ショーファーカーのマーケットは、アルファードのエグゼクティブラウンジの登場により大型セダンからLクラスミニバンへとシフトし始めた。とはいえ、自ら運転することも多いモデルでもあるためセダンとミニバンどちらにするかは人それぞれだろう。
今回は新型登場によって話題の新車アルファードエグゼクティブラウンジと、大型セダンの人気モデルである中古車レクサスLSを徹底比較した。
- アルファードエグゼクティブラウンジの新車価格で、中古車レクサスLSが買える!
- アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の特徴
- 50系レクサスLSの特徴
- 燃費の数値は近いが、レギュラーガソリン仕様のアルファードが有利
- レクサスLSは2020年式でも新車アルファードと同じ価格帯に
- アルファードは現在、受注停止中。すぐに乗りたいならレクサスLS
- スタイリッシュになったアルファード。静と動を表現するレクサスLSのデザイン
- 荷室の積載性、室内空間の広さはアルファードが圧倒的
- 最先端の運転支援技術が投入されたレクサスLS
- プラットフォームの刷新で乗り心地が向上したアルファード
- リセールバリューはセダン不振の影響でレクサスLSよりアルファードが圧勝
- 広さが欲しいのならアルファード。スポーティでより高級感を求めるならレクサスLS
- 40系トヨタアルファード価格
- 50系レクサスLS価格(最新モデル)
- 40系トヨタアルファード スペック
- レクサスLS スペック
アルファードエグゼクティブラウンジの新車価格で、中古車レクサスLSが買える!
アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の新車価格と、レクサスLSの新車価格・中古車相場は以下の通りだ。
40系トヨタ アルファード |
850万円 |
50系レクサスLS |
1,240万円~1,710万円 |
50系レクサスLS |
630~900万円 |
*中古車相場は、2024年2月調べ
新車価格では、高級車ブランドであるレクサスLSが大きく上回る。アルファードエグゼクティブラウンジに対して、レクサスLSは約150%高価だ。ところが、レクサスLSの中古車価格は、2019年式で新車価格の約半分の価格帯にまで下がっている。
つまり新車のアルファードエグゼクティブラウンジと、中古のレクサスLSの価格帯はほぼ同等になる。中古車とはいえ、50系レクサスLSがグッと魅力的に見えてくる。
そこで、40系アルファードエグゼクティブラウンジと、50系レクサスLSを徹底比較し、新車と中古車、どちらを購入したほうが良いのかを検証する。
アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の特徴
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の全景
40系アルファードは2023年6月にフルモデルチェンジを経て登場した。大切な家族との旅行や大事なお客様の送迎するようなシーンにおいて、ドライバーや後席に座る乗員など、乗る人すべてが「快適な移動の幸せ」を感じされることをコンセプトに開発された。
ボディは一般的な機械式駐車場の制限サイズ(全長5,000mm×全幅1,850mm以下)に収まる。「Forceful×IMPACT LUXURY」をキーワードに全体的なカタマリ感を意識し、闘牛が躍動しているかのようなモチーフをデザインされた。
最上級モデルのエグゼクティブラウンジは、2列目シートにプレミアムナッパレザーをシート表皮に採用したエグゼクティブラウンジシートを標準装備しており、快適に移動するための装備が充実している。
- リアマルチオペレーションパネル(エアコンの温度設定などが行える)
- パワーオットマン機能
- 回転格納式テーブル
- 快適温熱シート
- 14インチリアシートエンターテインメントシステム
- 15のJBLプレミアムサウンドシステム
快適装備が充実し、動くリビングルームと言える充実ぶりだ。
50系レクサスLSの特徴
※上図:レクサスLS(50系)の全景
50系レクサスLSは、2017年10月に導入された。グローバルモデルとしては5代目、日本国内モデルとしては2代目となる。セダンとしての居住性を十分確保しながら、斬新なクーペシルエットを採用した。さらにエモーショナルな走り、数々の先進技術により、レクサスの象徴として大きな進化を果たしている。
50系レクサスLSは、GA-Lプラットフォームを基に、軽量なアルミニウム素材を積極的に採用した。さらにエンジンなどの重量物を車両中心に配置することで、軽量化やセダンとしての理想的な重心高、前後重量配分を実現している。またボディはねじり剛性の向上などの高剛性化により、優れた操舵応答性、操縦安定性を得た。吸音材、遮音材の最適配置やフラッシュサーフェスウインドウの採用により、静粛性も向上している。
