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海外産ミニバンの品質を見極める
エクステリアはグランツアラーの方が人気
モデル展開が豊富なグランツアラー
大きなエンジンでパワフルな走りが楽しめるVクラス
価格が高い分だけ装備も豪華なVクラス
両者とも、まずは中古でも検討を

海外産ミニバンの品質を見極める

日本においてはファミリー層からの支持が高いミニバン。海外での需要はあまりなく、これまでは海外自動車メーカーでの生産が少なかった。しかし、最近はBMWやベンツといった高級車メーカーでもミニバンが生産されるようになった。

今回はそんな一流メーカーBMWのグランツアラーと、ベンツのVクラスを比較してみたい。

ファミリー層に寄り添ったBMWのグランツアラー

グランツアラーは2015年から日本で販売が開始されたミニバンで、BMWでは初の3列シート7人乗りのクルマである。BMWの7人乗りと聞けば販売価格も高いと想像するかもしれないが、400万円弱から購入することができる。

また、比較的小ぶりなボディも日本においては使い勝手が良く、一つの魅力といえる。日本のファミリー層には嬉しい一台だろう。

●サイズ:全長4,565mm×全幅1,800mm×全高1,645mm
●燃費:16.9km/L(ベースモデル218i Gran Tourerの場合)
●新車価格:393万円~

贅沢な気分を味わえるベンツのVクラス

Vクラスの歴史はグランツアラーに比べると長く、初代は1998年に販売された。2014年に3代目となり、日本でも2016年から販売となっている。ミニバンの中でもかなりの大型で、車内空間は実に広々としている。

グランツアラーに比べるとベースモデルの販売価格が150万円以上高くなってしまうが、広さだけでなく装備も充実しており、贅沢感を味わえる一台となっている。

●サイズ:全長4,905-5,380mm×全幅1,930mm×全高1,880mm
 ※全長はモデルによって異なり、5種類展開されている。
●燃費:15.3km/L(ベースモデル220dトレンド、ディーゼルエンジンの場合)
●新車価格:550万円~

エクステリアはグランツアラーの方が人気

クルマにおいても見た目の第一印象は重要だが、Vクラスのエクステリアは日本でも海外でもあまり人気がない。Vクラスはミニバンというよりキャンピングカーに近いボディラインをノーズもかなり短いため、「野暮ったい」という評価も多い。

一方、グランツアラーは高さもある程度抑えられており、どの角度から見てもスポーティで爽やかだ。ミニバンというよりはワゴンのようにも見えるが、格好良さでいえば圧倒的にグランツアラーの方が魅力的である。

インテリアの質感や居住性はVクラスの勝利

Vクラスのインテリアは好評だ。上質で居住性の高い車内空間はクルマに乗る全員がくつろげる場所となっており、長距離の移動も苦にならない。

使っている素材も、ベースモデルのVクラス220dトレンドこそファブリックシートであるが、それ以外のモデルはオプションまたは標準装備で本革シートがついてくる。シート以外もVクラスの方が3列目まで細かな装備が行き渡っている印象である。

グランツアラーはコンパクトなボディが仇となり、3列目は小さな子どもしか余裕を持って座れない。2列目ですら大人はやや窮屈に感じやすく、長距離ドライブには向かない。また、装備面でもVクラスほどの華やかさはない。

モデル展開が豊富なグランツアラー

グランツアラーはパワーユニットの選択肢が多く、モデル展開も豊富だ。パワーユニットだけでガソリンエンジン2種類、ディーゼルエンジン1種類の計3種類が存在する。さらに、標準・スポーツ・ラグジュアリー・Mスポーツの4種類からトリムグレードを選べる。

各エンジンから生み出されるパワーや燃費は異なるものの、ベースモデルの218i Gran Tourerはガソリンエンジンで燃費16.9km/Lと、その数値もミニバンにしては上々である。

パワーユニットの代わりに長さが選べるVクラス

Vクラスの場合、パワーユニットは直列4気筒ターボチャージャー付ディーゼルエンジンの1種類に限られる。ディーゼルエンジンである上、その燃費は15.3km/Lと数値も高くない。しかし、前向きに考えれば、かなりの大型である割に悪くない数値ともいえる。

パワーユニットこそ選べないが、Vクラスは全長を選択できるという大きな魅力がある。全長は5段階から選ぶことができ、ベースモデルの220dトレンドと最高位のV220dアバンギャルドエクストラロングでは全長が475mmも異なる。

全長や車体重量が異なっていても各モデルの燃費は変わらない。これはVクラスの褒められるべき部分だろう。ラゲッジスペースもベースモデルで720L~と、十分大容量である。

大きなエンジンでパワフルな走りが楽しめるVクラス

運転を楽しめる造りという点で、BMWはドライブ好きから高い評価を受けることが多い。

しかし、Vクラスの走りは優秀だ。車体重量が重く、動きも悪そうと思われがちなVクラスだが、元々搭載されているエンジンがグランツアラーよりも大きく、実にパワフルな走りをする。

加速力もあり、0-100km加速に要する時間はわずか9秒強である。駆動方式も後輪駆動方式を採用しており、ドライバーとクルマの一体感を感じられるハンドリングも魅力的だ。

程良い操舵性と安心感があるグランツアラーの走り

優れたパワーユニットと後輪駆動方式の採用でドライビングも楽しめる一台となったVクラス。一方で、グランツアラーは「ファミリーカーとしての安心感」を重視してか、BMWにしては珍しく前輪駆動方式を採用している。

グランツアラーの走りは、これまでのBMWと違ってワクワクさせるような走りよりも穏やかさが目立つ。それでも、程々の操舵性を備えている点はさすがBMWといえるところだ。運転する楽しみも、決して捨ててはいない。

価格が高い分だけ装備も豪華なVクラス

インテリアの品質も優れたVクラスだが、安全性能への意識も高い。

グランツアラーも駐車やドライビングに関する基本的な安全性能はしっかり装備してあるが、Vクラスはグランツアラー以上に事故予防の機能が揃っている。特に、ドライバーの注意力低下を感知するアテンションアシストなどは画期的なものだ。

程々の価格でも一定の装備を備えたグランツアラー

ここまでくるとVクラスの方が優れている印象を持ってしまうだろうが、その販売価格には150万円の差があることを忘れてはいけない。300万円台で手に入る車としては、グランツアラーも十分な装備を備えている。

オプション装備にはなるが、グランツアラーにもフロントウィンドウに必要な情報を表示するヘッドアップ・ディスプレイや一定条件のもとで自動走行を行うアクティブ・クルーズ・コントロールなどが搭載できる。長距離運転の負担軽減が配慮されている点は、さすがといえる。

両者とも、まずは中古でも検討を

結果として、全体的な贅沢感をとるならVクラス、程よい大きさと程々の贅沢感をとるならグランツアラーを選ぶべきだといえるだろう。Vクラスは優秀なクルマだが、グランツアラーとの価格差も大きい。また、グランツアラーもその価格に相応しい品質は十分に備えている。

Vクラスは新車販売価格も比較的高いので、中古車も検討すると良いだろう。前回のフルモデルチェンジからの年数を考えれば、比較的傷みなども少ない一台が手に入るはずだ。

逆に、グランツアラーは近々改良型が発表される予定という噂もある。今後中古市場での値下がりも期待できるので、こちらも中古で一度見積もりをとってみてもらいたい。