【新春特別対談】07年〜08年新車選び総括「コンパクト編」

コンパクト編

——2007年度のベストバイ「コンパクト」は?
片岡:「コンパクトは多かったよね。フィットが出たし。まさに正常進化で、前の悪いところを潰してきたんで、あのクラスとして凄くよくできていると思いますよ。パッケージングも凄くいい。」
こもだ:「初代の欠点は、乗り心地と燃費の悪さ。それを直したというんだけど、燃費はよくわからない。自称直っている(笑)。乗り心地はよくなった。ただしキビキビ感がなくなって大人っぽくなったんだけど、人によってはこっちのほうがいいっていう人もいるだろうね。だから問題ではないんだけど、ただホンダの乗り味っていうのがこう、っていうのがないんだよ。それは残念。」

松下:「ああいう正常進化って、よくなって当たり前じゃない? リスク取らないと。」

片岡:「でも、あの初代を超えるのは無理。20年に一度のヒット作なんだから!」

大岡:「デザインがちょっとね。街中で見ても新型か旧型か、違いがよくわかんないんですよ。」

松下:「ヴィッツもそうだけど、大きくなると密度感がなくなるんですよ。」

こもだ:「初代で気に入っているのはセンタータンクレイアウトとちゃんと頭に当たるヘッドレスト。とくに正しいヘッドレストはホンダ初なの。」

片岡:「輸出して、200万台も売れているんだから、儲かっているんだろうし、全部世界統一でシートベルトも全席3点シートベルト付ければいいんだよね。」

松下:「いまだ輸出と差を付けているのはどうかね。」

ホンダ フィット
——話題になったといえば、デミオもありましたけど…。
片岡:「なんであんなにデザインコンシャスになって、ハイトワゴンやめちゃったんだろ。」
大岡:「デザインはきれいにまとまってていいんじゃない。」
片岡:「でも、インパネとか凄い安っぽいじゃないですか。安普請。マツダがやっちゃダメだと思うんだよなあ」
こもだ:「乗りたくなったり、存在感とかね、デザインやボディカラーはいいと思うんですよ。でも乗ると、変わり映えしないの」
片岡:「じつはそんな進化しているわけじゃないんだよ」
大岡:「それに選びにくい。エンジンとの組み合わせもいっぱいあって、複雑すぎ。それにミラーサイクルとCVTにすると高くなっちゃう」
松下:「でも、燃費で取り戻せるから、そんなに負担はないとは思うけど」
片岡:「結局、形でしかないのかもね」
松下:「すべてが大きくなっていくなかで、小さく、軽くなったのはいいところ。といいたいんだけど、それでやっとフィットと車重がほぼ同じだからね。それでどっちが広いかっていうと、フィットのほうが広いんだし、厳しいだろうね。それに、オプションにしたら誰も付けなかったから、横滑り防止装置をやめちゃったのはビックリ(笑)」
こもだ:「でも、付けることでコストは上がるのは確かなんだけど、オプションだと車両価格に対して高くなるのは事実。だから標準しちゃえばいいんだよ。量産効果で安くなる。横滑り防止装置装備前提だと走りも変わってレベルが上がる。付けるべきなんだよ」
大岡:「デザインとか、ダウンサイジングはがんばったねって感じだけど、ハード面が少し甘いって感じだし、値段もフィットと同じ。そう考えると積極的にデミオを選ぶ理由がないんじゃないかな」
マツダ デミオ
——あとは、トヨタのヴィッツやスズキのスイフトがマイナーチェンジしています。
大岡:「スイフトは1.2リッターが追加されていますよ。」
片岡:「あれはいいよ、スポーツも含めてね。まじめに作っている感じ。」
松下:「ルミオンもイストと一緒で大きいだけ。アメリカしか見てないし、あまりに意味なし。」
片岡:「街で見ないもんなあ…。」
大岡:「ヴィッツはどうです?」
片岡:「なに気に、乗り心地とかよくなっているんだよね。シートヒーターも付いたし。」
大岡:「このクラスにはなかなか付いてないですよね。」
松下:「でもトヨタ車って価格が少しずつ上げてきているのは気になる。」
片岡:「トヨタは総じて燃費がよくなってきているから、帳尻は合うだろうね。」
トヨタ ヴィッツ
——2007年のベストバイ「コンパクト」は?
片岡/ 松下/ 大岡:「フィット」
こもだ:「ヴィッツ」