高級セダン 人気おすすめランキングベスト3 2016夏

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この夏おすすめの新車・高級セダンを聞きました。

  • RANKING BEST 1BMW 3シリーズ

    BMW 3シリーズ

    3シリーズは、2015年8月にマイナーチェンジされたが、デザインは、あまり代わり映えせず、やや洗練さが増した程度。デビュー時はガソリン車のみだったが、ハイブリッドやクリーンディーゼルなどをいち早くラインアップに投入。輸入車のクリーンディーゼルブームの先駆けともいえる存在だ。そして、2016年にはPHVのBMW 330eが投入された。他社のPHVは、かなり高額な価格設定だが、普及を目指し554万円という戦略的な価格設定とした。プレミアセダンとしては、唯一の500万円台となっている。

  • RANKING BEST 2メルセデス・ベンツ Cクラス

    メルセデス・ベンツ Cクラス

    Cクラスのエンジンラインアップは多彩。ガソリン車だけでも、1.6Lターボと2.0Lターボが2タイプ、3.0Lターボ、4.0Lターボと計5タイプがある。さらに、2.2Lクリーンディーゼル、2.0LターボのPHVが加わり、なんと7タイプのパワーユニットを揃えた。プレミアセダンで、これほどのラインアップを誇るのはCクラスくらい。国産メーカーの高級セダンが売れなくなるのも理解できる。ただし、PHVのC350eは707万円とかなり高価なのが残念なポイントだ。ただし、世界トップレベルの安全装備で、部分自動運転を可能とした「レーダーセーフティパッケージ」を一部のグレードを除き、標準装備化している。メルセデス・ベンツ=安全というイメージは、今も引き継がれている。

  • RANKING BEST 3日産 スカイラインハイブリッド

    日産 スカイラインハイブリッド

    2014年2月に発売が開始された日産スカイラインハイブリッド。スカイラインのハイブリッドシステムは、3.5LのV6エンジン+モーターを組み合わせた1モーター2クラッチ式。これは、欧州のメーカーも同じタイプのものを使うが、日産はトルクコンバーターを使わず機械的に接続。そのため、よりダイレクトでレスポンスのいいフィーリングをもつ。日産は独自の技術により、ギクシャク感を上手く消し高級車らしいスムースさとダイレクトなドライブフィールを両立した。また、このスカイラインは、北米の高級車ブランドであるインフィニティQ50と同じクルマ。エンブレムもそのまま。つまり、これはスカイラインがインフィニティと同等の高いクオリティを持つ証でもある。

オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • 3シリーズ

    2016年1月に、3シリーズにもPHVである330eを投入。新世代2.0Lターボエンジンを搭載したPHVだ。この330eの燃費は17.7㎞/L。120㎞/hまでEV走行可能。最長36.8㎞EV走行が可能だ。BMWの攻めの姿勢は凄い。驚きなのは価格で707万円のメルセデス・ベンツのPHV C350eに対して、330eは554万円という戦略的な価格で勝負に出ている。PHVを普及させるには、やはり価格設定は大切だ。330e Mスポーツの価格は599万円。ガソリンの2.0Lターボである320i Mスポーツが534万円なので、65万円高に抑えられている。320d Mスポーツに対しては、42万円高。通勤でクルマを使い、勤務先に充電環境があるなどすれば、PHVはかなりメリットがある。休日くらいしかクルマは使わないというのであればクリーンディーゼルという選択になりそうだ。

  • Cクラス

    5タイプのガソリン車があるが、主力はC180もしくはC200。1.6LターボのC180は、17.3㎞/L、2.0LターボのC200は16.5㎞/Lという燃費値だ。このクラスでは平均的な燃費値となっている。輸入車もクリーンディーゼル化が加速していて、今後の主力は2.2LディーゼルターボのC220dに移行していくだろう。このディーゼル車の燃費は20.3㎞/L。また、C220dの価格は、559万円でガソリンのC200より25万円アップに抑えられていて、より魅力的な価格設定としている。燃料の軽油は安く、ガソリン車のハイオクガソリンと比べると30円/L前後も違う。25万円差なら、そこそこ距離を走る人なら燃料費差で元が取れるので、これからはディーゼル車がおすすめだ。

  • スカイラインハイブリッド

    スカイラインハイブリッドの燃費は、17.8㎞/L。さすがに、3.5Lというガソリンエンジンを搭載していることもあり、燃費値は驚くほどのものではない。ただ、Cクラスや3シリーズの2.0LターボPHVのハイブリッド走行時燃費と同程度となっている。スカイラインハイブリッドの売れ筋グレード、タイプPで車両価格は約514万円。2.0Lのハイブリッドシステムを搭載するレクサスIS330hより安く、買い得感はある。ただし、装備差があるとはいえ、BMW3シリーズのPHVの554万円という価格は脅威だ。BMWのPHVと価格差が40万円しかない。

