スバルはSUV系に強いメーカーのため、国内外を問わず根強い人気がある。購入に迷う人も多いだろう。今回は、スバルでラインアップされているSUV全車種について特徴や中古車相場、おすすめグレードについて解説する。購入の参考にしてほしい。
どの程度の予算で探したら良いか分からない…
- スバルのSUVの特徴
- スバルSUVの一覧
- スバルのSUVその1.SK系 フォレスター(5代目)
- スバルのSUVその2.GU系 クロストレック
- スバルのSUVその3.ソルテラ
- スバルのSUVその4.BT系レガシィアウトバック(2023年7月大幅改良前モデル)
- スバルSUVのお勧め中古車
- スバルのSUV購入はリセールバリューも考慮しよう
スバルのSUVの特徴
スバルは、SUV系に強いメーカーのひとつだ。国内スバルのラインアップは、OEMモデルを除くと8車種だ。そのうち、SUVやクロスオーバーモデルは4車種ある。はやりのSUVということもあり、ラインアップを強化しているのだが、スバルは独自の4WD技術にこだわってきた歴史がある。そのため、4WD技術を生かしやすいSUVやクロスオーバー車が多いメーカーなのだ。
スバルSUVの一覧
スバルのSUVラインアップは計4車種だ。全長が長い順に並べると下記の通りだ。
スバルのSUV一覧:車種 |
全長 |
スバル アウトバック |
4,870mm |
スバル ソルテラ |
4,690mm |
スバル フォレスター |
4,640mm |
スバル クロストレック |
4,480mm |
最も全長が長いのは、ステーションワゴンベースのクロスオーバーモデルであるアウトバックという結果となった。次にソルテラやフォレスターだ。さらに小さいのは、クロストレックということになる。
また、各モデルがフルモデルチェンジし、最新モデルとなった時期は下記の通りだ。
車種 |
発表時期 |
スバル アウトバック |
2021年10月 |
スバル ソルテラ |
2022年4月 |
スバル フォレスター |
2018年6月、2021年大幅改良(マイナーチェンジ発表) |
スバル クロストレック |
2022年12月(価格発表) |
最も古いモデルは、フォレスターとなった。フォレスターは、2021年に大幅改良(マイナーチェンジ)が行われた。通常のサイクルであれば、次のフルモデルチェンジのタイミングは2024年頃だろう。フォレスターの購入は、納車のタイミングを含め慎重に検討しよう。購入直後にフルモデルチェンジが行われる可能性や、リセールバリューが低くなるからだ。
同様にアウトバックも2024年が大幅改良(マイナーチェンジ)のタイミングになる。購入するならば、大幅改良後のモデルがお勧めだ。
ソルテラとクロストレックは、新しいモデルのため大幅改良(マイナーチェンジ)やフルモデルチェンジを気にする必要はないだろう。
次に、今まで紹介した各モデルの特徴やスペック、中古車相場、お勧めグレードなどを紹介する。
*中古車相場は、2023年7月調べ
スバルのSUVその1.SK系 フォレスター(5代目)
車種 |
SK系スバル フォレスター(5代目) |
ボディサイズ |
全長4,640mm×全幅1,815mm×全高1,715mm(STIスポーツ) |
最高出力/最大トルク |
177ps/300Nm(1.8Lターボ) 145ps/188Nm(2.0L e-BOXER) 184ps/239Nm(2.5L)*大幅改良前モデルのみ |
燃費性能 |
13.6~14.0km/L(WLTCモード) |
乗車定員 |
5名 |
駆動方式 |
4WDのみ |
最低地上高 |
220mm |
最新新車価格 |
2,992,000~3,630,000円 |
中古車相場 |
約260~310万円(2020年式) |
SK系スバル フォレスターの特徴
SK系フォレスターには、スバルの最新プラットフォーム(車台)であるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用されている。そのため、運動性能が飛躍的に向上した。
2018年に登場したモデルながら、ハンドリングや乗り心地、静粛性などは、最新のライバル車にも劣らない高いレベルを誇る。2022年に追加されたSTIスポーツは、フロントに日立アステモ製のダンパーを装備した。そのため、スポーティなハンドリングと快適な乗り心地を両立している。また、背の高いSUVであることを感じさせない軽快感もある。内装は、より上質なタイプに変更した。装備も充実しているため、最もお勧めするグレードだ。
4WDには、悪路走破性を高めるX-MODEを備えた。最低地上高は、クラストップレベルの220mmを確保した。そのため、悪路走破性は非常に高いレベルにある。さらに、運転席からの視界も良好で、荷室や室内も広くて扱いやすい。高い完成度を誇るSUVだ。
