質感を演出する「アンビエントライトシステム」をメーカーオプションで新設定した。
リセールバリューも考えるとハイブリッドがおすすめ
日産スカイラインのグレード選びで重要なのは、パワーユニットの選択。3.5Lハイブリッドと2.0Lターボの2タイプのエンジンが用意されている。価格差は、最上級グレードのTYPE SPベースで約85万円と大きい。この価格差は、燃費差による燃料費、エコカー減税による節税分を入れても、完全に補填することはほぼ不可能。つまり、ランニングコストで元を取ることはできない。
ただ、CO2削減が求められていて、今後自動車の電動化はドンドンと加速する。当然、ハイブリッド車などが中心に売れる。こうなると、中古車マーケットも同様な傾向を示す。そうなると、単なるガソリン車は人気が低迷し、同じクルマであってもリセールバリューが低くなると予想できる。こうした状況になれば、リセールバリューを含むと、スカイライン ハイブリッドのコストパフォーマンスはアップする。
モーターによるスムースで強力な加速感やEV走行時の静粛性を含め、お勧めはハイブリッド車になる。
インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)、インテリジェント BUI(後退時衝突防止支援システム)など、車両周囲に対する予防安全装備は高いレベルにある。サイド&カーテンエアバッグも標準装備されているので安心だ。
魅力的ある様々なグレードを用意
スカイラインのグレード体系は、最上級グレードのTYPE SP、TYPE P、エントリーグレードの3グレード。簡単にまとめるとTYPE SPはスポーティ系、TYPE Pはラグジュアリー系となる。
グレード間の大きな違いは、TYPE SPは専用のスポーツフロントバンパーやスポーツチューンドブレーキ(ハイブリッド車のみ)、パドルシフト、アルミペダル、19インチホイールなど。TYPE Pとの価格差は約33万円(ハイブリッド車)。お好み次第ということになるが、スカイラインはスポーティセダンというキャラ。そのキャラ通りに合ったグレードということになると、TYPE SPがお勧めとなる。
エントリーグレードは、ハイブリッド車で500万円を切る価格になっているものの、他のグレードには本革シートが用意されているが、エントリーグレードには装備されていないなど高級車としての装備と考えると少々物足りないかもしれない。予算重視でというのであれば、最低限の装備はあるので十分ともいえる。
重要な安全装備面では、エマージェンシーブレーキが歩行者検知式ではないところが物足りない部分だ。ただ、それ以外の概して装備は充実しているといっていいだろう。
日産スカイラインの価格
スカイラインの価格は以下の通り。
FR ハイブリッド車
グレード | 価格 |
350GT HYBRID Type SP | 5,559,840円 |
350GT HYBRID Type P | 5,223,960円 |
350GT HYBRID | 4,955,040円 |
FR ガソリン車
グレード | 価格 |
200GT-t Type SP | 4,713,120円 |
200GT-t Type P | 4,433,400円 |
200GT-t | 4,164,480円 |
4WD ハイブリッド車
グレード | 価格 |
350GT FOUR HYBRID Type SP | 5,840,640円 |
350GT FOUR HYBRID Type P | 5,504,760円 |
350GT FOUR HYBRID | 5,235,840円 |
スカイラインのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成26年2月(2014年2月)〜現在
- 新車時価格
- 307.6万円〜948.0万円
スカイラインの在庫が現在26件あります
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