2016年9月の乗用車および軽自動車の新車車種別販売台数が各機関より発表されました。「今、売れているクルマ」はどれなのか。その理由はなぜなのか。新車だけではなく、株式会社 IDOM(旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)の中古車販売実績も踏まえて解説します。

ランキング9月
データ出典元
新車車種別乗用車販売台数:一般社団法人自動車販売協会連合会
新車車種別軽自動車販売台数:一般社団法人全国軽自動車協会連合会
中古車車種別販売台数:株式会社IDOM(旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)の販売実績

新車、中古車とも軽自動車に人気が集中!

新車では、9か月間首位を守ってきたトヨタ「プリウス」に代わり、363台差でホンダ「N-BOX」が首位に。今回の順位逆転は、「N-BOX」が8月に特別仕様車を発売した影響が大きそうです。発売に合わせたキャンペーンに加え、人気の装備がついたお買い得感があるモデルだったことが効いたようです。

N-BOX
ホンダ N-BOX
在庫一覧
カタログ情報


「N-BOX」に首位を譲ったとはいえ、プリウスも根強い人気があります。「N-BOX」も「プリウス」も、高い燃費性能がセールスポイントの一つで、燃費や税金といった維持費の安さを重視する最近のトレンドを如実に表しています。

タント
ダイハツ タント
在庫一覧
カタログ情報

中古車の販売台数ランキングを見ると、軽自動車がトップ10の半分を占めています。首位は前月同様ダイハツの「タント」。それ以下も、軽自動車のスーパーハイト系ワゴンが並んでいます。この傾向は、新車でも見られます。

新車でも中古車でも、軽自動車のスーパーハイト系ワゴンが人気なのは、軽という維持費の安さに加え、軽でありながら車内が広いという点が挙げられるでしょう。また、最近のスーパーハイト系ワゴンは、男性でも乗りやすいエクステリアが増えており、これも人気の理由です。ベビーカーも乗せられ、小さな子どもなら立つこともできる高さを備えているため、子どもが大きくなっても充分に使えます。

新車ではSUVが人気!ヴェゼルとエクストレイルが順位上昇


ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル
在庫一覧
カタログ情報

最近、街で見かける機会がぐっと増えたSUV。その傾向は新車販売台数にも表れており、軽自動車を除いたランキングではホンダ の「ヴェゼル」が前月の10位から6位、日産の「 エクストレイル」は15位から11位と順位を上げています。
輸入車市場でも相次いで新型SUVが投入されており、今後もSUV人気は続くでしょう。国産車でも、トヨタの新型SUV「CH-R」が年内にも登場と言われており、期待が高まっています。


街乗りSUVは次世代のファミリーカーになれるか?


「遊びのためのクルマ」というイメージが強く、それほど人気がなかったSUV。そんなSUVが近年、急に人気が出てきたのには、いくつかの理由がありそうです。

元々SUV はクロスカントリーやクロスオーバーなどと呼ばれており、舗装されていない道など悪路での走破性を高めるために作られたクルマでした。そのため、日常生活に使うにはパワーやボディサイズが大きく、また燃費が悪いというイメージがありました。

そこに登場したのが、トヨタ「RAV4」やホンダの「CR-V」といった都会派のSUV。アウトドアの雰囲気を残しつつも、パワーを抑えサイズも一回り小さくしたことで、通勤や買い物にも使いやすくなりました。昨今ではハイブリッドモデルも登場し燃費も良くなったため、SUVを選ぶハードルがさらに下がってきています。車高が高いため、運転席からの視界が広く運転しやすいので、最近では女性にも人気がでてきています。

今までは、ファミリーカーといえば大人数が乗れるミニバンや、「タント」や「N-BOX」といったスーパーハイト系軽自動車といった経済性と広さを備えたクルマが中心でした。しかし今後は、「雰囲気も楽しめる都会派SUV」 が家族を象徴するクルマになるかもしれません。


今後はスズキの新型に注目!

ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR
在庫一覧
カタログ情報

今後の動きとして、一番注目したいのがスズキの新型です。燃費問題で新型車の発表が大幅に遅れていますが、デビューから4年目を迎えた「ワゴンR」や3年半が経過した「スペーシア」など、そろそろモデルチェンジを迎えるモデルが揃っています。これらのクルマがどのように進化するのか。またそれに対してライバルのダイハツがどう動くのか。新車、中古車ともに暫く人気が続くであろう軽自動車だけに、今後の動きに注目です。