唯一の弱点が燃費である。マイルドハイブリッドシステムを搭載した2.0L e-BOXERは、小さなモーターのため、モーター走行できる領域がとても少ない。その結果、ガソリン車とほとんど変わらない燃費となっている。燃費を重視する人にはお勧めできないモデルとなる。
スバルのSUVその2.GU系 クロストレック
車種 |
GU系スバル クロストレック |
ボディサイズ |
全長4,480mm×全幅1,800mm×全高1,575mm(リミテッド) |
最高出力/最大トルク |
145ps/188Nm(2.0L e-BOXER) |
燃費性能 |
16.4km/L(FF、WLTCモード) 15.8km/L(4WD、WLTCモード) |
乗車定員 |
5名 |
駆動方式 |
FF、4WD |
最新新車価格 |
2,662,000~3,289,000円 |
GT系XV中古車相場 |
約190~250万円(2020年式) |
GU系スバル クロストレックの特徴
スバル クロストレックは、XVと呼ばれていたモデルだ。フルモデルチェンジのタイミングで、車名を北米などで使用されていたクロストレックに統一した。初代XVから通算すると、4世代目となる。
XVの開発は、ベースとなるインプレッサの後に行われてきた。しかし、世界的なSUVブームもあり、今までとは逆の手順で開発が行われた。GU系クロストレックからは、先にGU系クロストレックを開発し、インプレッサの開発に移っている。それだけに、GU系クロストレックの完成度は、非常に高いレベルにある。
GU系クロストレックは、悪路を苦も無く走破することが可能だ。最低地上高は、SUVとして十分な200mmを確保し、4WDモデルには、悪路走破性を高めるX-MODEを装備しているからだ。安価なFF(前輪駆動)も用意されている。
オンロードでは、軽快感のあるハンドリングが楽しめる。一般的に、全高が高くなると重心高が高くなり、車体は不安定になりがちだ。しかし、GU系クロストレックは、背の高さをあまり感じさせず、安定した姿勢でカーブを抜けていく。乗り心地は、やや硬めだが快適だ。静粛性も高い。
新車時に装着されているタイヤは、オールシーズンタイヤだ。ちょっとした雪でも走行が可能なタイヤである。しかし、グリップ力は、スタッドレスタイヤに負ける。そのため、降雪地域の人は、スタッドレスタイヤに履き替えることをお勧めする。
GU系クロストレックのパワーユニットは、FB20型2.0L水平対向4気筒エンジン+小さなモーターを組み合わせたe-BOXERのみである。フォレスターと同じパワーユニットだが、GU系クロストレックは車重が少し軽いので、走りが力強い。このe-BOXERは小さな出力のモーターを使うため、低燃費効果はあまりない。燃費を重視する人には、向かないモデルだ。
そして、最大の武器ともいえるのが予防安全装備パッケージ「アイサイト」だ。予防安全装備の能力は、クラストップレベル実力を持っている。見通しの悪い交差点で衝突リスクを軽減する。従来のアイサイトは、ステレオカメラを採用していたが、最新のアイサイトには広角カメラが加わった。これにより、よりワイドに監視ができるようになった。
重要な自動ブレーキは、歩行者や自転車、自動二輪にも対応する。事故の多い交差点内では、右左折時の歩行者や自転車、右折時の対向車にも対応する。見通しの悪い交差点で衝突リスクを軽減する。
スバルのSUVその3.ソルテラ
車種 |
スバル ソルテラ |
ボディサイズ |
全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mm |
システム最高出力 |
218ps(160kW) |
フロントモーター |
80kW |
リヤモーター |
80kW |
一充電走行距離 |
567km(FF、WLTCモード) 487~542km(4WD、WLTCモード) |
乗車定員 |
5名 |
駆動方式 |
FF、4WD |
最新新車価格 |
5,940,000~6,820,000円 |
スバル ソルテラの特徴
2022年4月にBEV(バッテーリー電気自動車)の新型スバル ソルテラが発表された。新型スバル ソルテラは、トヨタとの共同開発車だ。デザインや機能に若干の違いがあるがトヨタ bZ4Xと姉妹車関係にある。
トヨタのGA-Kプラットフォーム(車台)をベースとして、BEV用を開発した。床下に71.4kWhという大容量の駆動用バッテリーを搭載している。航続距離は、4WDモデルで487~542km(WLTCモード)という距離を走行できる。これだけの航続距離があるなら、一般的な使い方であれば十分といえる。
ソルテラの4WD車は、前後に80kWのモーターを搭載し、システム最高出力は160kW(218ps)を誇る。数値だけ見ると、それほどパワフルな印象は無いが、注目したいのは最大トルク。最大トルクは、前後に169Nm、計338Nmである。自然吸気ガソリンエンジンだと3.5L級の最大トルクになる。モーターの特性でアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクが発生するため、パワフルに感じる。
