新型シエンタVS 80系ヴォクシーを比較!クラス違いの人気ミニバン買うならどっち?

新型シエンタVS 80系ヴォクシーを比較!クラス違いの人気ミニバン買うならどっち?

新型シエンタはコンパクトミニバン、ヴォクシーはMサイズミニバンとして人気だ。シエンタの納期が遅いため、同価格帯の中古車ヴォクシーを検討している人もいるだろう。今回は新型シエンタと80系ヴォクシーの燃費や走行性能などを比較評価した。購入の参考にして欲しい。

どの程度の予算で探したら良いか分からない…

中古車探しをガリバーに相談

新型シエンタは納期が不明な状態

2022年8月に10系新型シエンタが発売され、大ヒットしている。2022年度は、旧型を含む約9.3万台を売り、登録車販売台数ランキングでは堂々の5位だ。

人気の理由は、コンパクトなボディに、両側スライドドアをもつ3列シート車であることだ。さらに、圧倒的な低燃費を誇るハイブリッド車や、クラストップレベルの予防安全装備を備えていることも、売れている大きな要因のひとつだ。

しかし、唯一の弱点と言えるのが「納期」だ。2023年5月時点でトヨタのHP上では、納期不明な状態である。ハイブリッド車などは、納期が6ヵ月以上長期化していると言われている。

 

そこで、注目を集めているのが中古車シエンタだ。しかし、10系新型シエンタの中古車価格は、新車価格を越えるほど高騰している。こうなると、中古車を買うメリットがあまりない。

そんな中、注目したいのが、3代目80系ヴォクシーだ。80系ヴォクシーは、シエンタより1クラス上の広大な室内空間や装備を持っている。さらに、シエンタの新車価格程度で買える状態だ。旧型とはいえ、1クラス上ですぐに納車が可能なら、かなり魅力的な1台である。

今回は、新車シエンタと3代目80系ヴォクシーを徹底比較評価する。

車種

発売開始年月

旧型シエンタ(2代目、170系)

2015年7月

新型シエンタ(3代目、10系)※今回の比較対象

2022年8月

旧型ヴォクシー(3代目、80系)※今回の比較対象

2014年1月

新型ヴォクシー(4代目、90系)

2022年1月

トヨタ シエンタの特徴

燃費・走行性能・予防安全装備すべての性能が飛躍的に上がった

10系シエンタ全景

※上図:10系シエンタ全景

10系シエンタは、2022年8月にフルモデルチェンジし、3代目となった。フルモデルチェンジでは、燃費や走行性能、予防安全装備の性能が飛躍的に上がった。乗り心地や操縦安定性に大きく寄与するプラットフォーム(車台)は、最新のGA-Bが採用された。軽量・低重心が売りのプラットフォームを得たことで、走行性能は大幅に向上した。

また、1.5Lハイブリッドシステムも最新バージョンへ進化している。燃費性能はさらに向上し、出力アップも実現した。予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の自動ブレーキ検知能力は、世界トップレベルの実力を誇る。

そして、デザインはアウトドア的でカジュアルに変更した。愛着のわく、可愛らしいデザインが魅力だ。

3代目80系トヨタ ヴォクシーの特徴

今でも燃費値・デザインが優れている人気のモデル

80系ヴォクシー(マイナーチェンジ前)全景

※上図:80系ヴォクシー(マイナーチェンジ前)全景

80系となる3代目トヨタ ヴォクシーは、2014~2021年まで販売された、Mクラスのミニバンだ。2.0Lガソリンと1.8Lハイブリッドを搭載している。1.8Lハイブリッド車は、旧型になったとはいえ、今でも優れた燃費値を誇る。

80系ヴォクシー(マイナーチェンジ後)全景

※上図:80系ヴォクシー(マイナーチェンジ後)全景

80系ヴォクシーは2017年のマイナーチェンジで、外観デザインが大きく変更された。マイナーチェンジ前も、迫力のあるデザインだったが、マイナーチェンジ後ではさらに先鋭化している。ヘッドライトを上下2分割化した、ヴェルファイアのようなフロントフェイスになった。このデザインは、人気が高く、モデル末期になっても販売の好調を維持したほどだ。

