サイドミラーの修理費用、交換の目安は?整備士が解説

サイドミラーの修理費用、交換の目安は?整備士が解説

サイドミラーはドライバーからの死角を補うための、運転に必要不可欠な重要部品です。
安全運行のためにも、壊れたまま放置することは避けないといけません。
サイドミラーの交換や修理が必要な事例や所要時間、費用等についてわかりやすく解説します。

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サイドミラーの交換、修理が必要な故障

サイドミラーの交換または修理が必要な故障には以下のようなものがあります。

  • サイドミラーが開閉しない
  • ミラーレンズの角度調整ができない
  • ミラー内のモーター音が止まらない(回りっぱなし)
  • ミラーの開閉・レンズの位置調整時に異音
  • サイドミラーがガタつく
  • ミラーウィンカーが点灯しない
  • サイドミラーカバーに損傷、または傷あり
  • ミラーレンズが割れている
  • カメラ関連(360°ビューモニター装着車や、直前直左確認用)

それぞれ修理が可能なのか、どういった場合に交換が必要なのかを分けて解説していきます。

サイドミラーの修理が必要な故障の例

  • サイドミラーが開閉しない
  • ミラーレンズの角度調整ができない
  • ミラー内のモーター音が止まらない

上記は内部のモーターやギヤ、配線などが原因の場合です。修理キットが設定されていれば、サイドミラーを分解して該当部品を交換して修理することが可能。スイッチやドアハーネスの不具合の場合もあるので注意。

  • ミラーの開閉・レンズの位置調整時に異音

「ギギギ音」「ミシミシ音」「ウィーン音」など動作は正常なのに発生する異音は、サイドミラーを分解して、清掃やグリスアップ等により症状が改善されることがあります

  • サイドミラーカバーに損傷、または傷あり

ミラーカバーについた擦り傷は、コンパウンドで磨いて取れる場合があります。

サイドミラーの交換が必要な故障の例

  • サイドミラーが開閉しない
  • ミラーレンズの角度調整ができない
  • ミラー内のモーター音が止まらない

上記は修理キットの部品設定がない場合は、サイドミラー本体ごとの交換が必要になる。スイッチやドアハーネスの不具合の場合もあるので注意。

  • ミラーの開閉・レンズの位置調整時に異音

修理対応できない場合には、サイドミラー本体ごとの交換が必要なこともあります。

  • サイドミラーがガタつく(根本から)

サイドミラー本体が壊れてガタついている可能性が高いので、本体ごとの交換が必要。
判別が難しい場合は、整備工場で点検してもらうことがおすすめです。

  • ミラーウィンカーが点灯しない

サイドミラーにウィンカーのあるタイプの場合、点灯しない不具合状態は保安基準不適合で車検に通りません。ウィンカー部のレンズが割れている場合も同様です。
これらは該当部品の交換が必要です。
単品での部品設定がない場合や内部の配線に不具合のある場合は、サイドミラーごとの交換が必要です。
また、ドアハーネス等の不具合の可能性もあるので注意しましょう。

  • サイドミラーカバーに損傷、または傷あり

サイドミラーカバー交換での対応になることがほとんどです。一部、サイドミラー本体ごとの交換となる場合もあります。

  • ミラーレンズが割れている

ミラーレンズの交換が必要です。部品の単体設定がない場合は、サイドミラー本体ごとの交換が必要となることもあります。

  • カメラ関連

基本的にはカメラ本体の交換が必要となることがほとんどです。サイドミラー本体ごとの交換が必要になることもあります。

修理・交換の検討前に確認したい「サイドミラーが開かないとき」

サイドミラーが開閉しないとき、まずは不具合なのか正常なのかを確認します。
IG-OFF/OFF状態だと開閉操作はできません。

車の状態と、サイドミラーの制御を確認

ガソリン・ディーゼル車であればエンジンが掛かっている状態か、もしくはIG-ONになっているのか確認します。
ハイブリッド車やEV車はREADY-ONになっているか確認します。
また、上記の状態からIG-OFF/OFFにした直後、その時点でサイドミラー開閉操作を受け付けない車種もあれば、数十秒間は操作を受け付ける制御の車種もあるので、お使いの車がどういった制御をしているのか、取扱説明書等で確認しましょう。

