【2023年】新型アルファード&ヴェルファイア新旧比較!40系と30系ではどう違う?

新型アルファード&ヴェルファイア新旧比較!40系と30系ではどう違う?

超人気Lクラスミニバンのトヨタ アルファード&ヴェルファイアが、2023年6月にフルモデルチェンジした。40系となったアルファードとヴェルファイアは劇的に進化したが、旧型の30系も中古車として人気を博している。

そこで、新旧アルファード&ヴェルファイアの燃費や価格、走行性能について徹底比較・評価した。購入の参考にして欲しい。

トヨタ アルファード&ヴェルファイアの歴史・概要

アルファード歴代モデル 発売年 型式
初代 2002年 10系
2代目 2008年 20系
3代目(比較対象の旧型) 2015年 30系
4代目(新型) 2023年 40系

トヨタ 10系アルファード(初代)は、2002年にデビューした。当時、高い人気を誇っていた日産エルグランドの対抗馬としての役割をもち、高級感あふれる内外装が魅力だった。

2003年には、2.4Lハイブリッドを搭載したモデルが投入された。優れた低燃費性能が話題になり、現在のようなLクラスミニバン天下無双状態の礎を築いた。

 

20系アルファード(2代目)は2008年に登場した。同時に、ヴェルファイアも投入されている。ヴェルファイアのデザインは、アルファードよりも迫力と押出し感のある個性的なフェイスを持つ。これが一躍人気となり、ヴェルファイアの特徴である迫力フェイスが後々のミニバンデザインに大きな影響を与えることになる。迫力重視系ミニバンデザインのパイオニアだ。

また、20系アルファード&ヴェルファイアでは、新開発のプラットフォームが採用されたことにより、より上質で洗練された高級ミニバンへと進化した。

デビュー時は、ガソリン車のみの設定だったが、2011年のマイナーチェンジ時に2.4Lハイブリッド車が投入されている。

30系アルファードの全景

※上図:30系アルファードの全景

30系ヴェルファイアの全景

※上図:30系ヴェルファイアの全景

30系アルファード&ヴェルファイア(3代目)は、2015年にデビューした。ライバル車である日産のE52型エルグランド(3代目)は、販売台数が振るわなかった。走行性能向上のため全高を低くし、小さく見えるようになってしまったのが要因だ。

それを見ていたトヨタ陣営は、全高を維持しながらエルグランドに負けていた乗り心地を大幅に改良し、リヤサスペンションをダブルウィッシュボーン式とした。またフロントフェイスのデザインは、より立体感のある迫力フェイスにすることで、エルグランドに対する圧勝を確実なものとした。この30系アルファード&ヴェルファイアから、ライバルは不在状態のひとり勝ちの超人気モデルとなったのだ。

さらに、ショーファーカー(オーナーは後席でリラックスできる仕様)として、2列目シートの豪華さを重視したエグゼクティブラウンジを追加した。このグレードが、更にアルファード&ヴェルファイアのブランド力を高めている。

2017年のマイナーチェンジでは、フロントフェイスのデザインを大幅に変更し、顧客を飽きさせない工夫が施されている。

アルファードのデザイン評価が高かったことで、逆にヴェルファイアの販売台数が減ってしまった。その激減ぶりは、ヴェルファイアが廃止になる噂まで出回るほどだった。

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新型アルファード(40系)の全景

※上図:新型アルファード(40系)の全景

新型ヴェルファイア(40系)の全景

※上図:新型ヴェルファイア(40系)の全景

2023年6月、新型アルファード&ヴェルファイア(40系)が登場した。ヴェルファイアも引き続き販売され、アルファードと少し異なる個性が与えられている。

プラットフォームは新開発され、パワーユニットや予防安全装備も刷新された。旧型である30系アルファード&ヴェルファイアから劇的な進化を遂げている。

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30系よりエレガントになった新型アルファード&ヴェルファイアのデザイン