一方、FF(前輪駆動)車は、最高出力150kW(204ps)、最大トルク266Nmのモーターをフロントに1基搭載している。この仕様でも、十分パワフルに感じる。
ソルテラの4WDモデルの特徴は、常時後輪にトラクションがかかっていることだ。bZ4Xは、走行状況に合わせFFと4WDを切り替える。ソルテラの乗り心地は、bZ4Xと比べるとやや硬めでハンドリング重視の仕様となっている。静粛性は、BEVのため非常に高い。
後席はとても広い。バッテリーを床下に搭載しているため、フロアが高くなっている。しかし、全高を抑えているため、膝がやや上に上がったような姿勢で座ることになる。慣れれば、それほど不快感はない。荷室は十分な広さがあるが、荷室高は低めだ。空気抵抗を下げて電費を向上させるため、全高を抑え傾斜したリヤゲートとしているからだ。そのため、高さがある荷物は載せにくい。
ソルテラの重心高は、フォレスターなどのガソリン車と比べると、非常に低くなっている。全高を下げ、床下にバッテリーを搭載したからだ。そのため、カーブでの安定感は抜群だ。背の高いSUVなのに、路面に吸い付いているような安定した姿勢でカーブを曲がる。車体の傾きも少ない。とても気持ちよく走れるクルマに仕上がっている。
スバルのSUVその4.BT系レガシィアウトバック(2023年7月大幅改良前モデル)
車種 |
BT系スバル レガシィアウトバック |
ボディサイズ |
全長4,870mm×全幅1,875mm×全高1,670mm |
最高出力/最大トルク |
177ps/300Nm(1.8Lターボ) |
燃費性能 |
13.0km/L(4WD、WLTCモード) |
乗車定員 |
5名 |
駆動方式 |
4WDのみ |
最新新車価格 |
4,147,000~4,290,000円 |
中古車相場 |
約360~400万円(2021年式) |
BT系スバル レガシィアウトバックの特徴
2021年10月にBT系スバル レガシィアウトバックは、フルモデルチェンジした。ベースとなるのは、車名からも分かる通りレガシィツーリングワゴンだ。レガシィツーリングワゴンは、国内では発売を終了しているが、SUVテイストをプラスしたアウトバックは根強い人気があるため、継続販売されている。
BT系レガシィアウトバックは、今回のフルモデルチェンジでSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用している。このSGPを採用したことで、運動性能や乗り心地、静粛性が大幅に向上した。
搭載エンジンは、CB18型と呼ばれる1.8L水平対向4気筒ターボだ。最高出力は177psだが、最大トルクは300Nmと自然吸気3.0Lガソリンエンジン相当する。この最大トルクを1,600回転から発生するので、なかなか力強い走りをみせる。
ただし、電動化の技術が入っていない純ガソリンエンジンのため、燃費値は13.0km/L(4WD、WLTCモード)と少々物足りない。燃費を重視する人にとっては、選択肢から外れてしまうモデルだ。
走りは、安定している。最低地上高が213mmもあるクロスオーバーモデルとは思えないほどだ。最低地上高も十分なため、悪路走破性も高い。
予防安全装備パッケージ「アイサイト」も装備している。さらに、高度な運転支援機能「アイサイトX」も装備されている。高速道路などで50km/h以下の速度だと、ハンズオフが可能となる機能だ。高速道路での移動が多い人は、疲労軽減のメリットがある。2023年秋以降に発売される大幅改良後のモデルには、広角カメラがプラスされ、予防安全性能を大幅に向上させている。
レガシィアウトバックは、ステーションワゴンとしての機能性も高いレベルにある。荷室容量は561L(カーゴフロアボード上部:522L、サブトランク39L)と広いスペースを誇る。レジャーシーンにも対応する十分なスペースを確保している。
スバルSUVのお勧め中古車
スバルのSUVは2023年にクロストレックがXVのフルモデルチェンジとして発売されたり、レガシィアウトバックのマイナーチェンジが期待されている。新型やマイナーチェンジモデルの発売は旧型中古車価格に影響を与える。新モデルの納期や性能にもよるが、場合によっては中古車も購入の選択肢になるだろう。各スバルSUVの中古車でおすすめの年式やグレードを紹介する。
SK系フォレスターのお勧め中古車の年式とグレード
SK系フォレスターは、人気モデルでSUVということもあり、リセールバリューが高く、中古車価格も高値を維持している。買い得感が出てきているのは、デビュー直後の2018年式だ。中古車相場は、約220~290万円となっている。
お勧めグレードは、X-BREAKだ。水平対向4気筒2.5Lエンジンを搭載している。燃費は13.2km/L(WLTCモード)と、最新の2.0L e-BOXERの燃費14.0km/Lと比較しても、それほど大きな差はない。むしろ、2.5Lエンジンにはトルクがあるので、より力強く走りやすい。高速道路などは、余裕を感じる。
