乗り出し価格とは?車両価格との違いや費用の相場、節約方法を解説

乗り出し価格とは?車両価格との違いや費用の相場、節約方法を解説

乗り出し価格とは、車に乗り始めるまでに必要な費用を全て合計した金額。「具体的に何が含まれるの?」「車両価格にどれくらい上乗せされるの?」「どうやったら節約できるの?」などの疑問を分かりやすく紹介します。

乗り出し価格とは?

乗り出し価格とは「車を購入するところから実際に乗り始めるまでに必要な総額」を指し、具体的には以下のような費用を含みます。

  • 車両そのものの価格である「本体価格」
  • 装備やアクセサリーなどの「オプション費用」
  • 自動車税や自賠責保険などの「法定費用」
  • 法定費用の手続きをする「手続き代行費用」

「法定費用」と「手続き代行費用」を合わせて「諸費用」と呼ばれることも多いです。

法定費用には何が含まれる?

車を所有した時に、支払いが義務化されている税金や保険料を「法定費用」と呼びます。国や自治体によって定められた費用であり、値引きはしてもらえません。具体的には以下が含まれます。

  • 自動車税
  • 環境性能割
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険
  • リサイクル料金

それぞれの具体的な内容を見てみましょう。

自動車税

車を所有していることでかかる税金で、用途や排気量によって税額が変わります。年度の途中で購入した場合、車を購入した月の翌月から3月までの分を月割で計算し、購入時に一括で支払います。

環境性能の高い車を購入すると、グリーン化特例により減税・免税の対象となります。

自動車取得税

車を取得した人に対してかかる税金で、新車か中古車によって異なります。さらに、中古車の場合は経過年数が新しい場合と古い場合でも異なります。

環境性能割

車を購入した時に、その車の環境性能に応じて課される税金です。新車・中古車を問わず、取得価額に対して0%~3%を支払います。

2021年12月までに自家用乗用車、自家用軽自動車については、臨時的に税率が1%軽減される措置がとられています。

自動車重量税

車の重さに応じてかかる税金ですが、軽自動車の場合は定額です。ただし環境性能の高い車の場合、エコカー減税により重量税が減免されます。

 1年ごとに課税されますが、車検時に次の車検までの重量税をまとめて支払います。そのため車検が残っている中古車を購入する場合は、一般に乗り出し価格として自動車重量税が請求されることはありません。ただし支払い済みの車検代金を請求する中古車販売店もあるので、確認しましょう。

自賠責保険

車で事故を起こしてしまうと、賠償金が非常に高額になる場合があります。被害者の賠償金を確保するために、車を所有する人が必ず加入しなければならないのが自賠責保険です。必ず加入しなくてはならないため「強制保険」とも呼ばれており、任意で加入する自動車保険(任意保険)とは別物です。

自動車重量税と同様、車検時に次の車検までの保険料をまとめて支払います。そのため車検が残っている中古車を購入する場合は、購入時に自賠責保険料を支払う必要はありません。ただし稀に過去の車検代金を請求される場合があります。

リサイクル料金

車を廃棄処分する時に必要な費用で、購入するときに前払いするシステムとなっています。車種やグレードにより異なりますが、かかる費用は1~2万円ほどとなっています。

車を廃棄処分せずに売却する場合には、支払ったリサイクル料金は戻ってきます。しかし新たに車を購入する場合には、再び支払わなければいけません。

手続き代行費用には何が含まれる?

車を購入する時には車両登録など様々な手続きが必要になります。その面倒な処理を販売店が代行するための手数料を「手続き代行費用」と呼びます。具体的には、以下のような費用があります。

  • 納車費用
  • 車両登録費用
  • 車庫証明費用

法定費用のように法律で決まっていないため、販売店によって金額にバラツキがあります。車を購入する時に値引き交渉の材料にすることもできますし、自分で手続きをすれば手続き代行費用を払わずに済ませることも可能です。

納車費用

新車を販売店から任意の場所まで届けてくれる費用となり、数千円かかります。自分で販売店に取りに行く場合は必要ありません。また、販売店によってはサービスされることもあります。

車両登録費用

車の名義を自分にするための登録を代行してもらうための費用となります。販売店によって異なりますが、3万円以内で収まるところがほとんどです。

車庫証明費用

購入した車を保管しておくところを証明するために、必ず車庫証明書を取る必要があります。その証明書を代わりに取得してくれる代行費用です。

費用はおおよそ2万円以内で収まるでしょう。軽自動車は車庫証明が必要ない地域がありますので、事前に確認する必要があります。

乗り出し価格の費用相場は?

一般に、乗り出し価格の相場は「車両本体価格+オプション価格+(車両本体価格の)10~20%の諸費用」です。

ただし中古車の場合は、中には車両本体価格が数万円もあるので、諸費用の方が高くなってしまうケースもあります。中古車販売店によっては車両本体価格と一緒に、乗り出し価格の参考が記載されていることもありますので、参考にしましょう。

乗り出し価格を少しでも抑える方法は?

乗り出し価格のうち、法定費用を安くすることはできません。同じ車両・オプションを購入するという前提の場合、節約できるのは手続き代行費用です。具体的には、以下のような選択肢があります。

  • 自分手続きをして手続き代行費用をカットする
  • 値引き交渉の中で手続き代行費用を活用する

それぞれ、さらに詳しく見ていきましょう。

自分手続きをして手続き代行費用をカットする

「手続き代行費用」の対象となる納車費用は自分でお店まで車を取りに行くことで、車両登録費用や車庫証明費用は自分で手続きをすることで、代行費用をカットすることができます。

但し、車両登録や車庫証明取得には手間がかかるので、手間と費用を比べて考えましょう。例えば車庫証明を自分で行うと2万円近くは抑えられますが、申請と発行のためにわざわざ警察署へ2回も往復しなければいけません。

値引き交渉の中で手続き代行費用を活用する

車を購入する際の交渉の中で、手続き代行費用を値引きしてもらうことも考えられます。

但し、手続き代行費用は車両価格に比べると少額であるため、まずは車両価格の値引き交渉をしましょう。その上で「最後の一声」として「手続き代行費用も少し安くしてほしい」と持ち掛けると良いでしょう。

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諸経費が不当に高いお店に注意を

自動車販売店の中には、車両価格を非常に安くする一方で、諸経費が不自然に高い販売店もあります。車両本体価格を安くしてお得感を出し、諸経費を上乗せして請求している可能性もあるので、そのようなお店には注意しましょう。

また、諸経費の内訳を詳しく教えてくれない販売店も、ごまかそうと考えている可能性があるため注意しなければなりません。

目安として、諸経費だけで30万円以上を超える場合は悪徳業者である可能性が高いと考えていいでしょう。

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乗り出し価格だけでなく、車の維持費にも節約のポイントは多くあります。車選びや今後のカーライフの参考にしてみてください。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!