5月や車検前に気になるのが、車の税金。日本では、新車登録(検査)から13年経過すると多くの車で税金の重課が起こります。
ここでは、13年超えの車の自動車税や重量税の早見表を公開します。
- 13年超えの車は税金が高くなる
- 13年超えの自動車税の早見表
- 13年超えの自動車重量税の早見表
- 13年超えの車を所有するデメリット
- 買い替えのおすすめタイミングは?
- 13年超えの増税でよくある質問
- 廃車にする前にまずは査定を
13年超えの車は税金が高くなる
新車登録(検査)から13年が経過した車は、以下のように税金が高くなります。
- 自動車税/軽自動車税…普通車は約15%、軽自動車は約20%※の重課
- 自動車重量税…普通車は約40%、軽自動車は約25%の重課
※軽自動車税は、2015年3月末以前の新規検査車で約80%の重課
ただし、ハイブリッド車など環境性能の優れた車は重課の対象外です。また、重課のタイミングは車の種類によって異なり、重課の金額も車種によって変わります。
自動車税と自動車重量税とは
自動車税/軽自動車税と自動車重量税は、車所有時に定期的に納める税金です。
自動車税/軽自動車税は、主に車の排気量に応じて課される税金です。毎年4月1日時点の車の所有者に納税義務があり、GW前後に納税通知書が送られてきます。一部の地域を除き、5月末日が納付期限です。
自動車重量税は、主に車の重量に応じて課される税金です。車の購入後は、車検時に2~3年分を納めます。
【関連記事】自動車税の納付はいつまで?納付方法や年度途中で買った場合は?
低年式車の税金が高くなる理由
低年式車に税金が重課される理由は、消費者に車の乗り換えを促すためです。
現在は、環境性能の優れた車が次々と登場しています。そこで、日本政府は環境負荷の大きい低年式車に重課を課す一方、環境負荷の小さい車にはエコカー減税などの優遇措置を導入。これにより、消費者に環境負荷の小さい車への乗り換えを促しています。
13年超えの自動車税の早見表
ここでは、新車登録(検査)から13年未満の車と13年経過以降の車の自動車税/軽自動車税をまとめました。
※2015年4月1日~2019年9月末日までに新規登録(検査)したガソリン車、LPガス車の場合
排気量 | 13年未満 | 13年経過 | |
---|---|---|---|
軽自動車 | 660cc | 10,800円 | 12,900円 |
普通車 | 1,000cc以下 | 29,500円 | 33,900円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500円 | 39,600円 | |
1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500円 | 45,400円 | |
2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000円 | 51,700円 | |
2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000円 | 58,600円 | |
3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000円 | 66,700円 | |
3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500円 | 76,400円 | |
4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500円 | 87,900円 | |
4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000円 | 101,200円 | |
6,000cc超 | 111,000円 | 127,600円 |
13年経過時の重課率は、普通車で約15%、軽自動車で約20%です。それぞれ13年経過後の4月1日以降に重課となります。
なお、2015年3月末以前に新規検査をした軽自動車(13年未満)は上記より税額が少額で7,200円です。
自動車税は、2019年9月以前と2019年10月以降の新規登録(検査)車で課税額が異なります。2019年9月以前の登録車のほうが、1,000円~4,500円ほど課税額が高いです。2019年10月以降の登録車の課税額は、以下の記事で確認してください。
【関連記事】一覧表でわかりやすく解説!車にかかる税金のすべて
ハイブリッド車などは重課の対象外
自動車税の重課対象は、ディーゼル車とガソリン車・LPガス車です。一方、ハイブリッド車や電気自動車など、環境性能の優れた車は13年経過以降も重課がありません。
ディーゼル車は11年経過で重課
重課の対象外となる車が存在する一方、ディーゼル車は「新車登録から11年」と他の車より早いタイミングで自動車税の重課が起こります。
13年超えの自動車重量税の早見表
ここでは、新車登録(検査)から13年未満の車と13年経過以降の車の自動車重量税をまとめました。
※エコカー減税対象車を除く
自動車重量税(2年分、車検実施時) | |||
---|---|---|---|
区分/車両重量 | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 |
軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
