スバル新型レヴォーグ レイバックとレヴォーグはどう違う?徹底比較

スバル新型レヴォーグ レイバックとレヴォーグはどう違う?徹底比較

VN型レヴォーグにレヴォーグレイバックが追加された。クロスオーバーSUVテイストが加わったモデルだ。

今回はVN型レヴォーグに改良を加えたレヴォーグと、ニューモデルとなるレヴォーグ レイバックの内装・外装、走行性能などを徹底比較評価した。購入を検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。

*レヴォーグの画像は、デビュー時(改良前)のもの

スバル レヴォーグの歴史・概要

2020年10月

2代目 VN型レヴォーグ発表

2021年11月

レヴォーグ 一部改良

2022年11月

レヴォーグ 一部改良

2023年 秋

レヴォーグ レイバック 追加

2023年 秋

レヴォーグ 一部改良(D型)

1990年代、国産ステーションワゴンはセダンの走行性能と高い積載性を武器に人気を博した。そのブームの牽引役となったのが、スバル レガシィツーリングワゴンだ。その後、主戦場を北米マーケットへ移し、ボディサイズが拡大された。

そんなレガシィツーリングワゴンからバトンを受けたのが、2014年に登場した初代VM型レヴォーグだ。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の全景

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の全景

2020年10月には、2代目となるVN型レヴォーグが登場した。

スバルに脈々と受け継がれる「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNA を継承しているモデルだ。またスバル独自の運転支援システム“アイサイトX”が搭載され、安全性能に磨きがかかっている。

VN型レヴォーグは、スバルの最新技術を結集し「先進安全」、「スポーティ」、「ワゴン価値」の3つの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンだ。

 

VN型レヴォーグの安全装備は「新世代アイサイト」を全車標準装備している。360 度センシングによって安全性を進化させた。

さらに、高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を搭載したグレードを新たに設定している。

VN型レヴォーグのグレード構成はGT、GT-H、STIスポーツの3グレードだ。3グレードすべてにアイサイトXを標準装備したEXグレードを用意している。

 

2021年11月に一部改良を実施したレヴォーグは、Bタイプへスイッチした。サンルーフをメーカーオプションとして設定したのをはじめ、パワーリアゲートは車内からドアロックした状態でも運転席のスイッチで開閉操作が可能となり、利便性を向上させている。

レイバックの全景

※上図:レイバックの全景

レイバックはレヴォーグをベースとしたSUVのクロスオーバーモデルだ。2023年9月に先行予約が開始された注目の車だ。レイバックは、VN型レヴォーグをベースに開発されているため、プラットフォーム(車台)やエンジンなどは共通。ただ、レイバックは都会派SUVを意識しており、外観や一部内装にレヴォーグとの違いがある。

シャープなデザインのレヴォーグ。高級感とSUVらしい重厚感のあるレイバック。

コンセプト&外装デザイン比較

レヴォーグ

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の全景

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の全景

 

VN型レヴォーグは、従来のデザインコンセプト「Dynamic×Solid」をより進化させた「BOLDER」という新デザインコンセプトを採用している。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のフロントデザイン

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のフロントデザイン

フロントビューは立体的でワイドに構えたヘキサゴングリルと、シャープで切れ味の鋭いヘッドランプの精悍な目つき、そして象徴的なCシェイプの光がスバルらしさを強くアピールしている。

 

また、大胆に張り出した力強いフェンダーによってタイヤの踏ん張り感を強調し、スタンスの良さを表現した。GT/GT-Hのフロントグリルはダークメタリック塗装だが、STI Sportは引き締まった上質感あるデザインだ。メッシュ部にダークグレーシリカ塗装を施し、さらにフロントバンパーのスカート部にメッキ加飾が追加されたことで差別化を図っている。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のリヤエンド

