国産車でトップレベルの低燃費を誇るアクア。ここでは、カタログ燃費・実燃費の紹介や他の車種との比較、アクアの走り等の特徴について解説します。
アクアのカタログ燃費と実燃費
アクアは全車ハイブリッドシステムを搭載し、高い燃費性能を誇ります。トヨタのハイブリッド車は全体的に燃費が良いですが、なかでもアクアは国産車トップクラスの実力です。
カタログ燃費は30.0~34.6km/L、実燃費は概ねカタログ燃費の-5km/L程度と考えられます(WLTCモード、GRスポーツ除く)。
カタログ燃費は30.0~34.6km/L
グレード | X (廉価) |
G (中間) |
Z (最上位) |
---|---|---|---|
WLTC燃費(総合) ※[ ]内は4WD |
34.6km/L [30.0km/L] |
33.6km/L [30.0km/L] |
|
市街地モード ※[ ]内は4WD |
35.7km/L [32.0km/L] |
34.3km/L [32.0km/L] |
|
郊外モード ※[ ]内は4WD |
37.6km/L [31.1km/L] |
36.0km/L [31.1km/L] |
|
高速道路モード ※[ ]内は4WD |
32.4km/L [28.5km/L] |
31.8km/L [28.5km/L] |
現行アクアのカタログ燃費(WLTC燃費)は、2WD車で33.6~34.6km/L、4WD車は全グレード共通で30.0km/Lです。
なかでも燃費性能が優れているのは、廉価グレードのX(2WD車)です。ただし人気が高いのはGとZで、この2グレードの燃費性能は変わりません。
実燃費は25~31km/L程度か
実燃費は、一般にカタログ燃費の8~9割程度といわれています。
この目安に基づくと、アクアの実燃費は2WD車で27~31km/L程度、4WD車で24~27km/L程度と考えられます。実際に、ユーザーの反応を見ても同様の声が多いです。大まかな目安としては、カタログ燃費-5km/L程度と考えると良いでしょう。
Q. 1000km走行時のガソリン代は?
廉価グレードX(2WD車、34.6km/L)で1000km走行するとした場合、レギュラーガソリン価格を175円/Lで計算すると、ガソリン代の目安は約5100円です。ただし、実燃費で考えるとガソリン価格はもう少し高くなると考えられます。
なお、1000kmは東京-大阪を往復できるほどの距離です。
アクアの燃費が良好な理由
現行アクアはエンジンの小型・軽量化を徹底し、燃焼効率を向上。さらに、電気・機械系統でのロスを大幅に削減し、燃費性能にさらに磨きをかけました。
低燃費といえば「プリウス」と考える人も多いですが、コンパクトなサイズ感もあり、現行アクアはプリウス以上の低燃費を誇ります。
Q. アクアの良い燃費を維持するには?
燃費良くアクアに乗り続けるには、以下のような点を心がけましょう。
- 「急」のつく運転を避ける
- 不要な荷物は降ろす
- 車を定期的に整備する
急発進や急加速・急減速はエンジンに負担がかかります。また、遅すぎず・速すぎずの一定スピードで走ることも重要です。
さらに、不要な荷物を降ろせば重量が軽くなり、燃費も良くなります。タイヤの空気圧の調整やオイル交換などの整備も、燃費性能を保つための大切なポイントです。
アクアとライバル車種との燃費比較
車種 | WLTC燃費 | 新車時価格 |
---|---|---|
トヨタ「アクア」 | 33.6km/L~34.6km/L | 214.6万円~283.7万円 |
トヨタ「ヤリス」 | 19.0km/L~36.0km/L | 150.1万円~269.4万円 |
トヨタ「プリウス」 | 26.0km/L~32.6km/L | 275万円~460万円 |
トヨタ「ルーミー」 ※ハイブリッドモデルなし |
16.8km/L~18.4km/L | 156.6万円~210万円 |
トヨタ「ライズ」 | 17.4km/L~28.0km/L | 180.1万円~244.2万円 |
ホンダ「フィット」 | 16.0km/L~30.2km/L | 172万円~283.1万円 |
2024年末時点において、アクアより低燃費な車種はヤリスのみです。
ライバル①トヨタ「ヤリス」
- 新車時価格:150.1万円~269.4万円
- WLTC燃費:19.0km/L~36.0km/L
ヤリスは国産車トップの燃費性能を誇る一台です。アクアと同じプラットフォームを採用していますが、サイズはアクアよりわずかに小さいです。また、スポーティでキレのある走りをします。
ハイブリッド車の燃費性能は随一ですが、後部座席の狭さや走行の安定感という点ではアクアに軍配が上がります。
【関連記事】アクア vs ヤリス(ハイブリッド)、どちらがより魅力的?