コンセプト&外装デザイン比較

トヨタ 新型アルファード&ヴェルファイア(40系)は、「Forceful×IMPACT LUXURY」をキーワードにデザインされた。カタマリ感を意識し、闘牛が躍動しているかのようなモチーフのデザインだ。エンブレム部分が最先端になる、逆傾斜の形状を採用している。

サイドデザイン比較

30系アルファードの全景

※上図:30系アルファードの全景

30系ヴェルファイアの全景

※上図:30系ヴェルファイアの全景

旧型である30系アルファード&ヴェルファイアのサイド部分は、やや平板風だった。

新型アルファード(40系)の全景

※上図:新型アルファード(40系)の全景

新型ヴェルファイア(40系)の全景

※上図:新型ヴェルファイア(40系)の全景

40系アルファード&ヴェルファイアでは、凹凸を持たせたデザインが施された。フロントからリヤにかけて、地面を蹴り出すような力強さを彷彿とさせる。基本的にサイドに凹凸があると、室内のスペースが狭くなる傾向がある。しかし、40系アルファード&ヴェルファイアは、大きな凹凸を付けても室内のスペースが狭くならない設計が施された。

フェイスデザイン比較

新型アルファード(40系)のフロントフェイス

※上図:新型アルファード(40系)のフロントフェイス

新型である40系アルファードのフェイスデザインは、ほとんどがグリルだ。滑らかな曲線が使われていて、ややエレガントさを感じる。対する40系ヴェルファイアは漆黒メッキを使い、カッチリとしたスクエアなデザインを採用した。精悍さがあり、40系アルファードよりもスポーティに見える。

30系アルファードのフロントフェイス

※上図:30系アルファードのフロントフェイス

旧型である30系アルファード&ヴェルファイアは、期待を超える、「強さ」「豪華さ」「エモーショナルさ」を追求。「堂々かつ重厚な威勢の良さ」を表現した。

アルファードは、大型のメッキグリルでギラギラしたデザインだ。マイナーチェンジでは、ヘッドランプやグリルなどを一新し鋭い眼光と押出感がアップした。

ヴェルファイアは、金属から削り出したような縦幅の広いメッキバーのフロントグリルに、二段ヘッドランプを組み合わせた。20系ヴェルファイアのイメージを継承しているものの、ややシャープさに欠け、視覚的重心も高く見える。マイナーチェンジ後では、ヘッドライトやグリルなどを変更した。だがバンパーサイドのメッキフレームや浮いて見えるグリル中央のエンブレムなど、色々な要素を継ぎはぎしたようなフェイスで、押出感より違和感が強い。

デザイン総合比較

新型アルファード(40系)のリヤエンド

※上図:新型アルファード(40系)のリヤエンド

デザインの完成度という面では、やはり新型である40系アルファード&ヴェルファイアが勝る。とくにボディサイドの凹凸は、光の当たり方次第で色々な表情を見せてくれる。アクは強いが美しい。

30系アルファードのリヤエンド

※上図:30系アルファードのリヤエンド

旧型である30系アルファード&ヴェルファイアは、マイナーチェンジ前後で大きくイメージが異なる。とくに、アルファードはマイナーチェンジ前のデザインで物足りなかった部分をしっかりと修正し、完成度が高い。新型アルファード(40系)が登場した現在でも古臭く見えない点も美点だ。あえて中古車の30系アルファードという選択もよい。

 

その一方で、30系ヴェルファイアはかなり厳しい。マイナーチェンジ前後問わず、継ぎはぎ感が強くバランスが取れていない。フェイスデザインの違和感があり、すでにやや古く見える。販売面で低迷したのも仕方ない印象を抱く。

 

新型ヴェルファイア(40系)は、こうした失敗をしっかりと活かし、アルファードとしっかり差別化させながら、精悍でスポーティなフェイスになった。30系ヴェルファイアとの差は大きい。

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30系前期から大幅に進化した新型アルファード&ヴェルファイアの安全装備

予防安全装備の比較

トヨタ 新型アルファード&ヴェルファイア(40系)の予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、クラスを超え国産モデルトップレベルの実力を誇る。

