フォード エクスプローラー
<安全装備を向上し、最上級グレードの装備を得た限定車LIMITED EcoBoost(リミテッド エコブースト)>
フォード エクスプローラーフォード エクスプローラーは、7人乗りの都会派大型SUVとして2011年に日本デビュー。全長で5m超、全幅2mというかなりのビッグサイズのSUVで、導入当初は3.5LのV6エンジンと6AT&AWDの組み合わせで、2つのグレードが用意された。低燃費時代となり、2012年にようやくフォードにも待望のダウンサイジングされた低燃費エンジン2L直4「エコブースト」が登場した。エコブーストエンジン搭載車は、エントリーモデルでSUVでありながらFFのみの設定だった。

クルマ好きの感覚からいえば、エクスプローラーのようにラフロードでのパフォーマンスを武器に歴史を刻んできたモデルを買うのだから、当然、AWDを選ぶのが常識だ。しかし、このエクスプローラーはFFが人気なのだ。この傾向は、顕著で、エクスプローラー以外のSUVも北米や日本を中心にAWDよりFFが良く売れるという。AWDという機能より、SUVというクルマのタフネスさやワイルドさが魅力のようで、ファッション的なものとして一般顧客がとらえていることを意味している。そして、FFはAWDより安価なため、より人気に拍車をかけているようだ。

そんなフォードの大型SUVであるエクスプローラーが一部仕様向上。同時に特別仕様車「LIMITED EcoBoost(リミテッド エコブースト)」を限定200台で導入し、11月より発売を開始する。先行して、販売会社をでは予約キャンペーンを実施している。

今回の仕様変更は、外板色にダークサイドとサンセットの2色を追加しカラーラインアップを強化。2.0L XLT EcoBoostに上級グレードのリミテッドにも採用されているBLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)とCTA(クロストラフィック・アラート)を標準装備するなど、安全装備を高めた。

BLISとは、走行中、車両斜め後方のドライバーの死角となる位置に、別の車両を認識するとドライバーに警告するシステムだ。とくに、エクスプローラーのように全長5020×全幅2000×全高1805mmという巨大なボディをもつクルマは死角も大きいので、こういった安全装備は非常にリスク回避に役立つアイテムだ。

CTAは駐車スペースから後退する時などに、後方左右からの車両の接近を感知しドライバーに警告する。これは、いかにもアメリカ的な装備。アメリカでは、駐車スペースに頭から入れるが、日本では駐車スペースが狭いためバックで入れる。これだけ大きなボディのクルマを前方から駐車スペースに入れることは、そうそうない。そのため、駐車スペースから出る時は前進して出るので、日本では使用頻度は低いと思われるが、この装備がないよりは安全だ。

これらの安全装備の追加により、通常グレードのXLTエコブースト価格は448万円となり、5万円ほど価格がアップした。

そして、特別仕様車「エクスプローラー リミテッド エコブースト」は、2013年2月に限定100台で導入したモデル。この特別仕様車が好調で、今回は一部改良したモデルをベースに前回の倍である限定200台を導入する。一気に導入台数が倍になっていることから、いかにこのモデルが人気なのかがよくわかる。

この特別仕様車は、2WDのエクスプローラー XLTエコブーストに、最上級グレード「リミテッド」の専用装備を追加したモデル。エクステリアにデュアルサンルーフやカラードグリル、カラードドアミラーなどを採用し高級感を高めた。

フォードエクスプローラーインテリアには、上質なチャコールブラックの本革シートや、12スピーカープレミアムオーディオを採用、さらに運転席、助手席に10wayのパワーシート、シートクーラー、3列目シートにはシートアレンジを容易にするパワーフォールディングシートを装備し、より上質で豪華になった。

価格は、490万円。XLTエコブーストの価格が448万円なので、42万円高だ。4WDで同じような装備をもつV6 3.5Lエンジンを搭載するリミテッドが535万円なので、45万円安となっている。追加される装備だけをみれば、ややお買い得感がある設定だ。

SUVでも、FFが売れる時代とはいえ、エクスプローラーの歴史を考えるとAWDも欲しいと思う顧客も多いのではないだろうか。エコブーストを搭載したAWDにも期待したいところだ。

エクスプローラーの購入を考えるならば、パワーユニットはエコブーストが燃費を含めベストな選択となる。ただし、AWDが無いので、AWDの機能を望むとV6 3.5Lのガソリン車しかないのが現状。唯一の救いは、ガソリン車の燃料がレギュラー仕様であること。多くの輸入車ハイオク仕様なので、若干だが燃料経済性でメリットはある。

そして、積極的におすすめできないのが、エクスプローラーが左ハンドルのみの設定しかないということだ。輸出国の道路事情に合わせて仕様を変更するのは、メーカーの義務でもある。とくに、全長5020×全幅2000×全高1805mmという巨大なボディをもつエクスプローラーのようなクルマは、日本の狭い道路事情では使い勝手が悪い。そんな理由から、エクスプローラーに魅力を感じていても、購入することを諦めた顧客も多いはずだ。今の状況では、エクスプローラーに乗れる顧客は限れてしまうだろう。

■フォード エクスプローラー価格

・エクスプローラーLIMITED 4WD 5,350,000円
・エクスプローラーXLT 4WD 4,430,000円
・エクスプローラーXLT EcoBoost FF 4,480,000円
・エクスプローラーLIMITED EcoBoost FF 4,900,000円

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