マツダ ビアンテvsトヨタ ノアの試乗比較 Round2は、達人によるコダワリ評価対決。両車を5つの項目で比較し、点数で評価した。
Round1では乗り心地や走りで差が出た両車を、3人の達人はどう評価するのか。

前回の記事はこちら。

この記事の目次 CONTENTS
記事トップ
1.評価するのはこの達人たち
2.走り評価
2.スタイル評価
4.パッケージング評価
4.使い勝手評価
5.お買い得感評価

1.評価するのはこの達人たち

今回のマツダ ビアンテvsトヨタ ノアを評価する、3人の達人をご紹介。

松下 宏

小さくて軽く誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマからヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

2.走り評価

大きなボディだけにハンドリングや加速はどうなのか。走行性能を比較、評価した。

マツダ ビアンテの走り評価

達人名 評価点
松下 宏 8点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 6点
  • 合計点:22点

松下 宏コメント:
ビアンテの走りはミニバンとは思えないくらいにスポーティなもの。しっかりした乗り味でロールを抑えた安定感のある走りだ。ただ2リッターエンジンはやや力不足の印象。

片岡 英明コメント:
ライバルと比べると車重が重いため、ギア比を工夫しており出足は鋭い。上級の23Sは駿足だ。高速走行は得意で、静粛性も高い。山岳路でも優れた接地フィールを見せる。

国沢 光宏コメント:
売れ筋の2リッターモデルでさえ車重1,640kgと重い。それに加えミッションも5速ATとなる。ハンドリングは良好ながら、登り坂などではパワー不足を感じてしまう。

トヨタ ノアの走り評価

達人名 評価点
松下 宏 8点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 8点
  • 合計点:24点

松下 宏コメント:
ミニバンらしい乗り心地に優れた走りがノア/ヴォクシーの特徴。決してスポーティな走りではないが、ミニバンに適した感じだ。純粋に走りで見れば、バルブマチックがオススメ。

片岡 英明コメント:
CVTとの相性がよく、途中から気持ちよく伸びていく。バルブマチック仕様は2.3リッターに肉薄する加速感だ。ロールを上手に抑え込み安定しているが、乗り心地は今一歩。

国沢 光宏コメント:
先代より重くなったものの1500kg台。重量のあるボディにポテンシャルのあるCVTと組み合わせており、アップダウンの多い区間だって元気よく走ってくれます。

2.スタイル評価

個性的なビアンテと実用的なノア。スタイルを比較、評価した。

マツダ ビアンテのスタイル評価

達人名 評価点
松下 宏 7点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 8点
  • 合計点:23点

松下 宏コメント:
ヘッドライトから三角窓にかけてのデザインは、他のどのクルマにも似ていないオリジナリティにあふれたもの。その点では評価できるが、ミニバンとしては迫力がありすぎる。

片岡 英明コメント:
ひと目でビアンテとわかる個性的なデザインだ。ワイドボディを採用していることもあり、視覚的な安定感もある。視点を遠くに置くメーターはデザインセンスがよく、見やすい。

国沢 光宏コメント:
好き嫌いが分かれているようだが、個人的にはいいと思う。ただプレマシーの車体をベースにしているため、このタイプのミニバンとしては極端にボンネットが長い。

トヨタ ノアのスタイル評価

達人名 評価点
松下 宏 7点
片岡 英明 7点
国沢 光宏 7点
  • 合計点:21点

松下 宏コメント:
ノアとヴォクシーで一定の差別化をしているが、どちらもわりとオーソドックスなデザインで面白みには欠ける。エアロバンパーなどを装着した仕様はまずまずだが……。

片岡 英明コメント:
先代の流れを汲むデザインだ。飽きのこない、まとまりのいいデザインだが新鮮味は薄い。インテリアはセンタークラスターの存在感を際立たせた実用的デザインを採用する。

国沢 光宏コメント:
ヴォクシーはハ虫類系のフロントデザインを持っており、個人的にダメ。されどノアより売れているのを見れば、支持されているということなんだろう。無難にまとめている。

4.パッケージング評価

より快適な室内空間を持つのはどちらなのか。パッケージングを比較、評価した。

マツダ ビアンテのパッケージング評価

達人名 評価点
松下 宏 8点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 6点
  • 合計点:22点

松下 宏コメント:
競合車に比べて大きめのボディをもつため、クラスで最大級の室内空間を実現しているのも当然といった感じ。パッケージングの観点から見て際立って優れているわけではない。