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のリヤエンド

VN型レヴォーグは大胆な前傾姿勢で切れ上がったスムーズなサイドシルエットと、今にも走り出しそうな勢いあるキャラクターラインを持つ。先代となるVN型に改良が加えられた現行型レヴォーグの、パフォーマンスの高い走りをアピールしている。標準装着されるホイールはGTが17インチ、GT-H、STI Sport、STI SportRは18インチだ。

 

VN型レヴォーグは、機能を集約したリアコンビネーションランプを採用した。コンパクトなデザインでシャープな印象を持たせつつ、クルマ全体はワイドで安定感のある佇まいを表現している。絞り込んだキャビンの造形に対して、リアフェンダーは大きく張り出すことでパフォーマンスの高さを強調している。

 

リアバンパーには、スバル初となるエアアウトレットを設定した。車体後部で発生する空気の渦を遠ざけることにより、風の乱れによる車体の揺れやリフトを抑制している。また、マッドガードに入ったスリットは、燃費性能を向上させる効果を発揮する。エンジンルーム内に入り込んだ空気を車体側面へ誘導し、ホイールハウス周辺の空気を整流させることによって、車体後方の空気抵抗を低減させるのだ。

 

新グレードとして登場したレイバックとレヴォーグの外観の違いは以下の通りだ。

  • フロントバンパー&グリル
  • リアバンパー
  • フロントフェンダー
  • サイドスカート
  • リアフェンダー
  • ドアミラー(新形状)
  • 18インチアルミホイール+オールシーズンタイヤ(専用デザイン)

元のデザイン要素はほとんどなく、まるで都市型のクロスオーバー車のようだ。さり気なくSUVテイストをプラスしながら大人の高級感あるスタイルに仕上げられている。

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レイバック

レイバックの全景

※上図:レイバックの全景

レイバックは大型フロントグリルを採用している。フロントバンパーは一体感の演出に曲面を多用し、グリルと併せ包み込むような上質さを表現した。

さらにバンパーのウイングには、サテンメッキを採用し上質さをさりげなく演出している。レイバックは、レヴォーグよりも高級感と重厚感のあるフロントフェイスを持つ。

レイバックのフロントフェイス

※上図:レイバックのフロントフェイス

フロントフェンダー/サイドスカート/リアフェンダーには張り出し感のあるブラックのクラティングを装着した。土の香りがしないよう、厚みにこだわっている。また、乗降性と空力性能を確保しながら、上質さとSUVらしさを両立させる造形となっている。

レイバックのリヤエンド

※上図:レイバックのリヤエンド

新形状のドラミアーは美しさ・空力性能・視認性を両立させている。サスペンションにはレイバック専用デザインの18インチホイールと専用チューニングを施したダンパー&スプリングを用いた。これにより最低地上高は、レヴォーグより55mmアップの200mmを実現。最低地上高は、高いほど悪路走破性に優れる。200mmという数値は、ステーションワゴンタイプのモデルとしてはかなり高く、レイバックの悪路走破性の高さを物語っている。

グレード間での安全装備に差はなくレヴォーグ、レイバックともに高い安全性能

予防安全装備の比較

レヴォーグ

2023年のマイナーチェンジ(アプライドD型)でレヴォーグは安全性能が向上し、交差点の衝突回避性能が強化された。広角単眼カメラを追加し、横断自転車の対応可能速度を拡張している。さらに対歩行者の巻き込みにも対応可能となった。

 

運転席側にもカメラが追加された。トップビュー機能では4つのカメラで撮影した画像を合成し、車両全周を1画面で確認できる。これにより白線や障害物が確認しやすくなり、駐車をサポートしてくれる。また死角に隠れやすい子どもやペットも把握しやすくなり、発進時の巻き込み事故などの防止に役立つ。さらに、アニメーションで車両を1周して周囲を確認できる3Dビュー機能も搭載した。

 

スバル初の機能として、フロント自動表示(オートモード)が採用されている。車速が15km/h未満になると、部分トップビュー+フロントビュー画面を自動的に切り替える。一時停止や右左折時の減速するシーンで画面の切り替えスイッチを押さなくてもフロントビュー画面が表示されるので、ドライバーは運転に集中できる。