自動ブレーキの検知対象は下記の通りだ。

  • 昼夜の歩行者
  • 昼夜の自転車
  • 昼間の自動二輪車
  • 右左折時の対向歩行者と自転車
  • 右折時の自動車
  • 出会い頭時の車両・自動二輪車

交差点内は、非常に事故の多い場所だ。交差点内での多くの衝突パターンに対応可能になったことで、より安全なクルマになった。これだけ多機能な自動ブレーキをもつ国産モデルは数少ない。

 

運転支援機能も自動運転時代の到来を感じさせるほどの高いレベルにある。PDA(プロアクティブ・ドライビング・アシスト)は、同一車線上にいる歩行者や自転車に近づき過ぎないようにステアリング操作をアシストする機能だ。先行車がいて、前方の信号が赤の場合にアクセルをオフにすると、前走車との車間距離を一定に保ちながら自動で減速する(停止時のみドライバーがアクセルを踏む必要がある)。さらにカーブ手前でアクセルを戻すと、自車の速度とカーブの大きさに合わせて自動で減速支援してくれる。

こうした運転支援により、ドライバーはアクセルとブレーキの踏みかえ操作が激減し、疲労軽減に繋がる。多少慣れが必要だが、慣れてしまうとPDA無しのクルマには乗りたくない、と思ってしまうほど便利だ。

 

高速道路をよく使う人にとってありがたい機能が、アドバンストドライブ(渋滞時支援)だ。高速道路・自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h~40km/h)にレーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシストが作動して走行する機能だ。一定の条件(ドライバーが前方を注視していて、いつでも運転できる状態である等)を満たすと作動する。手放し運転状態でも、車線を維持しながら先行車に追従する。渋滞時のストップ&ゴーも容易だ。渋滞時にドライバーの運転負荷を軽減し、疲れからくるウッカリ追突や接触リスクを低減してくれる便利な機能だ。

 

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)には、こうした最新の予防安全装備と運転支援機能が、一部を除きほぼ標準装備化されている。どのグレードを選んでも安心できるクルマだ。

 

対する旧型アルファード&ヴェルファイア(30系)の予防安全装備は、マイナーチェンジ前後で大きく異なる。

前期モデルには、プリクラッシュセーフティシステムが1グレードに標準装備されているが、それ以外はオプション設定だ。この機能と全車速追従式クルーズコントロールは対車両のみだ。予防安全装備、運転支援機能ともに、今となってはかなり物足りなさを感じる。

 

マイナーチェンジ後の旧型30系アルファード&ヴェルファイアでは、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知できる自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が標準装備され、予防安全性能は大幅に向上した。全車速追従式クルーズコントロールも全車標準装備だ。さらに、2018年10月の改良では、インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]を全車標準装備し、より安全性能が向上している。

 

30系アルファード&ヴェルファイアの前期モデルは、安全性能を重視するのであれば、なかなか選びにくい車種となっている。中古車を選ぶ場合でも、予算次第とはいえ、なるべく後期モデルを選択した方がよいだろう。

また30系アルファード&ヴェルファイア後期モデルでも、現在の予防安全装備と運転支援機能を比べると、少し物足りなさを感じる。ギリギリ及第点といったところだ。もはや、国産トップレベルの実力をもつ新型アルファード&ヴェルファイアの予防安全装備には敵わない。

アルファード(2019年式以降)の中古車情報をチェックする>

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アルファード&ヴェルファイアの室内スペースは、新型も旧型とほぼ互角

内装、室内空間比較

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)と旧型である30系のボディサイズとホイールベース、室内寸法などは以下の通りだ。

 