片岡 英明コメント:
横方向の余裕はあるが、前後方向の余裕は並みのレベル。セカンドシートは座面が低く、背もたれも短めだ。最後方にスライドさせる「リビングモード」なら足元は群を抜いて広い。

国沢 光宏コメント:
ベースになったプレマシーのフロアをそのまま使っているため、妙に着座位置が低い。アタマの上の空間を持て余している、と言いかえてもいい。いかにも急ごしらえな印象だ。

トヨタ ノアのパッケージング評価

達人名 評価点
松下 宏 8点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 8点
  • 合計点:24点

松下 宏コメント:
室内空間の使い方はごくありふれた感じ。手頃なサイズのボディに適度に広い室内空間をもつ。全体的なバランスには優れているが、さらに広い室内を持つ競合車がある。

片岡 英明コメント:
ロングスライドマルチ回転シートとワンタッチタンブルシートを用意したセカンドシートは気持ちよく座れる。ステップも低い。サードシートは広さの点で物足りなさが残る。

国沢 光宏コメント:
評判よかった先代モデルのいい部分を伸ばしてきている。全長はビアンテより短いのに、キャビンスペースは同等。このジャンルのミニバンとしてベストなパッケージングだと思う。

4.使い勝手評価

シートアレンジや収納スペースといった使い勝手を比較、評価した。

マツダ ビアンテの使い勝手評価

達人名 評価点
松下 宏 7点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 6点
  • 合計点:21点

松下 宏コメント:
2列目のシートは大きくスライドするものの、途中で止めることができず一番前か一番後ろでしか固定されない。これでは大きくスライドさせる意味も薄いように思う。

片岡 英明コメント:
チップアップ&スライド式のサードシートは簡単に荷室スペースを拡大できるが、広さは今一歩にとどまる。運転席まわりの収納スペースも物足りない。乗降性は優れている。

国沢 光宏コメント:
セカンドシートは座面の前後の長さが短く、長い時間乗っていると疲れる。サードシートもシートそのものからして小さい。サードシートが折りたためない点は残念。

トヨタ ノアの使い勝手評価

達人名 評価点
松下 宏 8点
片岡 英明 9点
国沢 光宏 8点
  • 合計点:25点

松下 宏コメント:
適度な広さの室内と多彩なシートアレンジによって使い勝手のレベルは高い。3列目のシートは簡単な操作で容易に跳ね上げることができ、自在な使い勝手を実現している。

片岡 英明コメント:
サードシートは簡単に跳ね上げることができ、フロア下に小物を収納できるラゲッジアンダーボックスを設けている。運転席まわりに収納も多い。ステップが低く乗降性も優秀。

国沢 光宏コメント:
ワンタッチでサードシートの収納が可能だ。セカンドシート&サードシートの座り心地も、このジャンルの標準レベルを確保している。大きな減点材料はまったくない。

5.お買い得感評価

価格設定に対する装備や、値引きはどうなのか。お買い得感を比較、評価した。

マツダ ビアンテのお買い得感評価

達人名 評価点
松下 宏 7点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 5点
  • 合計点:20点

松下 宏コメント:
後から登場してきただけに価格設定は競合車に対して一定の割安感がある。ただ、実際の購入時にはいくつかのオプションを選択せねばならず、トータルではそこそこの価格になる。

片岡 英明コメント:
廉価グレードの20CSはスライドドアこそ手動だが、それなりに装備は充実している。またライバルと比べて2/3列目の足元が広く、居心地がいい。上級モデルは装備が物足りない。

国沢 光宏コメント:
ノアなら標準グレード車が203万7千円からスタートするのに、ビアンテは219万9千円から。現時点では値引きも少ないため、40万円以上も割高なイメージとなる。

トヨタ ノアのお買い得評価

達人名 評価点
松下 宏 7点
片岡 英明 8点
国沢 光宏 8点
  • 合計点:23点

松下 宏コメント:
際立って安いというほどではないが、決して割高ともいえない価格設定。走りではオススメのバルブマチック車は価格的にやや高めになってしまうので、選び方はむずかしい。

片岡 英明コメント:
廉価グレードから左側に電動スライドドアを標準装備するなど、ソツがない。セカンドシートも2タイプを用意している。エコメーターや豊富な収納など、気の利いた装備も多い。

国沢 光宏コメント:
30万円前後値引きしてくれるうえ、ディーラーオプションのカーナビなども安くて豊富。ビアンテと同じ装備内容ならば圧倒的に安い。満足のあるお買い得感だ。

(PHOTO/ 佐藤靖彦 モデル/ 竹沢友美