日本を中心に長年愛され、トヨタブランドで売り出されている「クラウン」。一方、トヨタから生まれながらも、グローバル展開を視野に入れ、独自ブランドを打ち出している「レクサス」。レクサスの方が高めの価格設定がされているが、違いはどこにあるのだろうか。比較してみた。

この記事の目次 CONTENTS
比較するモデル
クラウンハイブリッドアスリート -日本に合わせた作り
レクサスIS -アスレチックな走りが楽しめる車
クラウンハイブリッドとレクサスISの価格・燃費を比較
クラウンとレクサスISのデザインや性能を比較
クラウンとレクサスどっちを選ぼう?

ライター紹介

 

221616 編集部

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比較するモデル

今回は同じトヨタにルーツを持つ、以下の2台を比較する。

●トヨタ「クラウン ハイブリッドアスリート」
●レクサス「IS300h」

クラウンもレクサスも、日本車でありながら何の減税も受けられないほどに燃費が悪い。そのため、あえてハイブリッドモデルに限って比較したい。

クラウンハイブリッドアスリート -日本に合わせた作り

トヨタ クラウンハイブリッドアスリート

クラウンハイヴリッドアスリート

●サイズ:全長4895(mm)×全幅1800(mm)×全高1450(mm)
●価格:439万5600円~606万4200円(2017年1月現在)

 

クラウン ハイブリッドの特徴

クラウンは1955年に誕生したトヨタの中でも歴史の深い車だ。現行モデルで14代目となるクラウンはラグジュアリーな「ロイヤル」シリーズと、高級車にふさわしいスポーティさを備えた「アスリート」シリーズを展開している。環境を考慮した「クラウンハイブリッド」は2008年から登場した、日本では特に人気が高いハイブリッドタイプだ。

クラウンアスリートが発表されたとき、そのフェイスが賛否両論を巻き起こしたが、この「クラウンらしからぬグリル」は、実はレクサスの「スピンドグリル」に通じるものがある。

このエクステリアの特徴は、実のところ走行性能にも通じるところがある。後述の「レクサスIS 300h」とはパワートレーンも一緒、燃費の数値もまったく同じ23.2kmである。

 

レクサスIS -アスレチックな走りが楽しめる車

レクサス IS300h

レクサスIS

●サイズ:全長4665(mm)×全幅1810(mm)×全高1430(mm)
●価格:515万円~638万5000円(2017年1月現在)

レクサス ISの特徴

レクサスISは元々は日本でアルテッツアと呼ばれていたモデル。そのためにどうしても軽く見られる傾向があるものの、2013年にモデルチェンジをした現行モデルを見る限り、プレミアムブランドに相応しい仕上がりになっている。

クラウンハイブリッドとレクサスISの価格・燃費を比較

クラウンハイブリットとレクサスISの価格・燃費の比較は以下の通り。

価格

クラウン ハイブリッドの価格は439万5600円~606万4200円。
対して、レクサスISの価格は515万円~638万5000円だ。

クラウンハイブリッドは価格が安い分、安全性能の多くがオプションになるが、レクサスとの価格差を考えれば妥当だろう。

燃費

トヨタ「クラウン ハイブリッドアスリート」とレクサス「IS300h」の燃費の数値は、まったく同じ23.2km/Lだ。

上述のようにパワートレインや燃費を見る限り、クラウンと似通っている部分が多々ある。他方で、実際に乗ってみると、レクサスISの方がよりスポーツセダンらしいフィーリングを追求している。ハンドリングのキレが良く、ステアリングのフィールも上々。アスレチックな運転が楽しめる。

クラウンとレクサスISのデザインや性能を比較

クラウンハイブリッドアスリートとレクサスISのデザインや内装は以下の通り。

クラウンハイブリッドアスリートのデザイン

クラウンハイヴリッドアスリートのデザイン
クラウンハイヴリッドアスリートのデザイン

全長や全高はレクサスIS 300hよりも大きいため、車内にいるとその差を明確に感じる。長さは20センチ以上異なるため、足元が広々と使える。

クラウンハイブリッドアスリートの内装

シートにもたれて、リラックスした乗り心地を求めるならクラウンアスリートが良いだろう。

レクサスIS300hのデザイン

レクサスIS300hの内装

また全幅に関してはクラウンの方が狭いのだが、これもまたクラウンを選ぶメリットの一つである。クラウンアスリートのサイズであれば、日本の立体駐車場は大体停めることができる。対するレクサスは日本市場に合わせたサイズ変更をしていないため、日々の利便性の差は大きい。

レクサスのサイズに関しては不満が残る。全長や全高は、いわばコンセプトの問題なので、クラウンより小さいのは構わない。しかしながら全幅が1810mmだと、日本で立体駐車場に停める時に問題になりやすい。海外ブランドでも日本向けに全幅を調整している中、レクサスにそこまでの配慮がなかったのは残念だ。

クラウンとレクサスどっちを選ぼう?

パワートレインや燃費が同じクラウンアスリートとレクサスIS 300hなので、目的とサイズを基準にして選ぶのが良いだろう。

車内でゆっくりと過ごすことを目指す、都市部での移動が多い人にはクラウンアスリートがおすすめだ。せっかくレクサスISに乗っていても、全幅が規格をオーバーし駐車場難民になってしまうようでは、高級車の快適さも無駄になってしまう。

他方で、立体駐車場は使えなくても構わない、運転を楽しむための車だという方には、レクサスをおすすめしたい。値段は高く、スペックの差は一見すると分かりにくいが、運転をした時のフィールには明確な差がある。