中古車のワンオーナーとは?メリット・デメリットと見分け方、選び方

中古車のワンオーナーとは?メリット・デメリットと見分け方、選び方

中古車探しをする際に見かけるワンオーナーという言葉。中古車紹介ではメリットとして訴求されていますが、初めて中古車を探す人にとってはあまり馴染みがない言葉ではないでしょうか?今回はワンオーナーのメリットやデメリット、見分け方に加えて、他の選択肢についても解説します。

中古車のワンオーナーとは?

中古車のワンオーナーとは、過去のオーナー(=所有者)が1人しかいない状態を指します。つまりワンオーナー車は、新車購入から初めて売りに出されている中古車のことです。

また原則として、ワンオーナー車は個人が所有していた車両に限られます。レンタカーや事業用で法人登録されていた車両は、ワンオーナー車として認められません。

ワンオーナー車のメリット

ワンオーナー車には、以下のようなメリットがあります。

  • 年式の新しい車両が多い
  • 丁寧に扱われていた車両が多い
  • 保証書や整備記録を確認できることが多い
  • 珍しい車両が見つかることもある

ワンオーナー車の主なメリットは、信頼性の高さです。ワンオーナー車では、3年目の車検前に売り出された高年式の車両や、丁寧に乗られてきた車両が見つかりやすいです。また複数のオーナーに乗り継がれた車両と比べて整備記録などの書類が残っている場合が多く、これも信頼性の高さの要因です。

信頼性とは別に、希少価値の高いクルマを見つけやすいというメリットもあります。珍しい車種のワンオーナー車は大切に扱われており、年式の割に状態が良いことも多いです。

Q. ワンオーナー車にデメリットはある?

ワンオーナー車にも、以下のようにデメリットはあります。

  • 必ずしも状態が良いとは限らない
  • 車両価格が高い場合もある

ワンオーナー車は状態の良いクルマが多いです。しかし年式の古い車両であれば、部品の経年劣化などが見られます。またクルマに詳しくないオーナーが乗っていた場合、クルマが十分に整備されていないこともあります。

さらに「ワンオーナー車」は中古車の評価要素の一つであり、複数のオーナーに乗り継がれたクルマより車両価格が上がりやすいです。

ワンオーナー車の探し方

ワンオーナー車の在庫の確認方法

ガリバーの中古車在庫検索画面より

ワンオーナー車は、販売店で在庫を確認できる他、インターネット上の在庫検索からも探せます。在庫検索では「ワンオーナー」の検索項目がある場合も多いです。ガリバーでも、ワンオーナー車に絞り込んだ在庫検索ができます。

ワンオーナー車の見分け方

ワンオーナー車の確認方法は、主に以下の3通りです。

  • 方法①車検証で確認
  • 方法②車検証と新車保証書で確認
  • 方法③運輸支局の詳細登録証明書で確認

方法①車検証で確認

ワンオーナーかの確認を車検証でする方法

国土交通省「自動車検査証(車検証見本)」をもとに作成

2022年末までに発行された紙面の車検証には、「登録年月日/交付年月日」と「初度登録年月」という欄があります。

  • 登録年月日/交付年月日…新規登録、移転登録(名義変更)が行われた日
  • 初度登録年月…その車両が初めて登録された年月

両者の年月が同じであれば、ワンオーナー車の可能性が高いです。なお過去のオーナーが転居によりナンバー変更を行っている場合、ワンオーナー車であっても登録年月日/交付年月日が新しくなっています。

【注意】電子車検証の場合は別の書類で確認

2023年1月以降、普通車の車検証は順次電子化されています。新しく交付されている電子車検証には、登録年月日の記載がありません。

ただし電子車検証が浸透するまでの今後2~3年は、登録年月日などの情報を記載した「自動車検査証記録事項」という書類が交付されます。そのため今後しばらくは、登録年月日でワンオーナー車かどうかを確認できます。

<関連記事>車検証の電子化で何が変わる?メリットは?

方法②車検証と新車保証書で確認

新車販売時には、販売メーカーから「新車保証書」が発行されます。車検証と新車保証書の名義や日付が同一であれば、ワンオーナー車である可能性が極めて高いです。

方法③運輸支局の詳細登録証明書で確認

最近は個人情報保護の観点から、車検証などに記載されている過去のオーナー情報を見れないことも多いです。

クルマがワンオーナー車かどうかを必ず確認したい場合、運輸支局で「詳細登録証明書」を申請する方法があります。これは車検証に記載されている車台番号から、過去の登録記録を遡れる書類です。ただし申請は普通車に限られ、申請手数料も1,000円程度かかります。

ワンオーナー車の選び方のポイント

ワンオーナー車の中でも状態の良いクルマを選ぶためには、以下のようなポイントを押さえましょう。

ポイント①修復歴の有無や整備状況を確認する

修復歴とは、車体の基盤である骨格部位の修理や交換をしたかどうかの記録です。修復歴の有無はその後の安全性能に影響を与えることもあるので、必ず確認しましょう。

またクルマの見極めポイントとして、点検整備記録簿の確認も重要です。これは法定点検や修理・整備を行った際に記入する書類で、過去の整備状況が分かります。

<関連記事>購入前必見!クルマの修復歴とは?なぜ注目するべきなの?

ポイント②現在の車両状態を確認する

ワンオーナー車で大切にされていたクルマでも、小さなキズやサビ、部品の経年劣化は見られるもの。また前の所有者が喫煙者であれば、タバコの臭いが染みついている場合もあります。実際の車両状態を必ず自分の目で確認し、気になる点がないかを確かめましょう。試乗もさせてもらえると、なお良いです。

ポイント③鑑定書付きのクルマを選ぶ

中古車を選ぶ時にも、第三者による客観的な鑑定書があれば安心です。日本自動車鑑定協会(JAAA)や日本自動車査定協会(JAAI)による鑑定書がついているクルマは「認定中古車」と呼ばれ、中古車の中でも信頼性が高いクルマといえます。

状態の良さ重視なら登録済み未使用車も選択の一つ

ここまでご紹介したように、ワンオーナー車は他の中古車に比べて状態の良いクルマが多いです。ただし中には状態の良くない車両もあるので、走行距離や年式も含めて、よく見極めてクルマを選ぶようにしましょう。

状態の良い中古車が欲しい場合、登録済み未使用車も一つの選択肢です。未使用車は車両登録だけ済ませてあり、実際の走行には使われていません。そのため新車に近い状態で、新車より安く買えるといったメリットがあります。

<関連記事>新車と登録済み未使用車はどっちが得?違いを解説

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!