この記事の目次 CONTENTS
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BMWのEVの概要
iX xDrive50の試乗概要
BMW iXのインパネデザインは近未来的
BMW iXの外観デザインは個性的
iX xDrive50のパワフルなエンジン・走行性能
乗り心地は静粛性も高く快適
BMW iX価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

BMWの新型EV(電気自動車)であるiXを試乗した。高級SUVとして選択肢に入るiXの価格や走行性能、燃費面を中心に解説したので是非購入の検討材料にして欲しい。

BMWのEVの概要

早期からEVに取り組んできたBMW

BMWは多くのスポーツモデルを世に送り出しているが、早くからEV(電気自動車)戦略に積極的なメーカーのひとつでもある。2014年には画期的なEVであるi3を日本にも投入した。このi3には、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のボディなどが採用されている。
こうした技術は、新型EVであるBMW iXにも活かされている。

iX xDrive50の試乗概要

iX

試乗したのはiX xDrive50だ。iXは、アルミ・スペースフレーム構造とカーボン・ケージによって軽量化されている。と言っても、車重はiX xDrive50の場合2,350kgとかなり重い。
重量級ボディになった理由は2つある。

  1. ボディサイズが大柄(全長4,955mm×全幅1,965mm×全高1,695mm)
  2. 駆動用リチウムイオンバッテリーの容量が大容量(111.5kWh)

とにかく気を使ったのが全幅だ。2mに近くあるので、狭い道ではストレスになる。
しかも、最小回転半径は6mだ。Lクラスのミニバンであるアルファード&ヴェルファイア以上の数値なので、狭い駐車場での出し入れは苦労するだろう。

大柄なボディサイズが功を奏し、室内スペースは広大だ。

iXのフロントシート
iXのリヤシート

EV専用プラットフォーム(車台)なので、フロアはフラットである。ホイールベースは3mもあるので、後席は余裕で足が組めるほどだ。フロントシートは、大型でゆったりとしている。オプションでマッサージ機能もプラスできる。

iXの荷室

BMW iXのインパネデザインは近未来的

iXのインパネ

インパネまわりのデザインは、今までのBMW車のイメージをまったく感じさせない近未来的なものだ。12.3インチのメーターに14.9インチのコントロールパネルをつなげたカーブドディプレイを装備している。モニターはドライバー側にカーブしているので、視認性もよい。

iXのメーター

センターコンソールには、iDriveというクリスタル製ダイヤル式コントローラーを装備した。他のBMW車のように、抜群の操作性を誇っている。もちろん、タッチパネルでの操作も可能だ。
六角形のステアリングホイールは、BMW車として初めて採用している。

BMW iXの外観デザインは個性的

iXの外観

新型BMW iXの外観デザインは、塊感が強く、ユニークだ。

iXのフロントフェイス

EVであるiXにはラジエーターが無いので、本来グリルは必要ない。だが、BMWの象徴である大型のキドニーグリルは外せない。導風口は必要ないので、独特の模様が施された。
さらに、BMWで最もスリムなヘッドライトが組み合わされ、ひと目でiXと分かるフェイスデザインになっている。ルーフラインは、後端にむけ緩やかに下がっていく伸びやかさをもつ。

iXのリヤエンド

リヤデザインも個性的だ。細いコンビネーションランプを高めの位置に水平配置しワイド感を強烈にアピールしている。フェンダー部分も力強く盛り上がっていて、タフなSUV感と安定感あるシルエットに貢献している。

iX xDrive50のパワフルなエンジン・走行性能

新型BMW iX xDrive50は、前後にモーターを設置した4WD車である。出力とトルクは以下の通りだ。

フロントモーター 258ps&365N・m
リヤモーター 313ps&400N・m
合計 523ps& 765N・m

トータルのシステム出力はと驚くほどパワフルである。
ちなみに、V8 4.4Lターボエンジンを搭載するBMW M5の出力は625ps&750Nmだ。iXはスポーツカーであるM5を上回るほどトルクを生み出せるモーターを積んでいる。
モーターは、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発生する特性をもつ。そのため、iXはアクセルをグッと床まで踏み込むと、巨体をものともせず怒涛の加速を始める。身構えているドライバーでさえ、頭をヘッドレストに押し付けられるほどのGが長時間かかるのだ。スピードメーターは、あっという間に3桁に突入する。車重は2,350kgもある巨体なのに、0-100km/hの加速は、なんと4.6秒だ。スーパーカー並みの数値を叩き出した。

