ホンダ フィットの中古車が安い?おすすめ年式やモデルを紹介

SUVの中でも、4m前後のコンパクトカーであるBセグメントの販売は堅調だ。居住性・燃費・走行性能・価格がリーズナブルと全方位で完成度が高い。

今回はホンダ フィットを紹介する。4代目フィットは4年目に入り、徐々に中古車としての買い得感も出てきた。さらに安くなってきている3代目フィットの中古車を中心に、中古車選びのポイントをレポートする。

*便宜上、3代目フィットハイブリッドと表記しているものは、GP系2代目フィットハイブリッドのこと。

*中古車価格は2024年1月調べ。

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中古フィットが安い理由は流通台数の多さにあり

ホンダ フィットの中古車が安い理由の一つとして流通台数の多さがいえる。フィットは2001年に初代が発売されてからフルモデルチェンジを経てきて現行の4代目まで続く人気車だ。中古車が安いと思われるのは先代モデルが豊富だからだろう。一方、現行4代目フィットの後期モデルは納期長期化もあるためか買い得感があるとはいえない。買い得感のある中古車なのかは各歴代モデルの特徴を考慮して判断すると良いだろう。

 

今回は現行の4代目フィットと先代モデルである3代目フィットについて特徴とおすすめを紹介する。また、以下のマイナーチェンジの時期についておさえておこう。

 

発売年

マイナーチェンジ

3代目フィット

2013年9月~2020年2月

2017年6月

4代目フィット

2020年2月~

2022年10月

ホンダ フィットの中古おすすめ年式

フィットの中古車おすすめ年式は2018年式や2020年式があげられる。2018年式は先代モデルでも後期にあたるため、安全装備や乗り心地が良い。また、2020年式は現行モデルのマイナーチェンジ前だが、上級グレードを選ぶと満足度は高いだろう。

 

価格を抑えたい場合は2015年式なども狙い目に入るが低年式ではある。低年式の中古車を選ぶ際に注意したいのは、走行距離が10万kmを超えていたり、修復歴ありの車両が多い点だ。場合によっては、年式を新しくしてでも走行距離が短く修復歴のない車両を選びたい。

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3代目フィットの特徴

3代目フィットの車両画像

3代目ホンダ フィットは2013年9月にフルモデルチェンジし、2020年まで発売された。搭載パワーユニットは、1.3Lと1.5Lのガソリン、1.5Lハイブリッドの3タイプだ。

ハイブリッドシステムは、ホンダ独自の1モーター式ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を新開発した。ミッションは7速DCTを採用している。

 

燃費は以下の通りだ。(すべてFF車、CVTまたは7速DCT、JC08モード)

 

デビュー時

最終モデル

1.3Lガソリン

24.0~26.0km/L

24.2~24.6km/L

1.5Lガソリン

21.4~21.8km/L

21.0~22.2km/L

1.5ハイブリッド

31.4~36.4km/L

31.8~37.2km/L

プラットフォームは新開発された。3代目フィットのサイズは以下の通りだ。2代目よりも大きくなっている。

  • 全長3,955mm(+55mm)
  • ホイールベース2,530mm(+30mm)
  • 膝まわりのスペース(+65mm)

※( )は2代目フィットとの差

2017年6月、マイナーチェンジを果たした。歩行者検知式自動ブレーキなどを含む運転支援システムパッケージ「ホンダセンシング」が一部グレードに標準装備された。またボディ剛性アップに伴い、静粛性と乗り心地が向上している。

内外装デザインも変更された。「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応可能となっている。他にも各エンジンのチューニングが実施され、燃費やフィーリングが向上している。

3代目フィットのマイナーチェンジ前期・後期の違い

3代目フィットのマイナーチェンジ前期と後期の違い

※左図:フィット マイナーチェンジ前、右図:フィット マイナーチェンジ後

3代目フィットは2017年6月、マイナーチェンジを果たした。中古車選びをするうえでおさえておきたい前期・後期の特徴について紹介する。

マイナーチェンジ前

設計が古いため、安全装備は低速域で対車両のみの自動ブレーキとなっている。さらに、標準装備されているグレードが限られている。

ハイブリッド車は、デビュー直後から数度のリコールが発生している。稀にリコールを受けていない車両もあるので、整備記録簿などでチェックする必要がある。またハイブリッドの7速DCTは、ダイレクト感があるスポーティな走りを披露する。ただ、変速時の音もやや賑やかだ。