装備・使い勝手
  • 3シリーズ

    3シリーズの装備関連は、さすが高級車というだけあり隙がない。エントリーグレードを除けば、基本的な昨日はほぼ標準装備されている。安全装備面では「ドライビングアシスト」と呼ばれている歩行者検知式自動ブレーキや後側方接近車警報など、一定水準の安全装備が一部グレードを除き全車に標準装備化されている。もちろん、エアバッグ関連は十分に満足できるレベル。さらに、エアバッグが展開するような深刻な事故や、側方および後方からの衝突や横転が発生した際に、車両から自動的にSOSコールを発信するBMW SOS コールがある。ドライバーが意識ない状況でも、救急車の手配などを行ってくれるという手厚いサポートだ。また、3シリーズは日本仕様のボディサイズにこだわった。海外では全幅1,800㎜超のボディサイズで売られていた3シリーズを専用部品に変更し、日本仕様を1,800㎜に収まるように変更。これは、日本の都市部に多い立体駐車場の制限を考慮してのこと。1,800㎜を超えると車庫証明が取れなくなるなどで3シリーズの購入を断念させないようにするための配慮だ。

  • Cクラス

    Cクラスで最も魅力的な装備は「レーダーセーフティパッケージ」だ。高い先進安全性能をもち、安全面では、歩行者検知式自動ブレーキだけでなく、後方側の車両検知警報、後方から来るクルマに対する追突被害軽減機能など、クルマの周囲360度の監視を行っている。多くの自動ブレーキ装着車があるが、360度監視というタイプはまだ少ない。こうした安全装備に使われるセンサーを使い、ドライバーの疲労軽減という意味で、部分自動運転も可能としている。前走車を検知し追従する機能もあり、高速道路などでは、ステアリングに手を添えている程度でクルマが自動でステアリング操作を行ってくれる。もはや、この装備だけでCクラスを買ってもいいと思えるくらいだ。ただし、BMW3シリーズとは都市部の立体駐車場に多い1,800㎜という全幅制限を駐車場としている顧客はCクラスが購入できない。Cクラスの全幅は1,810㎜。わずか10mmで車庫証明が取れなくなる。普段の使い勝手面は、さすがCクラスといったところ。最小回転半径は5.1mとなっていて、狭いところでの使い勝手はよい。この数値は、ひとクラス下のコンパクトカー並みだ。

  • スカイラインハイブリッド

    残念ながら、日産の自動ブレーキである「エマージェンシーブレーキ」は、歩行者検知式ではない。ステレオカメラが無いので、人間を見分けることができないのだ。ミリ波を使うタイプの自動ブレーキで、対車両であれば2台前のクルマまで検知する高性能なタイプとなっている。その他、後側方接近車警報や車線逸脱防止支援などの安全装備は十分なものとなっている。また、ステアリングと前輪が機械的につながっていないバイワイヤ方式の世界初ダイレクトアダプティブステアリングが採用されている。前輪が入る不要なキックバックなどが無く、直進安定性も高くなり快適なドライブが楽しめる。ただし、フィーリングは好き嫌いが出そうだ。残念なのは、FR車なのに最小回転半径が5.6mと大きく扱いにくい点。もはや、ミニバン並みの最小回転半径だ。Cクラスは5.1mなので、0.5mも違う。さらに、全幅は1,820㎜となっていて、国内に多い立体駐車場の全幅制限を楽々超える。国産車でありながら、最小回転半径や全幅の問題といい、基本的に日本マーケットでの使われ方が考慮されていない。

走行性能
  • 3シリーズ

    2016年5月の改良で、新世代のクリーンディーゼルエンジンに切り替わった。新エンジンになり、最大トルクは400Nmまで引き上げられ、燃費は21.4㎞/Lへと向上している。より滑らかなフィーリングになっていて、もはやガソリン車との区別がつかないくらいになっている。そして、PHVの330eは、非所にパワフル&スムース。モーターの大トルクがアクセルを踏んだ瞬間に立ち上がり、アクセル操作にクルマがレスポンス良く反応する。こうしたフィーリングの良さは、走りにこだわるBMWならではのもの。また、すべてのモデルに共通するのは、前後重量バランス50:50のボディ。カーブなどでは、ドライバーがクルマの中心にいる感覚になり、クルマとの一体感を強く感じる。

  • Cクラス

    Cクラス史上、最もスポーティなCクラスと自ら言うだけあり、非常に俊敏性の高いモデルに仕上がっている。導入初期のモデルは、とにかく足回りがカタく、これがメルセデス・ベンツの乗り味か? と、思うほどだった。しかし、カーブではその俊敏性をいかんなく発揮。良い意味で、これがメルセデス・ベンツの走りか? と思うほど気持ちよく走れた。今では、乗り心地が改善され完成度は高まった。また、400Nmという大トルクを誇る2.2Lディーゼル車は、さらにスポーティ。ややドローンとしたエンジンフィーリングだが、大トルクと9速ATの組み合わせにより、スムースかつ豪快な加速をみせる。Cクラスの中で、価格や燃費、走りなど最もバランスがよいモデルになっている。