 

これらの新機能に加えて、GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と、車線単位の道路情報を持つ3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握する。運転支援機能を大幅に拡張したアイサイトXをはじめとした国産車トップレベルの運転支援機能が充実している。

 

他にも、ドライバー異常時対応システムに緊急通報機能を連携させている。システムが作動し車両がドアロック解除すると同時に、自動的にSTARLINK経由で緊急通報サービスに接続する機能だ。

 

安全装備に関しては、レヴォーグとレイバックに違いはない。レヴォーグは6グレード設定だが、グレード間で安全装備に差はない。両車共に、非常に高い安全性能を誇るモデルだ。

レヴォーグとレイバックはインテリア構成に違いはないが、インテリアカラーで差別化

内装、室内空間の比較

現行型レヴォーグと新型レヴォーグ レイバックのボディサイズは以下の通り。

 

全長×全幅×全高

ホイールベース

現行型レヴォーグ

4,755mm×1,795mm×1,500mm

2,670mm

新型レイバック

4,770mm×1,820mm×1,570mm

2,670mm

レヴォーグはSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用している。

総合安全性能のレベルと引き上げるとともに、ドライバーの意思に充実なハンドリングや不快な振動騒音を低減し、快適な乗り心地を提供してくれる。

 

さらにレヴォーグは、高いポテンシャルをもつSGPをベースに、ボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」や微小な変形を抑える「構造用接着材」などを採用し、更なる高剛性化と軽量化を実現させている。

 

VN型レヴォーグのインテリアは「安定」「安心」「愉しさ」の3つの軸によってデザインを構成し、先進性と居心地の良さを融合した空間に仕上げている。その中心は大型のセンターパネルだ。高精細のセンターインフォメーションディスプレイで先進性を象徴している。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のインパネデザイン

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のインパネデザイン

レイバックのインパネデザイン

※上図:レイバックのインパネデザイン

インストルメントパネルに沿って、中央から左右に広がる水平基調の造形の流れは「安定の軸」を表現している。室内のワイド感の演出と、視界の広さや安定感を表した。そして「安心の軸」はドライバーとパッセンジャーの腰廻を包み込むような造形だ。

 

「愉しさの軸」となっているのが、前方から後方へ流れるようなドアトリムのデザインだ。クルマが走り出し、車窓の風景が動き始めるワクワクする瞬間を表現している。

 

VN型レヴォーグのインテリアは、素材の質感や色の配置にこだわり、「使いやすさ・先進性を表現した機能デザイン」と「人の乗り物に求められる柔らかさや手触りの良さ」を表現し、快適さと上質感を高めることで、乗る人すべてを満足させるインテリアとなっている。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のメーター

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のメーター

レイバックのメーター

※上図:レイバックのメーター

特にクルマとドライバーの接点であるHMI(ヒューマンインターフェイス)を充実させている。クルマを運転させる際に必要な様々な情報の「認知」と状況に応じた「操作」を的確にサポートする仕様だ。走行時に必要な情報をアイサイトアシストモニターとメーターに、設定や操作はセンターインフォメーションに集約された。必要な時にはそれぞれを連携した表示を行うことにより、ドライバーの視線の移動を減らしながら、かつ瞬時に必要な情報を表示できるようになっている。

 

アイサイトXを搭載したモデルは、12.3インチのフル液晶メーターを装備している。運転操作に必要な情報やアイサイトXの作動状態が大きく、グラフィカルに表示される。運転中も瞬時に必要な情報を認識可能だ。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の運転席

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の運転席

フロントシートには、新開発のスポーツシートを採用した。本格的なバケットシートに匹敵する高いホールド性を持たせている。同時にサイドサポートの形状を工夫することで、乗り降りしやすい実用性も兼ね備えた。さらに、座ったときにかかる体圧を均等に分散するシート形状や手触りの良いシート生地の採用などで、快適性や質感も大幅に向上している。

