ゼブラゾーン(導流帯)とは?斜線の意味と走行・駐停車の可否

ゼブラゾーン(導流帯)とは?斜線の意味と走行・駐停車の可否

ゼブラゾーン(導流帯)とは?

ゼブラゾーン(導流体)とは、道路上にある白い枠線で囲まれた斜線エリアのことです。

ゼブラゾーンは右折レーンの手前など「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所(※)」に設置されています。自動車をむやみに侵入・走行させず、交通事故や交通渋滞を防止することが目的です。

※出典:「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」

ゼブラゾーンが設置される主な場所

ゼブラゾーンが設置される具体的な場所としては、以下のような場所が挙げられます。

  • 多車線道路の交差点
  • 右折/左折レーンの手前
  • 合流ポイントの手前
  • 分岐ポイントの手前
  • 車線数が減少する部分の手前
  • 広めの片側1車線の中央部
  • 複雑な形状の道路

ゼブラゾーンの走行・駐停車は可能?

ゼブラゾーンの走行や駐停車は、道路交通法などの法令で禁止されていません。少なくとも、走行だけで違反点数や反則金が取られることはないです。

しかしゼブラゾーンの本来の設置目的は、車両の安全かつ円滑な走行を「誘導」すること。走行や駐停車をすれば、事故や渋滞のリスクを高めます。「禁止こそされていないが、あくまで走行や駐停車を推奨していない場所」と認識しましょう。

走行ではスリップ等による事故の危険も

白線は、アスファルトに比べると滑りやすいです。雨や雪など悪天候の時に走ると、スリップやパンクをする可能性もあります。天気に関わらず走行や駐停車を避けるべき場所ですが、天気の悪い時は、より一層侵入しないよう注意しましょう。

エリア全体が駐停車禁止区域の場合も

駐停車に関しては、ゼブラゾーン近辺のエリア全体が禁止となっている可能性があります。そのため「ゼブラゾーンだから大丈夫」と安易に駐停車すると、駐停車違反として違反点数や反則金が科されるかもしれません。

事故では過失割合が高くなりやすい

ゼブラゾーン内での走行の図

ゼブラゾーンを走行して事故を起こすと、通常の事故と比べて過失割合が高くなる傾向があります。

たとえば後方から直進してきた車両(A車)と進路変更しようとしていた車両(B車)が衝突した場合、一般にA車の過失割合は30%程度です。しかしA車がゼブラゾーンを走行していた場合、その過失割合は30~50%となり、最大20%ほど過失割合が引き上げられます。

ゼブラゾーンと混同しやすい道路標示

道路標示の中には、ゼブラゾーンと似たような見た目をしていて、全く異なる意味を持つものがあります。

立入り禁止部分

立ち入り禁止部分の図

車両の進入・走行・駐停車が禁止されている部分を示す道路標示です。ゼブラゾーンと同じように白い斜線が入っていますが、外側は横線で囲まれています。

見通しの悪いカーブや交通事故の起こりやすい複雑な道路に表示され、走行等の違反をすると3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。反則金は普通車で7,000円、違反点数は2点です。

停止禁止部分

停止禁止部分の図

車両の停止が禁止されている部分を示す道路標示です。白い斜線が四角の実線で囲われており、中央部分は四角形にくり抜かれたような見た目をしています。中央部分には「消防車出入口」などの文字が入っていることも多いです。

警察署や消防署の前にあり、緊急車両などの通行確保のために設置されています。通行自体は問題ありませんが、停車は禁止です。たとえば信号待ちなどで停車すれば、5万円以下の罰金が科される可能性があります。反則金は普通車で6,000円、違反点数は1点です。

安全地帯

安全地帯の図

車両の進入を禁止すると共に、歩行者がいる場合の徐行を支持する道路標示です。表示に斜線はなく、白線と横線の実線の枠のみが存在します。路面電車の停留所や大きめの横断歩道の中間地点などに設置されています。

安全地帯は歩行者の保護を目的としています。違反すると、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。反則金は普通車で7,000円、違反点数は2点です。

間違えやすい標識や表示は他にも

自動車の交通ルールでは「通行止めと進入禁止」「追い越しと追い抜き」など、よく似たような言葉・意味を持つものが多く存在します。「見たら思い出すかな」と考えず、疑問に思った時点ですぐ調べるようにしましょう。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!