運転免許証の番号の意味と「見せてはいけない部分」とは?

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免許証にある2つの番号

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※出典:警察庁「運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について」より作成

運転免許証には、意味が分かりにくい2つの番号が存在します。それは以下の2種類です。

  • 免許証中央「番号」欄の12桁の番号
  • 交付年月日の横に記載された5桁の番号

ここでは上記の番号の意味を解説します。

12桁の番号の意味

番号欄の12桁の数字は免許証番号といわれるもので、「第〇〇〇〇~号」と記されます。 数字の意味は、それぞれ以下の通りです。

  • 1~2桁目…公安委員会の番号
  • 3~4桁目…免許証取得年の西暦下2ケ桁
  • 5~10桁目…各公安委員会の管理番号
  • 11桁目…チェックデジット
  • 12桁目…免許証の再交付回数

1~2桁目は公安委員会の番号

はじめの2桁は、初めて免許証の交付を受けた公安委員会の番号を示しています。各公安委員会には、北海道の「10」を先頭に、以下のように2桁の番号が割り振られています。

北海道 北海道
10
函館
11
旭川
12
釧路
13
北見
14
 
東北 青森
20
岩手
21
宮城
22
秋田
23
山形
24
福島
25
関東・甲信越 東京
30
茨城
40
栃木
41
群馬
42
埼玉
43
千葉
44
神奈川
45
新潟
46
山梨
47
長野
48
静岡
49
 
北陸・中部 富山
50
石川
51
福井
52
岐阜
53
愛知
54
三重
55
関西 滋賀
60
京都
61
大阪
62
兵庫
63
奈良
64
和歌山
65
中国 鳥取
70
島根
71
岡山
72
広島
73
山口
74
 
四国 徳島
80
香川
81
愛媛
82
高知
83
   
九州・沖縄 福岡
90
佐賀
91
長崎
92
熊本
93
大分
94
宮崎
95
鹿児島
96
沖縄
97
       

3~4桁目は免許証取得年の西暦下2桁

3~4桁目は、初めて免許証の交付を受けた年(西暦)を下2桁で示しています。例えば1999年と2001年なら、以下のように記されます。

  • 1999年取得→「99」
  • 2001年取得→「01」

5~10桁目は各公安委員会の管理番号

5~10桁目は、各公安委員会が独自に設定している管理番号です。番号の構成や意味は公表されていません。

なお5~8桁目の赤い網掛けは「ここからが管理番号」と分かるようにしているだけで、特別な意味はないといわれています。

11桁目はチェックデジット

チェックデジットとは、番号・記号の入力や読み取りの誤りを検出するための数字です。番号は複雑な計算式で算出された数字です。

免許証番号に限らず、バーコードや金融機関の口座番号、クレジットカードの番号など様々な場面で活用されています。

12桁目は盗難や紛失での再交付回数

免許証番号の1~11桁目は、基本的にずっと変わることのない番号です。唯一変更の可能性があるのが12桁目。紛失や盗難による免許証の再交付回数を示しています。

再交付を全くしていないければ「0」、1回再交付を受ければ「1」、2回目の再交付では「2」…と数字が大きくなります。

なお同じ再交付でも、破損や汚れによる再交付はここにカウントされません。

5桁の番号の意味

交付年月日の隣にある5桁の番号は、各公安委員会が設定している交付照会番号です。免許証番号は紛失等がない限りずっと変わりません。一方、交付照会番号は免許更新のたびに変わります。

番号は免許交付日ごとに割り当てられており、交付区分や手続き場所を示しているようです。ただしこの番号はあくまで内部照会用。割振りは各公安委員会が独自に設定しており、数字ごとの意味は推測できません。

免許証で「見せてはいけない部分」

免許証には多くの個人情報が記載されています。 ここからは、免許証で「見せてはいけない部分」と、どのような悪用リスクがあるのかを解説します。

数字部分だけならリスクは低い

警察や公安員会でない限り、免許証番号と交付照会番号から詳細な個人情報を読み取ることはできません。これらの番号だけなら、見られてもすぐ悪用される心配はないでしょう。

ただし免許証番号の最初の2桁(公安委員会の番号)から、出身地を推測される可能性はあります。また免許証本体やコピーを盗まれると、悪用のリスクがあります。

免許証表面の上部と顔写真は要注意

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※出典:警察庁「運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について」より作成

免許証で特に見せないよう注意したいのが、表側の上部に書かれた以下の項目です。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 顔写真

これらは個人を特定できてしまう情報です。特に複数の情報が漏れた場合、より詳細な個人情報を特定されかねません。

免許証で考えられる悪用リスク

免許証から個人情報を盗まれると、以下のような悪用リスクがあります。

  • 名簿屋への個人情報の売却
  • 住所特定によるストーカー被害
  • クレジットカードや銀行口座の開設
  • 消費者金融からの借金

免許証の情報を部分的に盗まれるだけでも、名簿屋に情報を売却されたり、ストーカー被害の原因になったりします。また免許証原本やコピーを盗まれた場合、勝手にクレジットカードなどを発行され、滞納されるといったケースもあります。

免許証の情報に関するQ&A

Q. 免許証番号で違反歴が分かるって本当?

素人が免許証番号を見ても、違反歴の有無や内容は分かりません。ただし警察や公安委員会の場合、12桁の免許証番号で違反歴などの確認ができます。

Q. 免許証の暗証番号は何に使うの?

免許取得時や更新の際に、2組の暗証番号を設定した人は多いでしょう。これは、免許証に内蔵されているICチップの記録情報を確認するための番号です。

ICチップの情報を読み出す機会は、日常ではほとんどありません。ただし近年はPayPayなどオンラインでの本人確認に使われることがあります。また銀行などでもICチップでの確認を行うことがあるようです。

Q. 免許証の暗証番号を忘れたらどうする?

暗証番号を忘れた場合、免許証を持参した上で、警察署免許窓口や免許試験場・運転免許センターに申し出ましょう。暗証番号の照会やロックの解除ができます。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!