車の警告灯の種類は17もあり、普段見慣れないマークがつくと不安になりますよね。今回は車の警告灯の一覧とともに、対処すべき緊急度に応じたケースを解説します。
主な車の警告灯一覧(17種類)
警告灯は、ドライバーに車の異常や故障を知らせる他、正しい操作が行われていない場合に注意喚起をする役割があります。国際規格(ISO)で色や記号が定められているため、一度覚えれば輸入車も含めて車を乗り換えても迷う心配がありません。
警告灯の中でも特に覚えておきたいマークを、以下に一覧でまとめています。
警告灯の色は緊急度を示す
ISOで定められている警告灯の色は緑色・黄色(オレンジ色)・赤色の3種類です。色によって緊急度が異なり、基本的な対処方法も以下のように異なります。
- 緑色…「正常」な状態
- 黄色(オレンジ色)…「注意」すべき状態。早めに点検を受けた方が良い
- 赤色…「危険」な状態。走行を中断し、ディーラーや整備店に相談した方が良い
なお「シートベルト非装着警告灯」など、赤色の警告灯でも速やかに対処し、解決できるものもあります。
日常的に点灯しやすい警告灯
日常時でも点灯することが多い警告灯は、主に次の4種類です。すぐに故障に繋がることはないものの、警告灯に気づいたら速やかに対処しましょう。
①シートベルト非装着警告灯
運転手または助手席の同乗者がシートベルトを装着していないと点灯します。「カチ」と金具の音がするまでしっかり装着しましょう。
なお最近は、シートに搭載されている重量センサーで乗員の有無を確認しています。そのため人が乗っていなくても、重い荷物などで警告灯が点灯します。
②半ドア警告灯
半ドアになっている場合に点灯します。衣類などがドアに挟まっている可能性もあるので、警告灯が消えるまで各ドアを確認しましょう。
現在はバックドアにもセンサーが付いている車が多いです。バックドアも含めて確認してください。
③燃料残量警告灯
残りの燃料が少ないと点灯します。点灯時の燃料残量は車種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。燃料切れで停止すれば事故の原因にもなるので、「点灯してもしばらく乗れる」と考えず、急いで給油しましょう。
なお給油してあまり走っていないうちに点灯する場合、ガソリンが漏れている可能性があります。火気のない、安全な場所でエンジンを切り、燃料タンク回りを確認してください。
④ウォッシャー液警告灯
ウォッシャー液が不足したときに点灯します。ウォッシャー液がなくても車は動きますが、フロントガラスの汚れを落とせなくなり、走行に支障をきたします。
警告灯が点灯しているのにウォッシャー液を使おうとすると、ウォッシャー液噴射用のポンプが故障してしまいます。点灯したら液を補充しましょう。
早めに点検を受けるべき警告灯
ここでご紹介する警告灯は、「すぐに走行できなくなる」といったリスクは低いものの、点検を受けた方が良いものです。ディーラーなどに連絡するか、早めに店舗を訪ねましょう。
⑤水温警告灯(青色)
エンジンの冷却水の温度が低い場合に点灯します。一般的な警告灯と違い、青色に点灯するのが特徴です。
外気温が低いときにしばしば点灯します。この場合は一度エンジンを温めてから走行するか、ゆっくり走行してエンジンを徐々に温めましょう。 ただし、ある程度走っても警告灯が消えない場合はディーラーなどで点検を受けましょう。
同じ記号でも、赤色の場合は緊急度が異なります。詳しくは次の章で確認してください。
⑥ABS&ブレーキアシスト警告灯
急ブレーキをかけたときにタイヤのロックを防ぐABS機能や、ブレーキ補助を行うシステムに異常があると点灯します。通常のブレーキは利きますが、万が一の場面で事故につながりかねないので、早めに点検を受けましょう。
⑦ブレーキ警告灯(黄色)
電子制御ブレーキシステムに異常がある場合に点灯します。黄色の場合はまだブレーキが利くものの、そのまま放置すると事故につながる可能性もあります。
同じブレーキ警告灯でも、赤色の場合は緊急性が高いです。この場合は走行を中止してください。詳しくは次の章でご紹介しています。
⑧SRSエアバッグ/プリテンショナー警告灯
エアバッグやシートベルトのプリテンショナー(強いブレーキがかかったときに乗員を固定する装置)に異常があると点灯します。走行には直接関わらないものの、事故の発生時にエアバッグが作動しなかったり、走行中にエアバッグが開いたりする可能性があるので、早めに点検を受けましょう。
走行を中止すべき警告灯
ここでご紹介する警告灯は、緊急度の高いものです。速やかに走行を中止し、ディーラーや整備店、ロードサービスなどに連絡してください。
⑨エンジン警告灯
エンジンやトランスミッションシステムに異常がある場合に点灯します。しばらく走行できる場合もありますが、異常の内容によっては走行するのも危険です。車を安全な場所に停車し、ディーラーや整備店に問い合わせましょう。以下の記事も参考にしてください。
<関連記事>エンジン警告灯の点灯原因は?対処法を整備士が解説!
⑩ブレーキ警告灯(赤色)
ブレーキが故障したときに点灯します。パーキングブレーキをかけているときにも点灯するので、パーキングブレーキを解除して警告灯が消灯するなら正常です。 一方、パーキングブレーキを解除しても消灯しない場合は走行中にブレーキが利かなくなる恐れがあります。
⑪充電警告灯(バッテリーランプ)
バッテリーが上がるなど、バッテリーそのものの異常や、バッテリーへの充電系統(オルタネーター、ベルトなど)に異常がある場合に点灯します。充電がなくなると突然、車の走行ができなくなる可能性もあり、非常に危険です。
⑫油圧警告灯(エンジンオイルランプ)
何らかの理由でエンジンオイルの油圧が下がったときに点灯します。点灯した状態で走り続けると、エンジンが焼きつくなど重大な故障を引き起こす可能性があります。
⑬電動パワーステアリング(EPS)警告灯
EPSとは、ハンドル操作に必要な力を電動でアシストする機能です。EPSに異常があると警告灯が点灯します。ハンドル操作が重くなり、思ったように運転できなくなるため危険です。
⑭水温警告灯(赤色)
冷却水の温度が上がり過ぎている場合に点灯します。エンジンに重大なダメージを与えるオーバーヒートが起きている可能性もあります。
⑮AT警告灯
ATフルード(オートマトランスミッション専用のオイル)の温度が上昇した場合に点灯します。水温警告灯が赤く点灯する場合と同様、オーバーヒートの可能性があり、危険です。
⑯ハイブリッドシステム異常警告灯
ハイブリッド車において、異常が発生した場合に点灯します。点灯の原因はモーター駆動用のバッテリー異常であることが多いですが、ハイブリッド車は複雑な構造をしているため、原因の特定が困難です。重大な異常の可能性もあるので、走行を中止してください。
⑰マスターウォーニング
車の各システムで緊急度の高い異常があると点灯します。他の警告灯が点灯するか、マルチインフォメーションディスプレイ内に警告メッセージが表示されるときに同時に点灯、さらに警告内容によってブザーが鳴ります。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!