デビュー早々、売れ行き好調!
2008年5月末にデビューしたホンダ フリードが順調に売れている。発売2週間で月間目標4,000台の約2.5倍、10,000台を超える受注を獲得している。当初ホンダの話では7人:8人:5人乗りの販売比率を4:4:2と読んでいたが、現時点ではおよそ6:2:2と圧倒的に7人乗りが売れているようだ。9割以上のモデルがパワースライドドア(後席左側)を、7割のモデルがディスチャージヘッドランプを装着しているという(オプション設定車・標準装備車の合算)。主に20〜40代のファミリー層に支持されているというフリード。多彩なラインナップからどれを選ぶべきか、編集部が指南する!

この記事の目次 CONTENTS
ナビ・オーディオは全車でオプション設定
悩ましいグレード選び
ライバルは多岐に渡る

ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

ナビ・オーディオは全車でオプション設定

「フリード」のグレード展開は、ベーシックな「G」(7人乗り)と「FLEX」(5人乗り)が基本となる。これにエアロ付グレード「Gエアロ」「FLEXエアロ」をそれぞれ設定。さらに「G」「Gエアロ」にはパワースライドドアやオートエアコンなど装備を充実させた「Lパッケージ」を用意する。初期の受注状況でも、このLパッケージ系だけで約7割を占めているという。なお8人乗り仕様は各LパッケージのFFモデルのみに設定され、その他は基本的にFFと4WDの両モデルが用意される。
5人乗り版FLEXにもLパッケージと同等の「FLEX Fパッケージ」が用意されるが、「FLEXエアロ」には設定がない点に注意が必要だ。さらにVSAやカーテンエアバッグなどの安全装備を充実させた「Giエアロ」「FLEX i エアロ」(共にFFのみ)が最上級グレードとなる。

価格は1,638,000円から

価格はベーシックな5人乗り「FLEX」(FF)が1,638,000円、7人乗り「G」(FF)が1,690,500円から(価格は全て消費税込み・以下同)。注意したいのは、多くのホンダ車同様に全車ともオーディオ・ナビなどがオプション設定である点。必須の装備だけに、最終的にはその分の価格が上乗せされることを忘れないようにしたい。ただし他のホンダ車同様に、しばらく経ってからナビ付きのお得な特別仕様車が追加されることも十分に予想されるから、コチラを待つ手もある。

フリードのエクステリア・インテリア・インパネ

ホンダ フリードG Lパッケージ(FF・7人乗り仕様)のエクステリア。抑揚のあるサイドのキャラクターラインが特長だ。

7人乗り仕様のインテリア。セカンドシートを前倒しすることなく、中央スペースからサードシートへとアクセス出来る。

フリード FLEX(5人乗り仕様)のインパネ。テーブルのような広がり感は「カフェ」の居心地をイメージしたものなのだとか。

悩ましいグレード選び

そもそものスタート地点は「3列」か「2列」かの選択となる。大きな荷物を積むことが多い、3列目を使うニーズがない、といった方なら迷わず2列シート版の「FLEX」となるし、そうでなければ3列版という選択になる。
しかし多くのユーザーが『たまには祖父母を乗せるから』『ないよりあったほうが便利』『不要なら3列目シートはたたんでおけるし』といった理由で、積極的に3列版を選んでいるのが現実ではないだろうか。
というワケで、売れ筋グレードも「G」のLパッケージ(FF・7人乗り仕様)1,785,000円である。1.5リッタークラスとしてはちょっと高いが、実用的な7人乗り車がこの価格と考えればまあ納得がいくところだ。ファミリーで使うなら、実用的なパワースライドドアも必須アイテムだろう。

リセールバリューを考慮するとGエアロ Lパッケージ

一方、リセールバリューを重視するなら人気の高いエアロパーツやディスチャージランプが標準の「Gエアロ Lパッケージ」1,963,500円(FF・7人乗り)も良いが、ほぼ200万円となるとちょっと悩ましいところ。いやいや、社外品のパーツを着けることを考えればリーズナブルだよ、そう思えるならコチラも十分に買いだ。

安全性の高いGiエアロがおすすめ

しかし、VSAやサイドカーテンエアバッグなど安全装備が充実する「Giエアロ」を第一にオススメしたい。エアロパーツや両側電動スライドドアなど豪華装備も追加されることもあって、2,257,500円とG Lパッケージに比べ実に50万円近く高い。この価格差から初期受注でも全体のわずか4%しか売れていないが、家族の安全には代えられないところではないだろうか。とはいえ、出来ればエアロなしにして少しでも安く抑えた「Gi」も設定して欲しいところではある。

