【新春特別対談】セダン/クーペ

セダン/クーペ編

——2007年度のベストバイ「セダン」はズバリ?。
片岡:「ジャンル分けがむずかしいよ。そもそも新型がないもんなあ。」
こもだ:「ミニバンの影響受けて、サイズ的に大きくなっているのは確か。車高も高くなっていて、セダンという考え方が様変わりしてきているよね。」
片岡:「なんといっても期待感が高いのはクラウン。」
松下:「かなりいいはず。今のロイヤルサルーンだって首都高の継ぎ目とか、まるでないみたいに走るでしょ。」
片岡:「そうなんだよね、トヨタって2代目毎にシャーシを変えていくけど、キャリーオーバーでも凄くよくなる。トータルバランスがいい。」
こもだ:「変わったように見えないけどね。それがいいんだろうけど。」

——レクサスとの棲み分けはどうなんでしょうか。
こもだ:「レクサスは価格が高いでしょ。」
大岡:「中小企業の社長にはいいんじゃないかな。変に目立たないというか。」
松下:「レクサスは世界を向いているけど、クラウンは日本を向いているからしっくりくる。」
こもだ:「それは言える。」
片岡:「採点表付けると、ホントに平均点がすべてで高いんだよね。」
こもだ:「やっぱりクルマ好きが買うクルマじゃないのかな。」
片岡:「でも、次のアスリートはもっとよくなるでしょ。」
大岡:「こう見ていくと、レクサスが忘れられちゃった感じですか(笑)。」
こもだ:「そんなことはなくて、GSもマイナーチェンジでよくなった。」
片岡:「乗り心地がいいよね。」
こもだ:「以前は硬くて、BMWを意識しすぎっていってたんだけど。」
片岡:「ただし、価格考えると、LSと被っちゃうんだよね。」
こもだ:「そうするとLSに行っちゃうよね。この手のクルマを買う日本人って、とりあえず一番いいの買うから。ただし、車種の並びで考えると、BMWやメルセデスみたいになってきたのは評価できる点。」
トヨタ クラウン
トヨタ クラウン
レクサス GS
レクサス GS
レクサス LS
レクサス LS
松下:「密かに注目なのはギャラン・フォルティス。とにかく安いでしょ。」
大岡:「でも、新車で買わない。中古になるともっと安くなるから(笑)。」
こもだ:「安くないと売れないって思っているのはコンプレックスなんだよ。」
片岡:「内容は凄いお得なの。これで2リッターなのか、って思ったぐらい。」
——その流れでランエボXはどうですか?
こもだ:「最大の特徴は、あのツインクラッチでしょ。でもあれを積んだクルマって全部フロントヘビー。となるとMTなんだけど、5速なんだよなあ。」
片岡:「もうモータースポーツ専用なのかな。」
こもだ:「そうなると、インプレッサのほうが出来はいい。」
片岡:「バランスが取れてる。ベースの標準グレードがいいから。1.5リッターでも満足度は高い。」
松下:「でも、これからAT限定免許ばかりになっていくから、2ペダルっていうのはありだと思うけど。」
こもだ:「ミッション自体の出来はいいんだけど、とにかく重い。それがハンドリングに悪影響を与えているのが問題。」
大岡:「安いギャラン・フォルティスをベースにしているっていうのはあるんですかね?」
こもだ:「パッケージングが根本的にダメ。本来はベースにならないんだよなあ。」
三菱 ギャラン フォルティス
三菱 ギャラン フォルティス
三菱 ランサー エボリューション X
三菱 新型 ランサー エボリューション X
——クーペっていうのは本来は別物なんですけど、すでに消滅寸前のジャンルだけに、ここで語っておきたいのですが、スカイライン・クーペが出ました。
片岡:「デザインはいい。」
大岡:「?」
一同:(笑) 片岡:「わかりやすくていいよ。」
こもだ:「セダンよりはいいでしょ。走りも、足がよく動くし、ステアリングはシャープ。エンジンも新しいしね。問題はクーペ登場と同時にセダンも同じしなかったのかっていうこと。」
片岡:「そのうちやるとは思うけど。」
こもだ:「セダンがいいけど、クーペの足が欲しいっていう人はいるんだから。」
日産 スカイラインクーペ
——そして2007年の最大のトピックスはやっぱりGT-Rですよね。
こもだ:「GT-Rは古いFF的な味付け。ブレーキを残して我慢して頭入れて、向きが変わったところで踏んでドッカンみたいな。だからお尻を滑らせながら立ち上がるのは不得意。」
片岡:「そうなると、4WDじゃなくてもいいじゃないって思っちゃう。FRのほうがいいんじゃないかって。」
大岡:「2WDにしろと(笑)。」
片岡:「昔、タイプSって、FRであったけど、おもしろかったよ。」
こもだ:「4WDのシステム自体がFF寄りだもん。とにかく引っ張る。おもしろくないよね。だから、FRメインのサーキットモード作ったらどうだって言ったんだけど。」
片岡:「それに音が悪い。」
松下:「V8にすればよかったかな(笑)。」
こもだ:「あながち冗談じゃなくて、昔の直6よりも最新のV8のほうが軽いから、ハンディにはならないと思うよ。結局、パワー出すのにツインターボにしたから、音もよくできない。車重が重たい。もっと軽いバージョンにして、FRにすればもっとおもしろくなるはず。」
片岡:「じゃあ、名前はGT-Bかな(笑)。」
松下:「誰も知らないよ〜。」
日産 GT-R
——レクサスのIS-Fを押す声も大きいですよね。
大岡:「シフトショックとか、吸気音とか、過剰演出っぽいのが、どうも。」
こもだ:「選べるから、別に抑えることができるでしょ。」
片岡:「それにサーキットで乗ったからですよ。一般道だとメチャクチャ印象が変わる。」
こもだ:「確かにうるさいけど。」
大岡:「それってBMWのM3コンプレックスじゃないの、って思うんですよ。」
片岡:「そういうところはある。」
こもだ:「ただね、危機感を持って尖らせている。これだけ尖りましたというのがIS-Fだから。今まではそんなことしなかったのは大きな変化。」
大岡:「45度くらいまでお尻が滑らないと聞かないVSCとかね(笑)。」
片岡:「2007年に一番裏切られたのはIS-Fですよ。予想より遙かによかった。乗ったらこれはスゲー。」
松下:「発表日ぶつけてGT-Rつぶしっていうのも、笑えた……(笑)。」
こもだ:「走りの味付けとしては、IS-Fは振り回せるから、GT-Rは我慢でしょ。だからIS-Fのほうが楽しい。」
大岡:「結論として、IS-Fがんばったね、ってところですかね。」
一同:「そういうことかな。あとは乗っていないけど、クラウンに期待大。」
レクサス IS-F
——2007年のベストバイ「セダン」は?
片岡/ 松下:「クラウン」
こもだ:/ 大岡:「IS-F」