【新型40系アルファード&ヴェルファイア】

全長×全幅×全高

4,995mm×1,850mm×1,935mm

ホイールベース

3,000mm

室内長×室内幅×室内高

3,005mm×1,660mm×1,360mm

【旧型30系アルファード&ヴェルファイア】

全長×全幅×全高

4,995mm×1,850mm×1,950mm

ホイールベース

3,000mm

室内長×室内幅×室内高

3,210mm×1,590mm×1,400mm

新型アルファード(40系)の運転席

※上図:新型アルファード(40系)の運転席

30系アルファードの運転席

※上図:30系アルファードの運転席

新型アルファード(40系)の2列目シート

※上図:新型アルファード(40系)の2列目シート

30系アルファードの2列目シート

※上図:30系アルファードの2列目シート

新型アルファード(40系)の3列目シート

※上図:新型アルファード(40系)の3列目シート

30系アルファードの3列目シート

※上図:30系アルファードの3列目シート

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)のボディサイズは、30系に対して、全長が+50mm、全幅が±0、全高が-15mmとなった。だが、室内長では-205mm、室内幅+70mm、室内高-40mmだ。

室内長がやや短くなった新型アルファード&ヴェルファイアだが、実際にはほぼ同等といった印象だ。トヨタの資料によると、1列目から3列目までの前後席間距離は、+10mmと広くなっているという。

新型アルファード(40系)の荷室

※上図:新型アルファード(40系)の荷室

30アルファードの荷室

※上図:30アルファードの荷室

スタイリッシュな40系のインパネデザイン

新型アルファード(40系)のインパネデザイン

※上図:新型アルファード(40系)のインパネデザイン

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)のインパネデザインは、滑らかにラウンドしドアへと続く室内を包み込むようなデザインだ。広さと安心感を兼ね備えている。

30系アルファードのインパネデザイン

※上図:30系アルファードのインパネデザイン

対する旧型アルファード&ヴェルファイア(30系)のインパネデザインは、力強さとハイコントラストでギラギラした高級感を演出している。

全体的に新型アルファード&ヴェルファイアの方が、より高級感あるデザインになっている。

30系アルファードのメーター

※上図:30系アルファードのメーター

30系アルファード&ヴェルファイアのメーターは、アナログ式。デジタルメーターの新型アルファード&ヴェルファイアと比べるとやや古さを感じる。

新型アルファード(40系)のメーター

※上図:新型アルファード(40系)のメーター

そして、新型アルファード&ヴェルファイアでは14インチの大型モニターが設置されていて視認性は良好だ。30系アルファード&ヴェルファイアのモニターは9.2インチと小さい。だが、新型40系アルファード&ヴェルファイアが、非常に大きいので、9.2インチでも十分だろう。

8人乗りを希望するなら30系アルファード&ヴェルファイア

大きな違いになっているのが乗車定員だ。新型40系アルファード&ヴェルファイアは、全てのグレードの2列目がキャプテンシートになっているため7人乗りのみだ。

30系アルファード&ヴェルファイアは、一部に2列目がベンチシートになる8人乗りが設定されていた。流通している中古車もほとんど7人乗りだが、8人乗りが必要ならば旧型である30系アルファード&ヴェルファイアという選択になる。

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ハイブリッドは30系よりも実燃費向上が期待できる40系アルファード&ヴェルファイア

走行性能、燃費性能比較

トヨタ新型アルファード&ヴェルファイア(40系)のエンジンと出力、燃費性能(WLTCモード)は以下の通りだ。

【新型40系アルファード&ヴェルファイア】

 

最高出力

最大トルク

燃費

2.5Lハイブリッド

250ps

(システム出力)

-

16.5(4WD)~17.7km/L(FF)

2.5Lエンジン ※1

182ps

235Nm

10.3(4WD)~10.6km/L(FF)

2.4Lターボエンジン ※2

279ps

430Nm

10.2(4WD)~10.3km/L(FF)

※1 2.5Lエンジンはアルファードのみ搭載

※2 2.4Lターボエンジンはヴェルファイアのみ搭載

 

旧型である30系トヨタ アルファード&ヴェルファイア(最終モデル)のエンジンと出力、燃費性能(WLTCモード)は以下の通りだ。

【旧型30系アルファード&ヴェルファイア(最終モデル)】

 

最高出力

最大トルク

燃費

2.5Lハイブリッド

197ps

(システム出力)

-

14.8km/L(4WD)

