人気中古車 軽自動車スーパーハイト系 おすすめランキング2016秋

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの中古車・軽自動車スーパーハイト系を聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1スズキ スペーシア

    スズキ スペーシア

    軽自動車はリセールバリューが高く、なかなか値落ちしない。そのため、年式が古くても意外と高価。しかし、年式が古くなればなるほど故障のリスクが増す。つまり、ただ安いからという理由だけで低年式の軽自動車を選ぶと安物買いの銭失いになる可能性が高い。軽自動車は多少無理してでも高年式モデル、いわゆる登録済み未使用車を選ぶことをおすすめする。
    ほとんど新車コンディションで、新車保証も長く、数年乗ってもリセールバリューが高いので次の乗り換えにも有利になる。その中でもおすすめなのがスズキ スペーシア。
    残念ながら、新車であまり人気がないため未使用車も安い。人気はないがクルマの実力は超一流。最新モデルでは、歩行者検知式自動ブレーキが付いたモデルも多く、燃費もクラストップの実力。未使用車の中でも、コストパフォーマンスに優れる1台だ。

  • RANKING BEST 2ダイハツ タント

    ダイハツ タント

    軽自動車販売台数ナンバー1を、ホンダN-BOXと熾烈な争いを繰り広げているタント。タントの魅力は、Bピラー(前部座席と後部座席の間にある柱のこと)をなくし、ライバルを圧倒する広大な開口部をもつミラクルオープンドア。その使い勝手の良さはクラストップといえるもの。そんなタントだが、N-BOXとの戦いで無理をしたのか、かなりの登録済み未使用車を生み出している。そのため、未使用車も非常に選びやすい状態。価格も下がり始めており、買い得感はさらに増している。自動ブレーキ関連の安全装備スマートアシストIIが装備されているモデルが特におすすめだ。

  • RANKING BEST 3日産 デイズルークス

    日産 デイズルークス

    日産デイズルークスは、三菱のeKスペースと姉妹車関係にある。三菱が開発・生産を行っているため、燃費不正問題を受け新車の販売がしばらくできない状況になっていた。その後販売は再開されたが、ブランドイメージが下がっているので、販売台数は不調。当然、中古車価格も大幅下落。未使用車をはじめ、中古車は長期在庫になり売れないままだ。イメージの悪化や燃費がカタログ値より多少悪くなったという程度で、安全上の問題はないとされているので、割り切れれば非常にお買い得なクルマということになる。そんな理由から裏3位とした。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • スペーシア

    マイルドハイブリッド機能が装備された最新モデルの燃費は32.0㎞/Lとクラストップ。デビュー当時のモデルでも29.0㎞/Lと、未だトップレベルの実力をもつ。それでいて、中古車価格は安めなのだから、購入時の価格や燃費など経済性という面では高いレベルにある。人気がないということさえ気にしなければ、このクラスでもっともコストパフォーマンスに優れたモデルといえる。中には100万円を切った未使用車も出始めている。

  • タント

    燃費は28.0㎞/Lと最新モデルでも今ひとつ。スペーシアのようにマイルドハイブリッド機能が使われていないということもあるが、タントはミラクルオープンドアを採用している分、ボディをやや重く設計している。余裕ある走りを求めるのならターボ車で、燃費も26.0㎞/Lとそれほど悪ない。人気のタントだが、未使用車が大量に発生していることが影響し、価格も下がっているので未使用車を狙うのであれば経済性は高い。ただし、ダイハツのディーラー系中古車店の価格はやや高めの設定だ。タントも自動ブレーキ関連の安全装備が付いたグレードで、100万円を切った未使用車が出始めている。

  • デイズルークス

    燃費不正前の燃費値は26.0㎞/L。その後、再検査した燃費値は22.0㎞/Lと大きく燃費値を落としている。もはや、タントやスペーシアだけでなく、N-BOXにも負けている。燃費という視点では、完全に選びにくいクルマになってしまった。ただし、車両価格は安い。100万円を切る未使用車も出ている。このあたりはライバル車と同じだが、長期在庫になりやすいモデルなので、交渉し値引きが引き出せればいいだろう。その分リセールバリューは悪く、今後上がる要素もないので、短期での乗り換えには向かない。乗り潰すつもりで買うクルマだ。

