16インチ装着車はしなやかで快適な乗り心地を実現!
搭載エンジンは直列4気筒2.0リッターで可変バルブタイミング機構のMIVEC付き。基本的には全車ともINVECS-IIIの電子制御CVT付きだが、FFのスポーツにだけ5速MTの設定がある。搭載エンジンが平成17年基準排出ガス75%低減レベルを達成しているのは当然として、平成22年の燃費基準は達成に止まっているのがやや残念なところ。−10%や−20%を達成しないとグリーン税制の適用が受けられないからだ。
試乗したのはFFのスポーツのCVT仕様車。スポーツに組み合わされるのは215/45R18という相当に頑張ったサイズのタイヤ。足回りもこれに合わせたチューニングが行われており、乗り心地は相当に硬めの印象。コーナーでのロールを抑えたヨーロッパ車的な乗り味で、18インチタイヤの割には乗り心地の悪さを感じないが、このタイヤはさすがにオーバーサイズだと思う。後々交換するときにも高くつくので、18インチタイヤ装着車はお勧めできない。
別に用意されていたスーパーエクシードにも試乗したが、こちらは16インチタイヤが装着されており、乗り心地は格段に優れている。一般のユーザーにはこちらがお勧めだ。
扱いやすい特性のエンジンはCVTとのマッチングも良好!
154ps/20.2kg-mの動力性能は数値的にも走らせた印象でも不満のないもので、発進時や低速域のトルク感もまずまず。その低速域でのCVTの滑らかさは上々のレベル。三菱では早くからCVTを採用しており、制御もどんどん良くなっている。このCVTは三菱がスポーツモードと呼ぶマニュアル操作が可能なタイプなので、パドルシフトも用意されていて積極的にレバーを操作して走ることも可能だ。ただ、CVTに任せたほうが燃費の良さも発揮できるので、無理にマニュアル操作をするまでもない。
騒音や振動のレベルはクラスの平均というか、特に良くもなし、悪くもなしといった程度。最近はどんどん静かなクルマが増えているので、さらに努力する余地はあると思う。
実際に走らせた印象は、全体的にはごく普通のセダンというもの。際立って特徴的な部分がないのでとらえどころのないクルマである。これといって悪いところはないのだが、特別に良いところがあるわけでもなく、普通のユーザーが普通に乗るためのクルマという印象だ。
●お勧めグレード
スポーツ系とエクシード系に分かれるが、お勧めは本文でも触れたように基本的にエクシード系。スポーツ系は乗り心地が硬すぎることと、タイヤ交換が高くつくことからお勧めできない。スポーツ系とエクシード系では細かな装備にも微妙な違いがあるが、決定的な違いはないと思って良い。エクシード系もベースのエクシードは価格が安いものの、装備や仕様に省略されるものも多いので、買うならスーパーエクシードのほうが良い。満足して長く乗ることができる。
さらにいえば、カーナビ付きのナビパッケージを選ぶと良い。カーナビ付きで210万円台という価格は極めて魅力的なものだ。