注目の "3.5リッター" の走りはどうだ?
3.5LのV型6気筒エンジンを搭載する3.5アスリートの走りは、従来のクラウンのものから大きく変わった。これは動力性能の大幅な向上によるものだ。新エンジンは直噴仕様だが、直噴と通常の噴射ポートとを持ち、走行状態に応じて切り換えることで高い動力性能を効率良く発生する。
315psに相当する232kWのパワーと377N・mのトルクによって、アクセルを踏み込むとクラウンのボディを猛烈な加速に乗せていく。正に体がシートに押しつけられるような加速感だ。クルージング状態からでもアクセルを踏めば、6速ATがキックダウンして後ろから押されるような加速感を味わえる。文字通り十分過ぎる動力性能であり、このエンジンがロイヤルシリーズには搭載されず、アスリートだけに搭載されたことも良く理解できる。
18インチタイヤを履いた足回りは基本的には従来のものと変わらないが、荒れた路面でのゴツゴツ感を取るなどして乗り心地の向上を図っている。45タイヤとは思えないくらいの乗り心地だ。同時にブレーキがサイズアップしたレクサスGS用のものに変更され、しっかりした効き味を持った安心して踏めるブレーキになったことも見逃せない。
その他のグレードの走りは?
2.5アスリートや2.5ロイヤルサルーンなどは、電子制御ATが従来の5速から6速に変わった(4WD車は5速のまま)ことで、よりショックの少ない滑らかな変速フィールを備えるようになった。また3.0ロイヤルサルーンGの走りは基本的に変わらないが、乗り心地や静粛性の向上などが図られている。
お勧めグレード
クラウンではロイヤルサルーンGが中心的な選択肢とされてきたので、従来通りロイヤルサルーンGを選ぶユーザーも多いだろう。それはそれで正解である。ただ、アスリート系のモデルを買うなら、ちょっと頑張ってでも3.5アスリートを選びたい。従来のクラウンとは次元の異なる走りが得られるからだ。価格も高いが、価格に見合う価値のあるクルマといえる。