走行性能面では、乗り心地と静粛性の向上が図られ、より上質な走りとなっている。

両車、優れた燃費値で甲乙つけがたい

1.燃費比較

シエンタの評価 4.0

80系中古車ヴォクシーの評価 3.5

 

シエンタの燃費は以下の通りだ(WLTCモード、FF、以下同)。

エンジンの種類

燃費

1.5ハイブリッド車

28.2~28.8km/L

1.5Lガソリン車

18.3~18.4km/L

80系中古ヴォクシーの燃費は以下の通りだ(マイナーチェンジ後)。

エンジンの種類

燃費

1.8Lハイブリッド車

23.8km/L

2.0Lガソリン車

16.0km/L

シエンタの燃費は、80系ヴォクシーを上回っている。ボディが小さく、排気量も少ないからだ。燃費だけを重視するのであれば、シエンタという選択肢になる。

しかし、80系ヴォクシーの燃費も優秀だ。ハイブリッド車の燃費を比較すると、約16~17%しか悪化していない。この落ち幅をどう判断するかが重要だ。なぜなら、この燃費悪化分で、シエンタとは比べ物にならないくらいの室内空間が手に入るからだ。室内空間をより重視しているのであれば、許容範囲内の燃費といえるのではないだろうか。

シエンタより安価になってきた80系ヴォクシー

2.価格比較

シエンタの評価 3.0

80系中古車ヴォクシーの評価 4.0

 

トヨタ シエンタの新車価格は以下の通りだ。

エンジンの種類

X FF 5人乗り

Z 4WD 7人乗り

1.5Lハイブリッド車

2,380,000円

~3,108,000円

1.5Lガソリン車

1,950,000円

~2,560,000円

80系トヨタ ヴォクシーの中古車価格相場は、おおよそ以下の通りだ。(2023年5月調べ)

エンジンの種類

2020年式

2016年式

1.8Lハイブリッド車

約270~300万円

約170~250万円

2.0Lガソリン車

約240~280万円

約140~220万円

*1.8Lハイブリッド車の2020年式はマイナーチェンジ後、2016年式はマイナーチェンジ前

狙い目は、80系ヴォクシーハイブリッド車だ。2020年式80系ヴォクシーハイブリッドの中古車相場は、シエンタハイブリッド(Z 4WD 7人乗り)の新車価格より安価になっている。一方、ガソリン車は、80系ヴォクシー中古車相場の方が高めだ。こうなると、80系ヴォクシーハイブリッドの買い得感が際立ってくる。

さらに、2016年式になると、中古車相場も幅が広くなっている。中古車の状態に差が出てきているからだ。良質な中古車ほど、価格が高くなっている。シエンタの新車価格と比べると、ガソリン車、ハイブリッド車共に買い得感が出ている。そのため、新車シエンタより、安価で80系ヴォクシーを手に入れることが可能だ。

ただし、2016年式になると、故障のリスクが出てくる。新車のシエンタでは、保証が長いので故障に対する修理代リスクは、ほとんど無い。そのため、2016年式ヴォクシーを選ぶ際には、故障リスクを考えておくことが必要だ。

値引きは難しいが、交渉次第では可能

3.購入時の値引き術

シエンタの評価 3.0

80系中古車ヴォクシーの評価 3.0

 

トヨタ シエンタは、販売は好調だが半導体不足により、未だ納期が不明な状態が続いている。(2023年5月現在)売り手有利な状況もあり、値引きは渋めだ。ただ、納期が長期化していることもあり、お詫びの一環で、5~10万円程度の値引きが行われているようだ。

しかし、何もしなければ、5~10万円程度の値引きも引き出せず、値引きがほぼゼロになることも珍しくない。値引き交渉のコツは、ライバル車となる新車ホンダ フリードの見積りを先に取り、商談することだ。また、中古車80系ヴォクシーの見積りも重要だ。納期が長く、値引きもないなら、1クラス上の中古車もありという姿勢を見せて値引きを促したい。

 

一方、中古車80系ヴォクシーは、なかなか値引きは難しい。中古車は、あまり値引きをしない傾向にあるからだ。逆に、値引きを要求していないのに、大幅値引きを切り出してきた場合は、なにか裏があるかもしれないので、警戒した方がよいだろう。

