スズキアルトワークススズキは、アルトをベースとした軽スポーツカーであるアルトワークスを15年ぶりに設定し発売を開始した。




  1. 目次
  2. ベースとなるアルトはどんな車?
  3. アルトの派生車アルトターボRSはAT専用
  4. 5MT搭載でアルトワークスの復活!その昔引き起こした馬力自主規制とは?
  5. アルトワークスのスペックや燃費、装備は?
  6. アルトワークスの選び方は?ターボRSとどちらが良い?
  7. スズキ アルトワークスの価格

ベースとなるアルトはどんな車?


アルトは、2014年12月デビューした。眼鏡のようなヘッドランプなどのユニークなデザインで話題となる。また、ハード面ではスズキの軽量化技術がいかに優れているかをアピールしたモデル。最も軽量なモデルで車重はわずか610㎏を実現。ライバル車であるダイハツ ミライースが730㎏。なんと、ライバルに対して100㎏以上軽量だ。

車重が軽ければ、軽いほど燃費には効果がある。こうした軽量化と低燃費技術により、アルトの燃費はガソリン車ナンバー1となる37.0㎞/Lを達成している。もちろん、軽量化は走行性能にも大きな影響を与えている。クルマが軽いので、とにかく走りが力強く軽快だ。こうしたことが高く評価され2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞を受賞している。

アルトの派生車アルトターボRSはAT専用


スズキアルトワークスアルトはその後、2015年3月にパワフルなターボエンジンを搭載したアルト ターボRSを導入する。このターボRSも、軽量ボディの恩恵で、とにかくパワフルで軽快。サスペンションはかなり引き締められ、ハイグリップタイヤと組み合わされたことでハンドリングは極めてシャープ。とにかく、走る楽しさを感じるモデルだ。

ただ、アルトターボRSには、5MTの設定がなくAGSと呼ばれる自動変速MTの設定しか無い。このAGSは、ターボRS用にチューニングされており、かなりクイックなシフトフィーリングをもっている。自動変速MTにありがちな空走感もかなり軽減されていた。しかし、スズキはAT免許が普及していることもあり、AT免許しかもっていない若年層が買うモデルと判断。AT免許でも乗れるAGSで十分と判断した。

確かに、マーケティング的には正しいかもしれない。しかし、マーケットやメディアからはMT車待望論が強く出始めた。スズキは、5MTそのものはすぐにでも用意できるが、販売台数やコスト面から、5MTの導入は難しいとしていた。だが、ついにターボRSから遅れること9ヶ月。ついに、5MTを搭載したアルトワークスがデビューした。まさに、マーケットに後押しされ登場した。

5MT搭載でアルトワークスの復活!その昔引き起こした馬力自主規制とは?


さて、今回のアルトワークスは、単にターボRSの5MTモデルではない。ワークスという車名が15年ぶりに使われている。アルトワークスはその昔、ハイパワーのターボエンジンを搭載し4WDの設定もあった。そのパワフルさは群を抜き、軽スポーツカーの代名詞となると同時に、軽スポーツモデルの馬力戦争にも発展した。そのため、多くの競技車両にも使われるほどだった。しかし、そのパワー戦争があだとなる。最終的に、軽自動車馬力自主規制が始まり、軽スポーツモデルはドンドンと姿を消していくことになる。

その歴史あるワークスの名を受け継ぐ以上、中途半端ではダメ。まず、5MTは専用開発。1~4速はクロスレシオ&ショートストローク化しスポーツ走行向きとした。また、AGSも用意されている。

アルトワークスのスペックや燃費、装備は?


スズキアルトワークスパワーユニットは、ターボRSとの差別化も必要だ。最大トルクはターボRSの98Nmから100Nmへわずか2Nmだがアップされている。しかし、これではターボRSとの差別化ができていない。馬力は同じ64psのままだ。アルトワークスも、軽自動車の馬力自主規制を打ち破ることはできなかった。ホンダS660も同様。販売台数も少ないスポーツモデルくらい、そろそろこうした自主規制枠を破ってもいい時期にきている。何十年も前の自主規制数値に縛られていては、良いクルマなどできはしない。もはや軽のスポーツモデルに限らず、軽自動車の馬力自主規制は単なる足かせにしかなっていない。アルトワークスは、軽自動車の馬力自主規制のきっかけになったモデルだけに、自主規制枠を自ら破ってほしかった。

さて、アルトワークスの燃費。アルトターボRSは670㎏で25.6㎞/Lでワークスは690㎏で23.6㎞/L。車重はそれほど変わらず燃費は随分悪くなっている。この数値から、ワークスの燃費が悪くなっている分、どこかでパワーやトルクがカタログ値以上であったり、フィーリングがターボRS以上であることに期待したいものだ。スポーティな演出面として、ターボ過給圧の高さに応じて色が白から赤に変化するブーストインジケーターをメーター内に装備した。

パワーこそ64psなので、ハンドリング性能こそがワークスの命ともいえる。ステアリング操作に対し、さらにキビキビとリニアに応答する操作性、ロールスピードを低減しコーナリング時の挙動変化をさらに抑えた安定性、より手応えのあるダイレクトな操舵感を目指した専用チューニングしたKYB製ショックアブソーバーを装備。また、ホイールリム幅を拡大。曲がり易さを向上させた15インチアルミホイールを装着した。

そして、ワークスのインテリアでもっとも注目したいのがシート。レカロが2脚標準装備されている。シートは、スポーツ走行時の高い旋回Gから体を支えてくる重要なパーツ。ドライバーをシッカリと支えることができるから、スポーツドライビングができるというもの。ある意味、かなり贅沢なシートといえる。

アルトワークスの選び方は?ターボRSとどちらが良い?


スズキ アルトワークスの価格は1,509,840円(5MT/5AGS)。AGS車には低速域の自動ブレーキが標準装備されている。気になるのは、ターボRSとの価格差だ。価格差は約22万円ワークスが高価な設定。エンジンの出力にほとんど差がないのに、これだけ高価になる要因はやはりレカロシートだろう。いくらレカロとはいえ、22万円高は少々高価。そうなるとターボRSの価格の安さが際立ってくる。

どうしても5MTでなくてはならないのであれば、今のところワークスという選択になる。エンジンの出力差も微妙なので、レカロシートが必要なくAGSで良いのなら、22万円の価格差分をチューニング費用としてみるのもいいだろう。マフラーやCPなどのチューニングくらいできそう。そうすれば、パワーアップは確実なので、かなりホットな走りが楽しめる。軽くチューニングして150万円で楽しめるスポーツモデルというのも珍しい。

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スズキ アルトワークスの価格


・2WD 5MT/AGS 1,509,840円
・4WD 5MT/AGS 1,617,840円

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