 

VN型レヴォーグのリアシートは4:2:4の分割可倒式だ。前後着座間隔は先代モデルより+25mm、リアシート座面長を+18mm延長することで、長時間の乗車でも疲れない快適な居住スペースを実現した。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の後席

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の後席

リアシートはフロントシートと同様に、表皮の分割数を増やしている。さらに着座面の表皮材裏面のウレタンの厚さを従来型の5mmから11mmに変更した。立体的な造形を実現するとともに、触り心地も向上している。また、座面のクッション長を延長したことで、大腿部のサポート性を向上。長時間乗車時の疲労を軽減するとともに快適性も増している。

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の荷室

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)の荷室

VN型レヴォーグの荷室は新開発のハンズフリーオープンパワーリアゲートを採用した。利便性を向上させつつ、容量は先代より+10Lの492Lを確保している。(サブトランクを含まず)

 

リアゲートの開口幅は1,055mmだ。従来モデルより+30mm拡大し、荷物が積みやすくなった。加えて床下に設置されたサブトランクは、より大きな荷物が収納できるように空間を最大限に拡大している。また、リアクォーターポケットのサイズの拡大や、カーゴサイドフックを追加し、さらに利便性が高くなっている。

 

インテリアの基本的な構成はVN型レヴォーグとレイバック共に共通しており、大きな違いはない。差別化されているのは、インテリアカラーだ。

レヴォーグはブラックを基準にSTIスポーツにはボルドーとブラックの2トーンカラーが用意されている。

レイバックは、上質さとスポーティさを兼ね備えた都市型SUVを意識している。落ち着いたブルー系をベースとしながら、アッシュのコンビシート表皮とした。さらに、カッパーステッチを追加しオシャレなインテリアにまとめている。

レイバックの運転席

※上図:レイバックの運転席

レイバックの後席

※上図:レイバックの後席

フロントシートはクッションフレームのサポートワイヤを廃止し、インサートワイヤの追加による座面の土手の高さを最適化している。乗降性に配慮しながらも高いホールド性を確保している。

レイバックの荷室

※上図:レイバックの荷室

最低地上高が200mmとなったことで、地面から荷室までの高さが690mmになった(レヴォーグは619mm)。

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レヴォーグは2種類のエンジンだが、レイバックは1種類

走行性能、燃費性能の比較

レヴォーグとレイバックの最高出力と燃費性能は以下の通りだ。

 

VN型レヴォーグ(D型)

 

最高出力

最大トルク

燃費

1.8L

177ps

300Nm

13.5km/L

2.4L

275ps

375Nm

11.0km/L

※双方、水平対向4気筒ターボ・改良前モデル・WLTCモード

 

レヴォーグ レイバック

 

最高出力

最大トルク

燃費

1.8L

177ps

300Nm

13.6km/L

※水平対向4気筒ターボ

VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のエンジンルーム

※上図:VN型レヴォーグ(マイナーチェンジ前)のエンジンルーム

VN型レヴォーグに搭載されているエンジンは、1.8L水平対向4気筒ガソリンターボと2.4L水平対向4気筒ガソリンターボの2種類だ。

新型レヴォーグレイバックは1.8L水平対向4気筒ガソリンターボ1種類のみとなっている。

VN型レヴォーグの燃費性能向上はあまり無いとみられ、改良前の燃費と同等程度といったところだろう。

レイバックのエンジンルーム

※上図:レイバックのエンジンルーム

レイバックの燃費は13.6km/L。最低地上高のアップなどの理由で、レヴォーグより若干数値が悪化されると予想されていたが、想定より良い数値だ。

 

VN型レヴォーグのデビュー時から搭載されているのが、CB18型という新開発の1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(DIT)エンジンだ。先代に搭載されていた1.6Lターボエンジンと比較すると以下の特徴を持っており、よりコンパクトで軽量なエンジンといえる。