装備・使い勝手
  • スペーシア

    スペーシアの先進安全技術はクラストップレベル。2015年5月のマイナーチェンジで、軽自動車初となる歩行者検知式自動ブレーキである「デュアルカメラブレーキサポート」が用意された。ただ、残念なことに、スペーシアにはサイドエアバッグの設定はない。未使用車を選ぶ場合、リセールバリューも今後、こうした自動ブレーキ関連の安全装備が充実したモデルの方が高くなる可能性が高いので、デュアルカメラブレーキサポートが装着されているモデルを選びたい。

  • タント

    タントの自動ブレーキ「スマートアシストII」は、歩行者を検知するものの自動ブレーキが作動しないという微妙なもの。2015年式の途中からスマートアシストIIは装備されている。アクセルとブレーキの踏み間違い事故を防ぐ機能も装備されているので、初心者や高齢者にもおすすめだ。また、ミラクルオープンドアが魅力のタントなので、右側パワースライドドアが装備されているモデルを選ぶといい。非常に便利な機能で満足度も高い。さらに、右側パワースライドドアは人気オプションなので、この装備が付いているとリセールバリューも高くなる。

  • デイズルークス

    タント同様、右側パワースライドドアはオプション設定となっているが、非常に便利なアイテムなので、なるべく装備されたクルマを探したい。安全装備面では、デイズルークスの場合、30㎞/h以下で対象は車両のみの簡易型自動ブレーキしかない。2015年途中から、エマージェンシーブレーキは全車標準装備されている。また、アクセルとブレーキの踏み間違い防止アシスト機能も用意されているので、ドライバーが初心者や高齢者の場合はエマージェンシーブレーキ装着車を選ぶといい。

走行性能
  • スペーシア

    クルマは、軽い方が燃費性能も向上するし、運動性能も高くなる。スペーシアは、地道に軽量化技術を磨き続けた結果、N-BOXと比べると100㎏ほど軽い。そのため、ライバル車が自然吸気エンジンでは少々物足りない動力性能となるところを、軽量化技術の成果でスペーシアは動力性能に不満はない。また、マイルドハイブリッド機能を搭載しているモデルは、静粛性が高く振動も少ない。対してライバルは大きなクランキング音と振動を伴ってアイドリングストップから再始動を行う。街中では、何十回と繰り返されるので、マイルドハイブリッド機能搭載車に乗ると、非装備のクルマには乗りたくなくなるほど。高級車並みの静粛性がスペーシアの魅力でもある。ただ、自動ブレーキが装備されていないモデルにはESP(横滑り防止装置)さえ装備されていない。スーパーハイト系のように、やたら背が高いクルマは横転の危険性が高まる。そのリスクを低くするためにも、ESPは必須装備。普通車では、すでに法律で義務付けられている装備なので、必ず自動ブレーキ付のモデルを選びたい。

  • タント

    タントのウリであるミラクルオープンドアは、ドアまわりの補強が必要になるため、車重が重くなる。樹脂製の外板パーツを使い軽量化しているものの自然吸気エンジンで、930㎏と重い。この車重では、52ps&60Nmの自然吸気エンジンでは荷が重く、キツイ登り坂や高速道路などでは、力不足を感じる。ある程度、力に余裕のある方良いというのであれば、ターボ車がおすすめだ。標準モデルのターボは、それほどではないが、カスタムのターボは人気も高いため中古車価格はやや高め。標準車のターボグレード、Xターボがリーズナブルでおすすめだ。しかし、流通量が少ないのが難点だ。タントだけでなく、このクラスのモデルは背が高いため強い横風に弱い。高速道路などでは、フラフラするので注意が必要だ。

  • デイズルークス

    デイズルークスは、自動ブレーキである「エマージェンシーブレーキ」をモデル途中から全車標準装備した。その結果、VDC(横滑り防止装置)は標準装備化されているので安心だ。しかし、それ以前のモデルについてはこのエマージェンシーブレーキが装備されていないモデルはVDC(横滑り防止装置)さえも装備されていない。背の高いクルマは、重心が高くもしもの場合は、横転の危険性が高まる。そうした状況を回避するためにVDCは必須ともいえる安全装備なので、デイズルークスを選ぶ時は、必ずエマージェンシーブレーキ装着車を選びたい。また、デイズルークスも車重が重いため、自然吸気エンジンでは力不足を感じる時が多い。ターボモデルがおすすめだが、流通量は非常に少ない。