レクサスLSは、2017年の登場以降、ほぼ毎年のように改良が加えられているのも特徴だ。2018年の改良では4WD車のサスペンションやハイブリッドシステムが改良された。そして予防安全パッケージの「レクサスセーフティシステム+」の各機能も進化している。
続く2019年には2WD(FR)車のショックアブソーバーに4WD車と同じ伸圧速率オリフィスを採用し、乗り心地が向上している。またハイブリッド車のLS500hは加速時のバッテリーによるアシスト量の増加やエグゼクティブグレードの後席の快適性の向上が図られた。
2020年のマイナーチェンジでは、内外装の変更に加えて、パワートレインやサスペンションからシート縫いの位置などの細部に到るまで徹底的な作り込みが実施された。
2021年4月には高度運転支援技術「アドバンスドライブ」が採用され、ハイブリッド車に搭載グレードを設定した。さらに10月にはアドバンスドライブの性能向上や運転支援機能の性能。これまでのランフラットタイヤから新開発のノーマルタイヤに変更し、走りの上質感を高めつつ、乗り心地と静粛性を向上させている。
そして2022年、2023年にも乗り心地の向上や先進の予防安全技術と高度運転支援機能の性能を向上させる一部改良を行っている。レクサスのフラッグシップモデルらしく、乗り心地の追求にはかなりのこだわりを持っていることが感じられる。
燃費の数値は近いが、レギュラーガソリン仕様のアルファードが有利
1.燃費性能
40系アルファードの評価は 4.5
50系レクサスLSの評価は 4.0
40系トヨタアルファードの燃費(WLTCモード)は下記の通りだ。
|
FF(2WD) |
4WD |
2.5Lハイブリッド |
17.5~17.7km/L |
16.5~16.7km/L |
2.5Lガソリン |
10.6km/L |
10.3km/L |
50系レクサスLSの燃費は下記の通りだ。
|
FR(2WD) |
4WD |
3.5Lエンジンハイブリッド |
13.6km/L |
12.5~12.6km/L |
3.5Lツインターボエンジン |
10.1m/L |
9.5km/L |
車両重量は、アルファードが2,060~2,290kg、レクサスLSが2,130~2,400kgだ。レクサスLSのほうが約100kg重い。この差は燃費性能に大きく影響を及ぼしている。WLTCモードの燃費の数字を見ると、ハイブリッド車では排気量が1.0L大きくなっていることからレクサスLSはアルファードより4km/Lほど安価だ。ガソリン車は、ほぼ互角の数値となっている。
しかし、アルファードがレギュラーガソリンなのに対して、レクサスLSはどちらもハイオクガソリンとなる。レギュラーとハイオクではリッター当たり10円前後違う。そのため、とくにハイブリッド車は燃費差が大きいだけでなく、燃料費の差も加わりランニングコストに大きな影響を与える。
レクサスLSは2020年式でも新車アルファードと同じ価格帯に
2.価格比較
40系アルファードの評価は 3.5
50系レクサスLSの評価は 4.0
新車価格と中古車相場を比較した。
40系トヨタ アルファード |
850万円 |
50系レクサスLS |
1,240万円~1,710万円 |
50系レクサスLS |
630~900万円 |
*中古車相場は、2024年2月調べ
人気グレードで、リセールバリューが高いレクサスLS Fスポーツ ハイブリッド車の中古車価格は、2020年式で約800~950万円だ。レクサスLSの中古車流通量が少ないので、中古車相場はやや幅の広くなった。Fスポーツより安価なグレードであれば、マイナーチェンジ後のモデルでもアルファードエグゼクティブラウンジと同等の価格帯で手に入る。
アルファードは現在、受注停止中。すぐに乗りたいならレクサスLS
3.購入時の値引き術
40系アルファードの評価は1.0
50系レクサスLSの評価は 2.0
40系アルファードは、ガソリン車、ハイブリッド車ともに通常の受注を停止している(2024年2月現在)。受注を受け付けていた時期でも、人気があまりにも高く、納期は長期化していた。そのため、値引きは基本ゼロベースだ。仮に今後、受注が再開されても値引きゼロベースがしばらく続くことは確実だろう。
一方、50系レクサスLSは中古車での購入となるため、基本的に値引きはゼロだ。中古車の場合、簡単に大幅値引きするようであれば、むしろその販売店の信用度は低いと考えたほうが良い。端数調整などの値引きレベルとなる。
レクサスLSが販売開始したのは2017年。初期モデルでも3回目の車検を迎えたタイミングだ。元々高額車で作りもしっかりしているので、このくらいの経年変化ならば心配ないだろう。
スタイリッシュになったアルファード。静と動を表現するレクサスLSのデザイン
4.デザイン比較
40系アルファードの評価は 4.0
50系レクサスLSの評価は 4.5
前方に突進するような勢いをさらに強めたアルファード
