中古コンパクト国産車 おすすめランキング2016春

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この春おすすめの中古車・コンパクトカーを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1トヨタ アクア

    トヨタ アクア

    新型プリウスが出る前までは、毎月日本一売れるコンパクトカーだったアクア。すでに、デビューから3年以上が経過したことから、中古車マーケットにアクアが増えてきた。アクアは、日本一売れていたクルマなので、中古車でも高い人気を誇る。しかし、ひとクラス上の中古プリウスの価格が下がっていたため、アクアの価格はそれほど高価にならなかったのだ。デビュー直後の2012年式で130万円以上の予算があれば良質な中古車が狙える。人気車なので、極端に価格は下がっていないが、軽自動車の新車並みの価格で世界トップレベルの燃費をもつアクアが手に入る。

  • RANKING BEST 2日産 ノート

    日産 ノート

    日産ノートは2012年にフルモデルチェンジした。売れ筋グレードは、ユニークな1.2Lミラーサイクル+スーパーチャージャーというエンジンを搭載している。通常は1.2L車並みの燃費で、いざという時には1.5L車並みの力強さもつ。ノートは、アクアなどより若干ボディサイズが大きく、リヤシートなども広い。ガソリン車もクラストップレベルの燃費を誇り、日産を支えるヒットモデルだ。ハイブリッド車と比べれば、価格も安く流通量も多くなってきたので、中古車らしい買い得感が出てきている。

  • RANKING BEST 3フォルクスワーゲン ポロ

    フォルクスワーゲン ポロ

    北米のディーゼル車排ガス不正問題を受けブランドイメージが傷ついたこともあり、国内のフォルクスワーゲン車が売れていない。その影響で、フォルクスワーゲン車がお買い得になっている。登録済み未使用車が増え、中古車価格も下がっている。不正問題はあったものの、国内に入っているフォルクスワーゲン車には問題はない。フォルクスワーゲンは世界トップレベルの小型FF車を生み出すことができる数少ないメーカー。日本で人気のポロも、モデル末期とはいえ国産コンパクトでは太刀打ちできないくらいの実力車だ。新車価格では、約220万円以上していたポロが、2013年式で130万円以上の予算があれば良質な中古車が手に入るくらいにまで価格が下がっている。また、2015年式には多くの登録済み未使用車があり、買い得感のある価格で売られている。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • アクア

    最新モデルで燃費は37.0㎞/L。デビュー当時のモデルでは、35.4㎞/Lという驚異的な低燃費を誇るアクア。もはや、燃費性能面ではケチの付けどころない。しかし、車両価格は高め。ハイブリッド車は高くても買う、というトヨタの強気の価格設定だ。その通り、アクアは売れに売れた。デビュー時の価格は169万円からと一見リーズナブルだが、実際には何から何までオプションというクルマで、あれもこれもとオプションを選択すると200万円からの予算が必要になったくらいだ。決して安いクルマではないので、中古車でオプションがたくさん装備されているクルマが狙い目だ。

  • ノート

    デビュー直後の燃費は24.0㎞/Lを誇ったノート。何度か改良やマイナーチェンジが施され、現在では26.2㎞/Lまで燃費を向上させている。この燃費値は、クラストップレベルだ。デビュー当時の売れ筋グレードの価格は約150万円。現在は約171万円まで上昇している。これは、このクラスでは珍しい歩行者検知式自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキが標準装備化されるなど、装備向上によるものだ。中古車は2013年式で、90万円以上の予算があれば良質の中古車が手に入るようになっている。100万円を切る価格なら、中古車の旨みタップリといえるだろう。

  • ポロ

    ポロは2009年デビューと、すでにモデル末期。今まで幾度となく、改良されてきた。マイナーチェンジでは、新エンジンを搭載するくらい進化を重ねている。燃費性能もデビュー当時は、10・15モード燃費で17.0㎞/Lだったのに対し、最新モデルでは23.4㎞/Lを達成している。同じ1.2Lの過給機付エンジンのノートは26.2㎞/Lと燃費面では上回るが、走りの質ではポロが圧倒する。ただ、輸入車全般に言えることだが、燃料を日本向けに対応してこないことが問題。ハイオクを使うため、多少燃費が良くても、燃料費視点では経済的とは言えなくなる。北米でのディーゼル問題で、かなり複雑なプログラムを仕込んだコンピューターを入れることができるコストがあるくらいなら、ハイオク仕様のポロをレギュラー仕様にすることくらい容易なはずだ。それくらい作り分けて日本に持ち込めば、ポロの実力からすれば、もっと売れるはずだろう。

装備・使い勝手
  • アクア

    アクアにようやく自動ブレーキ関連の安全装備「トヨタセーフティセンスC」がほぼ標準装備された。やや高速域から作動する自動ブレーキで、車線逸脱警報などが用意されている。ただし、歩行者検知式自動ブレーキではない。もはや、軽自動車でも歩行者検知式自動ブレーキが採用されているクルマがあるのに、世界最高レベルの超低燃費性能を誇るアクアが、この状況であるの物足りない。使い勝手面では、ツーリングパッケージ(16インチホイール)装着車は、最小回転半径が4.8mから5.7mになる。5.7mという数値は、大型ミニバンであるアルファード/ヴェルファイア並み。コンパクトカーなのに、狭いところが苦手という本末転倒な仕様。使い勝手を重視するなら、16インチタイヤ装着車は選ばない方がいいだろう。