乗り心地は、スポーティな走りを前面に押し出した結果、硬めになっている。

中古車は低年式化が進んでいる。内外装の劣化をチェックと、サスペンションやボディのヤレ感も確認したい。

マイナーチェンジ後

フィットは後期から歩行者検知式自動ブレーキなどを含む運転支援システムパッケージ「ホンダセンシング」が一部グレードに標準装備された。中古車を選ぶ際は「ホンダセンシング」の有無をチェックしたい。予防安全性能を重視するなら「ホンダセンシング」装着車がお勧めだ。また、後期モデルはマイナーチェンジ前よりもボディ剛性アップに伴い、乗り心地と静粛性が向上している。また、「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応可能となっている。他にも各エンジンのチューニングが実施され、燃費やフィーリングが向上している。

3代目フィットのグレード解説

マイナーチェンジ前(前期)
  • 3Lガソリン/1.5Lハイブリッド…エントリーの基準車、Fパッケージ、Lパッケージ、Sパッケージの4グレード+特別仕様車
  • 5Lガソリン…XL、RSのグレード

LとSパッケージの装備は充実している。低速域・対車両の自動ブレーキや、LEDヘッドライトなどが標準装備されている。

1.5LガソリンのXLは装備充実の豪華仕様で、RSはスポーティな内外装としたグレードである。

マイナーチェンジ後(後期)
  • 5Lハイブリッド…エントリーの基準車、F、L、Sの4グレード
  • 3Lガソリン…エントリーの13G・F、G・L、G・Sの3グレード
  • 5Lガソリン…XLとRSの2グレード

以下はホンダセンシングの装備状況だ。安全性を重視するなら、標準装備のグレードを選びたい。

 

標準装備

オプション

装着不可

1.5Lハイブリッド

L、S

F

基準車

1.3Lガソリン

G・L、G・S

13G・F

-

1.5Lガソリン

XL、RS

-

-

3代目フィットの中古お勧めはハイブリッドS

フィットハイブリッドSの車両画像

※上図:フィット ハイブリッドS(2019年式)

  • フィット ハイブリッドS(2018年式)
  • 中古車相場:110~150万円

2018年式3代目フィットハイブリッドのSは、マイナーチェンジ後のモデルでクルマとしての完成度もグッと高くなっている。また、ハイブリッド車なので、燃費がよいのも魅力的だ。

このハイブリッドSは、スポーティな内外装をもつ上級グレードだ。ホンダセンシングとサイド&カーテンエアバッグが標準装備され、安全装備も十分といえる。

さらに、パドルシフトや16インチアルミホイールも標準装備されているので、満足度は高い。必要なのは、オプションの純正ナビ程度だ。

ガソリン車なら、G・Sがお勧めだ。基本的には、上記とほぼ同様に装備がよい点が魅力。中古車相場は、ハイブリッド車に比べ20万円ほど安い傾向にある。

予算100万円以下でのフィットの中古お勧めは3代目前期のハイブリッド

フィット ハイブリッドSパッケージの車両画像

※上図:フィット ハイブリッドSパッケージ(2015年式)

  • フィット ハイブリッド Sパッケージ(2015年式)
  • 中古車相場:70~100万円

中古車の年式が古くなってくると、ガソリン車とハイブリッド車の価格差が小さくなってくる。そうなると、ハイブリッド車のお勧め度が高まる。前期のハイブリッド車であれば、予算100万円でも十分に購入可能だ。

グレードは、ハイブリッドSパッケージがお勧めだ。上級グレードなので、装備面は十分なレベルといえる。低速域対車両の自動ブレーキ、LEDヘッドライトも標準装備されている。

加えてスポーティな内外装に16インチアルミホイールが装着され、とてもスタイリッシュに仕上がっている。装備が充実しているので、満足度が高いグレードだ。

 

さらに安く手に入れたいのであれば、量販グレードだったハイブリッドFパッケージがお勧めだ。2015年式なら50~90万円程度で手に入る。

 