~500kg以下 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1,000kg以下 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1,500kg以下 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2,000kg以下 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2,500kg以下 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3,000kg以下 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
重課割合は、13年経過時で普通車が約40%、軽自動車が約25%です。
なお、自動車重量税における「13年経過」の定義は普通車と軽自動車で異なります。
普通車は「新規登録年月から12年11ヶ月以降に車検を受けるタイミング」、軽自動車は「新規検査年から13年を経過した年の12月以降に車検を受けるタイミング」(離島は除く)です。
エコカーは重課の対象外
自動車重量税においても、ハイブリッド車など「エコカー」に分類される車は重課の対象外です。
18年経過時にさらなる重課
自動車重量税は、13年経過時に加えて18年経過時も重課となります。18年経過時では、13年経過時よりさらに約10%の重課となります。
詳しくは以下の記事で確認してください。
13年超えの車を所有するデメリット
車は「乗り潰すほど得」といわれることがある一方、以下のようにデメリットも少なくありません。
- ①税金が高くなる
- ②燃費の悪化で燃料代も高くなる
- ③故障や不具合のリスクが高まる
- ④高年式車と比べて安全性が乏しい
①税金が高くなる
ここまでご紹介しているように、13年超えの車は自動車税/軽自動車税や自動車重量税が重課されます。特に、排気量の大きい車や車重の重い車は一度の課税額が1万円以上変わることもあるので、注意が必要です。
②燃費の悪化で燃料代も高くなる
車の燃費は、ずっと同じ数値が保たれる訳ではありません。経年劣化とともに燃費も悪くなるため、ガソリン価格が安くならない限りは燃料代も高くなります。
また、同じ車種でも最新モデルは過去モデルと比べて燃費性能が良くなっているのが一般的。両者で比べると、大きな差が生じることも考えられます。
③故障や不具合のリスクが高まる
車は走るほど部品が消耗しますし、たとえ走らなくても徐々に経年劣化を起こしていきます。
13年超えにもなると、心臓部であるエンジン回りに故障や不具合が生じることも多いです。そのため、整備費用も高くなる傾向があります。
④高年式車と比べて安全性が乏しい
近年の車は、安全性も目覚ましく進歩しています。特に新車は搭載義務のある予防安全装備も多数あり、13年落ちの車に比べると安全性の高さは大きく異なります。
買い替えのおすすめタイミングは?
「できるだけ車のコストを抑えたいけど、いつ買い替えるべきか悩む」という人は、以下のタイミングを目安にしてください。
①車検前
車検では、先にご紹介した自動車重量税に加えて車検費用を払う必要があります。軽自動車でも、安くて3~4万円ほどするのが一般的です。
そのため、車検前に買い替えをする人は非常に多いです。
②走行距離が大台に乗る前
車の査定額を考えると、走行距離10万km(軽自動車では8万km)を前に売却するのがおすすめです。「10年」という年数もそうですが、数字が大台に乗ると査定額は大きく落ちる傾向があります。
③整備費用が一定金額を超えそうな時
車の買い替えで特に迷うのが、整備が必要なとき。「整備して乗り続けたほうが安い?」と考えることもあるでしょう。
こうした時は「車両価格を乗っている年数で割った金額」を目安にするのもおすすめです。たとえば、200万円の車を10年乗っていたら、整備費20万円超えを買い替えの目安とします。
13年落ち前後でも車は売れるのか
13年落ち前後となると、査定で金額がつかないこともゼロではありません。しかし、海外では15年落ち以上の車も多く走っており、こうした広い販路を有する販売店なら査定額がつくこともあります。
まずは大手を中心とした中古車販売店で査定に出してみるのがおすすめです。
【関連記事】古い車は買取してもらえる?15年、20年落ちの車の買取相場と高く売るポイント
13年超えの増税でよくある質問
Q. 13年超えで自動車税はいくら高くなる?
2015年4月1日~2019年9月末日までに新規登録(検査)した車の場合、自動車税/軽自動車税の13年経過時の重課率は普通車で約15%、軽自動車で約20%です。普通車で4,400円~11,600円、軽自動車で2,100円の差となります。
ただし、2015年3月以前に新規検査された軽自動車はもとの軽自動車税が少額なので、13年経過で5,700円も軽自動車税が高くなります。
Q. 13年超えで重量税はいくら高くなる?
自動車重量税は、13年経過で普通車が約40%、軽自動車が約25%重課されます。2年分の税額で2,000円弱~2万円弱ほど課税額が高くなります。
Q. 「13年超え」は具体的にいつを指す?
13年経過の定義は、自動車税と自動車重量税で異なります。また、自動車重量税は普通車と軽自動車でもタイミングが異なります。
自動車税の13年経過 | 新規登録(検査)から13年を経過した4月1日以降 |
---|---|
重量税の13年経過 (普通車) |
新規登録年月から12年11ヶ月以降に車検を受けるタイミング |
重量税の13年経過 (軽自動車) |
新規検査年から13年を経過した年の12月以降に車検を受けるタイミング(離島は除く) |
Q. 自動車税の重課は廃止されないの?
海外では、低年式車に対する重課を行っていない国も多くあり、なかには「低年式車ほど税金を優遇する」という国もあります。
しかし、日本に関しては現時点で「自動車税の重課が廃止される」という決定はなされていません。
廃車にする前にまずは査定を
13年は車検を受ける年にあたり、重課を考えても買い替えの良いタイミングといえます。「13年落ちなんて売れない」と最初から諦めず、まずは査定に出してみることをお勧めします。