2.5Lエンジン

182ps

235Nm

10.6(4WD)~11.0km/L(4WD)

3.5Lエンジン

301ps

361Nm

9.6(4WD)~10.2km/L(FF)

新型アルファード(40系)のエンジンルーム

※上図:新型アルファード(40系)のエンジンルーム

2.5Lハイブリッドシステムの新旧比較

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)は、2.5Lハイブリッドシステムを刷新した。システム出力は250ps(旧型+53ps)としながら、燃費を10%以上改善している。これだけ進化していると、もはや比べ物にならないレベルだ。

 

モーターのみで走行できるシーンは、30系アルファード&ヴェルファイアはとても少なかった。だが新型アルファード&ヴェルファイアでは、モーターのみで走行できるシーンが少し増えた。コツをつかめば、実燃費も大幅にアップするはずだ。

30系アルファードのエンジンルーム

※上図:30系アルファードのエンジンルーム

旧型である30系アルファード&ヴェルファイアのパワーとトルクは、必要十分だった。ただ、車重が約2.2トンもあるので、少し物足りなさを感じることもあった。しかし新型アルファード&ヴェルファイアでは、出力が53psもアップしているので、余裕のある走りが可能となった。

2.5Lエンジンの新旧比較

直4 2.5Lエンジンはほとんど進化していないと言っても過言ではない。街中では十分な出力のエンジンだが、高速道路では度々非力さを感じる。予算重視という人以外には、あまりお勧めできないエンジンだ。新型40系ヴェルファイアには、この2.5Lエンジンは搭載されていない。

旧:3.5Lエンジン、新:2.4Lターボエンジンの比較

30系アルファード&ヴェルファイアのV6 3.5Lエンジンの代わりに新型ヴェルファイア(40系)に搭載されたのが、2.4L直4ターボエンジンだ。

ガソリン価格の高騰が続く日本で、ハイオク仕様なのは少々マイナス要因といえる。だがそれを除けば、とても完成度が高いエンジンだ。レクサスNXなどにも使われている。

美点は、ターボエンジンの悪癖であるターボラグが少なくレスポンスが良いことだ。そして、ターボエンジンにありがちな唐突にトルクが出ることなく、まるで自然吸気エンジンのように自然で滑らかで、レヴリミットまでスムースに回る点が素晴らしい。

30系アルファード&ヴェルファイアのV6 3.5Lエンジンは、ミニバン用とは思えないやや高回転型で、レヴリミットは6,600回転と高めに設定されている。エンジンを回すとパンチのある加速感を得られ、ミニバンらしくない豪快な加速力が堪能できる。

V6エンジンはトヨタブランドでは貴重だ。維持費は高めになるものの、あえてこのV6 エンジンを搭載した中古車を選ぶというもありだ。

大幅に乗り心地が向上した新型アルファード&ヴェルファイア

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)は、プラットフォーム(車台)が刷新されている。中・大型車に使われる汎用性の高いGA-Kプラットフォームをベースに、ミニバン用に設計された。大きなポイントは、車両剛性を従来型比約50%もアップしている点だ。ロッカーをストレート構造とし、車体底部の後方にV字型ブレースを設置することで実現した。

旧型である30系アルファード&ヴェルファイアの乗り心地は、フロアに少々プルプルと振動が入ってくるケースがあった。だが新型アルファード&ヴェルファイアでは、嫌な振動をシャットアウトしてくれる。さらにサスペンションには、周波数感応型ショックアブソーバーを採用し、人が不快に感じる振動を従来モデルより3分の1まで減らしている。

 

こうした基本性能を押さえた上で、大幅な工夫が加えられたシートを装備している。

後席シートには、トヨタ車初の防振ゴムを設置した。シートレールとシートクッションフレームの間に設置されている。またシートパッドには2種類のウレタンを使用し、車体からの振動をさらにカットした。

徹底した振動対策により、新型アルファード&ヴェルファイアは、30系より乗り心地を大幅に向上させている。

これは、あくまで新型40系アルファード&ヴェルファイアと比べた結果だ。旧型である30系の乗り心地は今でも高いレベルにあり、エグゼクティブラウンジはさらに快適だ。

 