  • ノート

    デビュー直後のモデルは、あまりお勧めできない。現在では標準装着が義務付けられている横滑り防止装置(VDC)が標準装備されていないからだ。その後、最新モデルでは、このクラスでは珍しい歩行者検知式自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」が標準装備されている。オプションで用意されていた時期もあるので、選ぶならエマージェンシーブレーキが装備されている車両がよい。運転が苦手な人には、移動物を検知してくれるアラウンドビューモニター付きもお勧めだ。

  • ポロ

    歩行者検知式自動ブレーキではないのは、やや物足りない状況。年式が古いものは自動ブレーキも用意されていない。ただし、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグなどは標準装備化されている。このクラスでは、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備しているモデルは、ほとんど無いのでこの部分では高く評価できる。使い勝手面では、荷室はそれほど広くはない。また、最小回転半径は4.9mとなっていて、コンパクトカーらしい高い機動性を誇る。

走行性能
  • アクア

    マイナーチェンジ前のモデルは、残念ながら乗り心地性能は褒められたものではない。マイナーチェンジで、乗り心地性能は大幅に改善され快適性は向上した。アクアは低重心と前後の重量バランスが、なかなか良い。リヤシート下に大きく重いハイブリッド用バッテリーを搭載したことで、低重心化と前後重量が良くなっているのだ。その結果、なかなかスポーティな走りを見せる。

  • ノート

    アクセルをグッと踏み込むと、スーパーチャージャーが作動し1.5L車並みの力強い加速を誇るノート。通常は、ミラーサイクルの1.2Lエンジンなので、燃費が良い。アクセル操作が上手い人が乗ると、実燃費面でもかなり高いレベルになる。乗り心地性能は、ややゴツゴツ感のあるタイプだ。直進安定性もやや微妙な印象だ。

  • ポロ

    ちゃんと整備さえされていれば、多少年式が古く、過走行気味でも強固なボディとしなやかな足回りを維持しているクルマが多い。経年劣化は少ないので、長く乗れるクルマだ。走行性能面では、年々改良が施され熟成されている。最新モデルは、新エンジンとなっていて、フィーリングも良くなりさらに低燃費化されている。ハンドリング性能は、これがFF車なのかと思えるくらいよく曲がり、とても安定感もある。乗り心地性能は、やや硬めのしなやか系。走行性能や運動性能面は、国産コンパクトカーでは歯が立たないくらい高いレベルにある。

デザイン
  • アクア

    トヨタ アクア

    アクアの全高は、とても低く1,455㎜。クラストップレベルの低さだ。背か低いことで、ワイド&ローなスタイルに見え、なかなかスタイリッシュ。スポーツハッチバック的でもある。この全高の低さは、スタイルを重視したわけではなく、空気抵抗を減らし超低燃費を実現させるためでもある。インテリアデザインは、なかなか個性的でカジュアルな印象だ。ただ、全般的に質感は今ひとつだ。

  • ノート

    日産 ノート

    マイナーチェンジや改良を何度も繰り返しており、デザインもデビュー時よりスタイリッシュになっている。とくに、ヘッドライトとグリルまわりは高級が出ている。他のコンパクトカーと比べると、ドッシリとした安定感あるデザインであり、存在感もある。インテリアは、シート生地がやや地味。スタイリッシュな外観とは、やや保守的なイメージデザインになっている。

  • ポロ

    フォルクスワーゲン ポロ

    ボディサイドに派手なキャラクターラインがあるわけでもなく、目立つための手法などはほとんど使われていない。ある意味、面白みのないデザイン。しかし、このデザインには隙が無く非常に完成度が高い。質実剛健なデザインというイメージだ。長く乗っていても、デザインの賞味期限が長く飽きのこないものとなっている。インテリアも同様。各スイッチ類なども、キレイに整理されていて使いやすい。

中古車値引き交渉術

アクアとノートは、流通量がとても豊富でお気に入りの1台を探すことは容易にできるだろう。ある意味、選び放題。こうした状況は、買い手側が有利になる。同じような仕様のクルマを探し、中古車店同士で競合させたい。新型プリウスが出て、プリウスの流通量も豊富で価格も下落傾向。アクアは、プリウスと競合させてみるのもいいだろう。ディーラー系中古車店の場合、アクアはフィットハイブリッドとの競合させてみると効果があるだろう。
ポロは、北米でのディーゼル車排ガス不正問題で、国内の販売台数が落ちている。そのため、登録済み未使用車も多く中古車マーケットに流れている。登録済み未使用車は、ほぼ新車と同等のクオリティを保っているので、新車を狙っているのなら、こうしたクルマを購入したほうが安く買える。こうした登録済み未使用車の登場で、ポロの中古車相場は、さらに下落傾向になる。高年式のポロは価格を下げないと、登録済み未使用車との価格差がなく売れないからだ。高年式ポロを狙うのなら、登録済み未使用車と競合させて値引き交渉するといいだろう。
すでに1回目の車検を終えたモデルを購入する場合で、値引き金額の交渉が暗礁に乗り上げた場合、延長保証などの無料サービスなどに切り替えておきたい。中古車店側も、比較的受け入れやすいアイテムだからだ。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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