トヨタ ランドクルーザー70

<硬派限定!? 魅力的なモデルではあるが、マニアじゃなければ、かなりの覚悟が必要!>

トヨタ ランドクルーザー70世界的に人気の本格派クロスカントリー4WDであるトヨタ ランドクルーザー70シリーズが、誕生から30周年を迎え再び発売が開始された。期間限定で発売され、2015年6月30日生産分で受注を終了する。

ランドクルーザー70は、悪路の走行を基本としたヘビーデューティ仕様として、1984年に日本デビュー。国内では、2004年に販売を終了したが、その後30年にわたって世界各国で愛用されてきた歴史あるモデルとなっている。

再び販売されたランドクルーザー70シリーズは、ラダーフレーム構造による高い堅牢性・耐久性や、パートタイム4WD を組み合わせた高い走破性など、ランドクルーザーの特長はそのまま継承している。保安基準や安全装備なども、現在の基準に適合させている。さらに、現代的な内外装デザインや安全装備などを新たに装備した仕様となった。また、4ドアバンに加え、国内では初めてとなるダブルキャブピックアップトラックを追加し、ラインアップを充実させている。

ランドクルーザー70が世界中で愛されてきたのには理由がある。もはや、国内ではオフローダーでなければ行けない道はほどんどなくなったが、世界中にはまだまだ道なき道を進まなければならない場所が多く存在する。こうした道で使われるランドクルーザー70は、ちょっとしたことでクルマが壊れていたり、簡単にスタックして身動き取れなくなるようでは、乗員の生命にも係わることがある。そのため、簡単には壊れない、どんな路面状況でも脱出できることが重要。仮に壊れても、容易に修理が可能で、なんとか先に進める、もしくは戻ってこれるということが条件となるのだ。最近の4WD車のほとんどが電子制御化されているが、ランドクルーザー70がそうした電子制御をあまり取り入れないのは、なるべくシンプルな構造として、より多くの顧客が自分でも直すことを可能とするためでもある。

ある意味、かなり特殊な使い方がされるため、通常の乗用車よりはるかに厳しい基準に基づき車両を設計されているのがランドクルーザー70だ。また、30年間継続して改良されたきたこともユーザーの信用を勝ち取った理由のひとつ。こうした改善の繰り返しは、まさにトヨタの強みが反映されたモデルと言えるだろう。

ただし、実際にこのランドクルーザー70を買って、国内で使うとなると、かなりの不便さを覚悟しなくてはならない。単に、ライフスタイルやファッション的な感覚で選ぶと痛い目に合う。

トヨタランドクルーザー70まず、搭載されるエンジンは、V6 4.0L 1GR-FE型が搭載されている。燃費はなんと、6.6㎞/L。もはや、エコとは無縁。さらに、ハイオク仕様。経済性という意味では、かなりキツイ。ランドクルーザー70に乗れるなら、ガソリン代なんて気にしない! そんな覚悟が必要だ。ちなみに、燃料タンクは130Lもある。タンクが空に近い状態で満タンにするだけで、2万円くらいは余裕で必要になる。

また、バンの最小回転半径が6.3m、ピックアップは7.2m。もはや、日本の狭い路地や駐車場など、普通に使うにはかなりの苦労が必要だ。また、乗り心地は、基本的にトラックのようなもの。こうなると、本当にランドクルーザー70が好きでないと、そう簡単に乗れない。

オフロード走行を趣味としている人には、電子制御が無く、MTということもあり、逆に自らのテクニックを試される楽しさがある。今時、軽自動車にも装備されているヒルディセントコントロールもないので、急勾配の坂道を下るときもテクニック次第。MTなので急勾配の登りも、うかつにクラッチを切ると、再発進が難しくなるなど、ドライバーの技が必要だ。こうしたドライビングを楽しむのであれば、最近のオフローダーには無い楽しさがある。

■トヨタ ランドクルーザー70価格

・バン 5速MT パートタイム4WD 3,600,000円

・ピックアップ 5速MT パートタイム4WD 3,500,000円