車のバンパーにキズがついてしまった場合、修理に出すか悩む人は多いでしょう。ちょっとしたキズでも修理代はそれなりにかかるもの。そんな時は自分で補修するのも一つの手段です。バンパーのキズの補修方法を写真とともに分かりやすく解説します。
バンパーのキズは修理すべき?放置しても問題ない?
最近のバンパーは樹脂製で、キズがついても錆びることはありません。しかし、バンパーのキズは目立ちやすく、車の印象を大きく左右します。
また放置すれば車体の劣化や塗装の剥げにも繋がり、手放す時の買取価格が下がってしまうということも少なくありません。
そのため、できるだけ早めの修理をお勧めします。
自分でできる!バンパーのキズの補修方法
キズをきれいに修理したいなら、プロに頼むのが一番です。しかし、軽度のキズを目立たないようにするだけなら自分で修理するという選択肢もあります。
ここからは自分でキズを補修する場合の手順を解説します。大まかな流れは「準備→キズや凹みの補修→下塗り→塗装→乾燥」という流れで進みます。
ステップ1 キズの程度を確認する
図のように、車の塗装は複数の層が重ねられてできています。キズが付いた時の補修方法はその深さによって異なるため、まずはキズの程度を確認しましょう。
キズの深さは水をかけると分かります。
水をかけた時、一瞬キズが見えなくなるようであればクリア層についた「浅いキズ」である可能性が高いです。この場合はコンパウンド(研磨剤)で消すことができます。
一方、水をかけてもキズが見える場合はクリア層にとどまらない「深いキズ」だと考えられます。この場合はパテや塗料を使った補修が必要でしょう。
「浅いキズ」の場合は以下の記事でコンパウンドを使った修理の方法を確認してください。「深いキズ」の場合は、ステップ2へと進みましょう。
コンパウンドとは?車のキズの消し方ときれいに仕上げるテクニック
ステップ2 必要なものを用意する
「深いキズ」の補修をする場合、以下のものが必要になります。特にプラサフ、ぼかし塗料、カラー塗料は車のボディカラーを考えて選ぶ必要があります。
使うもの | 備考 |
---|---|
ウエスやタオルなどの布 | 車を拭くための布。数枚用意 |
耐水サンドペーパー | 150番、320番、600番、1000番の4種類を用意 |
サンドペーパー用研磨パッド | - |
シリコンオフ | 脱脂スプレー。車体の油分を除去し、塗料などを剥がれにくくする |
バンパープライマー | 塗料の密着性を高めるための下地処理剤 |
パテ(パレット・ヘラ) | キズや凹みの段差を埋める |
マスキング用品 | テープとシートを用意 |
プラサフ | 細かいキズを埋めてくれる下塗り用塗料。ボディカラーに合わせて「白」「黒」「グレー」の3色から選んで用意 |
コンパウンド(細目) | クリア層のキズを補修する研磨剤 |
コンパウンド用スポンジ | - |
ぼかし剤 | 表面のざらつきを抑え、色をなじませる |
カラー塗料 | 仕上げ用塗料。愛車の「カラーナンバー」をチェックして用意 |
艶出しスプレー | 塗装の仕上げに吹きかける |
ステップ3 キズ部分を研磨する
このステップでは、キズ部分にできた「ささくれ」を取り除いていきます。
研磨する前に、車についた汚れで新たなキズができないよう、車体を水洗いしましょう。
その後、耐水サンドペーパーとサンドペーパー用研磨パッドを使い、キズの周辺を研磨します。キズ部分のささくれがなくなるよう、滑らかになるまで磨いてください。
ステップ4 パテで補修して形を整える
表面が滑らかになったら、次はパテでキズ部分の凹みを埋めていきます。
パテを使う前に、まずはパテを剥がれにくくするための脱脂作業を行います。キズ部分にシリコンオフをしっかり吹きかけ、きれいな布で補修部分を拭いてください。
