デザインはキープコンセプトだが走りの実力は大幅に進化した!
エクストレイルはミドルクラスのSUVとして高い人気を集めてきたクルマだ。発売の翌年から長期にベストセラーSUVの座を維持してきた。エクストレイルが高い人気を集めたのは、手頃なサイズと価格のSUVであることに加え、本格的なオフロード走行にも耐えうる高い4WDの走破性、ウォッシャブル内装によるタフな使い勝手、マイナーチェンジで設定された跳ね上げ式ステアリングの操作性などが理由だ。
国内で20万台、世界では80万台も売れるほど大ヒットしたクルマだけに、モデルチェンジが難しかったのは想像に難くない。基本的には従来のモデルを継承発展させる形でのキープコンセプトのフルモデルチェンジが行われた。従来のエクストレイルの持つ魅力はそのままに、オールモード4×4-iによる走破性の高さなどがポイントだ。
オフロード走行も重視の本格派SUV
ボディサイズはやや大きくなってワイドボディの3ナンバー車になったが、角張った印象の外観デザインは従来のモデルのイメージを踏襲している。大きくなったヘッドライトなど、新型車ならではの特徴的な部分も多いので見間違えることはないが、イメージ的には従来のモデルの正常進化版である。そのヘッドライトやバンパーなど、フロントマスクにXトレイルのXの文字をモチーフとしたもので、同様にリヤピラーの部分にもXの文字が表現されている。
ボディと一体にデザインされたドライビングランプ内蔵のハイパールーフレルーフがオプション設定されるのは従来のモデルと同様だ。ボディカラーは7色が用意されるが、そのうち3色(赤/青/黒)には、洗車キズや細かな擦りキズが復元するスクラッチシールド塗装が設定されている。
日産では少し前にデュアリスという欧州製のSUVを投入したばかりだが、デュアリスは街乗りを重視したクロスオーバーSUVとして位置付けており、エクストレイルはオフロード走行を想定した本格派のSUVとしている。コンセプトの違いはまあ理解できるものの、それが一般のユーザーにどこまで浸透するかは疑問。エクストレイルが売れれば、好調な出足を見せていたデュアリスの売れ行きが落ち込むのは避けられないと見る。