プチバンとは
一般にプチバンとは、全長を4m程度に抑えつつ、全高が1,600㎜を上回るコンパクトなクルマを指します。
「ミニバンとスーパーハイト系軽自動車の中間」のようなクルマだと考えると分かりやすいでしょう。
プチバンの特徴
プチバンは、ミニバンとスーパーハイト系軽自動車の良さを併せ持ち、以下のような特徴があります。
- 新車時価格が150~200万円程度と経済的
- 3列シートのミニバンより小回りが利く
- スライドドア搭載で利便性が高い
- 子どもが大きくなってもゆとりがあり、使いやすい
ボディサイズが大きいミニバンは、狭い道や駐車場など使いにくい場面も多く、世帯人数が少ない現在では「3列シートでなくても困らない」という家庭も増えています。かといって軽自動車では4人しか乗れず、「後部座席や荷物スペースが狭い」と感じるシーンもあります。
プチバンは、そんな2つの間をとった利便性と快適性で人気を集めています。
Q. プチバンの大きさって具体的にどれくらい?
参考までに、スーパーハイト系軽自動車のホンダ「N-BOX」、ミニバンのトヨタ「ヴォクシー」、プチバンのスズキ「ソリオ」で大きさを比べてみましょう。
ソリオ (プチバン) |
N-BOX (軽自動車) |
ヴォクシー (ミニバン) |
|
---|---|---|---|
全長 | 3,790mm | 3,395mm | 4,695mm |
全高 | 1,745mm | 1,790-1,815mm | 1,895-1,925mm |
全幅 | 1,645mm | 1,475mm | 1,730mm |
ソリオとN-BOXのように、全高については、スーパーハイト系の軽自動車の方が大きいケースもあります。しかし例えばソリオの後部座席でも、身長175㎝程度の人であれば頭上にゆとりがあり、乗ってみると「全高が低い」と感じるシーンは少ないでしょう。
またミニバンと比べると、全体的にサイズが小さく運転しやすいです。
プチバンは荷室も充分な広さがあり、目安としては機内持ち込み用のスーツケース5個分、ゴルフバッグを1~2個積むことができます。
Q. スーパーハイト系軽自動車は、プチバンに含まれないの?
一般に、軽自動車はプチバンに含まれません。プチバンはコンパクトカーまたはコンパクトミニバンを指し、乗車定員は5名です。軽自動車の場合は、乗車定員は4名です。
現在販売されているプチバン
2023年12月現在販売されているプチバンは以下の5種類のみです。基本的にはスズキ「ソリオ」とダイハツ「トール」及びそのOEM車しか販売されていません。
※新車時価格は2022年6月30日時点の各メーカー公式ページ(1,000円未満四捨五入)、中古車相場はガリバー「車カタログ」より引用
車種名(メーカー名) | 新車時価格/中古車相場 | 備考 |
---|---|---|
ソリオ(スズキ) | 新車時価格:151.6万円~ 中古車相場:7万円~241.5万円 |
- |
デリカD:2(三菱) | 新車時価格:188.3万円~ 中古車相場:13万円~326.7万円 |
ソリオのOEM車 |
トール(ダイハツ) | 新車時価格:155.7万円~ 中古車相場:49万円~230万円 |
- |
ジャスティ(スバル) | 新車時価格:196.5万円~ 中古車相場:65万円~184.8万円 |
トールのOEM車 |
ルーミー(トヨタ) |
新車時価格:155.7万円~ |
トールのOEM車 |
スズキ「ソリオ」
- 新車時価格:151.6万円~
- 中古車相場:7万円~241.5万円
「プチバン」という枠組みを生み出したのがソリオ。5種類のプチバンの中ではルーミーとともに売れ行きが好調です。シートアレンジが豊富で、ハイブリッドモデルも2種類用意しているので走行距離が長い人にオススメです。
【利用者口コミ】
週2回、子供の習い事の送迎があるので燃費の良い車に乗り換えたいと思いソリオを購入しました。初めてのハイブリットカーなのですが、思っていた以上に燃費が良いです。(中略)荷物を載せていない時には、後部座席を一番後ろまで下げると足元がゆったりして足を投げ出して座れます。後部座席を倒すと自転車が積めるのには驚きました。すっごく便利で買って良かったです。(40代女性)