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の後景
40系アルファードのデザインキーワードは重厚・勢いという意味のForceful×次世代高級感というIMPACT LUXURYだ。外観デザインでは、歴代モデルが培ってきた重厚さと前進する勢いを強化し、豪華さを時代にマッチした上質さとともに表現した。
全体的なデザインは、闘牛のように大きな筋肉の塊が力強く突進する姿をイメージさせる。止まっているときでも躍動感を感じられることを追求している。
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)のフロントフェイス
フロントマスクは、グリルのメッキ加飾と連続するシームレスなデイタイムランニングタイムによる一体化で、ワイド感と存在感を進化させている。
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)のリヤエンド
レクサスLSはフラッグシップセダンのもつ静と動を表現
※上図:レクサスLS(50系)の後景
50系レクサスLSは採用しているGA-Lプラットフォームにより、低く構えたスタイリングを実現した。さらに、大径タイヤの採用で力強い存在感を創出している。これまでの4ドアセダンとは異なる斬新なクーペシルエットを演出するために、6ライトキャビンを採用した。フロントからリアまで抜けるシャープな構成とフェンダーがダイナミックに突き出る造形となっている。
※上図:レクサスLS(50系)のフロントフェイス
フロントは低いエンジンフードと抑揚のあるフェンダーにより立体的な造形とした。加えて精緻かつ迫力のあるスピンドルグリルによりフラッグシップとして威厳ある表情を演出している。スポーティなFスポーツには、ブランド統一の新しいFメッシュパターンを採用した。グリルメッシュとサイドグリルにこれまでの縦基調のメッシュを継承して発展させたものだ。よりスポーティでアグレッシブを強調している。
※上図:レクサスLS(50系)のリヤエンド
ミニバンとセダンという異なるボディタイプだが、両車共に押し出し感や迫力という面では、高いレベルにある。セダンのレクサスLSは、さらにスポーティさが加わった。アルファードは重厚感をよりアピールしている。このあたりは、好みの問題といえる。レクサスLSは静と動というセダンのもつ二面性を表現したデザインと異なっているのが興味深い。
荷室の積載性、室内空間の広さはアルファードが圧倒的
5.室内空間と使い勝手
40系アルファードの評価は 5.0
50系レクサスLSの評価は 4.0
40系アルファードと50系レクサスLSのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。
【40系トヨタアルファード エグゼクティブラウンジ2WD】
全長×全幅×全高 |
4,995mm×1,850mm×1,935mm |
ホイールベース |
3,000mm |
室内長×室内幅×室内高 |
3,005mm×1,660mm×1,360mm |
荷室容量 |
575L(サードシートのスライド位置を一番前にした状態) |
【50系レクサスLS500h 2WD】
全長×全幅×全高 |
5,235mm×1,900mm×1,440mm |
ホイールベース |
3,125mm |
室内長×室内幅×室内高 |
2,120mm×1,615mm×1,160mm |
荷室容量 |
400L |
ボディサイズは全長で約240mm、全幅で約50mmレクサスLSが大きく、逆に全高はミニバンのアルファードが約495mm上回っている。
しかし室内サイズを比べると、室内長は約885mm、室内幅は約45mm、室内高は200mmとすべてアルファードが上回るというより圧倒している。室内空間の広さはアルファードが大きくリードする。
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の荷室
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の3列目シート
※上図:レクサスLS(50系)の荷室
5人乗車時のラゲッジ容量を比べると、現行型レクサスLSは400L、現行型アルファードは864Lと大きく上回る。サードシート使用時もスライド位置を最も前にすれば、575Lの容量を確保でき、セカンドシートを一番前にスライドすれば、さらに容量が増える。多彩なシートアレンジが可能な現行型アルファードのほうが、積載能力は圧倒的に高い。
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の運転席
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)の2列目シート
