この記事の目次 CONTENTS
BMWのミニバン
5ドアモデルのアクティブツアラー
3列シート7人乗りのグランツアラー
乗る人数に応じて選べる2種類のミニバン

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

BMWのミニバン

日本においてはファミリー層からの支持が高いミニバン。国内では複数のメーカーからミニバンが発売されているが、海外高級車メーカーにミニバンのイメージはあるだろうか?実はドイツ御三家とも呼ばれるBMWもミニバンを展開している。現在用意されているのは2シリーズの「アクティブツアラー」と「グランツアラー」の2種類。

「BMWがミニバンなんて!」「BMWらしい走りは守れるのか?」など、デビュー時には何かと議論のあったこの2台。そこで今回は、この2台の違いに加えて、ドライブフィールから購入のポイントまでまとめてご紹介したい。

5ドアモデルのアクティブツアラー

・サイズ :全長x全幅x全高(mm) 4,350x1,800x1,550
・新車価格:¥3,630,000〜
・エンジン:直列3気筒ターボ、直列4気筒ターボ、直列4気筒ディーゼルターボ

BMW2シリーズアクティブツアラーは、Cセグメントに属する5ドアモデル。BMW史上初めてFF(前輪駆動)を採用しており、さらに初めての本格的なコンパクトミニバンということで何かと物議をかもした。

4,350mmという全長は、国産車で人気の4,200mmクラスのコンパクトミニバンよりも若干大きい。全幅も1,800mmと3ナンバーサイズではあるが、日本の立体駐車場などにも停められるサイズであり、日常の使用で不自由を感じることはないだろう。

またその高さにもポイントがある。本国で販売されている2シリーズアクティブツアラーの全高は1,586mm。しかし、日本仕様では、専用のスポーツサスペンションやシャークフィンアンテナを標準装備として、36mm低い1,550mmに抑えられている。

ミニバンらしさとBMWらしさの両立

アクティブツアラーのミニバンとしての価値を見極める上で欠かせないのが、その室内空間。先述のように、アクティブツアラーはBMW伝統のFR(後輪駆動)の代わりにFF(前輪駆動)を採用した。そのためにBMWらしい走りが犠牲になってしまったというマイナスはあるが、代わりに高さのある開放的な空間を確保できているというメリットもあった。

またリヤシートは40:20:40の分割可倒式で、左右で独立して130mmスライドすることができるので使い勝手も良い。その他も含めて、全体的として使い勝手を考慮したインテリアに仕上がっており、家族や友人を乗せての長距離移動でも苦にならない。

それでいて、BMWらしさを失ってはいない。BMWのエクステリアの特徴であるキドニーグリルにL字のテールランプ、折り目正しいキャラクターラインなど、一目でBMWと判別することができるデザインである。さらに、背が高いミニバンスタイルであってもボンネットからフロントガラスにかけてのラインが滑らかで、BMWらしさを感じることができる。

乗る人に安心の安全装備

ファミリー層がメインターゲットであるミニバンだからこそ、同乗する家族の安全を守る技術をしっかりと搭載。前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、レーンディパーチャーウォーニングといった基本的な予防安全技術を標準装備となっている。

ドライバーの快適性ももちろん忘れてはいない。視認性の高い8.8インチワイドディスプレイなど、普段使いから、ロングツーリングまで快適に使用するための装備が充実している。

3列シート7人乗りのグランツアラー

・サイズ :全長x全幅x全高(mm) 4,565x1,800x1,645
・新車価格:¥3,930,000〜
・エンジン:直列3気筒ターボ、直列4気筒ターボ、直列4気筒ディーゼルターボ

2014年発売のBMW初のミニバンであるアクティブツアラーに続き、BMW初の3列シート7人乗りのミニバンが、2015年に発売になったグランツアラーだ。全長は4,565mm、全高1,645mmと、アクティブツアラーよりも若干大きくはあるが、全幅は1,800mm とアクティブツアラーと同サイズ。3列シート7人乗りと思えない、小ぶりなボディに仕上がっている。

ミニバンながら無駄のないスタイリング

グランツアラーは無駄のない、スポーティなエクステリアに仕上げられている。贅沢な印象を求めている人には物足りないかもしれないが、高さもある程度抑えられているため、走っている姿にも爽やかさがある。アウトドアも意識して造られており、車両の上に自転車などを積載しても見映えが良い。

インテリアも、エクステリアと同様にシンプルな設計。素材にも統一感があり、すっきりとした見た目は好印象を覚える。一方、小ぶりでスポーティなボディであるため、3列目は大人が乗るにはかなり窮屈。小さな子どもが乗ったり、ラゲッジスペースとして考えておくべきだろう。必要がないときは3列目をワンタッチで収納できるようになっており、もともと145Lのラゲッジスペースを、560Lまで広げることができる。

安全に配慮したドライブ

同じような設計思想で作られた車なので、グランツアラーの安全装備は基本的にはアクティブツアラーと変わらない。自動ブレーキや前車接近警告などの基本的な安全装備は標準化。さらにオプションのアクティブ・クルーズ・コントロールを選択すれば、渋滞などの低速走行時には、減速はもちろん、停止から再発進までをサポートしてくれ、長距離の移動でも、ドライバーの疲労を大きく軽減してくれるだろう。

乗る人数に応じて選べる2種類のミニバン

今回は、5人乗りのアクティブツアラーと7人乗りのグランツアラーをご紹介した。ドライブフィールなど今までのBMWとは異なる部分もあるが、BMWらしさを感じさせるスタイルに仕上がっている。新車価格についても、両方とも300万円台から購入できるので、家族や友人とのドライブにはぴったりではないだろうか。

アクティブツアラーは2014年、グランツアラーは2015年の発売となり、中古車も市場に出てきている。同じ予算であれば、中古車を検討することでグレードを上げることもできるため、エンジンや安全装備なども含め、ドライバーも同乗者も納得できるグレードを探してみてほしい。