見積りは、本命車の見積りを取ったお店の近隣中古車店で取ることをお勧めする。似たような車種・価格・年式の車両を見つけて、見積りを取りたい。80系ヴォクシー以外なら、日産セレナやホンダ ステップワゴンなどでも良いだろう。

 

商談では、多くの中古車店が、即決させたがる傾向がある。「他の客も商談していて早い者勝ち」、「すぐに売れてしまう」など、言ってくるだろうが鵜呑みにするのは控えよう。こうしたトークが始まったら「すぐに決めるつもりはない。同じような中古車も検討したい」と伝え、切り返すとよい。

駆け引き上手な人にお勧めなのが「逆即決」だ。本来、営業マンが顧客に即決を迫るが、逆に顧客が営業マンに「即決」を迫るというテクニックである。営業マンは、すべてを受け入れてくれることはないにせよ、ある程度妥協してくるはずだ。上手く駆け引きすると、よい買い物ができるだろう。

特に値引きやサービスの提示がない場合は、他のお店を検討することをお勧めする。

オシャレ系シエンタ。マイナーチェンジ前後でやや評価が異なる80系ヴォクシー

4.デザイン

シエンタの評価 4.0

80系中古車ヴォクシーの評価 3.5

10系シエンタ全景

※上図:10系シエンタ全景

シエンタは、従来のミニバンとは異なるデザインが使われている。ミニバンは、大きく見えて、迫力のあるデザインが必須とされてきた。歴代ヴォクシーも、迫力のあるデザインを踏襲している。その結果、人気モデルとなった。

10系シエンタのフロントフェイス

※上図:10系シエンタのフロントフェイス

ところがシエンタは、大きく見えるデザインにこだわらなかった。ボディのコーナーは、丸くし、シカクマルシルエットとした。小さなクルマだからこそ生まれる、愛着の湧く可愛らしさも表現した。

10系シエンタのリヤエンド

※上図:10系シエンタのリヤエンド

また、ボディサイドにプロテクションモールを装着した。SUVなど、アウトドアのようなツール感をプラスしている。トヨタは、デザイントレンドを敏感に感知し、上手くアレンジして使う傾向がある。その結果、シエンタの外観デザインは、とても好評だ。

インテリアデザインは、水平基調でカジュアルにまとめられた。外観デザインと共通性をもたせたシカクマルデザインを、カップホルダーなどにも採用している。視界も良好で運転しやすさを感じさせる。

80系ヴォクシー

※上図:80系ヴォクシー

80系ヴォクシーのデザインテーマは、「EMOTIONAL BOX」だ。個性豊かな表情と魅惑的な印象を備えた力強い箱を追求した。このデザインテーマに加え、大きくて迫力のあるデザインテイストがプラスされている。今となっては、それほど迫力あるデザインとはいえない。

しかし、デビュー当時はユニークで十分インパクトのあるスタイルだった。

80系ヴォクシーのフロントフェイス

※上図:80系ヴォクシーのフロントフェイス

80系ヴォクシーのリヤエンド

※上図:80系ヴォクシーのリヤエンド

インテリアは、複雑な線と面を組み合わせた、ラグジュアリーなデザインが特徴だ。上級グレードには、ピアノブラックが多用され、高級感をアピールしている。

80系ヴォクシー(マイナーチェンジ後)の全景

※上図:80系ヴォクシー(マイナーチェンジ後)の全景

マイナーチェンジ前のデザインも完成度が高かった。しかし、2017年のマイナーチェンジでは、フロントフェイスのデザインが大きく変更された。ヘッドライトは、1クラス上のヴェルファイアのイメージを引き継ぐような、上下2段のヘッドランプを採用している。さらに、台形でボトム部をかなりワイドにした、大型グリルが組み合わされた。グリルのフレーム部分にはメッキ加飾が施され、独特の存在感を主張する。ひと目でヴォクシーと分かる個性的なデザインとなった。

シエンタと80系ヴォクシーのデザインを比較すると、対局にあるように見える。どちらを選ぶかは、もはや好みの問題といった印象だ。ただし、どちらもデザインの方向性が異なる。そのため、デザインだけで選ぶのではなく、どんな使い方をしたいか、どんな機能が優先すべきかを検討する必要がある。

広さでは80系ヴォクシー、使い勝手面ではシエンタ

5.室内空間と使い勝手

シエンタの評価 3.5

80系中古車ヴォクシーの評価 3.5

 

