ステップワゴン REVIEW 新旧比較レビュー

ステップワゴン REVIEW 新旧比較レビュー

ホンダ ステップワゴンは、2017年9月のマイナーチェンジで、ようやく待望のハイブリッド車が登場。デビュー時から販売不振の理由は、ハイブリッド車が無かったこと。実際の購入では、悩みどころとなるガソリン車とハイブリッド車の違いをレポートする。

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概要

ホンダ ステップワゴンの前回のフルモデルチェンジは2015年4月。これで5代目となったステップワゴンは、同じクラスのミニバンに対し、差別化された仕様となっていた。

まず、ライバル車が2.0Lガソリンエンジンなのに対して、ステップワゴンは1.5Lのダウンサイジングターボエンジンを採用。自動車税年間5,000円の節税を可能とした。また、大きく重いリヤゲートを横開きにもできるわくわくゲートを装備。リヤゲートから3列目シートへのアクセスを可能とした。

なかなか魅力的なステップワゴンだったが、販売は伸び悩む。その大きな理由は、スパーダのデザインが不評であったことと、ハイブリッド車の設定が無かったことだった。2017年9月のマイナーチェンジでは、スパーダの顔を大幅変更。そして、待望のハイブリッド車が登場した。

エクステリア

ステップワゴンに新設定されたハイブリッド車は、スパーダのみの設定。標準車には用意されていない。ガソリン車には、スパーダと標準車が用意されている。

そのスパーダは、マイナーチェンジで大幅なフェイスチェンジを行った。ホンダは前回のフルモデルチェンジ時に、トヨタ系と同じ迫力重視系の顔になることを嫌った。ホンダらしい独創的なデザインへのチャレンジでもあった。しかし、このスパーダの顔が裏目に出て不評となる。これが理由になり、販売不振となった。

そこで今回のマイナーチェンジでは、顧客の望む押し出し感ある迫力系フェイスに変更した。もはや、マイナーチェンジ前の面影は一切ないほどに割り切った。とにかく、こうしたミニバンを好む顧客が喜ぶことを目的として、LEDライト系も多用した。押し出し感と迫力に加え、LEDのギラギラ感が加わり、ミニバン顧客のツボをしっかりと押さえたフェイスになっている。

インテリア・装備

ステップワゴンは、マイナーチェンジで安全性能が大幅に向上した。全グレードに歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「ホンダセンシング」を標準装備化した。このレベルの安全装備を全車標準装備化したのは、5ナンバーミニバンではステップワゴンだけだ。

さらに、多人数乗車するミニバンにおいて、後席の乗員を守るための装備も重要。マイナーチェンジ後のステップワゴンでは、サイド&カーテンエアバッグを、上級グレードを中心に9グレード中4グレードに標準装備。3グレードにオプション設定としている。サイド&カーテンエアバッグを標準装備化したグレードを多くもつ5ナンバーミニバンは、これもまたステップワゴンだけだ。ライバル車を大きく凌ぐ安全性能を誇るミニバンとなったといえるだろう。

このホンダセンシングには、ハイブリッド車のみに渋滞追従機能付きクルーズコントロールも用意されている。この機能は、ドライバーの疲労軽減に役立ち、安全面でも効果のある装備だ。

また、ボディの振動や歪みを減衰させ、より優れた乗り心地やハンドリング性能に貢献するパフォーマンスダンパーが用意されているが、この装備はハイブリッド車の最上級グレードとなるスパーダG・EXのみに標準装備されている。

走り・メカニズム

ステップワゴン スパーダに搭載されたハイブリッドシステムは、2.0Lエンジンを使う「SPORT HYBRID i-MMD」。このハイブリッドシステムは、オデッセイなどにも採用されているものとほぼ同じ。システム最高出力は、215psを誇る。これは、ライバルのトヨタ系ハイブリッドミニバンの136psを大幅に上回るものだ。また、1.5Lターボを搭載したガソリン車のステップワゴンが150psなので、ガソリン車に対しても非常にパワフルな仕様になっている。

そのため、走りの差はトヨタ系ミニバンや1.5Lターボ車に対し歴然。1.5Lターボと大きく異なるのは、アクセルを踏んだ瞬間だ。ハイブリッド車は、アクセルを踏んだ瞬間にモーターのトルクが立ち上がり、クルマをいっきに前方へ押し出す。

低速域では、このままモーター走行が続き低燃費化に貢献。アクセルをグッと強く踏み込むと、モーターのトルクが立ち上がった後に、わずかに遅れてエンジンの出力が加わり、車速をドンドンと上げていく。このアクセルレスポンスの良さは、1.5Lターボや他のガソリン車に無いものだ。トヨタ系ミニバンと比べても、モーターやエンジンの出力が大きいため、かなり力強く感じるだろう。

これだけ力強くて、燃費はクラストップの25.0㎞/L。トヨタ系ハイブリッド車が23.8㎞/L、1.5Lターボが17.0㎞/Lなので、ハイブリッド車は力強さと優れた燃費を両立している。