ハンドリング面でも、GA-Kプラットフォームを採用したメリットは大きい。GA-Kプラットフォームは、30系アルファード&ヴェルファイアのプラットフォームよりやや低重心化された。さらに、新型アルファード&ヴェルファイアは、全高が15mmほど低いい。車体の重心高がわずかに下がったため、カーブで車体上部が揺さ振られることも減り、より安定して走ることができる。

 

新型ヴェルファイア(40系)は、新型アルファードとの差別化のため、フロントパフォーマンスブレースを追加で設置し、フロントまわりの剛性をさらにアップした。アルファードには無い19インチ(225/55R19)を設定し、サスペンションセッティングも最適化されている。そのため、新型ヴェルファイアは、新型アルファードに比べ、ややステアリング操作に対する反応が早くスポーティなハンドリングになった。ただ、扁平19インチタイヤを履くこともあり、新型アルファードと比べると、気になるほどではないもののタイヤのゴツゴツ感がある乗り心地となっている。30系アルファード&ヴェルファイアと比べても、最もスポーティな走りが魅力だ。

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40系の新車価格アップに伴い、買い得感出てきた30系アルファード&ヴェルファイア

価格比較

新型アルファード&ヴェルファイアの価格は以下の通りだ。

新型40系アルファード価格

<2.5Lガソリン>

 

FF

4WD

アルファードZ

5,400,000円

5,598,000円

 

<2.5Lハイブリッド>

 

FF

E-Four

アルファードZ

6,200,000円

6,420,000円

アルファード エグゼクティブラウンジ

8,500,000円

8,720,000円

新型40系ヴェルファイア価格

<2.4Lガソリンターボ>

 

FF

4WD

ヴェルファイアZ Premier

6,550,000円

6,748,000円

 

<2.5Lハイブリッド>

 

FF

E-Four

ヴェルファイアZ Premier

6,900,000円

7,120,000円

ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ

8,700,000円

8,920,000円

旧型30系アルファード&ヴェルファイア中古車価格

 

ガソリン車

ハイブリッド車

旧型30系アルファード

約400~490万円

約440~540万円

旧型30系ヴェルファイア

約330~470万円

約420~490万円

*2023年10月調べ(2018年式)

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)の新車価格は大幅にアップした。

例えば、新型アルファードの上級グレードであるハイブリッド エグゼクティブラウンジ(4WD)の新車価格は、なんと872万円だ。30系アルファードのハイブリッド エグゼクティブラウンジの新車価格が約775万円だったので、約100万円アップしたことになる。

 

そのため、中古車である2018年式30系アルファード&ヴェルファイア(後期モデル)でも十分に買い得感ある価格になっている。新型である40系では予算が厳しいのであれば、あえて30系の最上級グレードであるエグゼクティブラウンジという選択もよいだろう。

 

30系アルファード&ヴェルファイアを選択する場合、乗り潰すのであれば中古車ヴェルファイアの方がアルファードに比べ安価なのでお勧めだ。ただし、数年で再び売却するのであれば、リセールバリューの高いアルファードがお勧めになる。

 

新型アルファード&ヴェルファイア(40系)のリセールバリューは、半導体不足による納期の長期化が影響し、しばらくの間かなり高値を維持しそうだ。

より高いリセールバリューが期待できるオプションは以下などが考えられる。

  • 左右独立ムーンルーフ
  • アドバンスト パーク+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)

また、ボディカラーも重要なポイントだ。30系アルファード&ヴェルファイアでは、圧倒的に黒と白が人気で、それ以外の色は、リセールバリューにやや差が付いていた。新型である40系アルファード&ヴェルファイアでも同様と予想できるので、リセールバリュー重視なら、黒か白を選んだ方が無難だろう。

 