トヨタ シエンタの室内サイズ、ホイールベース、最小回転半径は以下の通りだ。

 

7人乗り(FF

室内サイズ

室内長2,545mm×室内幅1,530mm×室内高1,300mm

ホイールベース

2,750mm

最小回転半径

5.0m

80系トヨタ ヴォクシーの室内サイズ、ホイールベース、最小回転半径は以下の通りだ。

 

7人乗り(FF

室内サイズ

室内長2,930mm×室内幅1,540mm×室内高1,400mm

ホイールベース

2,850mm

最小回転半径

5.5m

80系ヴォクシーの運転席

※上図:80系ヴォクシーの運転席

80系ヴォクシーの後席

※上図:80系ヴォクシーの後席

80系ヴォクシーの荷室空間

※上図:80系ヴォクシーの荷室空間

室内スペースを比べると、80系ヴォクシーの室内長が長く広いことが分かる。3列目シートの居住性を重視するのであれば、80系ヴォクシーという選択になる。シエンタの3列目は、小さな子供用と考えると良いだろう。もちろん、荷室スペースも80系ヴォクシーが勝る。

同様に、室内高は100mmも差がある。シエンタでも十分な解放感があるが、80系ヴォクシーには敵わない。

10系シエンタの運転席

※上図:10系シエンタの運転席

10系シエンタの2列目シート

※上図:10系シエンタの2列目シート

10系シエンタの3列目シート

※上図:10系シエンタの3列目シート

10系シエンタの荷室空間

※上図:10系シエンタの荷室空間

全幅は、両車5ナンバーサイズということもあり、ほぼ同じだ。また、左右の乗員との距離も両車同等レベルで、大きな差はない。80系ヴォクシーのZS系は、全幅1,735mmだが、外板パーツによる全幅拡大のため、室内幅には影響しない。前後の室内スペースでは、ホイールベースが長い80系ヴォクシーが圧倒するものの、使い勝手面ではホイールベースが短いシエンタが圧勝する。

 

最小回転半径は、シエンタの5.0mに対して、80系ヴォクシーは5.5mと大きい。狭い駐車スペースでの取り回しでは、シエンタが便利だ。また、全幅は同じでも狭い路地などでは、小回りが利くので運転しやすい。運転が苦手な人や高齢者でも扱いやすいと感じるだろう。

よくクルマを使い、3列目シートをあまり使わない人であれば、シエンタがお勧めだ。

比較対象にならないほど大きな差がついた予防安全装備

6.安全装備の比較

シエンタの評価 4.5

80系中古車ヴォクシーの評価 2.5

 

トヨタ シエンタに標準装備されている予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、クラス世界トップレベルの実力を誇る。

10系シエンタのインパネデザイン

※上図:10系シエンタのインパネデザイン

重要な自動ブレーキの検知対象は、下記の通りだ。

  • 昼夜の歩行者と自転車
  • 昼間の自動二輪
  • 右左折時の歩行者
  • 右折時の対向車

そのため、衝突回避・被害軽減が可能だ。交差点内での事故は非常に多い。こうした検知対象の広さは、交通環境下において非常に効果的と言える。

予防安全装備に加え、運転支援機能PDA(プロアクティブドライビングアシスト)も標準装備されている。PDAは、システムがリスクの先読みを行い、ドライバーの安全運転をサポートする。自動運転時代の到来を感じさせる装備だ。

横断中の歩行者を発見すると、減速操作をアシストする。路肩に歩行者や自転車、駐車車両がいると、近付き過ぎないように、減速やステアリング操作をアシストしてくれる優れものだ。

さらに、信号などで先行車が減速すると、自車のアクセルがオフであれば、先行車との距離と保ちながら減速する。停止は自らがブレーキを踏む必要があるものの、ブレーキ操作する回数が大幅に減り、ドライバーの疲労軽減に繋がる。

ただし、ローテク予防安全装備はオプションのため、少々物足りない。エントリーグレードでは、後側方車両接近警報であるBSMやパーキングサポートブレーキ(後方)などが、オプション設定になっている。

 

予防安全装備を80系ヴォクシーと比較すると、雲泥の差となっている。予防安全装備は日進月歩といった状態のため、2014年デビューの80系ヴォクシーでは太刀打ちできない状態だ。

