ザ・てんとう虫。小さな軽自動車は偉大なる国民車だった
1958年、日本の自動車史上もっとも愛されたクルマが誕生した。その名前はスバル360。このスバル360は、1955年に通産省が提示した乗用車の普及促進政策に呼応する形で開発されたもの。当時の日本では、まだクルマといえば商用車がほとんどであり、一般家庭にとって乗用車を持つことは夢のような時代であった。そこで国産乗用車の開発／普及を進め、それにより日本の自動車産業を育成していこうという方針が打ち出されたのである。排気量356ccの強制空冷2サイクル2気筒エンジン。駆動方式は後輪駆動。そして車両重量385kg。随所に創意工夫をこらした「スバル360」は、4人乗りで最高速度83km/hを発揮。てんとう虫の愛称で親しまれたスバル360は、生産終了後も多くの人々に愛されるクルマとなっている。