さらにパテの密着性を高めるため、バンパープライマーを吹きかけます。樹脂製のバンパーは塗料が密着しにくいので、必ずバンパープライマーも使いましょう。
これを済ませたら、研磨した部分にパテを塗っていきます。パレットとヘラでパテをよく練りこみ、キズ部分に押しつけるように塗ってください。
一方向に塗るときれいに仕上がります。後から研磨して高さを揃えるので、周囲の塗装面より少し盛り上げて塗りましょう。
パテが乾燥したら、表面を滑らかにするため2種類のサンドペーパーを使って補修部分を研磨します。はじめに目が粗い320番の耐水サンドペーパーで研磨し、パテの盛り上がりを削っていきます。キズ周辺の高さに近くなったらサンドペーパーを600番に持ち替え、周囲と高さが合うまで研磨してください。
ステップ5 プラサフで下塗りする
このステップでは、パテと仕上げ用塗料を密着させるための、下塗り用塗料のプラサフを塗っていきます。
まずはプラサフが飛び散って汚れないよう、車体にマスキングをします。研磨後に残っている汚れも布で取り除いておきましょう。
次にプラサフの密着性を高めるための脱脂作業などをします。シリコンオフをかけたら布で拭き上げ、更にバンパープライマーを塗布してください。
ここでプラサフを塗ります。仕上がりをきれいにするため、複数回に分けて、一定の方向に吹きかけてください。
ステップ6 カラー塗料を塗る
準備が整ったら、いよいよカラー塗料でキズ部分に色をつけるステップです。
カラー塗料を使用する前に、修復部分の周囲をコンパウンドで軽く磨き、脱脂用のシリコンオフを吹きかけましょう。きれいに吹き上げたら、塗料の飛び散りを防ぐために車体をマスキングします。
(※今回はバンパープライマーは不要)
次に、ぼかし剤を吹きかけます。ぼかし剤はカラー塗料の塗装時に発生する「ざらつき」を抑え、周囲との色なじみを良くします。
ぼかし剤が乾かないうちに、カラー塗料を吹きかけます。ぼかし剤は薄い液状成分で乾きやすいので素早く塗りましょう。一度で塗り切ろうとせず、何度か塗り重ねるように吹きかけてください。
ステップ7 艶出しスプレーとぼかし剤で塗装を仕上げる
カラー塗料を塗ったら、艶出しスプレーとぼかし剤で補修の仕上げをしていきます。
カラー塗料を塗った部分より少し広い範囲に艶出しスプレーを吹きかけます。光沢感が出るように、複数回に分けてしっかりかけてください。
その後、乾かないうちにぼかし剤を吹きかけます。塗装の境界部分にできた白っぽいざらつきがなくなり、濡れて見えるまでしっかり吹きかけると補修部分との差が目立ちにくくなります。
ステップ8 乾燥
塗料がしっかり乾くまで、一週間ほど乾燥させて完了です。
上手く補修できない…そんな時はどうすればいい?
「自分で補修に挑戦したものの、上手くいかなかった」という場合は改めて業者に補修を依頼した方が良いでしょう。
修理費はキズの大きさによって異なります。10cm程度のキズなら1~2万円程度、広範囲のキズなら3~5万円程度が相場です。
また業者によっても修理費用に差があり、一般に、ディーラーよりもカー用品店や板金業者の方が安いです。
バンパーのキズ、売却時の査定額に影響はあるの?
バンパーのキズは、深さや範囲によって売却時の査定額に影響を与えます。特に、深いキズ、広範囲のキズ、凹みなどは査定額が下がる可能性が高いです。
しかし「自分で補修した方が絶対に得」とは限らないので注意が必要です。慣れない人が自分で補修をすると、仕上がり次第ではかえってマイナス査定になってしまうこともあります。
「車にキズがあるけど、そのまま売るべき?それとも自分で補修すべき?」と迷っている時は、まず査定を受けてみましょう。その上で「自分で補修したら査定額が上がる可能性があるのか」を相談してみてください。
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