スバルWRX STIスバルは、小型セダンであるWRXのハイパフォーマンスモデルとなるWRX STIをフルモデルチェンジし発売を開始した。

同じ水平対向エンジンを搭載するポルシェがライバル?


新型スバルWRX STIは、ハイパフォーマンス スポーツセダンに求められる「絶対的な速さ」と「クルマを操ることの愉しさ」を高次元で両立することを目指して開発された。そのため、スポーツモデルの基本部分となるシャシーを徹底的に鍛え上げられた。

ドライバーのステアリング操作に対して、クルマが素早く反応することを目指し、鍛え上げられたボディは、先代WRX STI 比でねじれ剛性で40%、曲剛性で30%も向上している。当然、サスペンションなども高剛性化が進められ、スバル 伝統のWRX STI専用の倒立式フロントストラット式が採用。タイプSには、ビルシュタイン製サスペンションが装着される。また、フロントのロアアームにはアルミ鍛造性を使い軽量化したことや、ピロボールのブッシュが使われるなど、俊敏性にこだわった。

新型スバルWRX STIは、人間でいえば体の基本となる体幹を鍛え上げた。そうすることで、サスペンションを含めたボディに付随する部分が正確に、そして俊敏に動くようになる。こうした結果、スバルWRX STIは切れ味抜群のハンドリング性能を手に入れることになる。クルマの俊敏性を示す指標である操舵遅れのスピードは、なんとBRZより少なく、同じ水平対向エンジンを搭載したポルシェなどとほぼ同等だという。

新型WRX STIのスペック・デザイン


スバルWRX STI鍛えられたボディに搭載されるエンジンは、長年に渡り熟成され信頼性の高いEJ20型水平対向2.0Lターボ。出力は308ps&422Nmを発揮。このEJ20型は、最近流行のダウンサイジングターボのように、低回転域で最大トルクを発揮するものではない。高回転域までパワフルに回り続けるスポーツエンジンだ。

AWD機能は、コーナーリング特性をドライバーが選択、コントロールできるDCCD方式を採用している。このシステムは、センターデフに機械式と電子制御式という2つのLSDを内蔵。前後のトルク配分を前41:後59から直結状態の間で変化させる。通常時は、やや後輪駆動的だ。

この機能には、3つのオートモードが用意されている。AUTOモードは、オールラウンドの制御。AUTO+モードは、トラクション重視。AUTO-モードは、回頭性重視となっている。もちろん、マニュアルモードも用意されていて、レバーを前後方向に倒すことで、ドライバーの好みに合わせたセッティングが可能だ。

WRX STIのデザインは、ワゴンのレヴォーグによく似ている。基本部分を共有するので、似ていても仕方がないが、ハイパフォーマンスモデルなので、もう少し違いを持たせてもよかったかと思う。ハイパフォーマンスモデルなりの特別感が欲しい。

スバルWRX STIインテリアデザインも基本的にレヴォーグと同じ。ただし、WRX STIは、6MTのみの設定。そのため、シフトまわりのデザインが異なる。その他、大きなところでは、アルカンターラと本革を使ったSTI専用のバケットシートが用意されるくらいだ。

新型WRX STIを選ぶならタイプS?オススメの理由は?


スバルWRX STIの選び方だが、価格は標準車が3,790,800円。ビルシュタインサスやBBSホイールなどが装備されたタイプSが4,114,800円。価格差は約32万円となっている。この価格差は、やや高めの印象がある。ただ、BBSのホイールの軽量性やビルシュタインサスのパフォーマンスなど、高価なだけの理由はあるので、基本的にタイプSの方が満足度は高いだろう。ただ、自分なりにカスタマイズをしたいと思うのであれば、標準車がよいだろう。

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同様のサイズでAWDのセダン、それも300psオーバーというスペックをもつクルマはなかなか見当たらなく、アウディS4などが近い。ただ、アウディS4の価格はWRX STIの2倍弱。この価格では、単純に比較できない。つまり、それだけWRX STIのコストパフォーマンスが高いともいえる。今やスバルの中でも数少ない6MTモデルであり、これだけのパフォーマンスを持つモデルが400万円前後で買えるというのは珍しい。クルマ好きなら、一度は経験してみてもいい1台だ。

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新型WRX STIの価格


WRX STI 3,790,800円/WRX STI Type S4,114,800円