  • クランク全長を40mm短縮
  • 全長44mm短縮
  • 約5kgの軽量化を実現し

最高出力177ps、最大トルク300Nmを発生しながら、シリンダーのロングストローク化を実現している。ピストンスカーブ部には、新パターンの樹脂コートや樹脂製ロッカーカバー、チェーンカバーをスバルとして初採用している。

 

また、リーン燃焼を採用することで、エネルギー損失が少なく、熱効率に優れていて同じ量のガソリンからより多くのエネルギーを取り出せる。

現行型レヴォーグに搭載されている1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(DIT)エンジンは、状況に応じて理論空燃比のストイキ燃焼とリーン燃焼を切り替えている。燃費性能、環境性能を向上させ、WLTCモードで13.6km/Lという燃費性能を実現している。

 

さらに排ガス成分の浄化のため、この1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(DIT)エンジンは通常と異なる触媒を採用している。この触媒はガソリン成分にわずかに含まれる硫黄成分が堆積するが、高速走行時に自然に除去されるという。また、使用燃料はレギュラーガソリンを推奨している。ハイオクガソリンを給油した場合、燃費や始動性が悪化することがあり、性能を十分に発揮できないことがあるので注意が必要だ。

 

この1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(DIT)エンジンに組み合わされるトランスミッションは、リニアトロニックというCVTだ。新型トルクコンバーターの採用によって、エンジン回転数を抑えながら、滑らかに加速する。

 

2021年に追加されたハイパフォーマンスモデルである「STI スポーツ R」には、新開発の2.4L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載した。ハイオクガソリンを使用し、最高出力275ps、最大トルク375Nmを発生させる。

 

駆動方式は全車4WDを採用した。搭載されている4WDシステムは、アクティブトルクスプリットAWDという。従来型より、後輪への駆動力を素早く配分できるように制御を変更されている。

VN型レヴォーグに搭載されたアクティブトルクスプリットAWDの新制御は、クルマの挙動と操舵のズレのない狙いどおりのコーナリングが可能となった。

さらに、STI Sportには専用の4WD制御として、スポーツモードを追加している。アクセルのオフ時にも後輪への駆動力を保持することで、前輪のコーナリングフォースを確保し、旋回性能を高めている。

 

VN型レヴォーグとレイバックは、同じ1.8Lエンジンを搭載している。レイバックには、2.4Lエンジンは搭載されていない。そのため、力強さでは同等レベルと予想できる。

この1.8Lエンジンは、少々クセが強めに出る。力強さを演出したいためなのか、アクセル操作以上に、トルクが急激に増すことがあるのだ。ちょっと唐突感があり、慣れるまでは違和感があるだろう。また、高回転域では、ややパンチに欠ける傾向にある。

 

レヴォーグとレイバックの大きな違いは、最低地上高や、キャラクターの違いによる乗り心地とハンドリングだ。乗り心地を比較すると、レヴォーグは硬めのセッティングでスポーティさを強調されている。

対してレイバックはしっかりと足を動かすことで路面追従性を高め、しなやかな乗り味となっている。荒れた路面での乗り心地の良さは、レイバックの美点だ。

 

ハンドリングを比較すると、レヴォーグのシャープさが際立つ。僅かなステアリング操作に対しても瞬時に反応してくれるので、山道などをハイスピードで駆け抜けるようなシーンはとても楽しめる。

 

レイバックは、背の高いクロスオーバーモデルとは思えないシャープなハンドリングに驚いた。こうした背の高いクロスオーバーモデルの中では、かなりシャープなハンドリングだ。レヴォーグを少し穏やかにした程度なので、意外なほど山道もキビキビと軽快に駆け抜ける。

レヴォーグ D型の価格アップ次第では中古車も視野に。レイバックはSUVとしては手の届く価格

価格比較

VN型レヴォーグのD型は、運転支援機能のアイサイトXが標準装備になっているので、大幅に価格がアップすると想定されていた。GT-H EXで価格は3,795,000円。