外装デザインは、オレンジの差し色が入ったスタイリッシュな仕様だ。内外装デザインは、撥水シート生地などが採用されるなど、アウトドア感を意識している。
BT系スバル レガシィアウトバックのお勧め中古車の年式とグレード
BT系レガシィアウトバックの中古車流通量は、かなり少ない。中古車相場もバラつきがあるものの、約360~400万円(2021年式)となっている。根強いファンと、少ない中古車流通量の影響もあり、中古車価格は高値を維持している。予算次第とはいえ、これだけ高価だと新車を値引きしてもらい購入したほうがよいだろう。
しかし、BT系レガシィアウトバックは、2023年秋以降に大幅改良(マイナーチェンジ)モデルが投入される予定だ。大幅改良(マイナーチェンジ)モデルが投入されると、大幅改良前モデルの価格は下がると予想できる。BT系レガシィアウトバックの中古車購入を考えているのであれば、大幅改良後モデルが投入され、中古車価格が下落傾向に転じてからが買い時といえるだろう。
GT系XVのお勧め中古車の年式とグレード
GU系スバル クロストレックは、新型車ということもあり、中古車流通量は非常に少ない。さらに、半導体不足による納期の長期化により、中古車価格が新車価格を上回る車両も見受けられる。そのため、お勧め中古車としてピックアップしたのは、先代モデルであるGT系XVだ。2017~2023年まで発売されたモデルである。
お勧めグレードは、2.0e-Sアイサイトだ。装備面では、LEDヘッドライトや運転席・助手席パワーシートなども装備されていて十分に満足できるものになっている。最上級グレードのアドバンスもある。内外装が豪華なものが好みならアドバンスもありだろう。
GT系XVもスバルの最新プラットフォーム(車台)であるSGPが採用されている。そのため、やや古いモデルながら、走行性能などは高いレベルにある。また、パワーユニットには、マイルドハイブリッドシステムを搭載したe-BOXERも設定されている。そのため、燃費や、モーターアシストによるアクセルレスポンスが向上している。
GT系XVの中古車相場は、約190~250万円(2020年式)だ。全車4WDでFFの設定はない。燃費は、1.6Lと2.0Lの設定があるが、余裕のある走りが可能な2.0Lがお勧めだ。2.0L車にe-BOXERが搭載されているのは、2019年10月以降のクルマである。
ソルテラの新車価格帯で買えるお勧め中古SUV(BEV)は「BMW 」
スバル ソルテラは、登場したばかりの新型車で、BEVということもあり、中古車の流通量は極めて少ない。そのため、ソルテラの新車価格(5,940,000~6,820,000円)で買える中古BEVをピックアップした。今回ピックアップしたお勧め中古BEVは、BMW iX3だ。
2021年にBMW iX3は登場した。ガソリン車と同じボディを使いBEV化している。SUVだが、4WDの設定はなく後輪駆動のみとなっている。最新モデルの新車価格はiX3 Mスポーツが9,220,000円だ。
iX3の走行性能は、BEVになっても、まさにBMW車といえる。スポーツカーのような切れ味の鋭いハンドリングと286ps&400Nmを発揮するモーターとの組み合わせは、爽快な走りを披露する。0-100km/h加速は6.8秒と、ちょっとしたスポーツカー並みだ。駆動用バッテリーを床下に設置したことで、重心が下がり、カーブでの安定感は高くなっている。
iX3のバッテリー容量は、80kWhと大容量だ。508kmもの走行が可能である。高速道路など電費が良いことで、コースティングを積極的に使い、電費を伸ばすことができる。
魅力的なiX3だが、中古車になると中古車相場の幅が少し広い。中古車流通量が少ないからだ。2022年式で、おおよそ500~600万円だ。この年式の新車価格は862万円なので、新車価格の58~70%にまで下がっている。4WD車は選べないが、欧州プレミアムブランドのiX3が、これだけ安価に買えるのだ。iX3の中古車は、非常にコストパフォーマンスに優れていてお勧めだ。
スバルのSUV購入はリセールバリューも考慮しよう
スバルのSUVはリセールバリューが高い傾向にある。また、2023年はクロストレックが登場して間もなかったり、レガシィアウトバックのマイナーチェンジが期待されている。そのため、車購入にあたってはリセールバリューの変化も気にしながら選びたい。
フォレスターのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成30年7月(2018年7月)〜現在
- 新車時価格
- 280.8万円〜385.0万円
フォレスターの在庫が現在144件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。