80系ヴォクシーのインパネデザイン

※上図:80系ヴォクシーのインパネデザイン

とくに、デビュー直後のモデルには、自動ブレーキそのものが用意されていない。2016年の改良で、対車両・低速域のみの自動ブレーキ機能をセットにした「トヨタセーフティセンスC」が用意された。しかし、廉価グレード系はオプション設定だ。ライバル車の多くが歩行者検知機能を備える中、2019年1月の改良でトヨタセーフティセンスに歩行者検知機能が追加された。

予防安全装備の性能を重視するのであれば、間違いなくシエンタという選択になる。80系ヴォクシーで、少しでも安全性能を重要視するのであれば、2019年1月の改良後モデルがお勧めだ。

加速感は同等だが、カーブでの安定感はシエンタが上回る

7.走行性能の比較

シエンタの評価 4.0

80系中古車ヴォクシーの評価 3.5

 

トヨタ シエンタの出力、車重は以下の通りだ。

 

1.5Lハイブリッドシステム

1.5Lガソリン

出力

116ps

120ps&145Nm

車重(FF)

1,330~1,370kg

1,270~1,300kg

80系トヨタ ヴォクシー(マイナーチェンジ後)の出力、車重は以下の通りだ。

 

1.8Lハイブリッドシステム

2.0Lガソリン

出力

138ps

152ps&193Nm

車重(FF)

1,610~1,620kg

1,570~1,600kg

10系シエンタのエンジンルーム

※上図:10系シエンタのエンジンルーム

シエンタの1.5Lハイブリッドシステムは、最新世代へアップデートされた。その結果、先代シエンタよりもパワフルになった。

システム出力は、80系ヴォクシーは138ps、シエンタは116psと大きな差になっている。だが、80系ヴォクシーの車重が250~280kgほど重い。加速力ではほぼ互角、もしくはシエンタがわずかに上回る印象だ。ガソリン車も同様の傾向にある。

操縦安定性では、全高と重心が低い最新のGA-Cプラットフォームを採用したシエンタが上回る。カーブは、安定していて安心感がある。

80系ヴォクシーのエンジンルーム

※上図:80系ヴォクシーのエンジンルーム

80系ヴォクシーは、シエンタと比べるとかなり重心が高い。高い全高と狭い全幅の組み合わせだからだ。重心が高いため、大きなカーブでは、やや不安定な姿勢になる傾向がある。

80系ヴォクシーのマイナーチェンジ後モデルは、静粛性と乗り心地の改良が行われた。改良により、乗り心地は洗練さを増し、ハイブリッド車の静粛性はさらに高められた。乗り心地と、静粛性に関しては、80系ヴォクシーがシエンタを上回る。シエンタの乗り心地も良好だが、やや硬めでスポーティな印象がある。

リスク含みなシエンタ。長期間高リセールバリューが続く80系ヴォクシー

8.リセールバリュー比較

シエンタの評価 4.0

80系中古車ヴォクシーの評価 4.0

 

シエンタは、納期が長期化している。そのため、新車価格越えの中古車が流通しているほど、高いリセールバリューを維持している。しかし、高いリセールバリューが長く続くとは考えにくい。半導体不足が解消され、かつ通常納期に戻れば、リセールバリューは下落するだろう。ただし、下落するとはいえ、平均値を割るような落ち込みはないと考えられる。むしろ、平均値より高めのリセールバリューを維持すると予想できる。

シエンタでプラス査定が期待できるオプションは、下記の通りだ。

  • アルミホイール
  • 5インチディスプレイオーディオ
  • パノラミックビューモニター

80系ヴォクシーは、人気ミニバンということもあり、低年式になっても高リセールバリューを維持している。販売台数も多く、しばらく人気が下がることはないだろう。そのため、リセールバリューは大幅に下がることはないと考えられる。

ただ、80系ヴォクシーの場合、マイナーチェンジ前後で、リセールバリューが大幅に変わるため注意が必要だ。80系ヴォクシーの中でも、高査定がより期待できるグレードは、エアロパーツ類が装備された最上級グレードのZS系だ。

プラス査定になる装備は、下記の通りだ。

  • 両側パワースライドドア
  • 純正ナビ

広さを求めるなら80系ヴォクシー。使いやすさや安全性能ならシエンタ

9.まとめ・総合評価

 

