30度を超える真夏日、炎天下で閉め切ったクルマの中は、すぐに高温になります。
日差しの強い日は、短時間でも子どもを残したままクルマを離れるのはとても危険。
「今日は涼しいから」と、気を緩めるのもNGです。実は気温20度程度でも、窓を閉め切ったクルマの中は50度近くまで温度が上昇したというテスト結果(※1)が出ています。
そのため、真夏の炎天下よりも春先から初夏にかけての油断した時期の方が、子どもの熱中症事故が多い傾向にあるともいわれています。子どもは、自分で身体の不調をうまく伝えられません。赤ちゃんともなると、さらに……。
パパやママに限らず、子どもや赤ちゃんを乗せてクルマを運転する機会のある方は、暑さ対策と熱中症の知識をしっかりと身につけておきましょう。
※1 出典「JAFユーザーテスト 車内温度 春」
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/temperature/detail1.htm
子どもの様子の変化に注意!熱中症のサインとは?
子どもは、自分の身体の不調をうまく伝えることができません。 泣いたりすれば気がつくこともできるでしょうが、寝ていたり、元気がなくなって静かにしている間に、熱中症がどんどん重症化してしまう場合も考えられます。
特に自律神経の働きが未熟な赤ちゃんは、放熱・発汗による体温調節がうまくできないため、大人よりも熱中症にかかりやすいといわれています。子どもの様子の変化に早く気づき、重症になる前にケアをしましょう。
子どもに以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている可能性があります。
熱中症の初期症状
- 生あくびをしている
- 喉が渇いたと強めに訴えている
- 顔やカラダがほてっている、熱がある
- 大量の汗をかいている
- 頭痛を訴えている
- 気持ち悪いと訴えている、吐いてしまった
- お腹が痛いと訴えている(下痢)
- 目の焦点が合っていない
- だるそうにしている、ぐったりしている
- ふらふらしている(めまい)
- カラダを痛がっている、筋肉痛
- 腕や足の筋肉がつる(こむら返り)
特に赤ちゃんは泣くことでしか自分の意思を伝えられないので、保護者や周囲にいる大人がなるべく早く体調の変化に気づいてあげることが必要です。
一部風邪と似たような症状がありますので、一つだけで熱中症だと判断はできませんが、その可能性が高いと感じた場合は、涼しいところへ移動させ、水分や塩分を補給させて様子を見ましょう。水に浸して絞ったタオルを首や脇の下、大腿の付け根に当てて冷やすのも効果的です。
判断がつかず心配な場合は医療機関へ。症状が落ち着いても、念のために病院へ行った方が安心です。
子どもの熱中症が重症化しまう原因
大人の油断が子どもの熱中症を招く
クルマの中で子どもが熱中症にかかってしまったとき、重症化するケースはほとんどないといわれています。というのは、保護者や大人が見守っているので、早期に体調の変化に気づいてあげられることが多いため。つまり、子どもの熱中症が重症化してしまうというのは、保護者や大人の熱中症予防に対する知識の乏しさや気の緩みが原因になるともいえます。冒頭で説明したように、「今日は涼しいから」、「季節外れだから」といって、子どもをクルマに置き去りにするのはもっての他。「短時間だから」といって油断するのも、事故につながる場合があります。現に炎天下で子どもをクルマに置き去りにしてしまい、熱中症事故が起こってしまったというニュースは毎年あります。JAFの「子どもの車内事故に関するアンケート調査」(※2)での「子どもを車内に残したまま車を離れたことがありますか?」との問いに、「ある」と答えた方は、実に7048人中の28.2%いました。
子どもの行動は予想がつかないからこそ注意を
子どもがロックをかけてしまって離れていた保護者がドアを開けられなくなり、JAFを呼ぶというケースも。中には緊急を要したために、ガラス窓を割って子どもを救出したという例もあります。子どもの熱中症が重症化するのは、こうした特別なケースなのです。ただし、野外で遊んだ後は子どもの様子に注視しましょう。水を飲むことも忘れて無我夢中で汗をかきながら遊んだ後に、熱中症にかかっている場合があります。万が一に備えて、熱中症が重症化したときの症状を書き添えます。
重症化した場合の症状
- 全身の筋肉がつりはじめる
- 意識がない
- カラダが痙攣している
- 高熱になっている
このような一目でおかしいとわかる症状が出るようになります。上記のような症状が現れたら、カラダを冷やす応急処置をしながら、すぐに救急車を呼ぶか、最寄りの医療機関へ連れて行きましょう。
※2「子どもの車内事故に関するアンケート調査」
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/data/info/1103enq/
チャイルドシートやベビーシートの暑さ対策
特に身を包むような形状をしているチャイルドシートやベビーシートは、背面に熱がこもりがちです。長時間座らせていたら、たとえクルマの中をエアコンで涼しくしていても、背中は汗でびっしょり。あせもができてしまうなんてこともあります。
保冷剤を使って暑さ対策
子どもや赤ちゃんがチャイルドシート・チャイルドシートは暑くて不快なものと認識してしまえば、次から乗車を嫌がるようになってしまうかもしれません。そこで利用したいのは保冷剤。保冷剤やカイロが入れられるシートも売られていて、ロングセラーの定番商品になっているものをありますので、探してみてはいかがでしょう。保冷剤は凍らせても硬くならず、やわらかいものの方がオススメです。
タオルは何にでも使える必需品
また、子どもや赤ちゃんが背負える冷却シートなら、座っていても、外に出ても、ずっと背中を冷やしてくれます。そして長時間お出かけするなら、替え用の保冷剤を入れるためのクーラーボックスもあると便利。クルマを駐車場に止めて出かける場合に、チャイルドシートやベシーシートにバスタオルをかけておくと、直射日光を浴びずにすむので、暑さが軽減します。乗車中でも、子どもが直射日光を浴びてしまっているときにかけてあげたり、その他にもいろいろ使えるので、タオルは必需品ともいえます。
チェイルドシート・ベビーシート暑さ対策のまとめ
- 保冷剤が入れられるシート
- 子どもや赤ちゃんが背負える冷却シート
- クーラーボックス
- バスタオル
赤ちゃんや子どもは自分の体調をうまく伝えることができません。
だからこそ大人が細心の注意を払い熱中症にならないようにしなければならないのです。
いよいよ今年も暑くなりますね!!
暑さ対策しっかりして、楽しいお車ライフをお送りください!