1.5Lターボもハイブリッド車を比べると分が悪くなるものの、ライバルの2.0Lガソリン車と比べると、低回転域でのトルクが大きい。そのため、市街地走行などでは力強く感じる。ただ、高回転域の最高出力は同程度なので、高回転域に入ると、ライバル車と同程度といったところだ。

そして、ガソリン車に対して、静粛性も高められているのがハイブリッド車の魅力でもある。ただ、トヨタ系ミニバンの方が、より静粛性は高い印象だ。走りの質もハイブリッド車と1.5Lターボでは異なる。大きく重いハイブリッド用バッテリーをフロア下に設置。これが、結果的に低重心化とボディ剛性を上げることになり、より優れた乗り心地と優れた操縦安定性を得ている。

ハイブリッド車の最上級グレードのスパーダG・EXには、ボディの振動や歪みを減衰させ、優れた乗り心地やハンドリング性能を引き出すパフォーマンスダンパーが標準装備されている。このモデルは、ハイブリッド車をよりスポーティな味付けに変化させていて、ミニバンとはいえ気持ちの良い走りを披露する。

静粛性、乗り心地、操縦安定性など走行性能面では、総じて1.5Lターボよりハイブリッド車が勝る。

お勧めグレード

1.5ターボとハイブリッド車の価格差は、微妙に装備が異なるため単純比較できないが、スパーダCool Spiritとスパーダ ハイブリッドG・EX比較で、ザックリ50万円もの差がある。しかし実際に購入するときには、ハイブリッド車の場合エコカー減税などの恩恵があり約15万円減税メリットがあるので、実際の支払額差は若干縮まる。これならば、多少無理してでもハイブリッド車を購入したほうがよい。

これからは、CO2減という世界的な要求から、クルマはドンドンと電動化されていく。そうした時代の流れの中で、あえてガソリン車を買う理由が見つからない。恐らく、リセールバリューも電動化技術が使われていないモデルは、ドンドンと価格が下がっていくと予想できる。燃費差やリセールバリュー差が大きくなると予想できるので、実際の価格差はほぼ無くなるだろう。

さらに、ハイブリッド車は、走行性能面では優れているので満足度も高い。乗り潰すのであれば、リセールバリューは関係なくなるが、それでもハイブリッド車と1.5Lターボ車とでは、走行性能面での差が大きく、価格差は十分納得できる範囲内だ。

新車値引き

マイナーチェンジしたのが2017年9月末。登場したばかりなので、ホンダ ステップワゴン スパーダ(ハイブリッド)の値引きは、しばらく厳しいだろう。ガソリン車は、各社大盤振る舞い状態なので、トヨタ系ミニバンであるノア・ヴォクシー・エスクァイア、日産セレナと競合させれば、十分に値引きを引き出せる。

ハイブリッド車の値引きは厳しいとはいえ、この5ナンバーミニバンカテゴリーは、非常に激戦クラスでもある。値引き条件は、恐らく2018年に入れば崩れてくるだろう。2018年1月に入ると、2017年度末の決算セールがそろそろ始まるからだ。各社値引きしてでも販売台数を伸ばしたい時期だ。

トヨタのミニバン勢も、性能面で優れるホンダのハイブリッド車を前にすれば大幅値引きしてでも販売したいと考えるのは当然。スパーダ(ハイブリッド)の購入も考えていることも伝え、支払総額が重要と伝え見積もりをもらおう。こうしたトヨタ勢の見積もりを先に取って置き、スパーダ(ハイブリッド)と競合させたい。競合車の値引き額をしっかり伝えたうえで「性能も大切だけど、支払金額はもっと重要」とホンダ側にさり気なく伝えるといい。値引き額を中途半端に渋れば、トヨタに取られるという危機感を与えるためだ。

2018年春になると、日産からセレナe-POWERと呼ばれるシリーズハイブリッドシステムを搭載したモデルが登場する予定だ。この時期になれば、セレナe-POWERとも競合させれば、更なる値引きが引き出せるようになる。

また、新車値引きも重要だが、下取り車の処理も重要。頑張って値引きを引き出せても、下取り車の処理に失敗してしまえば元も子もない。必ず買取り店へ行き下取り車を査定したい。売る場所が異なるだけで10万円以上売却価格が異なることなどはよくあることだからだ。まずは、買取り店の価格をベースに下取り価格を比較しよう。最終的に一番高値で買取ってくれるところへ売ればいい。

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中古車情報
中古車買取相場
ホンダ ステップワゴン

172.3万円

※過去約6ヶ月間の弊社査定実績の中での最高額。
平成28年式 ホンダステップワゴン G・EX ホンダセンシング(青 走行距離2万km走行) 2017年10月査定。

新車値引き術
カタログ情報

新型 ステップワゴン

カタログ情報
■新車時価格(税込):
228.8万円〜366.5万円
■中古車相場:
245.8万円~288.0万円
■1000km走行時ガソリン代:
7,058円

旧型 ステップワゴン

カタログ情報
■新車時価格(税込):
228.8万円~366.5万円
■中古車相場:
9.8万円~104万円
■1000km走行時ガソリン代:
7,941円