AUTO機能の状態を確認

ドアロックやエンジン始動に連動してドアミラーの開閉を自動でおこなう「AUTO」機能のある車の場合、設定が変わっていないか確認します。
意外と、知らぬ間にスイッチを触ったりモノが当たって設定が変わってしまい「いつもは自動で開閉するのに、急にしなくなった!」というお申し出が整備工場にあることもあります。

サイドミラーの修理、交換費用の目安

サイドミラーの修理費用の目安は1万円~2万円です。交換の場合は2万円~5万円が費用の目安です。目安は一般的な国産車を元にしています。
高級車や輸入車は、高額かつ所要時間も多くかかる場合があります。
また、整備工場に部品の在庫があることはほとんどありません。
基本的には、診断して必要な部品が分かってから部品の発注をするので、修理・交換を実施する場合は後日、再入庫となるパターンが多いです。

サイドミラー修理費用の目安

サイドミラーの修理にかかる費用は、1箇所あたり工賃も含めて1万円〜2万円程度です。サイドミラーを本体ごと交換するよりも時間を要することもあります。30分〜1.5時間程度、交換時間がかかると見込んでおきましょう。

サイドミラー交換費用の目安

サイドミラー本体を交換する費用は、部品代が高くつくので1箇所あたり「2万円〜5万円」程度です。交換に要する時間は30分〜1時間ほどです。
また、そのほか部分的に交換が可能な部品の交換費用と交換に要する時間は以下のとおりです。

サイドミラーの交換部品 交換費用の目安 交換時間の目安
ミラーウィンカー 10,000円〜 30分〜1時間
ミラーレンズ 5,000円〜 10〜40分程度
ミラーカバー 5,000円〜 10〜40分程度

※いずれも1箇所あたり

サイドミラーの修理、交換は自分でできる?

サイドミラーの修理や交換でできることは、個人のスキルによって異なりますが、ミラーカバーの擦り傷をコンパウンドで磨くことくらいでしょう。

交換・修理は整備工場へ依頼がおすすめ

サイドミラーの交換は、ドアトリムの脱着を伴うことも多いです。また、ミラーレンズの交換も、脱着に際してコツが必要なこともあり、慣れないひとがやるとレンズを割ってしまう恐れもあって危険です。
簡単に見えても意外と難しい作業が伴うこともあるので、基本的にサイドミラーの修理や交換は、作業に慣れたプロのいる整備工場に依頼することをおすすめします。

【補足】回りっぱなしのモーター音を対処するときの注意点

サイドミラーの不具合の中でも、開閉機構用のモーターが回りっぱなし(ウィーン音)の事例が非常に多いです。修理・交換部品が用意できるまでの間、モーター音を止めるために配線のコネクタを抜いて処置することがあります。
この場合、コネクタにはサイドミラーのモーター関連の配線だけではなく、ウィンカーやカメラの配線も含まれている場合があります。
コネクタを抜くと、それらの機能も制限されてしまい、場合によっては保安基準不適合となる恐れがあるので、注意しましょう。
よって、安易にコネクタを抜いてモーター音を止めることは避け、十分な知識がない場合は、整備工場にて対応してもらうようにしましょう。

整備士のまとめ

サイドミラーに関する不具合の発生は、新しい車でも頻繁に起きています。
サイドミラー本体の交換となると決して安い作業ではないので、不具合が起きたときはまず、メーカーの保証期間内かどうかを確認しましょう。
また、サイドミラーは安全運行に必要不可欠な部品なので、不具合発生時は速やかに整備工場での修理・交換を実施するようにしましょう。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。