ライバルは多岐に渡る

7人乗りのコンパクト系ミニバンということでライバルを探すなら、「トヨタ シエンタ」と「日産 キューブキュービック」がズバリ該当する。共に1.5リッターエンジンを搭載し、価格帯はシエンタが150万円台から190万円台まで、キューブが150万円台から180万円台までと、フリードに比べやや割安な設定だ。
しかし3列目シートの広さは、フリードが格段に差を付けている。ひとまず定員7人乗りであることが重要なのか実際に3列目シートまで頻繁に利用するのか、ニーズに照らし合わせ検証しないと、買ってから後悔することになる。必ずショールームで実車をチェックしてみることをオススメする。

トヨタ シエンタ

「トヨタ シエンタ」の全長は4.1mとフリードに比べコンパクトなのが特長だ。こちらも使い勝手に優れるスライドドアを採用する。キュートな丸目ランプやボディカラーのセレクトなど女性ユーザーを意識しているようだが、好き嫌いが分かれるポイントでもある。

日産 キューブ キュービック

3列目席はあくまで緊急用で、フリードとは比べ物にならない。しかし全長4m弱と非常にコンパクトなのは逆に大きな特長だ。後席ドアもヒンジドア式で、パッと見には2列シート版のキューブと見紛う、というのも実は重要な差別化ポイントかもしれない。

トヨタ シエンタのインテリア

2列目がベンチタイプ(3人乗り)で3列目は2人乗りの独立型と、フリードとはそもそもレイアウトが異なる。足元空間の広さもフリードに比べ劣るが、3列目シートは床下収納となり、荷室が広く取れる点は重要なアピールポイントとなる。

本当のライバルはステップワゴンか?

逆にフリードの価格帯で考えると、実は1クラス上のモデルが近いことに気付かされる。2リッタークラスの1BOXタイプミニバン「ホンダ ステップワゴン」が、ベーシックグレード「B」(FF)で装備は簡素ながら2,005,000円から選ぶことが出来る。パワースライドドアやディスチャージランプなどの人気装備を豊富に揃える「G Lパッケージ」の場合でも2,247,000円(FF)。ライバルモデルとの熾烈な競争が激しいクラスだけに、実勢価格(値引き価格)では20万円以上安く買えるだろう。デビューしたばかりのフリードではあまり値引きが期待出来なそうなので、総支払い額では同等か、あるいは逆転現象も起きるかもしれない!むしろシエンタより意識したいクラスだ。

ウィッシュとストリームも要チェック

同様に、ステップワゴンよりも安いロールーフ・ヒンジドアタイプの「トヨタ ウィッシュ」「ホンダ ストリーム」などは新車価格の時点でフリードと見事にバッティングしている。主に背の高さに起因する室内空間の違いがあり、お互い検討対象とはならなそうにも思える。しかしそれぞれの良さがあり、自身の生活にどちらがマッチするかはよく吟味したいところだ。大抵のホンダディーラーならステップワゴン・ストリーム・フリードともに展示車が揃っているから、3車3様の室内空間・使い勝手・取り回しなどを十分にチェックして欲しい。

実は価格帯が近いミディアムクラス

実は価格帯が意外に近接している「ホンダ ステップワゴン」(写真)や「トヨタ ノア/ヴォクシー」「日産 セレナ」のミディアムクラス。室内空間を十分に確保する反面ボディサイズも格段に大きくなるから、狭い街中での使い勝手でフリードには劣ることになる。ココは悩ましいポイントだ。出来れば実車をじっくり比較して欲しい。

ウィッシュは安さも魅力の一つ

ロールーフ・ヒンジドアの「トヨタ ウィッシュ」は安さも魅力。写真の特別仕様車、1.8リッター「X “Aero Sports パッケージ・Limited”」はディスチャージランプやエアロパーツ付きで2,026,500円だ。スポーティな見た目は、1BOX・スライドドアタイプのミニバンに比べ所帯じみた雰囲気が薄まっていて良い・・・と感じる男性ユーザーは意外に多いはずだ。

スタイリッシュさでは断トツでストリーム

ウィッシュに比べさらにスポーティムード満点な「ホンダ ストリーム」。1545mmの車高はミニバンでは随一の低さだ。写真のスポーツグレード"RSZ"ではさらに17インチアルミや専用エアロパーツなどを装備し、ステーションワゴンも顔負けのスタイリッシュさで他を圧倒する。それでいて十分な室内空間も確保しているのだからスゴイ!