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自動ブレーキが義務化になった理由と注意点

自動ブレーキ義務化は、交通事故を減らす目的で国が設けた政策の一つです。高速バスなどの一部の車両は義務化が進んでおり、近い将来、すべての車両に「自動ブレーキ義務化」の動きが出ています。今回は、義務化になった理由と注意点について解説します。

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年々クルマの安全性能が良くなっていることもあり、運転のしやすさを実感している方も多いかと思います。その一方で、飲酒や居眠り運転、高齢者ドライバーによる事故も発生しています。

このような背景もあり、日本ではすべての車両に自動ブレーキを義務化する動きが出ています。

義務化になった理由

自動ブレーキは2015年に生産された新車の45.4%に搭載されていますが、2018年では「20t超のトラックおよび13t以上のトラクター」と「総重量12tを超える大型バス」にのみ、装着が義務づけられています。

言いかえれば、普通車については何年後に自動ブレーキ搭載が義務化されるかは、まだ分からないのが現状です。国土交通省は国際基準が整ってから国内の法令を改正し、その後に発売される車については自動ブレーキの装着を義務化する方針です。

自動ブレーキが義務化になった背景には、飲酒や居眠り運転によるブレーキの踏み間違いによる事故が増えたことがあります。

また、高齢社会が進んでいることで高齢者ドライバーが増え、誤った運転による事故が目立つようになったことが理由として挙げられます。

居眠り運転が社会問題化

2012年4月に、関越道でドライバーが居眠り運転をしたことをきっかけに事故が発生しました。この事故を受け、国土交通省は高速バスに自動ブレーキシステムの搭載を義務づける方針を固めました。自動ブレーキシステムの認知度が高くなったのはこの時からではないでしょうか。

2018年4月には、一般車にも自動ブレーキシステムの性能基準の統一が義務づけられ、その後自動ブレーキシステムの搭載が義務化されていきます。

高齢者ドライバーの増加

高齢化社会が進むにつれ、高齢者ドライバーが増えています。高齢者ドライバーがブレーキとアクセルを踏み間違えるといった事故件数も増加傾向にあります。

自動ブレーキシステムが搭載されていれば、未然に防ぐことができる事故もたくさんあります。ドライバーや同乗者、周囲の人のケガをなくすためにも、これからの時代に自動ブレーキシステムは車に搭載必須のシステムといえるでしょう。

 

これらの事故を防ぐために開発された自動ブレーキとは、一体どのようなものなのか見ていきましょう。

自動ブレーキシステムの機能とは?

自動ブレーキシステムとは、前方の障害物との衝突を予測し、ドライバーに警報を促すことで被害を軽減させるシステムです。自動ブレーキシステムは「衝突被害軽減ブレーキ」ともいいます。

例えば、前を走っている車が停まったことに気づかないと、追突して事故を起こしてしまいます。そのときに自動ブレーキシステムが作動しドライバーに警報を促しますが、それでもドライバーが気づかない場合は自動ブレーキ制御を働き、衝突被害を軽減してくれるのです。

つまり自動ブレーキシステムは、警報・自動ブレーキの2段階で衝突被害を抑えてくれるのです。

自動車メーカー 名称
トヨタ トヨタ・セーフティ・センス
日産 エマージェンシーブレーキ
ホンダ 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
マツダ アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート
スバル アイサイト
スズキ レーダーブレーキサポート
ダイハツ スマートアシスト

自動ブレーキと似たような言葉で、「ブレーキアシスト」があります。ブレーキアシストとは、強いブレーキ力が必要なときにブレーキ力を補助するシステムです。

強いブレーキが必要なタイミングで、とっさにブレーキが踏めないときにサポートしてくれます。

自動ブレーキシステムとブレーキアシストの共通点は、緊急時にブレーキ制御してくれるところです。相違点としては、自動ブレーキシステムはブレーキを踏む前に警報を鳴らしてくれるのに対して、ブレーキアシストは警報音なしでブレーキを手助けしてくれることです。

ブレーキアシストは急ブレーキが踏まれたときに作動するタイプと、ブレーキを踏む力が一定以上の強さを超えたときに作動するタイプの2つがあります。

2018年4月より、自動ブレーキ性能には以下の3つの新基準が定められましたので、次でご紹介します。

各メーカーの基準を統一

2018年4月より、国土交通省が国内の各自動車メーカーの自動ブレーキシステムを評価する新しい統一基準を定めました。これにより、メーカー毎にばらついていた自動ブレーキの性能を評価しやすくなりました。

現在、各メーカーの自動ブレーキは、以下の表にある機能を備えています。この基本性能にプラスして、各メーカーが工夫を凝らしているため、メーカーごとの自動ブレーキ性能には差があります。

  • 前に停まっている車に50km/hで接近した場合、自動ブレーキにより衝突時の速度が20km/h以下になること
  • 前の車が20km/hで走行している場合、衝突を確実に回避できること
  • 自動ブレーキが作動する0.8秒前までに警報を鳴らし、ドライバーに注意喚起する機能を備えていること

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自動ブレーキの機能を過信するのも禁物?

これまでは見てきた自動ブレーキシステムの特徴や背景から考えるに、事故を未然に防ぐためには自動ブレーキシステムの搭載は必須のように感じられます。しかし自動ブレーキシステムが搭載されているからといって、過信は禁物です。

例えば自動ブレーキシステムは、「もの」への検知は優れていますが、「人」への検知が正常に行なわれない場合があります。 その他、以下のようなことが起こり得るため、まだまだ自動ブレーキシステムは完璧と言い難いでしょう。

  • 前の車や後続車のあおり運転で、自動ブレーキが作動しないときがある
  • センサーは前方中心であるため、左折時の巻き込みまでは検知できない
  • 車線変更のときに、真横の車を検知することができない
  • 逆走車には対応できない
  • 走行中に前を横切られた人を避けることができない
  • カーブ・雪道で自動ブレーキシステムが作動した場合は制御不能になる

このように自動ブレーキが搭載されても、実際に事故に遭った事例もあります。自動ブレーキシステムのセンサーは前方にしかついていないということを考えれば、横からの「もの」や「人」に対応できないことが分かります。

カーブや雪道で自動ブレーキシステムが作動するとブレーキがかかりますが、強いブレーキがかかることでタイヤがロックされ、ハンドル操作をしても制御不能になることがあります。

ロックが原因で事故を起こしてしまっては、自動ブレーキシステムの機能も本末転倒です。

自動ブレーキシステムは、あくまでもブレーキを「サポート」するためのシステムです。自動ブレーキシステムが搭載されているから安心という安易な考え方が、最も危険なことであることを忘れずに運転をしていきたいものです。

自動ブレーキシステムは完璧ではない!安全運転への意識は必要

自動ブレーキシステムは、事故を未然に防ぐ上で大変有効な機能です。ただし、状況によっては自動ブレーキが作動しないようなケースや、むしろ作動したことで事故を引き起こすようなこともありえることは事実です。

自動ブレーキシステムを搭載しているからといってその機能を過信しすぎず、どんな時でも安全運転を心がけることが大切です。