アルファード、レクサスLSともにリアシートを重視したショーファーカーという特徴がある。そこでセカンドシートの機能性を比較してみた。アルファードエグゼクティブラウンジに採用されているエグゼクティブラウンジシートは、最大480mmのスライド量を電動で行え、着座時と空席時で早さを変えるなど不安を与えない工夫が施されている。
※上図:レクサスLS(50系)の運転席
一方、レクサスLSの最上級グレードであるエグゼクティブには、リラックスできる姿勢でくつろげる2way調整式リアパワーシートを標準装備している。エアブラダーの膨張・収縮でランバー前後上下、バックベルビス(腰後部)、ショルダーの調整を行うニューマチックシステムとモーターを併用し、シート全体で細やかな調整が可能となった。シートの角度調整は乗り降りしやすい乗降モードから深いリクライニングまで対応している。
※上図:レクサスLS(50系)の後席
さらに、リアシートには温感リラクゼーション機能を世界で初採用した(当時)。リアマルチオペレーションパネルを採用し、リラクゼーション機能やオーディオ、エアコンなどの操作が一か所で出来るようになった。伸縮機構付の電動オットマンと、ワンアクションで好みの姿勢を選べる3つのプリセットポジションをリアシート左に設定するなど快適機能が充実している。
ボディサイズは全長がレクサスLSのほうが大きいものの、室内空間の広さはミニバンのアルファードのほうが圧倒的に広い。リアシートの快適装備は互角だが、リラックス度はアルファードが優勢だ。
最先端の運転支援技術が投入されたレクサスLS
6.安全装備&運転支援機能の比較
40系アルファードの評価は 4.5
50系レクサスLSの評価は 5.0
40系アルファードと50系レクサスLSの予防安全装備は、最新鋭のシステムを採用している。
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)のインパネデザイン
40系アルファードは、最新の予防パッケージ「トヨタセーフティセンス」を搭載し、トヨタブランドのミニバンとして最も充実した機能を搭載している。
ベースとなる「トヨタセーフティセンス」には以下の機能が追加された。
- プロアクティブドライビングアシスト(車線内走行時操舵支援)
- プロアクティブドライビングアシスト(信号交差点に対する右左折時減速支援)
さらに、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」も採用している。
- アドバンストパーク(車外から専用スマートフォンアプリで操作し、遠隔で駐車・出庫可能)
- アドバンストドライブ(高速道路などを走行中の渋滞時に一定条件が揃った場合にドライバーの運転負荷を軽減)
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)のメーター
最上級グレードのエグゼクティブラウンジはすべて標準装備だ。Zグレードは、以下がオプション設定となる。
- トヨタチームメイト
- 緊急時操舵支援+フロントクロストラフィックアラート+レーンチェンジアシスト
※上図:レクサスLS(50系)のインパネデザイン
一方レクサスLSは、全車標準装備の総合安全コンセプトの「レクサスセーフティシステム+A」と高度運転支援技術の「レクサスチームメイト」を採用し、事故の防止や交通事故死傷者の更なる低減とドライバーの負担軽減を目指している。
レクサスチームメイトは、「モビリティチームメイトコンセプト」に基づいて開発されている。これは、人とクルマが気持ちを通わせながらお互いに高め合い、クルマと人が仲間のように共に走るという考え方だ。
※上図:レクサスLS(50系)のメーター
運転支援機能であるレクサスセーフティシステム+Aは全車に標準装備されている。
- レーダークルーズコントロール
- レーントレーシングアシスト
- レーンチェンジアシスト
予防安全装備は、交差点右左折支援や低速時加速制御を加えた衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティをはじめとした機能がパッケージ化されている。また、レクサスチームメイトは、高度運転支援技術がパッケージ化されたものだ。駐車時のペダル踏み間違いなどの誤操作を防ぎ、スムーズに駐車できるアドバンストパークとアドバンスドドライブなどが含まれている。
アルファードとレクサスLSの安全装備は、名称は異なるものの機能的にはほぼ互角といえる。
レクサスLSの一部グレードに搭載されているアドバンスドドライブは別格だ。ナビゲーションで目的地設定すると、ドライバー監視のもと実際の交通状況に応じてシステムが適切に判断、操作を支援し、車線変更や追い越しなども行ってくれる機能だ。だが、この機能を使用するにはライダーという高価なデバイスを装着しなければならない。車両本体価格1,000万円オーバーのフラッグシップモデルであるレクサスLSだから搭載できる装備と言えるだろう。
プラットフォームの刷新で乗り心地が向上したアルファード
7.走行性能の比較
40系アルファードの評価は 4.5