デザイン
  • スペーシア

    スズキ スペーシア

    スペーシアの販売不調理由のひとつとされているのがデザイン。ファミリー層に嫌われないデザインを目指したのだろうが、逆に個性が無く記憶に残らない。良く言えば無味無臭で万人受けするはずなのだが、軽自動車は小さいクルマだけに、存在感が求められる。今のデザインでは、顧客に十分アピールできていない。なお、スペーシアカスタムはバランスよくまとまっていて高評価。

  • タント

    ダイハツ タント

    タントは標準車とカスタムで、デザインテイストが大きく異なり、まるで別のクルマのよう。標準車は、ファミリー層に受け入れられやすい優しい顔つきで、大きくキリっとしたヘッドライトなどのテイストを加え、かわいらしさの中にもたくましさをプラスしたデザインが特徴だ。こうすることで、女性だけでなく男性でも乗れるデザインになった。そして、人気のカスタムはとにかくLEDを駆使しギンギンギラギラ系。デザインという面では微妙な感じなのだが、とにかく目立つ。顧客のニーズが大きく見える、目立つということなので、商売としては正解なのだろう。こうした手法は、地方で人気が高く、リセールバリューも高い。

  • デイズルークス

    日産 デイズルークス

    デイズルークスの標準車は、女性を意識している感じではなく、ツリ目のヘッドライトに大きく見える顔で堂々とした印象がある。そのためか、ライバル車と同じくカスタム系となるハイウェイスターでさえ、普通に見えてくる。それでもハイウェイスターは、エルグランドなどと共通のデザインテイストで、精悍な顔つきとなっているのが特徴。ミニエルグランドといった印象だ。エルグランドのユーザーが、併有車としてデイズルークスハイウェイスターを選ぶというのもよくわかる。

中古車値引き交渉術

すべての軽自動車は、新車よりも登録済み未使用車を中心に選んだ方が賢い。登録済み未使用車とは、ディーラーが販売目標を達成し、より多くのインセンティブをメーカーからもらうためなどの理由から、買い手がいないのに自社名義で一旦登録してしまったクルマのことを指す。一度登録しているため中古車扱いになるが、コンディションはほぼ新車。それでいて、価格は新車に比べると大幅に安い。こうなると、あえて新車を選ぶ理由が見つからない。ただし、お気に入りの仕様のクルマが見つかるかどうかは流通量とタイミング次第のため、誰にでもおすすめという訳ではない。

スペーシアとタントは特に、使用車が多い傾向にある。なかでもタントはここ最近ずいぶん増えている。また、従来それほど未使用車がなかったデイズルークスだが、三菱の燃費不正問題を受け、マーケットに流出してきた。
未使用車は中古車扱いとなるため、中古車店それぞれが独自に価格を付けている。全く同じ仕様であっても価格が違う。こうなると、値引きしやすい。異なる中古車店で同じ車種・仕様のクルマを見つけ競合させる方法が基本。同じ車種・仕様なら、もはや完全に価格勝負にしかならないからだ。ほぼ新車コンディションで、メーカー保証もあるため、アフターフォローもそれほど気にする必要もない。仮に壊れても近所のディーラーへ持ち込めば良い。
また、同じ未使用車同士を競合させるのもいい。スペーシア、タント、N-BOXという3台がライバルとなるので、この3台の見積りを違う店舗で取って商談に臨むと良い。とくに、ディーラー系中古車店で有効な技だ。ただ、ディーラー系中古車店はやや高めの価格設定となっている傾向があるので、しっかりと値引きしてもらうことが条件だ。

なお、数年経過した中古車の場合も、同じ車種・仕様・走行距離の車両を見つけ競合させること。軽自動車は流通量が多いので「他にも商談している人がいる」とか、「まったく同じクルマではない(他店では出てこない)」とか、営業マンが色々理屈を並べてくるが即決だけは避けたい。あまりしつこいようだったら、他の販売店に切り替えればいいだけだ。じっくりと商談し、現金の値引きが厳しい状況になってきたら中古車店が独自に設定している有料延長保証の無料サービスや、タイヤやオイル、ブレーキパッドの交換などを要求するのもいいだろう。

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  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

  • ミニバン

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    無難に選びたいなら、おいしいとこ取りのコレ!

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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