この記事の目次 CONTENTS
BMWのプレミアムサルーンである7シリーズ
キラキラした華やかさをプラスしたエクステリア
どのエンジンを選んでも間違いなし
高級サルーンでも走りを忘れない
ハイテク装備のオンパレード
6代目7シリーズの価格・グレード情報

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

BMWのプレミアムサルーンである7シリーズ

7シリーズは、BMWにおける言わずと知れたFセグメントに属する大型高級サルーンだ。もっとも安いモデルでも1千万円以上もする価格もさることながら、全長は5mを超え、全幅も1.9mという堂々たる大きさは、まさに、BMWを代表する旗艦車種=フラッグシップモデルなのである。

このクラスにもなると、自分で運転する以外にも、ショーファードリブンとして、企業の重役専用車にされることも多く、3mを超えるホイールベースにより、高級レザーが使用されたリヤシートは、まるで一人掛けの高級ソファーのような快適性を誇る。

ボディだけで最大130kgの減量に成功

BMW 7シリーズ 外観

6代目となる現行型7シリーズ最大の特徴は、「カーボンコア」と呼ばれるカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を使用し、最大で130kgもの軽量化を果たしているということ。特に、ルーフやピラー、ウインドウフレームなど、ドアよりも上を軽くしたことにより、燃費だけでなく、運動性能の向上にも大きく貢献している。

キラキラした華やかさをプラスしたエクステリア

現行型7シリーズを一目みて感じたことは、華やかになったなということ。これまでBMWと言えば、例え最上級車種であっても、過度な装飾は行わず、良く言えばシックで硬派な印象であった。しかし、現行型では左右のヘッドライトとキドニーグリルがつながり、クロームパーツを多用するなど、全体的に煌びやかな印象になっている。

最上級のリラックス空間

BMW 内装

煌びやかになったのはエクステリアだけに留まらない。柔らかく上質なレザーをふんだんに使ったシート、天井やインパネ、さらにドアなどには間接照明(アンビエントライト)。そこはまさに高級ホテルのラアウンジをギュッと凝縮させたような空間と言っても過言ではない。ある意味、これまで走ることにこだわった硬派なコックピットから、わかりやすく高級サルーンらしいインテリアになったとも言えるだろう。

どのエンジンを選んでも間違いなし

現行型7シリーズに用意されたパワーユニットは、直6、V8、V12の3種類のガソリンエンジンンと、直6ディーゼルターボ、そして、直4エンジンに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドである。

中でも、3リッター直列6気筒ターボエンジンは、シルキーシックスと呼ばれるBMW伝統のエンジン。パワーはもちろんのこと、滑らかさ、静粛性、俊敏性、そして、官能的なエキゾーストノート。どれをとっても、現代の内燃機関における最高傑作と言っても良いエンジンである。

泣く子も黙るV12気筒エンジン

BMW 外観

近年の車に見られる傾向として、エンジンを小さくし、小排気量化することで燃費の向上を狙った「ダウンサイジング」が挙げられる。しかし、BMWのフラッグシップである7シリーズには、ダウンサイジングという言葉がどこかに吹き飛んでしまうようなエンジンがある。それが、610ps/81.6kgmという驚愕のパワーを誇る、6.6リッターV12エンジンだ。

このエンジンは、BMWのモータースポーツ部門や、高性能部門を司るM社の手が入れられ、0-100km/h加速が3.9秒というから驚きである。そして、81.6kgmという最大トルクを、1,550rpmという低回転から発生。そのため、普段使用ではほとんどアクセルを踏むことなく、楽々と流れに乗ることができる。

高級サルーンでも走りを忘れない

冒頭でも触れた通り、130kgの軽量化と、低重心化されたことにより、2トン前後ある重量級ボディでありながら、大きなロールも起こさない安定感のあるハンドリング。3mを超えるロングホイールベースのため、スポーツカーとまではいかないが、4輪操舵システムの恩恵もあって、実にしなやかで軽快な身のこなしを見せる。

まるで水辺を滑るように滑らかな乗り心地

BMW 7シリーズ 外観

フラッグシップである7シリーズには、エンジン以外にも、BMWが誇る最新技術が盛り込まれている。現行モデルから前後にエアサスペンションを採用し、7シリーズの乗り心地を大きく向上させているのが「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」という電子制御サスペンション。

このシステムは、フロントガラスに設置されたカメラによって、前方の路面状況やコーナーなどを事前に察知し、サスペンションやスタビライザーの固さなどを自動調整。そのため、コーナーでの卓越した安定感と、フラットで上質な乗り心地を実現している。

ハイテク装備のオンパレード

自動ブレーキにレーンキープアシスト、アクティブクルーズコントロールなど、BMWの最上級モデルである7シリーズには、当然のように最先端の安全運転支援システムが備わる。また、部分自動運転の技術も世界トップクラスで、並列の前向き駐車という制限はあるものの、ドライバーが外からディスプレイキーを操作するだけで車を駐車することもできる。

リヤシートにも最上のおもてなし

このクラスの大型サルーンにもなると、後部座席の快適性も次元が違う。後部座席中央に設置された「タッチコ・マンド」は、タブレットタイプの端末を操作することで、ACやオーディ、ローラーブラインド、シートの調整まで、後部座席に座ったまま調整することが可能。もちろん、ドライバーの操作性を考えた装備も充実した上で、後部座席のおもてなしまでカバーしているのは、7シリーズならではである。

6代目7シリーズの価格・グレード情報

・740e 1066万円から
・740i 1395万円から
・740d 1396万円から
・750i 1589万円から
・740Li 1538万円から
・740Ld 1535万円から
・750Li 1756万円から
・M760Li 2471万円から
新車価格は安くても1千万円オーバーである7シリーズは、なかなか一般庶民には手の出しにくいモデルだろう。最新モデルの装備や性能は確かに魅力的ではあるが、7シリーズはBMWがその時代に持っていた技術のすべてを注ぎ込んだフラッグシップ。そのため、中古車になり、価格が落ち着いた時こそ狙い目と言えるのである。