スバルは、WRXシリーズにスポーツセダンとして、WRX S4 を追加し発売を開始した。
- この記事の目次 CONTENTS
- 一見、普通のセダンだが、なんと300馬力!まさに、羊の皮を被った狼?
- 新型WRX S4のスペック・デザイン・安全性能
- 新型WRX S4を選ぶならGT-Sがおすすめな理由は?
- 新型WRX S4価格
一見、普通のセダンだが、なんと300馬力!まさに、羊の皮を被った狼?
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WRX S4は、とにかくスポーツ性能に振ったWRX STIに対し、毎日使える実用性や乗り心地を重視したモデル。また、AT免許の比率が高くなったこともあり、ATのスポーツモデルへの要望も強い。
適度なサイズで不自由なく走れるWRX S4
そうした要望をスバルでは、先代のWRX STIに2.5LターボにATを組み合わせたAラインを用意していた。ただし、外観を含め、乗り心地などあまりにもスポーツモデルだったためか、あまり街乗りには適さないという側面もあったようだ。
本来ならば、レガシィがそうした顧客の受け皿となるべきだったが、あまりにボディが大きくなりすぎて国内マーケットからは敬遠される結果となっていた。適度なサイズで、スポーツドライビングから街乗りまで不自由なく走れるクルマという高い要望に応えたのが、このWRX S4といえる。
見た目はセダンでも抜群のハンドリング性能
このWRX S4は、基本的にハイパフォーマンスモデルであるWRX STIと同じボディをもつ。俊敏性を徹底的に高めたWRX STIと同じなので、当然、S4も同様な実力をもつ。
高められたボディやサスペンション剛性もあり、S4のハンドリング性能は極めてシャープ。ハンドリング性能指標のひとつである操舵遅れは、わずか0.1秒。これは、スバルのスポーツカーBRZ より早い数値だ。それでいて、AWDということもあり、直進安定性も高い。
見た目は普通のセダンが、スポーツカー並みのハンドリング性能を手に入れたことになる。
新型WRX S4のスペック・デザイン・安全性能
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S4に搭載されたエンジンは、STIと異なり、レヴォーグなどに搭載されるFA20型2.0L水平対向直噴ターボ。このパワーユニットは、強化バルブスプリングによりレガシィのものより高回転化されているのが特徴。レヴリミットは、6,100rpmから6,500rpmへと引き上げられ、高回転まで気持ちよく吹き上がるエンジンへとチューニングされている。
STIよりも燃費性能向上を目指し、工夫されたエンジン
S4にこのエンジンが採用されたのは、STIに比べ燃費性能を向上させなくてはいけなかったためだ。低回転で大トルクを発揮させるターボエンジンは、高回転が苦手だが、スバルは高回転まで気持ちよく回る工夫をしている。
S4の最大出力は300ps&400Nmとなっていて、全長4595×全幅1795×全高1475mm、車重1540kgというコンパクトなボディにはパワフルすぎると思えるものだ。軽さにもこだわった結果、フロントフードはアルミ製で10㎏の軽量化。また、アルミ製のアンダーカバーも採用されている。
あえてCVTのメリットを使わないスバル
パワフルなエンジンと組み合わされるミッションは、スポーツリニアトロニックと呼ばれるCVT 。スポーツモデルになぜCVTと言われてしまうのが、スバルの痛いところ。それをなんとかカバーしようと、8速のステップ変速を取り入れるなどして、普通のATのようにみせている。エンジンパワーの美味しいところが使えるのがCVTのメリットなのに、なぜステップ変速なのか、少々微妙。ごまかして使うくらいなら、新しいミッションを開発したほうが良い気がする。
外観、インテリアの基本はレヴォーグと同じ
外観デザインは、レヴォーグのセダン版といった印象。似ていて困ることはないのだが、ならばレヴォーグセダンで良かったのではないだろうか。
インテリアも同様に、レヴォーグと基本はほぼ同じ。カーボン調のパネルやシルバーの加飾のハイコントラストな設定。フロントシートはバケットタイプとなり、GT-Sにはアルカンターラと本革を組み合わせた専用シートが用意されている。
アイサイト標準装備で他社と差をつける
MTのSTIには用意されていなかったが、S4には全車に追突被害軽減ブレーキなどを備えた3世代目のアイサイトが標準装備されている。これはとても良いことで、S4の顧客は、どのグレードを買っても平等に高い安全性能を得ることができる。
今やほとんどの顧客が選択する安全装備アイサイトなのだから、他のモデルも早い時期に標準装備化することを望みたい。そうしたことが、安全装備の開発や装備に大きく後れをとるトヨタとの差別化にもなる。
新型WRX S4を選ぶならGT-Sがおすすめな理由は?
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さて、新型スバルWRX S4の選び方。
価格は、標準車S4 2.0GTアイサイトが3,348,000円。S4 2.0GT-Sアイサイトが3,564,000円。装備差はビルシュタイン製サスペンション、アルカンターラ/本革のシート、トランクリップスポイラーなど。価格差は約22万円となっている。この価格差は安くは無いが、より走りのパフォーマンスを重視したいのならGT-Sを選択したほうが満足度は高い。リセールバリューもGT-Sの方が期待できるので、短期の乗り換えなら尚更だ。
色々と制約がある、走り好きのお父さんに向くクルマ
スバルWRX S4の魅力は、街乗りからスポーツ走行まで、フレキシブルに対応できるパフォーマンスにある。これだけのパフォーマンスや高い安全装備をもちながら、価格が350万円を切るセダンは輸入車を含めとても貴重な存在。地味目なセダンということもあり、通好みの羊の皮を被った狼的でもある。
S4は、スポーツドライビングが趣味。でも、家族みんなが乗るクルマなど、色々と制約がある走り好きのお父さんに向く。強いて言うのであれば、10ps位馬力が落ちてもかまわないので、燃料をハイオクからレギュラーガソリン仕様に変更してほしいくらいだ。ガソリン価格が高騰して、安くなる気配が見えない状況において、ハイオク専用車をあえて買うというのは、なかなか奥さんの同意を得られないという現実があるからだ。
新型WRX S4価格
WRX S4の価格は以下の通り。
グレード名 | 価格 |
---|---|
2.0アイサイト | 3,348,000円 |
2.0GT-Sアイサイト | 3,564,000円 |
WRX S4のカタログ情報
- 現行モデル
- 令和3年11月(2021年11月)〜現在
- 新車時価格
- 400.4万円〜623.7万円
WRX S4の在庫が現在21件あります
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