三菱「デリカD:2」
- 新車時価格:188.3万円~
- 中古車相場:13万円~326.7万円
ソリオのOEM車であるデリカD:2。現在はハイブリッドモデルのみを販売しているため、エントリーモデルでも価格が高めに設定されています。ソリオとの違いは内装などのちょっとした部分なので、ソリオを引き合いに出して値引き交渉をしてみても良いでしょう。
ダイハツ「トール」
- 新車時価格:155.7万円~
- 中古車相場:49万円~230万円
スズキのソリオを研究した上で開発されているトール。収納を多く用意している点や、小回りが利く点はソリオよりも優れています。ハイブリッドモデルがないのが弱点ですが、次回のフルモデルチェンジでハイブリッドモデルに一本化される見込みです。
【専門家レビュー】
人気モデルであるトールの魅力は、背の高さと両側スライドドアの使い勝手の良さだ。低床フロアとスライドドアの組み合わせにより、乗降性に優れ、小さな子供はもちろん高齢者にも便利である。後席もとても広い。背の高さを生かし、自転車も積載可能だ。それでいて、全長は3,700mmと小さく、最小回転半径は4.6mと小回りも効く。かなり便利な生活の道具としての価値があるモデルになっている。
スバル「ジャスティ」
- 新車時価格:196.5万円~
- 中古車相場:65万円~184.8万円
ジャスティは現在グレードを1つに絞り込んでおり、2WDか4WDだけを選ぶことができます。また残したグレードがカスタムモデルのため、新車時価格はトールやルーミーに比べると高めです。
【利用者口コミ】
(前略)荷物もよく乗るので、家族で使う車としては頼りになる相棒です。デザインで好き嫌いが分かれるかもしれないですが、ちょっと渋めの車が好きな人にはストライクではないでしょうか。また、一番この車の底力を感じたのは、どか雪が降った時に、解け残りの道を通らないといけないときがあって、(ノーマルタイヤでした。)そこで、ほぼ違和感なく運転できたことで四駆だった…と思い出しました。四駆でなければ無事に通れていなかったのかなと思っています。(20代女性)
トヨタ「ルーミー」
- 新車時価格:155.7万円~
- 中古車相場:50.4万円~273万円
トールと大きさや性能が同じルーミーですが、売れ行きはルーミーの方が好調です。理由としては、トヨタにはコンパクトミニバンのシエンタなど「一緒に検討する候補」があることが考えられます。
【利用者口コミ】
子どもが増えるのを機会に10年乗り続けた自動車を新車に変えるためにルーミーを購入しました。(中略)実際に使用してみると、小回りが利き、自宅付近の狭い路地や狭い駐車場にもスムーズに駐車したり、乗り入れたりすることができます。また、乗り心地は良く、エンジン音も静かで気になりません。そのような点からこの乗用車は軽自動車と乗用車の融合だと感じました。(20代女性)
それぞれのフルモデルチェンジの予定は?
トール/ジャスティ/ルーミーは2024年以降
トール/ルーミー/ジャスティの新型開発は最終段階に入っているようです。次回のフルモデルチェンジではハイブリッド車が投入される見込みで、燃費性能は25km/L以上(WTLCモード)と言われています。
ソリオ/デリカD:2はフルモデルチェンジしたばかり
ソリオとデリカD:2は2020年~2021年にかけてフルモデルチェンジをしています。スズキが得意とする軽量化技術や燃費の向上とともに、インテリアも更に上質になりました。
クルマ選びのために併せて読みたい記事
noricoでは、クルマの利用目的や家族構成に合わせたオススメ車種の紹介を数多く掲載しています。「子育て世代に役立つクルマは?」など、ライフステージなどに合ったクルマ選びの参考にしてください。
- Supervised by norico編集長 村田創
-
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!