50系レクサスLSの評価は 4.5
40系アルファードと50系レクサスLSに搭載されているパワートレインのスペックは以下のとおりだ。
【40系アルファード ガソリン車】
|
最高出力 |
最大トルク |
2.5L直列4気筒 |
182ps |
235N・m |
2.5Lハイブリッド |
250㎰(システム出力) |
- |
【50系レクサスLS】
|
最高出力 |
最大トルク |
3.5LV型6気筒DOHC |
422ps |
600N・m |
3.5Lハイブリッド |
359㎰(システム出力) |
- |
アルファードは高い熱効率を実現したハイブリッドシステムを採用
※上図:アルファードエグゼクティブラウンジ(40系)のエンジンルーム
40系アルファードには2.5Lガソリンエンジンと2.5Lエンジンのハイブリッドシステムの2種類が用意されている。2.5Lハイブリッドシステムは、エンジンを高い熱効率を実現しているエンジンに変更するだけでなく、ハイブリッドシステムも刷新した。また、駆動方式は従来モデルではハイブリッド車は4WDのみだったが、現行モデルでは2WDを設定している。
40系アルファードは、後席の快適性を重視し、基本骨格から見直しているのが特徴だ。
- TNGAプラットフォーム(GA-K)をミニバン用に最適化
- 車体底部後方に補強材のブレースをV字型に設けることで車両剛性を従来比約50%アップ
- 構造用接着材を部位によって最適に塗布することで、優れた操縦安定性と乗り心地を実現
ショーファーカーに相応しいスムーズな加速を求めるならハイブリッド車
※上図:レクサスLS(50系)のエンジンルーム
50系レクサスLSは3.5LV6ツインターボエンジンと3.5LV6エンジンのハイブリッドシステムの2つのパワートレインを設定している。
システム出力359㎰を誇る3.5Lハイブイッドシステムは、高級車らしいマジックカーペットのようなスムーズな加速性能が特徴的だ。
GA-Lプラットフォームをベースにエンジンなどの重量物を車両中心近くに配置することで、軽量化に加え、セダンとしての理想的な重心高、前後重量配分を実現した。さらにボディはねじり剛性向上などの高剛性化により、優れた操舵応答性や操縦安定性を両立している。
操縦安定性はレクサスLSだがリアシートの乗り心地はアルファードが優勢
レクサスLSでは、2017年の販売開始以降、毎年のように改良が加えられている。特に乗り心地に関する改良は枚挙にいとまがない。
レクサスLSの初期モデルは特にリアサスペンションの振動が大きく、改善を求める声が多かった。また、ランフラットタイヤによるゴツゴツ感も改良の対象となっている。改良が加えられているが、まだ改善の余地があるということなのだろう。
その点、アルファードは新プラットフォームとブレースによるボディ補強によって従来モデルで発生したセカンドシートの床の揺れも抑えられている。乗り心地はアルファードが有利だ。
気持ちの良いスポーティな走りを求めるならレクサスLS。後席の乗り心地重視ならアルファードという選択になる。
リセールバリューはセダン不振の影響でレクサスLSよりアルファードが圧勝
8.リセールバリュー比較
40系アルファードの評価は 5.0
50系レクサスLSの評価は 3.5
50系レクサスLS中古車相場(2019年式)は約630~900万円だ。当時の新車価格が、約1,000~1,710万円だったので新車価格の58~63%にまで落ちている。人気が無いセダンで、まだこれだけの価格を維持しているのは、レクサスブランドだからこそだ。他メーカーのセダンであれば、大幅に低い価格になっている。
これに対して、先代となる30系アルファードハイブリッドの中古車相場(2019年式)は、410~580万円程度だ。当時の新車価格が約440~750万円だったので、中古車価格は77~93%までしか下がっていない。このリセールバリューは、脅威的ともいえる。アルファードハイブリッドの人気の高さが伺える。
40系アルファードハイブリッドのリセールバリューは、先代30系と同等、もしくはそれ以上になるとも予想できる。こうなると、さすがのレクサスLSもアルファードには敵わないだろう。
リセールバリューを重要視するのであれば、やはりアルファードという選択になる。アルファードハイブリッドの中でも、より高リセールバリューが期待できるのは最上級グレードのエグゼクティブラウンジだ。ボディカラーは、黒と白がより高値となる可能性が高い。
広さが欲しいのならアルファード。スポーティでより高級感を求めるならレクサスLS
9.まとめ・総合評価
40系アルファードと50系レクサスLSは、充実した快適装備と極上の乗り心地を兼ね備えている。現行型レクサスLSは、中古車になっても実力は全く色褪せることはない。しかし、圧倒的な広さを誇る室内空間を確保したアルファードのほうが、新時代のショーファーカーに相応しいと言えるだろう。
