人気中古車 コンパクト国産車 おすすめランキング2016夏

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この夏おすすめの中古車・コンパクトカーを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1トヨタ アクア

    トヨタ アクア

    2011年末にデビューしたトヨタ アクア。35.4㎞/Lという世界トップレベルの低燃費をもつコンパクトカーだ。アクアは、新型プリウスが出る前までは、毎月日本一売れるコンパクトカーとなった。2014年末にはマイナーチェンジしている。すでに、デビューから5年近くが経過し、モデル末期に入ってきている。そんなこともあり、中古車マーケットにアクアが増えてきた。日本一売れていたクルマだけに、流通量も豊富で選びやすい。さらに、新型プリウスが出て、多くの旧型プリウスが中古車マーケットに流出。その結果、旧型プリウスの中古価格が下落。ひとクラス下のアクアの中古車と価格が近くなってきた影響もあり、アクアも引きずられて価格を下げている状況。デビュー直後の2012年式で130万円前後の予算があれば良質な中古車が狙えるようになっている。130万円というと、軽自動車の新車価格並み。この価格で世界トップレベルの燃費をもつアクアが手に入る。

  • RANKING BEST 2日産 ノート

    日産 ノート

    このクラスでは数少ない歩行者検知式の自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」を装備した日産ノート。デビューは2012年。ユニークな1.2Lミラーサイクル+スーパーチャージャーというエンジンを搭載。通常は1.2L車並みの燃費で、パワーが必要な時は瞬時にスーパーチャージャーが過給し、1.5L車並みの力強さもつ。ノートは、アクアなどに比べ若干ボディサイズが大きいこともあり、広い室内空間をもつ。ガソリン車だが常に改良を加えており、低燃費なのも魅力だ。中古車では、ハイブリッド車と比べ価格もリーズナブル。流通量も多くなってきたので、中古車らしい買い得感があるクルマになってきた。

  • RANKING BEST 3フォード フィエスタ

    フォード フィエスタ

    すでに、日本からの撤退を表明したフォードのコンパクトカー フィエスタは、2014年に日本に導入された。全幅はやや広く1,720㎜だが、全長は4m弱とアクアなどとほぼ同じボディサイズをもつ。搭載されているエンジンは、1.0Lの直3ターボエンジン。170Nmという1.8L自然吸気エンジン並みの最大トルクを発揮。また、とてもスポーティなハンドリング性能をもち、非常に走って楽しいコンパクトカーだ。スタイリッシュなデザインも魅力。とても良いクルマだが、日本では人気が無く中古車価格は安い。フォードが撤退を表明していることや、あまりに流通量が少ないので裏3位とした。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • アクア

    デビュー当時の燃費は、35.4㎞/L。最新モデルで燃費は37.0㎞/Lまで燃費を向上させている。とにかく驚異的な低燃費を誇る。もはや、燃費性能面ではケチの付けどころはない。ただ、新車の価格設定は高い。デビュー時の価格は169万円からと、一見リーズナブルだが、実際には何から何までオプションというクルマで、必要なオプションを装着していくと、あっという間に200万円オーバーの予算が必要。そんな状況だったことを考えると、中古車はなかなか買い得感がある。中古車選びでは、なるべく多くのオプションが装着された車両を選ぶとよい。

  • ノート

    ガソリン車ということもあり、燃費には非常に気を使っているノート。デビュー直後の燃費は24.0㎞/Lだったが、何度か改良やマイナーチェンジが施され、現在では26.2㎞/Lまで燃費を向上させている。この燃費値は、ガソリン車クラストップレベルだ。中古車マーケットでも、人気の中心はハイブリッド車。そんな背景もあり、ノートは随分買い得感のある価格に入ってきている。2013年式で、80~110万円の予算があれば良質の中古車が手に入るようになっている。100万円を切る価格で高年式で現行車を手に入れることができるのなら、中古車の旨みタップリといえるだろう。

  • フィエスタ

    2014年に登場したフィエスタの燃費値は17.7㎞/L。1.0Lターボとはいえ、26.2㎞/Lのノートの燃費値と比べると、痺れてくるくらい燃費は悪い。さらに、ハイオク仕様なので燃料費は、国産コンパクトカーと比べると大幅に変わってくる。燃費経済性で乗るクルマではない。ただ、当時229万円の新車価格だったフィエスタだが、2014年式で120~140万円あれば買える状態になっている。2年落ちで新車の軽自動車並みの価格にまで落ちている。フィエスタの走行性能は一流で、多くの自動車メーカーがベンチマークするというほどのハンドリング性能などをもつ。軽自動車のスポーツモデルでは味わえない高い運動性能を同程度の価格で楽しめる。中古車としてのメリットが大きいコンパクトカーだ。

装備・使い勝手
  • アクア

    アクアに自動ブレーキ関連の安全装備「トヨタセーフティセンスC」がほぼ標準装備されたのは、2015年末。アクアの自動ブレーキは、歩行者検知式できない。つまり、それ以前のアクアには自動ブレーキが装備されていない。こうした安全装備を望むのであれば、かなり高年式のアクアを選ぶしかない。もはや、軽自動車でも歩行者検知式自動ブレーキが採用されている中で、世界最高レベルの超低燃費性能を誇るアクアは、安全面では物足りない状況。使い勝手面では、ツーリングパッケージ(16インチホイール)装着車は注意が必要。なんと、最小回転半径が4.8mから5.7mになる。5.7mという数値は、大型ミニバンであるアルファード/ヴェルファイア並み。あのコンパクトなボディで大型ミニバン並みに小回りがきかないというのは大きな問題。狭いところが苦手なコンパクトカーというのは、あまりにもお粗末な仕様になっている。それでも売れるので、トヨタは改良さえしない。車庫入れや狭い道での運転が苦手な人、使い勝手を重視する人は16インチタイヤ装着車を選ばない方がいいだろう。

