新型 ホンダ フリード 走り

乗車定員の違いだけでも3タイプもある

ホンダ フリード インテリア

 コンパクトなボディに3列シートを装備するミニバンのホンダ フリード。このクラスのミニバンとしては広々と室内空間を持つのが特徴で、サードシートにも大人が十分座れるだけのスペースが確保されている。使い勝手が良くコンパクトなボディ、そして燃費の良さもあって人気が高い。確かに車両価格はライバルに比べて若干高めではあるものの、販売も好調だ。
 さて、フリードのグレード構成だが、大きく分けて3種類がある。それは乗車定員の違いで、7人または8人乗りと、2列シートの5人乗りがある。だが、フリードを買うのならば、あえて5人乗りのフレックスシリーズを選ぶ必要はないだろう。確かにサードシートが無い分、ラゲッジ容量は稼げる。しかし、それほど大きな違いがあるものでもない。あえてこのクラスで唯一まともに座れる3列目シートを捨てる意味は薄いといえる。実際、この5人乗り仕様の販売比率は少なく、あまりおすすめのグレードではないといえる。

ホンダ フリード フロント
ホンダらしい精悍なイメージを持つフリード。外観からは想像できない広々とした室内空間を実現したのが最大の特徴だ。
ホンダ フリード リヤ
サイド部分の立体的な造形をはじめ、コンパクトミニバンとは思えない存在感を醸し出している。ラゲッジスペースも広い。
ホンダ フリード パワースライドドア
片側または両側にパワースライドドアを装備可能。グレードによってはオプションでも選べない場合があるので注意が必要だ。

やはりおすすめは7人乗り仕様だ!

ホンダ フリード 7人乗り仕様 ウォークスルー イメージ

 さて、本命の3列シート仕様だが、最大の悩みどころは7人乗りにするか、8人乗りにするかだろう。具体的な違いとしては、7人乗りはセカンドシートが左右独立したキャプテンシートになり、8人乗りはベンチシートになる点だ。つまり7人乗りはすべてのシートにウォークスルーが可能だが、8人乗りは1列目と2列目のウォークするしかできなくなってしまうのだ。
 もっともウォークスルーができないといっても、実際にその機会はあまり無いかもしれない。だがシート形状の違いによる使い勝手の差はそれだけではない。たとえば小さな子供がいて、チャイルドシートを装着しなければならない場合などは、いろいろと小物を置けるベンチシート、つまり8人乗りのほうが便利かもしれない。7人乗りのキャプテンシートでは、どうしても床に置くしかなくなってしまうのだ。ただ、8人乗りが欲しいとなるとFF車しか選択肢がなくなるので、積雪地に住むユーザーにとっては7人乗りを選ぶしかないかもしれないが……。
 でも7人乗りは左右のシートが分割されていることによるパーソナル感があるのも事実。実際にいちばん売れているのも7人の利しようということなので、やはり7人乗りがおすすめのモデルといえそうだ。

ホンダ フリード インテリア(7人乗り)
もっともフリードらしい仕様が、この7人乗りだ。すべての席にウォークスルーが可能なのはもちろん、3列目も広々している。
ホンダ フリード インテリア(8人乗り)
8人乗り仕様は2列目が左右つながったベンチシートになる。4WD車には設定がないので、積雪地のユーザーは悩む部分だ。
ホンダ フリード インテリア(5人乗り)
サードシートがない分、たくさんの荷物が積める5人乗り。だが実際にはそれほどの差はないので、あえて選ぶ魅力は少ない。

フリードのおすすめはLパッケージ仕様だ

ホンダ フリード エクステリア

 グレードごとの装備の違いはどうなっているのか? これは意外とややこしいので慎重に選びたいところ。おすすめの3列シート仕様を中心に詳しく紹介しよう。価格的にベーシックなのはGということになる。実際にパワースライドドアはオプションですら装着できないし、装備面では物足りない部分が多い。だがディスチャージヘッドランプは標準となっている。
 一方、最上級グレードのGiエアロは、その名の通りエアロも装備しているし、他のグレードではオプションですら装備できないサイドエアバッグが標準で付いてくる。ところがディスチャージヘッドランプはオプションだ。またフルオートエアコンはGは標準でその他のグレードはオプション設定。さらにVSA(横滑り防止装置)はGエアロのFF車には標準だが4WD全車はオプション設定だ。そして妙なのはFFしか設定のないGiエアロにもオプションで付けられるが、その他のグレードのFF車には装着できないのだ。
 どうしてこのような設定になっているのかよくわからないが、単純にベース価格が高いものが上級グレードということではない。そこがフリードのグレード選びの最大のネックともいえる。その他にもいろいろと違いはあるが、価格と装備のバランスがとれているのはG LパッケージかGエアロ Lパッケージということになりそうだ。それに8人乗りが欲しいとなると、この2つのグレードのFF車を選ぶしかなくなる。フリードのおすすめグレードはこのどちらかで、エアロの有無は好みで選べばいいだろう。
 最後になってしまったが、フリードの値引き額はどれくらいなのか? デビュー当初の3〜5万円というほどではないが、渋めの印象で、15万円プラスα程度が現状での合格ラインといえそうだ。トヨタ シエンタやパッソ セッテ、もしくはダイハツ ブーン ルミナスあたりと競合させつつ、粘り強く用品値引きなども含め交渉していこう。

ホンダ フリード 走り
代表グレード
ホンダ フリード G Lパッケージ(FF/7人乗り)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4215×1695×1715mm
車両重量[kg]
1300kg
総排気量[cc]
1496cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
118ps(87kw)/6600rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
14.7kg-m(144N・m)/4800rpm
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
16.4km/l
定員[人]
7人
税込価格[万円]
178.5万円
発売日
2008/5/29
レポート
CORISM編集部
写真
ホンダ

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