  • スカイラインハイブリッド

    日産が自らダイレクト感とレスポンスに優れる1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムというだけあり、なかなか豪快な走りを披露する。3.5Lエンジンとモーターの組み合わせは、かなり強力。アクセルのグッと踏み込むと瞬時にモーターのトルクでクルマを前に押し出す、わずかに遅れてエンジンのパワーが加わると、息の長い豪快な加速が続く。加速は豪快だが、加速感はスムースだ。また、EV走行時アクセルを踏むと「ボン!」という勇ましいエンジン音が聞こえ、スポーティなムードを高めてくれる。スカイラインハイブリッドには、ドライブモードセレクターがあり、自分好みの仕様にすることが可能。エンジンやステアリング制御など数種類変更が可能で、96パターンの中から選ぶことができる。前輪とステアリングが機械的につながっていない世界初のダイレクトアダプティブステアリングは、ステアリング操作するとコンピューターを介して前輪のモーターが操舵。通常時は路面などの外乱に強く、クルマは高い直進性を維持する。カーブでも、路面の変化でステアリングが取られることはなく、ロングツーリングでは疲労軽減にも役立つ。ただし、ほとんど前輪の状況がドライバーに伝わらないため、ゲームのクルマを操っているようで、好き嫌いが出る装備だ。

デザイン
  • 3シリーズ

    3シリーズ

    3シリーズは、2015年8月に1度マイナーチェンジが施されている。オーナーじゃない限り、その違いはひと目で分からないくらい微小な変更だ。大きなデザイン変更がないということは、世界的に高評価であるということでもある。3シリーズのデザインは、前方に低く構えたスポーティなスタイリングが特徴。そこに、新世代デザインを採用したLEDヘッドライトやLEDリヤコンビネーションランプが加わっている。光モノで個性が増しているので、夜間はより明確に3シリーズと分かるデザインになっている。

  • Cクラス

    Cクラス

    日本のおけるメルセデス・ベンツのデザインイメージは、威圧感&迫力といったところだろう。そうした視点では、Cクラスのデザインは高く評価されていて、販売も好調だ。また、フルLEDヘッドライトなども加わり、コンパクトサイズのセダンでありながら、なかなか威風堂々としたスタイルをもつ。また、ロングノーズはFRらしいプロポーションとなっている。インテリアは、クルマの運動性能と同様にスポーティな印象でまとめられていて、品質感は高級車に相応しいレベルだ。

  • スカイラインハイブリッド

    スカイラインハイブリッド

    スカイラインという名前は付いているものの、基本的に北米をメインターゲットにしたインフィニティQ50として開発されている。ただ、リヤのコンビネーションランプには、スカイライン伝統の丸4灯風デザインが採用されていて往年のスカイラインファンも少しは納得できるレベルにはなっている。フロントフェイスは、猛禽類の目に似た鋭いヘッドライトデザインが採用され、Cクラスや3シリーズにも負けない精悍さもある。インテリアは、上部に8インチ、下部に7インチのモニターをもつユニークな仕様だ。

新車値引き交渉術

もはや、Cクラスと3シリーズは、永遠のライバルといわれる間柄。メーカー同士はかなり意識し合っている。この2車の購入を考えているのなら、必ず競合させたい。さらに、フルモデルチェンジしたばかりの、アウディA4を加え三つ巴の戦いに持ち込む方法が正攻法といえる。BMWは一度マイナーチェンジし、そろそろモデル後期に入ってきているので、値引き額も徐々に増えているので、上手く泥沼の値引き合戦に持ち込みたいところだ。こうしたプレミアムブランドは、値引きしないように思われがちだが、国産車並みの値引き合戦が繰り広げられている。インポーターが決算となる12月や、大手の販売会社ヤナセの決算月である9月などに大幅値引きが出やすい。とくに、メルセデス・ベンツは、自社登録するクルマが多いので、決算の12月が終わった後の1~3月頃には多くの登録済み未使用車が出てくる。ただ登録しただけのクルマであるため、基本的に新車と同様のコンディションの登録済み未使用車を中古車店で狙うのも良い。
スカイラインハイブリッドのライバルは、やはりクラウンハイブリッドやレクサスISなど。ただし、ISやクラウンなどのハイブリッド車は人気なので、なかなか値引き交渉は進まない可能性がある。そのため、ハイブリッドではないが、価格が近いCクラスや3シリーズのガソリン車やディーゼル車と競合させてみるのもいいだろう。日産は、2015年度は一度も新車が投入されなかったうえに、三菱の燃費不正問題で軽自動車もいつ売れるか分からない状況。販売店は、数少ない顧客を逃がしたくないので、大幅値引きで対抗する可能性が非常に高い。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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