  • ノート

    今では歩行者検知式の自動ブレーキ標準装備で、安全を売りにしているノートだが、デビュー直後のモデルは、横滑り防止装置(VDC)が装備されていない。横滑り防止装置は、現在では標準装着が義務付けられている安全装備だ。2012~2014年式の車両は、しっかりとチェックしておきたい。モデル途中から、このクラスでは珍しい歩行者検知式自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」がオプション設定。直近では標準装備されている。標準装備されたのは、ごく最近のことなので、なるべくならオプションで装着されている車両を探してみるのもいいだろう。運転が苦手な人には、移動物を検知してくれるアラウンドビューモニター付きもおすすめだ。

  • フィエスタ

    低速域の簡易型自動ブレーキは標準装備されている。国産のこのクラスのコンパクトカーでは、オプションとなるサイドエアバッグやカーテンエアバッグが標準装備化されているので、安全装備面では満足いくレベル。キーレスエントリーや8スピーカー・プレミアムサウンドシステムなど、豪華装備も標準装備されている。

走行性能
  • アクア

    アクアは、ハイブリッド用の大きく重いバッテリーをリヤシート下に搭載している。そのため、重心が下がり低重心化され、前後の重量バランスも良くなっている。そうした基本設計の良さがあり、なかなかスポーティな走りを披露。運転も楽しいクルマに仕上がっている。ただし、マイナーチェンジ前のモデルは、サスペンションの煮詰めが甘く、乗り心地性能は褒められたものではない。マイナーチェンジ後は、そうした部分が改善され快適な乗り心地になっている。

  • ノート

    ノートの足回りは、ややカタくゴツゴツとした乗り心地になっている。直進安定性もやや微妙。走って楽しいというタイプのクルマではない。エンジン性能は優れていて、アクセルをグッと踏み込むと、スーパーチャージャーが作動。1.5L車並みの力強い加速を誇り、なかなかパワフル。通常は、ミラーサイクルの1.2Lエンジンなので、燃費が良いのが特徴。アクセル操作の上手い人が、スーパーチャージャーを作動させないように乗ると、実燃費面でもかなりの低燃費で走行できる。

  • フィエスタ

    フィエスタに乗って、峠道を走ると、なぜ国産のコンパクトカーは、こうしたフットワークをもつクルマが造れないのか不思議になる。カタめの味付けながら、乗り心地はよい。操縦安定性も抜群で、ハイスピードでカーブを駆け抜けることができる。ツインクラッチタイプの6速ATも歯切れがよく気持ちいい。文句があるとしたら、シフトレバーの先端に設けられたボタンを押してギヤ操作するサムシフト方式が使いにくい程度だ。

デザイン
  • アクア

    トヨタ アクア

    アクアの全高は、とても低く1,455㎜しかない。低燃費化するために、空気抵抗を抑えたかったこともあり、クラストップレベルの低さとなっている。この全高の低さがポイントで、ワイド&ローなスタイルとなり、なかなかスタイリッシュだ。インテリアデザインは、なかなか個性的でカジュアルな印象だ。ただ、全般的にプラスチック感が強く質感は今ひとつだ。

  • ノート

    日産 ノート

    ノートは、マイナーチェンジや改良を何度も繰り返し、デザインもデビュー時より洗練されてきている。とくに、ヘッドライトとグリルまわりは、ライバル車を超える高級感が出ている。また、エアロスタイル、ライダー、アクシス、ニスモとカスタム系の個性派モデルが豊富なのもポイント。そんな外観デザインに対して、インテリアはやや地味な印象だ。

  • フィエスタ

    フォード フィエスタ

    フォードのデザインコンセプト、キネテックデザインが採用されている。特徴的な台形グリルとシャープな切れ味のある外観を特徴とする。インテリアもややコッテリとしたデザインながら、質感ともクラスの水準を超えた印象だ。

中古車値引き交渉術

アクアとノートは、新車でも人気で流通量がとても多い。お気に入りの1台を探すのに、それほど手間はかからないだろう。流通量が多いということは、買い手側が有利になる。同じような仕様と価格のクルマを見つけ、中古車店同士で競合させたい。アクアはフィットハイブリッドと競合させるか、旧型の30型プリウスと競合させても良い。プリウスは少々高価なので、年式を落として価格を同じ程度にするといいだろう。また、高価になるがマツダ デミオのクリーンディーゼル車も競合させる上では有効だ。
ノートは、ガソリン車のヴィッツやフィット、デミオと同じような価格帯の車両同士と競合させたい。また、余裕があればハイブリッド車を競合車に加えたい。ハイブリッド車は、少し高値だが、年式を落として同じような価格帯の車両を競合させるといいだろう。ポイントは商談中に「やっぱり、ハイブリッドかなぁ」と呟いてみること。中古車店側は、これはマズイと思い、値引き対応してくれるだろう。
フォード フィエスタは、もはや探すだけで苦労する。流通量は極めて少ない。2014年式でも2015年式でも価格はそう変わらない。わずかに2015年に登録した登録済み未使用車がある。価格は160~180万円程度なので非常に買い得感がある。こうしたモデルと、2014年式の中古車同士を競合させてみるのもいいだろう。基本的に、なかなか売れないクルマなので、値引き対応に応じてくれるだろうが、ひと目でフィエスタが本命と分かるような商談は避けたい。あくまで、ちょっと気になったから見に来た程度で商談を始めたい。競合車は、同じ輸入車のフォルクスワーゲン ポロやプジョー208、国産車ならアクアなどがいいだろう。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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