4者4様、頂点を極めたクルマの素晴らしさを語る。レクサスLSが欲しくなる4つの理由

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レクサスLSが欲しくなる理由4:正当性 実は先代のセルシオと変わらない価格。LSはレクサスではなく「トヨタ車」なのだ レクサスLSの関連記事へ
渡辺陽一郎
カーライフ・ジャーナリスト
  《LS》の標準仕様は770万円。この額面だけ見ると《セルシオ》に対して100万円以上の価格アップだが、実際はそれほどでもない。というのも、最終型セルシオの「C仕様」は667万円弱だったが、カーナビはオプション設定。これを加えると約720万円になり、さらにLSでは横滑り防止装置の「VSC」が統合制御の「VDIM」に発展し、さらに「ニーエアバッグ」なども加わる。こういった装備にサービスプログラムなどの価格換算まで加味すると、仮にベースが従来型のセルシオでも740万円くらいに達してしまう。従ってLSの純粋な「レクサス代」は30万円前後だ。《IS》や《GS》とトヨタのLサイズセダンを比べても同様の価格換算が成り立つから、LSだけが極端に高いワケではないのである。
  また「LSの受注はセルシオからの代替えが中心」というが、それも納得できるところ。セルシオに乗る多くのユーザーはカーナビ付きで買っているから、LSを割高とは感じないのだ。つまり、目下のところ「LSはレクサスではなくトヨタ車」と言える。
  そうなると、問題は「サービス体制」。レクサスの店舗数はセルシオを扱ったトヨタ&トヨペット店の10%以下で、都市部を除くと車検や点検時の引き取り&納車が困難になることも懸念される。日本は北米ではないから、顧客がディーラーへ足を運ばずに済むことが最高の「もてなし」だ。トヨタ&トヨペット店はそれを着実に行ってきた。
  店舗数を増やして綿密なサービスを続けていけば、やがてはトヨタ派生型の上級ブランドを築けるだろう。ただし、トヨタを超えるのは困難。トヨタには50年以上におよぶ実績があり、絶大な信頼を勝ち取った国内最高のブランドであるからだ。

ライバルとの比較 vs M・ベンツ Eクラス M・ベンツEクラスの関連記事へ
  先ごろマイナーチェンジされたM・ベンツ《Eクラス》のラインアップは、LSの投入を十分に意識したものだ。V型6気筒3000ccのエンジンを積んだ「E300」は、カーナビ付きで従来のセルシオ「C仕様」とほぼ同じ672万円。これに本革シートやAMGルックの外装を加えた「E300アバンギャルドS」が、何とLSの「標準仕様」を少し下回る753万円弱になってしまうのである!!
  V8エンジンの搭載などを踏まえるとLSのガチンコのライバルは《Sクラス》になるが、ユーザーがそう見るとは限らない。一通りの上級装備を網羅した《Eクラス》がLS以下の価格なら、その方がお買い得と考えるケースも少なくないだろう。
  メルセデス・ベンツは、《セルシオ》から《LS》への切り換えをむしろ“絶好のチャンス”と考えて攻め込んできた。こう考えると、レクサスも安穏とはしていられない。
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