新車シエンタと中古車80系ヴォクシーを比べるときに重要なのは、何を重視するかである。例えば、新車シエンタの予算で、高年式80系ヴォクシーの中古車に乗れるのは、かなり魅力的だろう。こうしたクルマの乗り方ができるのは、中古車ならではだ。

また、より広い室内スペースが欲しいものの、予算の都合で新車シエンタを選択しようとしている人なら、同等の予算で広大な室内スペースをもつ80系ヴォクシーが手に入るのも大きなメリットといえる。スライドドアの開口部も広く、屋根も高いので高齢者などの送迎にも便利だ。

ヴォクシーの中古車在庫情報をチェック>

その一方で、狭い道をよく利用し、扱いやすさを重視する人なら、小回りが利くクルマが良いだろう。3列目シートは緊急用として使い、通常は2列シートで十分ならば、シエンタという選択肢になる。日々使うので、燃費が重要という場合もシエンタを選ぶと良い。

シエンタの登録済み未使用車をチェック>

 

シエンタ

ヴォクシー

総合得点(40点満点)

30.0

27.5

1.燃費

4.0

3.5

2.価格

3.0

4.0

3.購入時の値引きしやすさ

3.0

3.0

4.デザイン

4.0

3.5

5.室内空間と使い勝手

3.5

3.5

6.安全装備

4.5

2.5

7.走行性能

4.0

3.5

8.リセールバリュー

4.0

4.0

 

トヨタ シエンタ価格

■1.5Lハイブリッド FF(前輪駆動)車

 

5人乗り

7人乗り

X

2,380,000円

2,420,000円

G

2,650,000円

2,690,000円

Z

2,870,000円

2,910,000円

■1.5Lハイブリッド 4WD(E-Four)車

 

5人乗り

7人乗り

X

2,578,000円

2,618,000円

G

2,848,000円

2,888,000円

Z

3,068,000円

3,108,000円

■1.5Lガソリン FF(前輪駆動)車

 

5人乗り

7人乗り

X

1,950,000円

1,990,000円

G

2,300,000円

2,340,000円

Z

2,520,000円

2,560,000円

トヨタ シエンタ燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

シエンタハイブリッドZ 7人乗り FF

ボディサイズ[mm]

4,260mm×1,695mm×1,695mm

ホイールベース[mm]

2,750mm

最低地上高[mm]

140mm

最小回転半径[m]

5.0m

車両重量[kg]

1,370kg

総排気量[cc]

1,490cc

エンジン種類

M15A-FXE型 直3 DOHC

システム出力[kw(ps)]

85kw(116ps)

ミッション

電気式無段変速機

WLTCモード燃費[km/l]

28.2km/l

バッテリー 種類

ニッケル水素

サスペンション前/後

ストラット/トーションビーム

タイヤサイズ

185/65R15

トヨタ 80系ヴォクシー中古車価格相場(2023年5月調べ)

 

2020年式

2016年式

1.8Lハイブリッド車

約270~300万円

約170~250万円

2.0Lガソリン車

約240~280万円

約140~220万円

*1.8Lハイブリッド車の2020年式はマイナーチェンジ後、2016年式はマイナーチェンジ前

トヨタ 80系ヴォクシー燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

80系ヴォクシーハイブリッドZS 7人乗り FF

ボディサイズ[mm]

4,710mm×1,735mm×1,825mm

ホイールベース[mm]

2,850mm

最低地上高[mm]

160mm

最小回転半径[m]

5.5m

車両重量[kg]

1,620kg

総排気量[cc]

1,797cc

エンジン種類

2ZR-FXE型 直4DOHC

システム出力[kw(ps)]

100kw(136ps)

ミッション

電気式無段変速機

WLTCモード燃費[km/l]

23.8km/l

バッテリー 種類

ニッケル水素

サスペンション前/後

ストラット/トーションビーム

タイヤサイズ

205/55R16

ヴォクシーのカタログ情報

トヨタ,ヴォクシー
現行モデル
令和4年1月(2022年1月)〜現在
新車時価格
309.0万円〜396.0万円

ヴォクシーの在庫が現在606件あります

以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。

もっと在庫を見る

ヴォクシーとライバル車を比較する

その他のクルマと比較する

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員