ガソリン車なら13G・Sパッケージがお勧めだ。上記のハイブリッドSと同等レベルの装備で満足度は高い。中古車相場は、50~80万円程度で買い得感がある。

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4代目フィットの特徴

4代目フィットの車両画像

4代目ホンダ フィットは2020年2月にフルモデルチェンジした現行モデルだ。3代目フィットのプラットフォームを改良して使用しているため、室内や荷室スペースは3代目フィットとほぼ同等である。

4代目ホンダ フィットは歩行者検知式自動ブレーキなどを含む運転支援システムパッケージ「ホンダセンシング」を全車標準装備した。また、専用車載通信モジュールHonda CONNECTの搭載や、バイザーレスの7インチフルカラー液晶パネルを標準装備するなどの進化を果たしている。

 

デビュー時のガソリンエンジンは、1.3Lのみの設定だ。ハイブリッドシステムは「SPORT HYBRID i-DCD」から、シリーズハイブリッド方式の「e:HEV」へ変更されている。

 

2022年10月にマイナーチェンジを果たした。ガソリンエンジンが1.3Lから1.5Lへ変更されている。またe:HEVの駆動用モーターは高出力化され123ps(+14ps)となり、よりパワフルになった。

歩行者検知式自動ブレーキを含む運転支援機能パッケージ「ホンダセンシング」の機能向上。渋滞運転支援機能、急アクセル抑制機能が新設定。ブラインドスポットインフォメーション、後退出庫サポートが新追加され、タイプ別設定となった。

 

各パワーユニットの燃費は以下の通りだ。(すべてFF車、CVT、WLTCモード)

 

デビュー時(前期)

マイナーチェンジ後(後期)

1.3Lガソリン

19.2~20.4km/L

-

1.5Lガソリン

-

17.6~18.7km/L

1.5Le:HEV

27.2~29.4km/L

27.1~30.2km/L

4代目フィットのグレード解説

マイナーチェンジ前(前期)

前期のグレードはベーシック~リュクスの全5グレードだ。これに、特別仕様車やモデューロXが加わる。

マイナーチェンジ後の後期モデルのグレードでは、ネスとモデューロXが廃止され、RSが追加された。

 

前期

後期

BASIC(ベーシック)

HOME(ホーム)

NESS(ネス)

廃止

CROSSTAR(クロスター)

LUXE(リュクス)

モデューロX

廃止

RS

-

ベーシックはエントリーグレード、クロスターはSUVテイスト、リュクスは最上級グレード、モデューロXはe:HEV専用のカスタマイズ仕様、RSはスポーティな専用内外装や専用サスペンションを装備しているという特徴がある。

 

ネスとクロスターには撥水ファブリックシートを、リュクスには本革シートを装備している。またネス以上のグレードには、16インチアルミホイールが標準装備された。

ガソリン車のベーシックを除き、全車LEDヘッドライトが標準装備されている。

 

前期・後期共に、歩行者検知式自動ブレーキを含む運転支援機能パッケージ「ホンダセンシング」が標準装備されている。

4代目フィットの中古お勧めは前期 e:HEVリュクス

フィットe:HEV リュクスの車両画像

※上図:フィットe:HEV リュクス(2020年式)

  • フィットe:HEV リュクス(2020年式)
  • 中古車相場:150~200万円

クルマとしての完成度で検討するなら、後期モデルがお勧めだ。しかし、後期モデルは中古車価格が高い。納期の長期化が影響してか、新車より少し安いくらいだ。これでは、納期が早い点以外で中古車を買うメリットが薄い。

 

そこでお勧めとして選んだのが、前期の最上級グレードであるe:HEVリュクスだ。本革シートやシートヒーター、ワイヤレス充電器なども標準装備されており満足度は高い。これに、純正ディスプレイナビ+ETCがオプション装備されているモデルがよいだろう。

 

全般的にディーラー系中古車店は高値を付けているケースが多い。価格を重視するのであれば、一般中古車店を中心に探してみるといいだろう。

ガソリン車も同様に2020年式のリュクスがお勧めだ。中古車相場は130~160万円程度となる。

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フィットのカタログ情報

ホンダ,フィット
現行モデル
令和2年2月(2020年2月)〜現在
新車時価格
155.8万円〜286.7万円

フィットの在庫が現在166件あります

以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員