XFの外観デザインは新しいジャガーを表現したものとされているが、それ以上に新しさを感じさせるのがインテリアだ。
高級なウッドパネルや手触りの良いソフトグレインレザー(ベースグレードを除く)などの自然素材が高いクォリティを表現しているのはジャガーの伝統に従ったものだが、同時にシボの入ったアルミパネルも使われていて現代的な雰囲気が演出されている。シンプル・モダンといった感じのインテリアだ。
それ以上に変わったのがインテリア回りの操作系だ。まずATレバーがなくなった。ジャガーではJゲートと呼ぶJの字型のATレバーゲートが特徴とされてきたが、今回のXFではそれが廃止されでセンターコンソールに設けられたダイヤルに変わった。
乗り込んでから発進するまでを紹介しよう。キーをポケットに入れた状態でドアノブを引くとドアが開く。運転席に乗り込むと、コンソール上のスターターボタンが心臓の鼓動のようにドクッドクッと点滅を繰り返している。そのボタンを押すとエンジンが始動し、同時にコンソールのシフトダイヤルが、ちょうど手の平の中に収まるように盛り上がってくる。このダイヤルを右に回して発進するが、電子制御パーキングブレーキは自動的に解除される。
走り出した後は、Dレンジのままで走り続けても構わないが、ステアリングコラムの裏側に設けられた左右のパドルを操作して積極的にマニュアル車感覚の走りを楽しむこともできる。
ほかにも操作系が変わった部分がある。ルームランプやグローブボックスなど、軽く触れるか触れないかくらいの感じで手をさしのべると、ランプが点灯したり、ふたが開いたりする。これらも相当に新鮮な印象を与えるものだ。
リヤウインドーを傾斜させてクーペ風に見えるデザインながら、パッケージングはしっかりしていて、後席に乗ってもヘッドクリアランスは十分に確保されている。足元も余裕十分という印象だ。
上級プレミアムサルーンにふさわしくラグジュアリーな快適装備が満載されている。ベースグレードとなる3.0ラグジュアリーも、ラグジュアリーというグレード名が示すように充実した快適装備が用意される。カーナビは全車に標準で、最上級グレードのSV8にはイギリスの高級オーディオメーカーとして知られるバワーズ&ウィルキンスのプレミアムオーディオシステムが標準となる。