30系アルファード&ヴェルファイアのお勧めはハイブリッド車だ。V6 3.5Lエンジン搭載車は、維持費は高いが、豪快な走りを楽しみたい人にお勧めしたい。

グレードは、やはり最上級のエグゼクティブラウンジがよい。他のグレードと比べると、静粛性や乗り心地は1ランク上だ。

人気が高いのは、スポーティな専用エアロパーツ類が装備されたグレードだ。30系アルファードでは、S系グレード(S、SRという文字の入ったグレード)、30系ヴェルファイアではZ系(Zが入るグレード)になる。

アルファードのリセールバリューをチェックする>

ヴェルファイアのリセールバリューをチェックする>

予算重視と長期納期を避けたいのならなら30系アルファード&ヴェルファイアがお勧め

お勧めは新型40系? それとも旧型30系?

トヨタ 新型アルファード&ヴェルファイア(40系)は、プラットフォームやパワーユニット、予防安全装備などが刷新されたことで、劇的な進化を果たした。そのため、ほぼすべての点において、新型である40系アルファード&ヴェルファイアの圧勝だ。予算に余裕があり、長納期も気にならないのであれば、新型がベストだ。

多少無理をしてでも新型40系アルファード&ヴェルファイアを購入するメリットはあると言える。

 

ただ、新型アルファード&ヴェルファイアは新車価格が旧型に比べて大幅にアップしている。新旧エグゼクティブラウンジ比では約100万円も高価になった。旧型である30系アルファード&ヴェルファイアは、リセールバリューが高く中古車も高値だった。しかし価格がアップした新型と比べると、グッと買い得感が出てきている。

 

ガソリン価格の高騰や物価高といった生活コストへの懸念を考慮すると、無理して新型車の購入というのもリスクが高い。ならば、予算に余裕ができる30系アルファード&ヴェルファイアというのも一考だろう。予算に余裕ができた分、より上級なエグゼクティブラウンジを狙ってみるのもよい。旧型のなかでも30系アルファードは、外観デザインも古さを感じさせないのでお勧めだ。

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新型アルファード・ヴェルファイア(40系)、価格・スペック

新型アルファード(40系)価格

<2.5Lガソリン>

 

FF

4WD

アルファードZ

5,400,000円

5,598,000円

 

<2.5Lハイブリッド>

 

FF

E-Four

アルファードZ

6,200,000円

6,420,000円

アルファード エグゼクティブラウンジ

8,500,000円

8,720,000円

新型ヴェルファイア(40系)価格

<2.4Lガソリンターボ>

 

FF

4WD

ヴェルファイアZ Premier

6,550,000円

6,748,000円

 

<2.5Lハイブリッド>

 

FF

E-Four

ヴェルファイアZ Premier

6,900,000円

7,120,000円

ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ

8,700,000円

8,920,000円

トヨタ 新型アルファード(40系)燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

アルファード エグゼクティブラウンジE-Four

全長×全幅×全高

4,995mm×1,850mm×1,935mm

ホイールベース

3,000mm

トレッド(前/後)

1,600mm/1,605mm

車両重量

2290kg

エンジン型式

A25A-FXS

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量

2,487㏄

エンジン最高出力

140kW(190ps)/6,000rpm

エンジン最大トルク

236N・m(24.1kgm)/4,300-4,500rpm

フロントモーター型式

5NM

フロントモーター最高出力

134kW(ps)/182rpm

フロントモーター最大トルク

270N・m(kgm)/27.5rpm

リヤモーター型式

4NM

リヤモーター最高出力

40kW(54ps)/rpm

リヤモーター最大トルク

121N・m(12.3kgm)/rpm

システム最大出力

184kW(250ps)

燃費(WLTCモード)

16.5km/L

駆動方式

4輪駆動(E-Four)

トランスミッション

電気式無段変速機

サスペンション

前:ストラット、後:ダブルウイッシュボーン

タイヤ(前/後)

225/65R17

最小回転半径

5.9m

 

アルファードのカタログ情報

現行モデル
令和5年6月(2023年6月)〜現在
新車時価格
540.0万円〜559.8万円

アルファードの在庫が現在438件あります

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員