圧倒的な人気を誇り、不動の人気ミニバンであるトヨタ アルファード/ヴェルファイア。新型になっても旧型の魅力を継承。その実力差はいかほどのものなのかを徹底検証します。
比較レビューのまとめ
- 新型と旧型の違いは、エクステリアと乗り心地、そして価格のみ。それ以外の違いはほとんどないと言える。
- ファミリーカーとして使う場合は、旧型モデルで十分。乗り心地が気になる人は、新型モデルがおすすめ。
- 流通量が少なく価格が高い新型モデルにこだわりがなければ、旧型モデルの中古がおすすめ。
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この記事は2017年1月24日に再編集しています。
エクステリアの違い
外見は好みが分かれる。迫力で見ると、アルファードなら新型モデル、
ヴェルファイアなら旧型モデル。
威風堂々のデザインが好きな人ならアルファードの新型車
アルファードは、旧型もメッキグリルを装着したが、比較的フォーマルでLサイズセダン風だった。
これはトヨペット店に法人ユーザーが多く、仕事で使われることも影響していたが、新型は見違えるほど存在感の強い顔立ちに変わっている。
ヴェルファイアは新型も旧型も派手なデザイン
ヴェルファイアの外観で特徴のあるフロントマスクは、旧型、新型ともにクロームメッキを強調した派手なデザインになる。
パッケージングの違い
アルファード、ヴェルファイア双方とも家族で乗るような使い方をする人には、新型と旧型で大きな差はない。
新型車はたくさん荷物を積みたい人にぴったりの利便性の高さ
新型車のラゲッジスペースは旧型車よりも進化している。
ラゲッジスペースにたくさんに荷物を積みたい人、あるいは4人でゴルフに出かける人などは新型車の利便性が評価のポイントになるはずだ。
家族で乗る分には、旧型車でも充分広い
旧型モデルの3列目シートも子供が乗るには十分な広さがある。そのため、新型車でなくても十分便利に使える。
インテリアの違い
標準グレードで比較すると、新型モデルと旧型モデルとで違いはそれほど大きくない。
旧型モデルもそれなりに豪華
上級グレードのシートの仕様では新型車が優位に立つが、標準グレードで比較すると、旧型モデルとの違いはそれほど大きくない。ほぼ2列目までスライドする助手席ロングスライドこそ旧型にはない装備だが、それ以外は似たような仕様だ。
手頃な予算で買える旧型モデルは現実的な選択肢になる。
走行性の違い
動力性能は大差なし。乗り心地、静粛性は新型が圧勝!
新型車も旧型でも動力性能に大きな違いはない
新型車は、数値の上では動力性能が向上している。ただし車両重量もやや増加しているので、実際のパフォーマンスという点では、画期的に良く走るようになったわけではない。
乗り心地が気になる人は新型モデルがおすすめ
新開発のサスペンションなどにより操縦安定性や乗り心地、静粛性などの面では新型車が確実に進化している。
流通量の違い
新型モデルはデビューして間もないため、納期待ちが長期化。中古車流通量も少ない。
新型モデルはどちらも納期待ちなので新車の値引きは抑えめ
現在の段階では、新車はまだ納車待ちが発生しているような状況なので値引きを抑えた強気な売り方をしている。アルファード、ヴェルファイアとも販売台数が好調な人気車種であるため、しばらくはこの傾向は続くだろう。
旧型モデルの中古車は流通量も十分
旧型モデルは2008年から販売されているが、初期モデルの2.4Xなら150万~200万円くらいとリーズナブルな価格帯。また流通量も豊富なので、エクステリアやインテリアのカラー、グレード、状態なども含めて、好みやこだわりに合ったお気に入りの一台が見つかるだろう。
価格
高価過ぎる新型車の価格。乗り心地にこだわらないなら、中古の旧型上級グレードも比べる価値あり!
新型車はフルモデルチェンジによって価格アップ
ベースグレードである2.5Xを選んでも、本体価格は320万円ほどだが、カーナビなどのオプションを装着すると購入予算は軽く400万円級になる。ハイブリッドXは本体価格が410万円台だが、やはりオプションの装着で500万円級の予算が必要である。
旧型モデルなら新車価格の半分で買える
新車から5~6年落ちになるが、新型車に比べたら完全に半分以下の価格帯であり、手の届くアルファード/ヴェルファイアという感じである。年式やグレードをいろいろ考えても、200万~250万円くらいの価格帯に、状態の良い上級グレード車が流通している。
中古車の価格帯(2015年5月時点)
新型アルファード
330〜530万円
2代目アルファード
171.2~244.5万円
新型ヴェルファイア
320~870万円
初代ヴェルファイア
202.6~231.3万円
お得な乗り換え方法
乗り換える場合、下取りと買取店での売却では、買取店に売却したほうが高く売れる傾向に。
下取りは安めの価格を提示されやすいので注意
下取り車は納期が長くなる場合、早めに処理したい。時間が経てば経つほど下取り車の価格は安くなる。特に下取りの場合、時間が経過して安くなることを見越して、安めの価格設定をすることが多い。そうなると、新車を待っているだけで下取り車の価格が下がるため、中古車専門の買取店も検討した方がいいだろう。
新車購入の場合は、エルグランドなら値引きの余地がある
ライバルとなる存在に日産エルグランドがあるが、実は販売台数面では、もはや桁違いの差を付けられている。そのためトヨタ側はエルグランドをライバル視しておらず、強気の価格設定で販売している。このクラスのミニバンを価格重視で選びたいなら、この現状を逆手に取るのが良いだろう。アルファードかヴェルファイアの見積りをもって、エルグランドと競合させてみよう。そうすればエルグランドは、大幅な値引きで対抗してくれるだろう。
- 自動車評論家
松下 宏(まつした ひろし)
中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。
アルファードのカタログ情報

- 現行モデル
- 令和5年6月(2023年6月)〜現在
- 新車時価格
- 540.0万円〜559.8万円