これだけパワフルなのに、市街地や高速道路走行時は非常にジェントルである。EVらしく、スルスルと滑らかに走る。アクセルを戻した時の回生ブレーキの効き方も、とても自然だ。ガソリン車のような減速感なので、ガソリン車から乗り換えても違和感なく乗れる。よりガッツリと回生ブレーキを効かせたければBレンジを選択すればよい。

BMW iXの充電口

BMW iXの充電口

乗り心地は静粛性も高く快適

iX xDrive50の乗り心地

試乗したiX xDrive50の乗り心地は、とても快適だった。路面の凹凸などをほとんど感じさせない。オプションの22インチ大径タイヤを履いているのに、ゴトゴト・ゴツゴツ感が伝わってこないのだ。まるで、路面の上を滑っているような感覚になる。これは、iX xDrive50に装備されたエアサスペンションによるものと、非常に強固になったボディの恩恵だ。BMWのフラッグシップSUVであるX7よりも乗り心地が良く感じた。さらに静粛性も高いので、車内はとても快適だ。リラックスして長距離移動できる。

快適性を支えるiXの性能・機能面

優れた快適性を誇るiXだが、走りの楽しさも併せ持っているのはBMWらしい。

クルマの運動性能に大きくかかわる重心高は、かなり低くなっている。
iXの全高は1,695mmだ。似たボディサイズをもつX5の全高は1,770mmなので、かなり全高を押さえたボディサイズになっている。それに加え、大きく重いリチウムイオン電池をフロア下に設置した。
カーブは低めの重心高のおかげで、車体が大きく傾くことなくピタッと安定した姿勢で駆け抜けることが可能となった。

エアサスペンション装着車は、Sportモードへの切り替えると、ダンパーがやや硬めに変化する。車高も下がり、よりクイックなハンドリングになる。車高はスイッチひとつで20mm高くしたり、10mm低く設定することも可能だ。

ステアリング操作は、他のBMW車と同様、クルマが忠実に動く。iX xDrive50には前後輪統合制御ステアリング・システムであるインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングが装備されている。この機能は、走行状況に応じて、後輪を積極的に操舵する。よりスポーティな走行をアシストしながら、旋回時の安定性を高める効果がある。

iX xDrive50は、2,350kgもある車重を感じさせないくらい軽快だ。EV専用車であっても、BMWらしい駆け抜ける歓びは失っていない。

十分な航続距離

iX xDrive50の航続距離は650km(WLTCモード)となった。EVは運転の仕方により大きく航続距離が変化するが、丁寧な運転ができる人なら、500km以上の実航続距離になるだろう。この航続距離が長いか短いか、というのは個人差があるものの、1日で1,000km一気に移動する人でなければ十分な航続距離といえるだろう。

BMW iX価格・スペック

BMW iX価格

iX xDrive50は安くはないが、高級SUVの選択肢として十分に魅力的な価格だ。

iX xDrive40 10,700,000円
iX xDrive50 12,800,000円

BMW iX xDrive電費、ボディサイズなどスペック

代表車種 iX xDrive50
ボディサイズ 全長4,955mm×全幅1,965mm×全高1,695mm
ホイールベース 3,000mm
最低地上高 200mm
車両重量 2,530kg
駆動方式 4WD
サスペンション形式 前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
フロントモーター最高出力 258PS(190kW)/8,000rpm
フロントモーター最大トルク 365N・m(37.2kgf・m)/0-5,000rpm
リヤモーター最高出力 313PS(230kW)/8,000rpm
リヤモーター最大トルク 400N・m(40.8kgf・m)/0-5,000rpm
システム最高出力 523PS(385kW)
システム最大トルク 765N・m(78.0kgf・m)
タイヤ前/後 255/50R21
一充電最大走行可能距離 650km(WLTCモード)