ライバル②トヨタ「プリウス」
- 新車時価格:275万円~460万円
- WLTC燃費:26.0km/L~32.6km/L
ハイブリッド車の先駆けとして人気の高いプリウス。2023年1月に登場した現行モデルは従来よりサイズが大きく、走りはかなりスポーティに仕上がっています。パワフルで運転上級者には楽しい車ですが、リヤの視界が狭く、運転初心者には向きません。
アクアに比べて車両価格も高いので、コストを重視するなら中古で先代モデルの購入をお勧めします。
【関連記事】アクア vs プリウス同価格帯対決!新車か1ランク上の中古車か
ライバル③トヨタ「ルーミー」
- 新車時価格:156.6万円~210万円
- WLTC燃費:16.8km/L~18.4km/L
コンパクトかつ車内空間の広い車として人気のルーミー。しかし、2024年末時点で、ルーミーにはハイブリッド車が存在しません。
そもそもルーミーはダイハツ「トール」のOEM車で、2023年にはフルモデルチェンジの噂もありました。しかし、不祥事問題から新モデルの開発が遅れています。
ライバル④トヨタ「ライズ」
- 新車時価格:180.1万円~244.2万円
- WLTC燃費:17.4km/L~28.0km/L
トヨタのSUVで最も小さいライズは、全長と全幅が殆どヤリスと変わりません。しかしながら、全高は高いので後部座席もある程度のスペースを確保できます。
SUVということもあって燃費はアクアやヤリスより劣りますが、車重や排気量が抑えられているので税金は比較的安いです。
ライバル⑤ホンダ「フィット」
- 新車時価格:172万円~283.1万円
- WLTC燃費:16.0km/L~30.2km/L
同じコンパクトカーで人気の高い車といえば、ホンダのフィットと日産のノートです。フィットは車内空間が広く、かつノート(e-POWER)より燃費性能が優れています。
運転席からの視界の広さにも定評があり、アクアと同様に初心者でも運転しやすい車として人気です。
なお、以下の記事では燃費の良い車種をランキングにしてご紹介しています。
先代アクアとの燃費比較
【WLTC燃費(2WD)】
- 現行アクア:33.6km/L~34.6km/L
- 初代アクア(最終モデル):27.2km/L~29.8km/L
初代アクアの最終モデルでも、燃費性能は非常に良いです。
ただし、初代から2代目へのフルモデルチェンジは10年越しであり、予防安全装備や乗り心地の差は歴然です。
コスト重視であれば初代、質感も踏まえて購入するのであれば現行モデルをお勧めします。
アクアのサイズや走り等の特徴
アクアは低燃費かつ運転しやすい車として非常に人気があります。大人4~5人で乗るには少々狭いものの、通勤用や子育て世代の生活の足としては充分に優れた車です。
都市部でも走りやすいサイズ感
アクアのサイズは、全長4050mm×全幅1695mm×全高1485-1505mm。一般的なコンパクトカーのサイズではありますが、都市部での運転に困らないサイズ感です。
運転に自信がない場合や道幅の狭いエリアをよく通る場合、ショッピングセンターの駐車場などを利用する機会が多い場合などには、アクアのようなサイズ感が便利です。
税金は平均的なコンパクトカーレベル
車の維持にかかる税金は、自動車税と自動車重量税の2つです。前者は排気量、後者は車両重量を主な基準として課税されます。
アクアの排気量は1490cc、車両重量は1120~1150kgほどです。これは、コンパクトカーとしては平均的な数値といえます。なお、ヤリスとライズには、より排気量が小さく車両重量の小さいモデルがあります。
穏やかで安定感のある走り
アクアの魅力は、穏やかで快適な走りと柔らかな乗り心地です。
同じプラットフォームを採用しているヤリスは、どちらかと言えば操縦性を楽しみたい人に向いています。一方、安定した走りを求める場合はアクアをお勧めします。
快感ペダルで運転も楽々
現行アクア(※)には、アクセルペダルだけでスムーズに加減速の調整ができる「快感ペダル」が標準装備されています。走行モードで「POWER+モード」を選択すると、アクセルから足を離したときの減速感が通常の2倍ほどになります。
ちょっとした減速であればブレーキを踏まずに操作でき、ドライバーにとっても負担を軽減できます。
※2代目発売当初に販売されていたBグレードには、快感ペダルの搭載がありません。
アクアは中古車の流通量も多い
アクアはもともと人気の高い車種であり、初代モデルも含めて中古車の流通量が多いです。
2代目の中古車もすでに多く出回っていますので、購入を検討する際は中古の在庫もチェックしてみてください。