走行性能,特に操縦性や走行安定性は低重心なレクサスLSが上回る。だが、ショーファーカーとして重視されるセカンドシートの乗り心地や快適性は、1,000万円オーバーのレクサスLSに対して、アルファードは劣っていない。それどころか快適なエグゼクティブシートを採用することで、体に負担を掛けずに移動することが可能だ。しかも、アルファードのリセールバリューは、レクサスLSを大幅に上回るというメリットもある。
ただし、現在アルファードは受注を停止している。受注が再開しても、しばらくの間は納期が長期化するのは確実だ。いつ乗れるのか不明というのは悩む。
その一方で、プレミアムブランドのレクサスLSの新車時価格は、アルファードの約1.5倍だった。高年式の3年落ち程度の中古車がアルファードと同等価格で手に入る状況になってきている。これは、中古車購入の醍醐味と言える。ブランド力では、やはりレクサスLSが上回る。また、中古車なのですぐに乗れるのも大きなメリットだ。
40系トヨタアルファード価格
|
FF |
4WD |
アルファードZ (2.5Lガソリン) |
5,400,000円 |
5,598,000円 |
アルファードZ (2.5Lハイブリッド) |
6,200,000円 |
6,420,000円 |
アルファード |
8,500,000円 |
8,720,000円 |
50系レクサスLS価格(最新モデル)
LS500h<3.5Lハイブリッド>
|
FR |
AWD |
Advanced Drive(AWD) |
EXECUTIVE |
17,100,000円 |
17,580,000円 |
17,990,000円 |
version L |
15,420,000円 |
15,900,000円 |
16,370,000円 |
F SPORT |
13,640,000円 |
14,120,000円 |
- |
I package |
12,400,000円 |
12,880,000円 |
- |
LS500<3.5Lターボ>
|
FR |
AWD |
EXECUTIVE |
15,640,000円 |
16,120,000円 |
version L |
13,960,000円 |
14,440,000円 |
F SPORT |
12,180,000円 |
12,660,000円 |
I package |
10,940,000円 |
11,420,000円 |
40系トヨタアルファード スペック
代表グレード |
エグゼクティブラウンジ FF |
全長×全幅×全高 |
4,995mm×1,850mm×1,935mm |
ホイールベース |
3,000mm |
最低地上高 |
150mm |
車両重量 |
2,230kg |
エンジン型式 |
A25A-FXS |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,487cc |
最高出力 |
190ps(140kW)/6,000rpm |
最大トルク |
236N・m(24.1kgm)/4,300~4,500rpm |
モーター型式 |
5NM |
モーター最高出力 |
182ps(134kW) |
モーター最大トルク |
270N・m(27.5kgm) |
燃費(WLTCモード) |
17.5km/L |
駆動方式 |
前輪駆動(FF) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ前後 |
225/65R17 |
最小回転半径 |
5.9m |
レクサスLS スペック
代表グレード |
LS500hエグゼクティブ FR |
全長×全幅×全高 |
5,235mm×1,900mm×1,450mm |
ホイールベース |
3,125mm |
最低地上高 |
140mm |
車両重量 |
2,280kg |
エンジン型式 |
8GR-FXS |
エンジンタイプ |
V型6気筒DOHC |
総排気量 |
3,456cc |
最高出力 |
299ps(220kW)/6,600rpm |
最大トルク |
356N・m(36.3kgm)/5,100rpm |
モーター型式 |
2NM |
モーター最高出力 |
180ps(132kW) |
モーター最大トルク |
300N・m(30.6kgm) |
燃費(WLTCモード) |
13.6km/L |
駆動方式 |
前輪駆動(FF) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:マルチリンク 後:マルチリンク |
タイヤサイズ前後 |
245/50R19 |
最小回転半径 |
5.6m |
アルファードのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和5年6月(2023年6月)〜現在
- 新車時価格
- 540.0万円〜559.8万円
アルファードの在庫が現在461件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。