レイバックは、スバルが少しお買い得感ある価格に設定したと公表していた。レイバックの価格は3,993,000円。また、ハーマンカードンサウンドシステムが標準装備されるなど、装備が充実している。

 

VN型レヴォーグがマイナーチェンジを受けて大幅値上げになると想定されているので、予算や納期重視であれば、中古車という選択もある。

VN型レヴォーグの中古車相場は、2021年式で約260~350万円(2023年10月調べ)だ。当時の新車価格に対して、約84~86%まで価格を下げている。

 

悩みどころは、VN型レヴォーグのD型はアイサイトの進化分とアイサイトXが標準装備されている点にある。2021年式ならば、流通量の多いアイサイトXのオプション装着車を選択するとよい。この年式のアイサイトでも十分なレベルの予防安全性能をもっているので、価格次第では中古車もありだ。

 

ただ、2021年式VN型レヴォーグは人気が高く、中古車価格は高値を維持している。300万円台前半で程度のよい車両が見つかれば、中古車という選択もありだろう。

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まさに、自身のライフスタイル次第

おすすめはレヴォーグ?それともレイバック?

VN型スバル レヴォーグは、スポーティなステーションワゴンを追求している。ワゴンのカタチをしたスポーツカーのようだ。その象徴ともいえるのがSTIモデルである。

走る楽しさの優先順位が高いのであれば、迷わずVN型レヴォーグを選択するとよい。

 

その一方で、SUVに興味があるものの、フォレスターまで本格的なモデルでなくてもよい。むしろ、ライトな都市型SUVが好き。でも、走りの良さや機能には妥協したくないというのであれば、レイバックという選択になる。しなやかなフットワークながら、スポーティなハンドリングは、多くの人にお勧めできる。

 

このように、自分のライフスタイルや好みをハッキリさせれば、自然と答えが出るだろう。

買い替え前に愛車の買取相場表を確認する

スバル レヴォーグ、レヴォーグレイバック 価格・スペック

スバル レヴォーグ、レヴォーグレイバック 価格

レヴォーグ(D型)

3,795,000円~

レヴォーグレイバック価格

3,993,000円~

 

スバルレヴォーグ(D型)燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

1.8STIスポーツEX(4WD)

全長×全幅×全高

4,775mmx1,795mm×1,500mm

ホイールベース

2,670mm

最低地上高

145mm

最小回転半径

5.5m

車両重量

1,600㎏

エンジン型式、種類

CB18型 水平対向DOHC16バルブ4気筒直噴ターボ

総排気量

1,795cc

最高出力

130kw(177ps)/5,200-5,600rpm

最大トルク

300N・m(30.6kg-m)/1,600-3,600rpm

WLTCモード燃費

13.5km/L

駆動方式

4WD

ミッション

リニアトロニック(CVT)

サスペンション前/後

ストラット/ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ前後

225/45R18

 

スバル新型レヴォーグレイバック燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

レヴォーグ レイバック リミテッドEX

全長×全幅×全高

4,770mm×1,820mm×1,570mm

ホイールベース

2,670mm

最低地上高

200mm

最小回転半径

5.4m

車両重量

1,600kg

エンジン型式、種類

CB18型 水平対向DOHC16バルブ4気筒直噴ターボ

総排気量

1795cc

最高出力

130kw(177ps)/5,200-5,600rpm

最大トルク

300N・m(30.6kg-m)/1,600-3,600rpm

WLTCモード燃費

13.6km/L

駆動方式

4WD

ミッション

リニアトロニック(CVT)

サスペンション前/後

ストラット/ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ前後

225/55R18(オールシーズンタイヤ)

レヴォーグのカタログ情報

スバル,レヴォーグ
現行モデル
令和2年10月(2020年10月)〜現在
新車時価格
310.2万円〜576.4万円

レヴォーグの在庫が現在186件あります

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員